業務委託で副業をスタートしよう!メリットやデメリット、探し方を紹介
業務委託で副業に取り組む人が増えている
働き方が多様化している現代において、副業をスタートする会社員も増えています。
業務委託による副業は自分のスキルを活かして働けるだけではなく、柔軟な働き方ができる点が特徴です。
しかし、業務委託の副業について深く理解していない人もいるはずです。中には会社に副業がバレたくない人もいます。
そこで今回は、業務委託の副業について解説すると共に、副業が会社にバレるリスクや業務委託の種類、副業を始める方法などを解説していきます。
業務委託で副業をするメリットや注意点についても紹介していくので、副業を始めたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
業務委託の副業とは
副業をスタートさせたい時に選択肢として挙げられるのが業務委託での副業です。しかし、業務委託と聞いても理解していなければ安心して副業をスタートできません。
ここでは、業務委託の基本や雇用契約との違いを解説していきます。
雇用契約との違い
業務委託とは、自社では取り組めない業務を個人やほかの企業に委託する契約です。
依頼する企業と受託側は雇用契約とは異なり、対等な関係で契約を結ぶ特徴があります。
業務委託契約は法律で定義された契約形態ではなく、請負契約・委任契約・準委任契約の3つの形態を総称した呼び名となり、業務の遂行や成果に対して対価が生まれます。
一方、雇用契約は民法623条で定義されている労働供給契約の一種です。労働者が使用者となる企業の指示に従う対価として賃金を受け取る契約です。
雇用契約を締結すると、社会保険や労働保険への加入、有給休暇取得、一方的な解雇の禁止といった労働法上の保護を受けられます。しかし、業務委託では原則として適用外です。
また、雇用契約では勤務時間や勤務場所も固定され、使用者の指示に従って業務を遂行していきます。
しかし、業務委託の場合は時間や場所の拘束はないので、自分で自由に決めることが可能です。
会社員は業務委託で副業できる?バレるリスクは?
会社員が業務委託で副業をスタートしたい場合、会社にバレるリスクを気にする人もいるでしょう。多くの企業では、原則として副業が認められています。
企業によっては就業規則によって副業が禁止されているケースもあるので、副業をしたい場合には事前に就業規則を確認する必要があります。
許可されている場合には安心して副業がスタートできます。
しかし、中には副業が禁止されている企業でも副業をスタートさせたい人もいるかもしれません。
その場合は会社に言わなければバレないと考えますが、特別徴収される住民税額によって会社にバレるリスクがあるので注意してください。
住民税額は所得額によって決定するため、これまでよりも住民税額が高くなっていれば会社に「副業しているのではないか」と疑われてしまいます。
その結果、本業以外に収入がないか確認されてしまい副業がバレてしまうケースがあるので、必ず対策を行わなければいけません。
確定申告や住民税の申告時に自分で納税を行う「普通徴収」を選択すればバレるリスクを減らせます。
しかし、就業規則を守ることが何よりも大切です。規則を破れば罰則が与えられる可能性もあるので注意してください。
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業務委託の種類
前述したように、業務委託には3つの契約形態があります。それぞれの形態について解説していくので、副業選びで活かすためにも参考にしてみてください。
請負契約
受託側が仕事の完成を約束して業務を請け負う契約が請負契約です。依頼側は、成果物に対して報酬を支払います。
受託者には契約書通りの成果物を納品する義務があります。
反した場合には契約不適合責任を問われてしまうため、契約の解除や損害賠償の請求、代替物の請求、代金減額といったリスクがあります。
請負契約にあたる業務の一例は以下の通りです。
-
- ライター
- デザイナー
- コンサルタント
- プログラマー
- 警備員
- 清掃員
- 営業
- 運送
- 建設業での請負工事 など
委任契約
依頼側が受託側に対して業務の遂行を委託し、それに対して報酬が支払われるのが委任契約です。受託側には成果物の完成責任がありません。
委任契約の特徴としては、委託される業務が法律行為に限定される点です。主に以下の業務が当てはまります。
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- 弁護士
- 税理士
- 行政書士
- 社会保険労務士
準委任契約
法律以外の業務を委任する契約が準委任契約です。委任契約と同じで業務の遂行に対して報酬が発生します。例えば、以下の職種が当てはまります。
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- 医師
- ITエンジニア
- マッサージ師
- エステティシャン
- 不動産鑑定士
業務委託で副業を始める方法
業務委託で副業したいと思っても、「何から始めればいいの?」と悩むかもしれません。そんな人向けに、準備から契約までの流れを解説します。
1. 自分のスキル・得意分野を棚卸しする
自分の強みや弱みを把握するためにも、スキルや得意分野を棚卸することから始めてください。
どのような業務を請けられるかを整理し、実績や強みを言語化しましょう。簡単な職務経歴書やポートフォリオを作成しておくと便利です。
2. 実績やスキルを提示できるプロフィールを用意する
クラウドソーシングやマッチングサービスで使うプロフィール文を整えます。
自分のスキルや実績を具体的に記述していき、成果物や具体的な数値を盛り込むと信頼度が上がります。
複数のプロフィールを作成して、それぞれに特化した情報を記述していくのもおすすめです。
3. 案件を探す
求人サイト・クラウドソーシング・エージェント・SNSなどで、自分に合う業務を探しましょう。
まずは小さな案件で実績を積むのもおすすめです。下記に業務委託の副業案件を探すための方法を紹介しているので参考にしてください。
- 求人サイト:副業OKの業務委託求人が掲載されている
- クラウドソーシング:初心者でも始めやすい
- 副業マッチングサービス:スキルや報酬で絞り込みが可能
- エージェント:高単価案件を紹介してくれる
- SNS・知人の紹介:信頼関係を活かした獲得もあり
4. 契約条件をしっかり確認する
契約書の有無、報酬、納期、業務範囲などは事前に明確にしておく必要があります。「準委任」か「請負」かによって責任範囲も異なります。
そのためにも、請負や準委任、委任契約についてしっかりと理解しておかなければなりません。
5. 契約書を取り交わす
トラブルを避けるためにも、書面での契約がベストです。口頭だけでの契約やメールでのやり取りのみだとトラブルにつながる可能性があります。
また、契約書を取り交わす際には、内容をよく確認して納得できる条件になってから署名と押印をするようにしてください。
個人で受ける場合は、印紙税の扱いや報酬支払い条件なども確認しましょう。
6. 仕事開始・納品までの流れを把握する
業務を開始する前には打ち合わせを実施して、以下の事柄を決めておくとスムーズな業務遂行を目指せます。
-
- 業務開始後のやり取りの方法(チャットやメール)
- 進捗報告の頻度
- 納品形式 など
進捗状況は定期的に報告すると安心感を与えられます。信頼関係を深めるためにも有効です。
業務委託で副業をするメリット
ここからは、業務委託で副業を行うメリットを解説していきます。
働く時間や場所を選ばない
アルバイトやパートなどで働くとなれば、決まった時間に決まった場所に出勤する必要があります。
しかし、業務委託であれば自分の好きな時間に好きな場所で仕事ができる点が魅力です。
パソコンを使用して業務を行う場合は、必ずしも出社しなくても業務を行えます。
契約上の縛りがないのであれば、時間や場所を選ばずに働けるので本業が終わった後に自宅で仕事をすることも可能です。
それにともなって、人間関係によるストレスも感じにくいでしょう。
好きな仕事を選べる
業務委託の副業であれば、自分の興味に合う仕事を選んで応募できます。好きな仕事に従事できれば、意欲的に取り組めることも多いです。
また、正社員であれば上司からの指示があるだけではなく、急な対応変更などを求められるケースもあります。
しかし、業務委託であればあらかじめ業務範囲が明確に定められているので、上記のような負担も軽減されます。希望する内容に合わせた仕事に集中できるでしょう。
自分のスキルを活かして働ける
業務委託は案件ごとに契約を結びます。そのため、自分の好きな仕事を選べる点が魅力です。
専門的な知識やスキルを有しているのであれば、活かせる仕事を選んで働けるのでやりがいも大きいです。
経験や実績を積み重ねれば高単価の案件も獲得しやすくなるので、収入アップも期待できます。
幅広い業務を経験できる
会社員の場合、配属された部署で決められた業務をこなします。
現状とは異なる経験をしたくても部署異動が叶うとは限りません。そのため、幅広い経験を積むのは難しいです。
しかし、業務委託であれば自分で挑戦する仕事を選べます。
クライアントが求める能力やスキルといった条件にマッチしていれば、ジャンルを問わずに幅広い業務を引き受けられるので、仕事の幅を広げられるでしょう。
本業では経験できない分野の案件に参加することもできるため、新しい知識やスキルの習得にもつながります。
努力に応じて収入が増える
業務委託では、業務の難易度やスキルに応じて報酬が決定されます。そのため、スキルを高めれば高めるほど、採用率がアップするだけではなく単価アップも見込めます。
高単価の案件を受託できるようになれば、高収入を実現できるかもしれません。
手掛けた案件が増えれば増えるほど報酬もアップするため、努力次第では本業に劣らない程度の収入を獲得することも可能です。
業務委託で副業をするデメリット・注意点
業務委託での副業は多くのメリットを得られますが、デメリットもあります。あらかじめ把握しておけば、対処もしやすくなるでしょう。
労働基準法の適用外になる
業務委託契約では雇用関係が発生しません。そのため、労働基準法の適用外になる点に注意してください。
最低賃金や労働時間の制限についても対象外となるので、委託した業務によっては最低賃金を下回る報酬額で受注しているケースもあります。
長時間労働を余儀なくされても法律に抵触しないので、心身ともに辛くなってしまう可能性もあります。
体調が悪くなれば本業にも支障をきたしてしまうので注意が必要です。
受託する業務内容をしっかりと確認し、余裕を持って働けるか必ずチェックするようにしてください。
確定申告が必要になる
会社員として働いていれば、年末調整が実施されるので所得税の申告を自分で行う必要がありません。
しかし、副業をしている場合は20万円以上の所得があれば自分で確定申告をする必要があるので注意してください。
所得は収入から経費を差し引いた額です。
例えば、副業の売上が30万円だった場合、経費がかかっていなければ所得は30万円となるので確定申告をする必要があります。
しかし、経費で15万円かかっていれば所得が15万円となるため確定申告は不要です。
源泉徴収票、報酬の支払い調書など、本業や副業に関する書類のほか、確定申告書やマイナンバーカードを用意して確定申告を行ってください。
申告は原則として翌年の2月16日~3月15日までとなっており、期限内に申告・納付をしなければ延滞税が発生するので注意が必要です。
確定申告書は、税務署に持ち込むほか、郵送や電子申告といった方法で提出できます。自分に合った方法を選択して提出してください。
副業の確定申告については詳しくはこちらをチェック!
まとめ・スキルを活かせる副業で収入アップを目指そう
今回は、業務委託の副業について解説してきました。業務委託であれば、時間や場所に縛られずに自分に合った働き方ができます。
努力次第で収入アップも期待できるので、自分の知識やスキルを活かせる副業を探してみてください。
ただし、業務委託で副業を行うにはメリット・デメリットも存在します。きちんと理解した上で副業を行うか決めましょう。
創業手帳(冊子版)では、副業にまつわる様々な情報を掲載しています。確定申告に関する内容や節税方法などについても紹介しているので、疑問を解決するためにも活用してみてください。
(編集:創業手帳編集部)