法人化する10個のメリット!経営の透明性を図る3種の神器まで紹介
経営の透明性と社会的信用力でビジネスを有利に進めよう
個人事業主から法人化すると、社会的信用力がアップし、ビジネス面で有利に働く可能性があることをご存知ですか?
もちろん、法人化には向き・不向きがありますが、大手企業との取引を希望する方や事業を拡大していきたい方は法人化した方が良い場合があります。
今回は、法人化するメリットをご紹介します。法人化する際に必要となる経営の透明性を高める3種の神器(法人印鑑・法人口座・会計ソフト)や、それらの選び方について覚えておきましょう。
例えば、法人化する際にGMOあおぞらネット銀行の法人口座を開設すると、常設プログラムにより設立1年未満の期間は、月20回まで他行宛て振込手数料が無料となります。最大37,700円もお得となるため、法人口座の開設時におすすめです。
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この記事の目次
法人化のメリット①税制・財務面
税制・財務面の観点で法人化するメリットは4つあります。
法人税率が適用される
法人化すると、法人が得た収入に対して法人税が課せられます。
法人税は比例課税方式で、所得金額に関わらず一律の税率が適用されます。2025年2月時点の法人税の税率は23.2%です。
資本金1億円以下の中小企業は、以下のように法人税の軽減措置が取られています。
区分 | 税率 | |||
---|---|---|---|---|
普通法人 | 資本金1億円以下の法人 | 年間所得800万円以下の部分 | 適用事業者 | 15.0% (本則:19.0%) |
適用除外事業者 | 17.0% (本則:19.0%) |
|||
年間所得800万円以上の部分 | 23.2% | |||
資本金1億円以上の法人 | 23.2% | |||
一般社団法人等 | 年間所得800万円以下の部分 | 15.0% | ||
年間所得800万円以上の部分 | 23.2% | |||
公益法人等 | 年間所得800万円以下の部分 | 15.0% | ||
年間所得800万円以上の部分 | 19.0% | |||
共同組合等 | 年間所得800万円以下の部分 | 15.0% | ||
年間所得800万円以上の部分 | 19.0% |
※2026年度末まで租税特別措置が適用される
法人が所得に対して支払う税負担率を実行税率といい、法人住民税や法人地方税、法人事業税を含めると大体30%になると言われています。
一方で、個人事業主の場合、個人が得た収入に対して所得税が課せられます。所得税は超過累進課税方式で最大税率45%です。
所得900万円を超えると税率33%となるため、法人化した方が税負担は軽くなります。
経費計上の幅が広がる
法人化すると「住居費」「出張旅費」「車両関連費」「福利厚生費」「生命保険」「退職金」を経費計上できるようになります。
個人事業主でも住居費や車両関連費を経費として扱えますが、プライベートと事業利用の割合を算出しなければなりません。住居費の家賃按分は2~3割です。一方で、法人名義で物件を契約すれば社宅扱いにでき、て住居費の5~8割を経費に計上できます。
そのため、経費として諸費用を計上したい場合は法人化を検討してみるのも一つの手段でしょう。
資金調達がしやすくなる
中小企業の方が利用できる補助金・助成金の種類が豊富です。
また地域未来牽引企業支援は、特定の法人格を持つ企業のみが対象となります。低金利の融資を受けられたり、税額控除の優遇が受けられたりするため、事業拡大を検討しており、将来的に資金調達したいと考えている方は法人化を検討してみると良いでしょう。
経営の透明性を担保できる
法人は会社法に基づいて会社経営を行います。
会社法はガバナンス強化の観点から、機関設計に関するルールなど細かく規定されています。株式会社には決算公告も義務付けられており、これらにより経営の透明性を担保できているのです。
個人事業主にはフリーランス新法がありますが、経営体制の強化などは求められていません。このような違いがあるため、法人化することで経営の透明性を担保でき、取引先や顧客、求職者に信頼されやすくなります。
法人化のメリット②信用・取引面
信用・取引面の観点で法人化するメリットは3つあります。
大手企業との取引機会が増える
法人化すると大手企業との取引機会を増やせる可能性があります。なぜなら、大手企業の中には、個人事業主と取引しないと決めているところもあるためです。
個人事業主と取引しない理由はさまざまですが、例えば、個人事業主が売掛金未払いのまま死亡した場合は相続人調査をして相続人に売掛金を請求しなければなりません。
請求手続きが大変で売掛金の請求を諦める方もいます。このようなリスクを避けるために、法人のみと取引をすると決めている場合があるのです。
そのため、大手企業との取引機会を増やしたい場合は法人化を検討してみると良いでしょう。
法人向けサービスを利用できる
法人化すると法人向けサービスを利用できるようになります。法人向けサービスは、法人以外は契約できません。
法人は利用できて個人事業主は利用できないサービスは多く存在しますが、その逆はほぼありません。そのため、法人向けサービスを利用したい方は法人化しておくと良いでしょう。
企業価値を向上できる
法人化すると企業価値の向上が期待できます。社会的信用力が上がり金融機関から融資を受けやすくなると説明しましたが、取引もしやすくなります。
例えば、個人事業主だと顧客から「万が一の場合は保証してもらえるのだろうか?」と思われる場合があります。一方で、法人であれば「万が一の場合も保証してもらえるだろう」と安心して購入してもらいやすくなります。このように、法人化することで企業価値を向上できます。
法人化のメリット③経営・リスク面
経営・リスク面の観点で法人化するメリットは3つあります。
複数の会社を作れる
法人化すれば、複数の会社を作り事業を分けることができます。
個人事業主が複数の事業を展開すると、収益管理が複雑になります。どの事業に注力すべきか判断しにくくなるでしょう。
しかし、法人化して複数の会社を作り、事業を分けることで経営管理がしやすくなります。各事業の意思決定もしやすくなるでしょう。
事業の引き継ぎがしやすくなる
法人であれば、会社の経営を後継者に引き継ぐことができます。信頼できる後継者に会社を引き継ぐことができるため、技術やノウハウを世の中に残せるようになります。
個人事業主の場合でも贈与や相続、売却(M&A)で引き継ぐことは可能ですが、法人としての継続性がないため、会社を深く理解している第三者への引き継ぎが難しい場合があります。そのため、後継者を育成して事業を引き継ぎたいという想いがある場合は法人化がおすすめです。
有限責任になる
株式会社や合同会社を選び、法人化すると有限責任となります。有限責任とは法人が債務を払い切れなくなった場合に出資金はなくなりますが、それ以上の責任を負わずに済むということです。
一方で、個人事業主は無限責任で、事業が失敗したときの借金を全部背負うリスクがあります。
このような違いがあるため、万が一のトラブルに備えて法人化を検討してみるのも良いでしょう。
法人化のデメリット
法人化のデメリットは、年間所得900万円以下の方だと税負担が重くなること、経営体制を整備しなければならないことです。そのため、年間所得が900万円以下の場合は法人化について慎重に検討しましょう。例えば、次のような条件に該当する方は、法人化のメリットを活かしにくいです。
- ヘアサロンや飲食店などの業態の方
- 社会的信用力が不要である方
- 事業拡大の予定がない方
- 経営管理の負担を減らしたい方
法人化の手続き方法
法人化したい場合の手続きの流れは以下の通りです。
-
- 事前準備
- 定款の作成・認証
- 登記申請
- 設立後の手続き
ここでは、各手順について詳しく解説します。
1.事前準備
まずは3つの準備をします。
・会社の形態を選ぶ
会社の形態を選びます。会社の形態は「株式会社」と「合同会社」が一般的ですが、最近は「株式会社」が比較的多くなっています。
株式会社 | ● 社会的信用を上げたい方におすすめ ● 定款の認証が義務だが経営の透明性を担保できる ● 会社設立費用が20~30万円と高い |
---|---|
合同会社 | ● 会社経営の負担を減らしたい方におすすめ ● 定款の認証などが不要 ● 社会的信用力が低い ● 会社設立費用が10~15万円と安い |
・会社の基本事項を決める
次に会社の基本事項を決めます。経営の根幹となるため、じっくりと基本事項は決めましょう。
- 本社所在地
- 事業目的
- 株式譲渡制限
- 機関設計
- 事業年度
- 資本金額
- 決算日
・代表者の印鑑を用意しておく
法人設立時に必要な代表者の印鑑を用意しておきましょう。
2.定款の作成・認証
次に、会社経営ルールをまとめた定款を作成します。
日本公証人連合会の「定款等記載例」では、会社の規模に合わせて定款の4種類のテンプレートが用意されています。
定款の作成方法がわからない場合はテンプレートを利用するか、行政書士に相談してみることをおすすめします。
定款を3部作成したら必要なものを用意して、公証役場で認証してもらいましょう。
- 印鑑登録証明書(3か月以内):各1通
- 発起人の実印
- 認証手数料:1~5万円
- 謄本代金:250円×枚数
- 収入印紙:40,000円
- 委任状
電子定款の場合は収入印紙代がかかりませんが、ソフトウェアを購入する必要があります。そのため、定款と電子定款のどちらにすべきか考えましょう。
3.登記申請
次に法務局で登記申請を行います。登記申請書や登記すべき事項は、法務省の例を参照にしながら記載しましょう。登記費用は「資本金×0.7%」かかります。
<法務局に提出するもの>
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 定款
- 発起人の決定書
- 設立時取締役の就任承諾書
- 設立時代表取締役の就任承諾書
- 設立時取締役の印鑑証明書
- 資本金の払込みを証明する書面
- 印鑑届出書
- 登記すべき事項を記載した署名
4.設立後の手続き
法人設立後も、以下のような各種手続きを行います。
<即時対応すべきこと>
- 印鑑カードや印鑑証明書、登記事項証明書の取得
- 法人口座の開設
- 許認可の申請
- 健康保険の加入手続き
- 労働保険の加入手続き
<1ヵ月以内に対応すべきこと>
- 法人設立届出
- 青色申告の承認申請書
- 給与支払事務所等の開設届出
- 消費税関係の届出
- 源泉所得税関係の届出
- 役員報酬の決定
法人化の3種の神器
法人化して社会的信用力を高めればビジネスを有利に進められるとお伝えました。それを後押しする3種の神器が「法人印鑑」「法人口座」「会計ソフト」です。
法人印鑑
脱ハンコが進んでいますが、事業活動において印鑑が求められる場面は依然として多いです。押印は意思表示の他、領収書や請求書、契約書の偽造防止の役割もあります。
各印鑑を作成しておけば取引先にも安心感を与えられて交渉や契約をスムーズに進められるようになります。
印鑑名 | 利用用途 |
---|---|
代表者印 | 登記申請 契約 委任状 公的機関の手続き |
銀行印 | 法人口座の開設 銀行取引 |
角印 | 社内文書 発注書や見積書、領収書 |
ゴム印 | 郵便物の受け取り 書類や封筒 |
法人用印鑑はオンラインで作成できます。しかし、用途に合った印鑑を選ぶことが大切です。「サイズ」「書体」「素材」「印面」などを考えるため、近くの店舗で注文することをおすすめします。
法人口座
法人口座を作成すると、事業資金とプライベート資金を分けて管理できるようになります。
法人口座を開設する際には金融機関の審査に通らなければなりません。そのため、法人口座を保有しているだけでも、取引先から信用してもらいやすくなります。
大手企業の中には法人口座を保有している会社とのみ取引すると方針を決めているところもあるため、ビジネス機会を得たい方は法人口座を作成しておきましょう。
法人口座を開設する際は、GMOあおぞらネット銀行のような振込手数料が安く、デビットカードの還元率が高いなどおトクな特典があるネット銀行がおすすめです。
会計ソフト
会計ソフトを導入すると簿記の知識なしで帳簿付けが行えるようになります。財務状況がリアルタイムで把握できるようになるだけでなく、損益計算書や貸借対処表を出力できます。
財務諸表は金融機関や政府から融資を受けたり、補助金・助成金を受給したりする際に必要です。いつでも出力できる状態にしておくと、資金調達しやすくなります。
会計ソフトは、法改正時にバージョンアップされるクラウド会計ソフトがおすすめです。自動的に法改正に対応したバージョンが利用でき、会計業務の負担を減らせます。
法人口座でおすすめの「GMOあおぞらネット銀行」
法人化の3種の神器である法人口座を開設する際にはネット銀行がおすすめだとお伝えしました。ネット銀行の中でも、初年度の他行宛て振込手数料が最大37,700円お得になる「GMOあおぞらネット銀行」がおすすめです。ここでは、GMOあおぞらネット銀行の特長を紹介します。
最短即日で口座開設が可能
GMOあおぞらネット銀行であれば、条件を満たせば最短即日で口座を開設できます。法人口座の開設手順は次の通りで、印鑑押印も書類郵送も必要ありません。オンラインで簡単に手続きが完結できます。
-
- 口座開設申込フォームに基本情報を入力する
- 事業内容の申告と必要書類※を提出する
- 郵便物を受け取り初期設定後に利用開始
※必要書類とは、本人確認書類や事業内容が確認できる書類などを指します。
GMOあおぞらネット銀行なら、一般的に法人口座の開設が難しいとされているバーチャルオフィスをご利用の方や、固定電話をお持ちでない方も申込が可能です。
振込手数料が安い
GMOあおぞらネット銀行の振込手数料は、同行宛てが無料、他行宛てが145円/件です。大手金融機関の振込手数料と比較すると安いことがわかります。
毎月30件ずつ3万円以上他行宛てに振込した場合、年間で18万5,400円もお得になります。
さらに「振込料金とくとく会員(月額500円)」に加入すれば、他行宛て振込手数料が129円/件となります。銀行振り込みの回数が多い方は会員への加入を検討してみると良いでしょう。
新設法人向け開設特典がお得
GMOあおぞらネット銀行では、新設法人向けにお得な常設プログラムが提供されています。
法人設立1年未満の方が法人口座を開設した場合は、最大13カ月間他行宛て振込手数料が毎月20回無料となります。
最大260回37,700円分の振込手数料が無料になるので、大手金融機関と比べてお得に利用できます。
便利なサービスが充実
GMOあおぞらネット銀行は振込以外のサービスも充実しています。
(1) Pay-easy(ペイジー)
Pay-easyを使用すれば、社会保険料や税金などの支払いをネットで完結させられます。
原則手数料0円で、オンライン上で払込書に記載の番号を入力して支払うだけです。ネット銀行初のダイレクト納付にも対応しているため、国税や地方税の支払いも簡単な操作で手続きできます。
(2) 口座振替サービス
口座振替にも対応済みで、2024年4月から社会保険料や国税の自動支払いができるようになっています。
そのほかにも日本政策金融公庫 国民生活事業/中小企業事業の融資金返済など、法人のニーズの高い口座振替に対応しています。
(3) ビジネスデビットカード
法人口座の開設でデビット機能付きキャッシュカードに申し込めるようになります。
年会費無料で発行してもらえて、カード利用分の最大1.5%※が翌月にキャッシュバックされます。
※還元率は利用先により異なります。
まとめ
法人化すると経営の透明性が図れて社会的信用力が上がり、ビジネスを有利に進めることができます。そのため、事業拡大を予定している方やビジネス機会に恵まれたい方は法人化を検討してみてください。
3種の神器である「法人印鑑」「法人口座」「会計ソフト」があれば、より透明性の高い経営が行えるようになります。
法人口座を開設する際に、GMOあおぞらネット銀行を選べば、お得な常設プログラムが利用できて、初年度は最大37,700円もお得になります。翌年以降も振込手数料を安く抑えられるため、ご興味がある方は下記より申込みしてみてください。
(監修:
GMOあおぞらネット銀行株式会社)
(編集: 創業手帳編集部)