資金調達に関わる制度まとめとリスク軽減のたった1つのポイント

資金調達手帳

リスクを考慮した上で、ポイントを抑えた資金調達をしよう!

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(2016/05/13更新)

起業家が是が非でもしたい、「資金調達」。
しかし資金調達には、メリットだけでなく、大きなリスクもあります。
今回は、資金調達に関わる制度をご紹介し、リスクをなるべく抑えてより良い形で資金調達ためのポイントを解説します。

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資金調達に係る各種制度

創業者が資金を行うに当たって、下記のような有利な制度があります。

下記制度はそれぞれ詳細な要件等がありますので、日本政策金融公庫もしくは専門家へ確認することをおすすめします。

新創業融資制度

新たに事業を始めた方や、事業を開始して間もない方が、「無担保・無保証人」
で利用できる日本政策金融公庫の融資制度

新規開業資金

新たに事業を始められる方や、事業開始後概ね7年以内の方に対して日本政策金融公庫が融資により支援を行う制度

新事業育成資金

高い成長性が見込まれる新たな事業を行う方に対して日本政策金融公庫が融資による支援を行う制度

女性・若者/シニア起業支援資金

事業開始後概ね7年以内の女性の事業者、30歳未満か55歳以上の事業者に対して日本政策金融公庫が融資による支援を行う制度です

経営革新計画の作成と承認

経営革新計画の申請、承認されることにより信用保証枠等、多くの優遇措置や支援措置が受けられる可能性があります

中小企業経営力強化資金

「創業」または「経営多角化・事業転換」等により新たな事業活動への挑戦を行う中小企業、小規模事業者を対象に日本政策金融公庫が低利融資を行うものです

調達に当たっての留意点

その利用を間違えると事業が行き詰まってしまう危険もある、資金調達。

事業を拡大するためにはもちろんリスクが伴います。

リスクを少しでも軽減するために、押さえておきたいポイントはたったひとつ。

金融機関から借入する額をどうしたら少なくできるかを考えることです。

具体的には、

  • 自分の貯金や親戚等からの出資(借入でなく資本金の出資)、設備、賃借料の値段交渉等支出の削減等を検討する
  • 創業した後、しばらくは利益が出ないと想定される場合、利益が出ない期間の資金は出来る限り自分の貯金等で賄っていくように事業計画を立てる

等が考えられます。事前にしっかり計画を立てて、リスクを軽減しましょう。

資金調達後の留意点

資金調達後も、気を抜いてはいけません。

金融機関から資金調達できたのはいいが、その後返済することが出来なくなった場合についてお話します。

まず、そもそも何故、金融機関からの借入金の返済が出来なくなるのか?その理由を再生企業に携わってきた経験からお話ししたいと思います。

資金調達後、返済が出来なくなった企業の共通項は以下です。

  • 粉飾決算をしている
  • なぜお金が不足しているのかその原因を理解していない

<粉飾決済をしている場合>

まず粉飾決算をしてしまうと事業で利益が出ているのか出ていないのかが分からなくなってしまいます。

利益が出ない状態でいくら資金を調達しても資金繰りは楽になる事はなく借入金が増加するだけです。

<資金不足の原因を理解していない>

何故資金が不足しているのか、明確に分かっていない経営者もいます。

お金が不足してしまう主な理由は以下です。

  • 事業での利益がでていない
  • 不要な在庫をたくさん抱えている
  • 設備投資にかかった借入金を返済するほどの利益が出ていない

等々ありますが、本質的な原因究明をしておく必要があります。

お金が足りなくなる原因は、営業利益が出ていない又は設備投資をしたがその設備投資の投資資金を回収するほどの利益が出ていないと言う事をきっちりと理解する必要があり、そのためには、決算を粉飾せずにきちっとした決算書を作成する必要があります。

借入の返済計画を長期で借りるのか短期で借りるのかを考える

返済計画を長期で借りるのか、短期で借りるのかもケースによって違ってきます。

  • 設備投資する場合:長期(1年以上)で調達するのが原則です。
    ・売上代金を回収する前に仕入代を支払わなければならない場合
  • 短期(1年以内)で借入を行うのが原則です。

また、下記のような借り方には注意が必要です。

  • 借換を繰り返している場合:借換を検討する前に仕入先への支払い条件の交渉をしましょう
  • 自分の生活費補填のため借りている場合:時には必要ですが、その場合返済の目途をはっきりさせましょう

まとめ

如何でしたでしょうか。

創業しようとする方とお話ししていると、十分な利益計画、創業後の資金繰りを十分検討しないまま、金融機関から借入金額、返済期間を定めて借入を実行しようとされる方が多くいらっしゃいます。

創業時に重たい借入金を背負うよりも、なるべく借入が無く、「最低限の借入金」から事業のスタートダッシュをして頂きたいと思います。

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(監修:豊原公認会計士・税理士事務所 豊原 弘行(とよはら ひろゆき)
(編集:創業手帳編集部)

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