ホームページ制作に使える補助金・助成金制度|注意点や制作費用相場も解説!

創業手帳

ホームページ制作にかかる費用は補助金・助成金を活用しよう


自社のホームページを制作しようと考えた時、外部に委託するとなると費用がかかってしまいます。
少しでも費用面の負担を軽減したい場合、ホームページ制作に使える補助金・助成金制度を活用するのも1つの方法です。

今回は、ホームページ制作に使える補助金・助成金制度の種類と特徴について、さらに補助金・助成金制度の選び方や注意点を解説します。

ホームページ制作にはまとまった費用がかかりますが、国や自治体の補助金を活用すれば、自己負担を大きく抑えることができます。
創業手帳の「補助金ガイド」では、最新の補助金・助成金情報をまとめていますので、あわせてご確認ください。

補助金ガイド

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この記事の目次

【全国】ホームページ制作で使える補助金・助成金制度


ホームページ制作で使える補助金・助成金制度は、全国で使えるものと各地方自治体で使えるものの2種類に大別できます。
まずは、全国で使えるホームページ制作の補助金・助成金制度を紹介します。

IT導入補助金

IT導入補助金は、ITツールを導入することで、生産性アップや業務効率化を目指す事業者を応援する補助金制度です。
中小企業や小規模事業者が対象であり、IT導入補助金事務局に登録している「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んだ上で申請することになります。

ホームページ制作にIT導入補助金を利用する場合、業務効率化やDX推進、売上アップなどが期待できるツールを選ぶ必要があります。
単にホームページを制作するためのツールは対象外となってしまうので注意してください。
また、IT導入補助金の公式サイトにある「ITツール・IT導入支援事業者検索」にヒットするITツールまたは導入支援事業者が対象です。
導入したいツールが決まっていても、登録されていないものだと補助金が受けられないので事前の確認が必須です。

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【2025年最新版】IT導入補助金とは?わかりやすく解説

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、生産性の向上にともなう時間外労働の削減と有給休暇・特別休暇取得の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主が対象の助成金です。
支給対象となるのは労働管理担当者に対する研修や労務管理用ソフトウェアの導入・更新などで、そのうちホームページ制作で活用できるのは「人材確保に向けた取組み」に限られます。
例えば、求人・採用に関するホームページ制作を行う場合には、支給対象に該当するため助成金を受けることも可能です。

申請の受付は2025年11月28日(金)までです。
ただし、国の予算額によって支給対象事業主数に制約があるため、場合によっては11月28日よりも前に受付が締め切られる可能性もあります。
働き方改革推進支援助成金を希望する際は、早めに申請を出すようにしてください。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性の向上を目標に、新製品やサービスの開発、新たな生産方式を採用するなど、その事業に必要な設備投資を支援する補助金制度です。
新規事業や販路拡大を目的としている場合に認められる可能性が高いです。例えば、新規顧客の獲得を目的としたECサイトの構築などが挙げられます。
そのため、単に既存のホームページをリニューアルさせたい場合などは補助対象外になってしまうので注意してください。

また、ものづくり補助金は基本要件として、以下の要件すべてを満たす3~5年の事業計画書を作成し、実行しなくてはなりません。

付加価値額の成長 年間で平均3%以上の増加
給与の成長 最低賃金の直近5年間の年平均成長率と同等以上、または年平均2%以上の給与支給総額の増加
最低賃金の水準 最低賃金より30円以上高い賃金を支払っている
従業員21日以上の事業者向け要件 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している
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【地方自治体】ホームページ制作に使える補助金・助成金制度


各地方自治体でもホームページ制作に使える補助金・助成金制度が見つかる場合もあります。
こちらで紹介する制度も参考にしつつ、住んでいる地方自治体の補助金・助成金制度を探してみてください。

【北海道稚内市】中小企業振興助成金(販路拡大支援事業助成金)

稚内市では中小企業向けに助成制度を実施しています。様々な助成制度がありますが、その中でホームページ制作に活用できるのは、「販路拡大支援事業助成金」です。
こちらは特定展示会への出展や新商品の開発、自社ホームページの制作など、事業に必要な経費に対して助成金が交付されます。

ホームページ制作等事業では、自社ホームページを新規で制作する、または外国語に対応するための外部委託費などが対象経費に含まれます。
補助率は1/2で、上限額は30万円までです。年間1回まで利用でき、創業から1年以上経過していることが条件となります。

【東京都中野区】経営力強化支援事業補助金

中野区では、経営力の強化に向けて取り組む中小企業や個人事業主を対象に、経費の一部を補助する制度を実施しています。補助内容は以下のとおりです。

  • 販路開拓支援
  • 多様性への対応支援
  • 創業期の広報力強化支援
  • 子育て環境施設整備支援
  • IT・DX対応支援

この中でホームページ制作に活用できるのは、創業期の広報力強化支援になります。この補助枠は申請時に創業5年未満の企業が対象となるため注意してください。
補助額は20万円で、申し込み期間は2025年4月1日(火)~2026年1月31日(土)までです。

【東京都江東区】ホームページ作成費補助

江東区では、中小企業や中小企業団体がPR・販路拡大を目的に、初めてホームページを開設する際の費用を一部補助しています。
補助対象の経費はホームページ制作にかかる外部委託費からホームページ作成ソフトと解説書(2冊まで)の購入費、ドメイン取得費用、サーバー利用の初期費用などが挙げられます。

補助金額は対象経費の1/2以内で、上限は10万円です。なお、交付申請書の提出は必ずホームページを開設する前に提出してください。
開設後に申請してしまうと、補助対象外となってしまうので注意が必要です。

【神奈川県海老名市】中小企業振興支援事業

海老名市では、市内で操業している中小企業を対象に、事業を実施する際の費用の一部を補助する制度として、中小企業振興支援事業を行っています。
支援メニューは9つ用意されており、その中に「ホームページ制作・リニューアル事業」が含まれています。
補助金額は、ホームページ制作またはリニューアルを委託した際にかかった費用の1/2で、上限は15万円までです。

なお、補助対象者は市内で操業している中小企業者や中小企業団体、個人事業主です。
さらに、納期限が到来した市税を完納していること、市内で1年以上継続して同じ事業に取り組んでいることなども条件に含まれます。

【三重県尾鷲市】DX推進支援補助金

尾鷲市では、市内の経済活性化につながるよう、市内事業者が取り組むDX推進にかかる費用の一部を補助金として交付する制度を設けています。
尾鷲市内に本社または主たる事業所を置く、中小企業および個人事業者が補助対象者です。
対象事業の中には、ホームページ制作費やECサイト構築費も含まれています。

補助率は1/2以内で、上限は20万円までです。申請期間は2025年5月1日(木)~2026年2月27日までです。
期間内でも予算額に達したら、その時点で締め切りとなるため注意してください。

【熊本県天草市】ブランド産品推進支援事業補助金

天草市では、市内の事業者が所得向上や天草ブランドの推進などを目的に、販路開拓や天草ブランド産品を確立するために支援を実施しています。
補助率は補助対象経費の1/2以内となりますが、限度額は対象事業によって異なるため、事前に確認しておいてください。
例えば、ホームページの制作費が含まれる「パッケージ等作成支援事業」の場合、上限は10万円です。

また、補助対象と認められるのは、ホームページを新たに制作するための事業で、ホームページ制作を外部に委託した場合も対象に含まれます。

ホームページ制作に活用できる補助金の選び方


ホームページ制作に使える補助金には、国が実施する制度や、自治体ごとに設けられた支援制度など、様々な種類があります。
それぞれ「目的」や「対象事業者」が異なるため、自社の状況に合った補助金を見極めることが重要です。

1. 目的に合った補助金を選ぶ

補助金制度はそれぞれで目的が異なります。例えば、DX推進を目的とする補助金もあれば、販路拡大を目的とする補助金、採用活動を支援する補助金などもあります。
補助金制度を申請する際に、その制度と自社の目的が合致していなければ、補助対象として認められません。
そのため、補助金制度を選ぶ際は目的が合致しているかどうかを確認してください。

2. 自社の業種・規模が対象かを確認する

各補助金制度は、対象となる業種や規模なども異なります。
例えば、補助金制度は中小企業や小規模事業者を対象にしたものが多く、大手企業を対象とする補助金はあまり見られません。
中には創業から5年未満の企業でないと対象に含まれない場合もあります。

また、適用業種が限られていたり、業種によって条件や補助金額が違っていたりすることもあります。
まずは自社の業種・規模も対象に含まれているか、さらに業種ごとで条件や補助金額などに違いはあるかなどを確認してみてください。

3. 対象となるホームページの内容かどうか

補助金制度によっても異なりますが、これから制作するホームページの内容によって補助金の対象になる場合とならない場合があります。
例えば、ECサイトや予約機能付きのサイトなどは補助対象に含まれる可能性があります。

人材採用を目的とした採用サイトは補助金の対象外になっているケースが多いです。
一方で、働き方改革推進支援助成金のように採用サイトなど、人材確保に向けたものでないと認められない場合もあります。
このように、補助金制度によって対象となるホームページの内容も違ってくることから、事前の確認は必須といえます。

4. 自治体独自の補助金もリサーチする

上記でも紹介しましたが、各地方自治体では独自の補助金制度を実施しているところもあります。
自治体の補助金制度を見つけるには、各自治体のホームページから検索する方法に加え、全国各地の補助金・助成金制度などの情報を検索できる「補助金ポータル」を利用する方法もあります。
独自の補助金制度を実施していないか、しっかりと確認してみてください。

5. 採択率や申請スケジュールも比較する

似たような補助金制度があり、どちらを選べばいいか迷っているという人は、採択率や申請スケジュールから比較してみてください。
例えば、採択率の高さや申請スケジュール的にどちらが早く採択されるのか、などです。
募集期間や準備期間なども比較ポイントになります。様々な補助金・助成金制度がある中で、自社に適したものを選んでください。

ホームページ制作で補助金を申請する際の注意点


ホームページ制作に対して補助金を申請する場合、以下の注意点も押さえておくことが大切です。ここで、補助金申請時の注意点を解説します。

単なる会社紹介サイトは対象外になる可能性がある

会社のホームページといっても、企業を紹介する「コーポレートサイト」や商品・サービスの購入・申し込みを目的とする「ランディングページ」、求職者に自社の魅力をアピールし応募を促す「リクルートサイト」などがあります。
補助金制度は明確な目的に基づいた事業が求められることから、単に企業を紹介するだけのサイトは対象外となってしまう可能性があります。

EC機能・予約機能などは補助対象になりやすい

上記で単なる会社紹介サイトは対象外になりやすいと紹介しましたが、逆に補助対象となりやすいのは、EC機能や予約機能が備わったホームページです。
必ずしも補助対象として認められるとはいえないものの、EC機能や予約機能が付いた目的を達成するためのホームページは補助対象となりやすいです。
ホームページに導入する予定の機能と、補助金の整合性を確認することもポイントになります。

デザイン費や画像撮影・ロゴ制作は対象外になることも

ホームページ制作で補助金制度を利用する場合、必ずしもすべての内訳が適用されるわけではありません。
場合によっては対象外となるケースもあります。
例えば、テンプレートのデザインを利用しただけのホームページや画像撮影やロゴ制作、既存コンテンツの転用のみ、既存サイトの模倣などが挙げられます。
見積書に補助対象経費と対象外の経費が一緒になっているケースもあるため、分けて管理しておくと安心です。

フリーランスや個人制作は対象外になる場合がある

IT導入補助金の場合、IT導入支援事業者に登録している事業者とツールの中から選ぶ必要があります。
そのため、コストを抑えようとフリーランスや個人制作に依頼すると、補助金の対象外となる可能性があるので注意が必要です。
信頼できる制作会社または支援事業者として登録しているかどうかを確認することが大切です。

「テンプレート制作」は経費とみなされないことがある

量産型のテンプレートを活用してホームページを制作した場合、デザインをつくる手間もかかりません。
しかし、テンプレートによって制作したサイトは「新たな事業性がない」と判断され、経費とみなされない可能性もあります。
経費とみなされなければ補助金制度の対象から外れてしまうことになるため、注意が必要です。
ホームページ制作に補助金を活用したい場合は、独自性があり機能的意義のあるホームページであることを明確にしてください。

ホームページ単体ではなく「事業全体の中の1要素」として申請する

ホームページ制作が目的の補助金制度はほとんどなく、基本的にはその先の販路拡大やDX推進などを満たすための手段になります。
そのため、「ホームページを制作したいから」という理由ではなく、「ホームページを制作することで新たな販路を獲得し、売上向上を目指すため」といった、事業全体の1要素として申請したほうが審査も通りやすくなるでしょう。

まとめ・ホームページ制作に補助金を活用しよう

全国または地方自治体で、ホームページ制作にも活用できる補助金・助成金制度が見つかります。
補助金・助成金制度によって対象範囲や上限額などが異なるため、自社が適用されるか事前に確認することが大切です。

補助金は予算や公募期間が限られており、申請のタイミングを逃すと利用できません。
最新のスケジュールや採択傾向を知るには無料でお配りしている「補助金ガイド」が役立ちます。ホームページ制作を検討中の方は、ぜひご活用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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