グラアティア 竹内 恵子・新垣 道子|シェフのシェア!?女性2人起業でシリコンバレーへ。シェフとユーザーを結ぶ「グリーンダイニング」
「日々を丁寧に過ごす空間と時間を創りたい」日々の忙しさから生まれた創業ストーリー
(2017/05/11更新)
「素敵なお料理空間は、クライアントを笑顔にする」をキーワードに、鮮やかな料理・空間を提供する出張シェフと利用者をつなぐサービスを行っている「グリーンダイニング」。経産省の始動Next Innovator2016(グローバル起業家育成プログラム)のシリコンバレー最終選抜に選ばれるなど、今後が注目されるサービスです。
今回は、シリコンバレー現地で感じた刺激や、今後の目標について、グラアティア株式会社 共同代表、竹内恵子氏と新垣道子氏にコメントを頂きました。
-「グリーンダイニング」はどういったサービスですか?
出張シェフと企業を繋ぐサービスです。出張シェフに対しては新しい働き方と活躍の場を提供、企業に対してはコミュニケーションが促進される場と機会を提供しています。
リンク:http://green-dining.jp
-起業した経緯は?
2人とも多忙な会社員生活を長く経験してきました。次から次へと来る責任のある仕事をこなすことに追われる中で「日々を丁寧に過ごす空間と時間を創りたい」と思うようになりました。同じように忙しく働く仲間にも、シンプルでも豊かさのある生活を、サービスを通して提供できるようになりたい、ITも活用しよう、と始めたのがグラアティア(株)のGreen Diningサービスです。
一度きりの人生、会社員生活だけでなく、世の中に提供できる価値に自分たちでも取り組んでみたい、という気持ちも加わって、思い立ったら、ビジネスプランを書き始めていました。
-経産省の始動Next Innovator2016(グローバル起業家育成プログラム)のシリコンバレー最終選抜に選ばれたのですね。率直な感想はいかがですか?
とても驚きました。232人の応募者の中から、最終選抜20名の中にまさか選ばれるとは思っていませんでしたので。このグローバル起業家育成プログラムのシリコンバレー研修では、現地の起業家とお会いして話す機会が多々ありました。
グローバルレベルで成功している現地起業家が共通して持っている下記3つのマインドセットを獲得できたことは成果の1つです。どれも聞き慣れた言葉ばかりですが本当の意味で身につきました。
1)とにかく行動しよう! イノベーションを起こすのはテクノロジーではなく人!
2)忍耐強く粘り強くやろう!
3)失敗を恐れるな! 最終的に成功する人は挑戦する回数が多いのだ
また、新しい働き方を提案すべく、今、国内で活動されているシェフが、海外でも活躍できるよう、現地の色々な方たちに掛け合いました。私たちのグラアティアも、新しい価値を世の中に提供していくべき、日々、行動しながら、進化しています。
この進化をずっと見せ続けられるよう邁進していきます。2人とも会社員時代にはグローバル環境の中で仕事をしてきたので、グラアティアのビジネスでもグローバル展開も視野に入れて活動しています。
-経済関連団体の約2000人のパーティーを受注したと聞きました。凄いですね。当日はどうでしたか?
経済界の主要な方々がいらっしゃる大きなイベントでしたので、身を引き締めて取り組ませて頂きました。受注してから本番までの時間が短かったのですが、きめ細かいプロジェクト管理、こまめで丁寧なお客様とのコミュニケーションなど、提供したものは違っても、やったこと自体は会社員時代の仕事の進め方と大きく違いませんでした。
お料理を提供してくれた人たちは、皆さん責任を持って良いものを時間通りきっちり納入して下さり、良いチームを形成することが出来ました。どんな仕事も大きくなればなるほど一人では成し遂げられないとの再認識と、個々の素晴らしい人たちを繋ぎまとめていく役割を担えたことが私たちにとってまた一つ財産が増えたような気がしました。
-創業後に創業手帳の無料コンサルを受けて頂きありがとうございます。コンサルを受けられたご感想はいかがでしたか?
はい、とても役に立ちました。手探りで進めなくてはならない中、創業時に必要な様々な情報をまとめてタイムリーに頂けたのは本当にありがたかったです。新しいビジネスを立ち上げる時、スピード感はとても重要だと思っていますが、何をどうすれば良いかわからない時にはちょっとした調べ物でも非常に時間がかかってしまいます。手間のかかることも沢山あります。
そんな時に、何は誰に頼めば良いかなどの道しるべを示して下さったことがとても助かりました。皆さん、創業したらまず創業手帳さんを訪問しましょう。 創業者が本当に自分でやらなければいけないことと、人に頼めること(例:登記事務処理、税理など)を一緒に整理してもらうことをお勧めします。
-起業で大変だったことは?
何もかも大変な気もしますが、何もかも楽しんでいます。というのが素直な感想です。会社員とは違って、大きなことから小さなことまで全てにおいて、自分たちが正しいと思う判断、決断を日々していかなくてはならないこと、また、その選択が「正しかった」と思えるよう、行動し結果を出していかなくてはならないことが大変だけれどやりがいのあるところです。
私たちはこれまで長い会社員生活の中でたくさんのことを学んできましたが、自身が会社を立ち上げる際には、手続き関連では知らないことも沢山ありました。同時に、関わる機会のなかった業種の方々と会う機会も増えました。これまでの環境では出会えなかった新しい出会いが毎日のようにあることは楽しくて仕方ないです。困難なことも多々ありますが、1つ1つこなす中で、日々、新しい経験値を上げていけることをとても幸せに感じます。
-起業・ベンチャーで重要だと思うことは?
信念を持って取り組む力。自分を信じる力。人を巻き込む力。プロセスも結果も楽しもうという前向きさ。応援してくれる人への感謝の気持ち。そして、何よりも、今、自分が取り組んでいることが本当にやりたいことで、それをやっていることが楽しくて楽しくて仕方なくて、やって良かったと思えること、世の中の人をハッピーな気持ちに出来ると考えること、でしょうか。
-どういう目標、ビジョンがありますか?
忙しい人たちが楽しくて丁寧な時間をもっと持てるようにすることで、日々の生活が豊かになるよう支援していきたいです。
それは働き方を変えることや、出会いや会話の場を作ることなどによって実現できるのではと考えているのですが、それらを食事の持つパワーにより促進する実験を日々行っているところです。
素晴らしいスキルと経験を持つシェフの新しい働き方やクリエイティビティを発揮できる場を私たちが作ることで、シェフが幸せになり、その幸せな人が他の方々に幸せを提供できるようになると感じているからです。これが人の本質に叶い、喜んでもらえるものであれば、日本人だけでなく海外の人にも喜んでもらえるのではと思うので、国内のみならず海外にも展開する目標も持っています。
-起業家にメッセージをお願いします!
やってみないとわからないなら、一歩進めてやってみよう、沢山の人と会ってたくさん話そう、人の力も借りよう! そして、世の中にある課題の解決に向けて、共に前のめりで行動していきましょう!いつの日か点が線になることを信じながら。
(取材協力:グラアティア株式会社 代表取締役CEO 竹内恵子、新垣道子 )
(編集:創業手帳編集部)