開業資金や開発資金の調達にも!オススメのクラウドファンディング12選

創業手帳

資金調達の方法として注目されているクラウドファンディングの魅力とおすすめの運営サイトをご紹介します。

「クラウドファンディング」は開業や開発のための資金調達方法の一つとしてメジャーになりつつあり、多くの経営者に注目されています。
組織の大小を問わずプロジェクトを立ち上げることができ、多くの共感を得た場合には想定以上の支援を受け取れることが最大の魅力でしょう。
しかし、その仕組みについてきちんと理解できている人は少ないのではないでしょうか。
この記事ではクラウドファンディングの実施方法や種類、おすすめのクラウドファンディングサイトをご紹介します。

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クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングの基礎知識を解説します。

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて立ち上げたプロジェクトへの支援を呼びかけ、プロジェクトの内容に賛同した支援者から資金を募る方法です。クラウドファンディングという言葉は「Crowd(クラウド・群衆)」「Funding(ファンディング・資金調達)」の造語です。

開業資金や開発資金を集める方法として、これまでは融資や助成制度を受けるか、自己資金を投じるなどのケースが大半でした。
しかしクラウドファンディングを活用すれば、実績が少ない中小企業や確実性の低い新規事業に挑戦したい経営者なども支援者からの資金によってスモールスタートを切ることができます。
プロジェクトによっては1,000円単位の少額から支援でき、支援者にとっても気軽に参加できる仕組みが取られていることが特徴です。

賛同・共感を得られるかがプロジェクト成功のカギとなるため、事業内容やアイデアが社会にどのように受け取られるか、テストマーケティングの機会としても有効活用できるでしょう。

資金調達の方法は2種類

クラウドファンディングの資金調達の実施方法は2種類です。

All or Nothing方式

その名の通り、あらかじめ設定する目標金額を達成した場合にのみ資金を受け取ることができる方式です。
プロジェクト期間内に目標金額に届かなかった場合、集められた資金は支援者に返金される仕組みになっています。
失敗すると資金がまったく手に入らないためリスクはあるものの、プロジェクトへの真剣度が伝われば支援者からの多くの賛同を集めることもできます。

All in方式

目標達成の可否に関わらず、支援者からの資金を受け取れる方式です。
自己資金などにプラスして少しでも資金を増やしたいときなどは「All in方式」が適していますが、目標金額に大きく届かない場合はリターンと呼ばれる支援者へのお礼にコストがかかる場合もあります。
プロジェクトへの意気込みが支援者へ伝わりづらく、目標達成に苦戦するケースもあります。

クラウドファンディングの進め方

実際にクラウドファンディングにてプロジェクトを推進する際の流れを解説します。

プロジェクトの内容を決める

プロジェクト発足の目的、目標金額、リターンを決めていきます。
とくに目的については、支援者が納得し、支援したいと思えるような内容に練り上げることが必要です。プロジェクト成功後の資金の使い道、組織としての展望を明確にすることで、より厚い支援につながります。

具体的な内容が決まれば、それをもとに目標金額を設定します。
実現したい事業やアイデアに必要な資金を算出しますが、あまりに高額では支援者のモチベーションを下げてしまうことにつながり、低額すぎれば労力ばかりがかかってしまうため、慎重に設定する必要があります。
設定に悩むときには運営サイトの担当者に相談してみるのも一つの方法です。

運営サイトへの登録・審査

クラウドファンディングの運営サイトに登録し、プロジェクトページに必要事項を入力してから審査を受けます。
審査の前に担当者に問い合わせることができる場合がほとんどですので、不安があれば相談してみましょう。
審査を通過したら正式に契約を行い、プロジェクトの公開日時を決定します。

プロジェクトの公開

指定日時が来たら、運営サイト内にてプロジェクトページが公開となります。
公開したら自動的に支援が入ってくるというケースは稀で、SNSでの積極的な発信やサイト内での進捗報告など、地道な努力が目標達成につながります
公開期間は1ヵ月から長くても2ヵ月以内というプロジェクトが多いです。精神的に消耗する期間ですが、プロジェクト成功に向けてページが盛り上がるような工夫を考えていきましょう。

資金を受け取る

公開日時が過ぎればプロジェクトは終了です。
「All or Nothing方式」では期間中に目標金額を達成すれば、「All in方式」では期間中に少しでも支援が集まれば成功となります。
支援総額から運営サイトが設定している手数料を差し引いた金額を資金として受け取れます。

支援者にリターンをする

事前に公開していたリターンを支援者に届けます。
「All or Nothing方式方式」で目標金額に達成しなかった場合にはリターンの義務はありません。
リターンの内容は新規事業やアイデアに関連し、今後も支援者とつながりが持てるものを考えるのがおすすめです。

クラウドファンディングの種類

一般的に使われているクラウドファンディングの種類は大きく分けて「購入型」「寄付型」「金融型」の3つで、金融型はさらに3つのタイプに分類できます。

購入型クラウドファンディング

購入型は個人から法人まで、多くの人が挑戦しているもっともポピュラーなクラウドファンディングです。支援者が支援の見返りに、リターンとして商品やサービスを受け取れる仕組みになっています。
プロジェクト実行者はテストマーケティングの意味でも活用できる点、支援者にとってはまだ市場に出回っていないアイデア商品や新たなサービスを受け取れる点に魅力があります。

寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは、クラウドファンディングの運営サイトを通じて寄付を募る仕組みです。社会貢献性をもつプロジェクトに活用されることが多く、経済支援や災害地支援など、内容は多岐にわたります。
購入型ではリターンとして支援者へ商品やサービスを用意しますが、寄付型のリターンには予算を費やす必要がありません。リターンへの魅力が少ない分、いかにプロジェクト内容で惹きつけるかが目標達成のポイントとなります。

金融型クラウドファンディング

金融型クラウドファンディングは、支援者がビジネスに対して支援を行うことで、売上の分配など金銭的なリターンを得ることができます。
つまり、ビジネス自体がうまくいくかどうかで支援の見返りとなる収益は異なります。

融資型クラウドファンディング

融資型クラウドファンディングは「ソーシャルレンディング」とも呼ばれています。複数の支援者から資金を集め、集めた資金を企業に貸し付ける仕組みです。
クラウドファンディング初心者のスタートアップ企業でも出資を募りやすいことが特徴です。

株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングは、投資家が企業の株式上場やM&A、配当や優待等を期待して、非上場の株式をリターンとして受け取る仕組みです。
起業して間もない会社でも株式による資金調達が可能となります。上場やM&Aに成功すれば大きなリターンが出る可能性がありますが、倒産してしまえば出資した資金は戻ってきません。
投資家には企業の成長を見極め、長い目で見守る力が求められます。

ファンド型クラウドファンディング

ファンド型クラウドファンディングは、企業ではなく特定のプロジェクトに対して資金を募る仕組みです。
支援者はリターンとして出資額に応じた配当金を受け取ることができます。またプロジェクトから誕生した商品やサービスを受け取れる場合もあり、社会貢献の側面ももっています。

クラウドファンディングの運営サイトを選ぶときの注目ポイント

クラウドファンディングの運営サイトは数多くあり、どれを選べばいいか悩んでしまう人は多いでしょう。
ここではサイトを選ぶ際に重要視するべきポイントを4つに絞ってお伝えします。

プロジェクト内容と運営サイトの得意分野が合っているか

まず確認したいのは、推進したいプロジェクトがどのような方法で資金調達したいのかということと、プロジェクトがどのようなジャンルに属するのかということです。資金調達の方法とジャンルによって選ぶべき運営サイトは変わってきます。
運営サイトによって得意分野が異なりますので、より相性のよいサイトを選ぶことでプロジェクトを成功に導くことができます。

手数料が適切かどうか

運営サイトに支払う手数料は、サイトを利用して支援金を募るために確実に発生する経費です。いくつかの運営サイトに目星をつけたら、手数料を比較することも大きな判断材料になります。
運営サイトによりおよそ10~20%と差が大きいため、確認は必須です。
また目標金額の設定についても、手数料を差し引いた金額が資金として手に入ることを加味して検討する必要があります。

サポート体制が整っているかどうか

基本的なサポート内容に加えて、プロジェクト実行中のアドバイスや終了後のアフターフォローが充実しているかなどを確認しましょう。
サポートの手厚さによってプランが異なるケースも多いです。それに伴い、手数料が異なっている可能性もあるため、チェックするようにしてください。

プロジェクト終了から入金までの期間がどのくらいか

プロジェクトが終了してから入金までの期間も、手数料と同様に運営サイトによってばらつきがあります。どの運営サイトも終了から入金にはタイムラグがあるため、それを踏まえてスケジュールを組むことが大切です。
追加料金で早期入金が可能となるサイトもありますので、一刻も早く資金を使いたい場合にはこういったオプションも確認しましょう。

おすすめのクラウドファンディング運営サイト12選

クラウドファンディングサイトのなかでもおすすめの運営サイトを12に厳選してご紹介します。

READYFOR

「READYFOR」は2011年に開始した日本初のクラウドファンディングサイトです。
手数料が12%からと業界トップレベルの安さであること、プロジェクト達成率が75%を超えていることからサービス開始以来人気の運営サイトです。
社会貢献性の強いプロジェクトが多いのが特徴です。

Makuake

「Makuake」は新しいサービスや斬新な商品の誕生をサポートするクラウドファンディングサイトです。得意なプロジェクトは商品開発やイベント提携などです。
「Makuake」が属する大手IT企業サイバーエージェントグループは幅広いメディアとつながりがあり、強い情報発信力を持っていることが強みです。資金調達だけでなく、高い宣伝効果で事業のPRにつなげられそうです。

CAMPFIRE

「CAMPFIRE」は「READYFOR」がサービスを開始した直後に設立され、国内でのクラウドファンディングの認知拡大に貢献しました。寄付・購入型のクラウドファンディングサービスでは日本最大規模です。
「CAMPFIRE あんしん支援保証制度」という独自の保証制度を設けており、実行者にも支援者も安心してクラウドファンディングを楽しんでもらうための仕組みが整っています。

イークラウド

「イークラウド」は大手証券会社の大和証券グループも出資している会社で、これまでエンジェル投資家やベンチャーキャピタルなどが出資していた厳選されたベンチャー企業に対して、個人でも10万円程度から投資できるサービスを提供しています。

A-PORT

「A-PORTE」は朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイトです。朝日新聞社の持つ情報発信力や知名度を活用し、「日本各地に眠る才能を掘り起こして支援を呼びかける」ことを目指しています。
幅広いジャンルに対応しているのも特徴の一つで、手数料が1%アップするものの、プロジェクト終了から5営業日に入金される「早期払い出し」も可能です。

GoodMorning

「GoodMorning」は社会問題と向き合い、課題解決に取り組むプロジェクト実行者のために作られたクラウドファンディングサイトです。動物保護、環境保全、人権問題など、世界規模での問題解決を目指すプロジェクトが多いことが特徴です。
手数料はこれまで14%と業界内でも安価でしたが、9%への改定でより利用しやすくなりました

Crowd Bank

「Crowd Bank」は日本で初めて証券会社が提供するソーシャルレンディングサービスとしてスタートしました。幅広いプロジェクトを扱っていますが、とくに「不動産」のプロジェクトに強みを持っています。
融資を受ける側は「Crowd Bank」から借り入れをし「Crowd Bank」へ返済するシンプルな仕組みになっています。

FUNDINNO

「FUNDINNO」は日本で初めて株式投資型のクラウドファンディングをスタートしました。一般の投資家がベンチャー企業に投資できることで注目が集まっています。
事業者登録には厳正な審査項目が設けられていますが「未来あるビジネスを応援したい」という思いをもつ投資家が集まるため、将来的なファンを作るという意味で挑戦してみる価値は大きいでしょう。

CAMPFIRE Angels

「CAMPFIRE Angels」は資金調達をしたいスタートアップ企業と投資をしたいエンジェル投資家を繋ぐ、 株式投資型クラウドファンディングプラットフォームです。
ファイナンスのプロが厳選した非上場企業に、スマホで手軽に1口10万円程度から投資できます。

セキュリテ

「セキュリテ」は「経済的な価値」と「社会的な価値」の双方を追求する投資の仕組みが取られたファンド型のクラウドファンディングサイトです。貧困問題や環境保全などのプロジェクトに強みがあります。
プロジェクト開始までには担当者とのやりとり、資料の送付、ヒアリングなど、いくつかのステップを踏まなければならないため、資金確保までのスケジュールを確認しておく必要があります

Sony Bank GATE

「Sony Bank GATE」は国内で唯一、銀行が直接運営に携わっているファンド型クラウドファンディングです。金融商品ではあるものの、社会貢献を目的に支援したい支援者が集まるサイトでもあり、プロジェクト内容がサイトにマッチすれば成功が見込めそうです。
ソニー銀行が親会社なので、実行者と支援者の両者にとって安心して利用できることが大きなメリットです。

KAIKA

「KAIKA」は地域密着型の投資型クラウドファンディングサイトです。地域活性化ビジネスの創出や新商品開発、新店出店資金を支援する目的でスタートしました。
地域に密着した事業に取り組みたい、地域活性を視野に入れたサービスを展開したいといった展望があるならチェックしてみましょう。

まとめ

クラウドファンディングの仕組みから、おすすめの運営サイトをご紹介しました。
クラウドファンディングでの資金調達成功には、支援者の心に刺さるプロジェクト内容と、戦略的なプロジェクト推進力が欠かせないことが分かります。
また、目的にマッチした運営サイト選びも重要なカギといえるでしょう。
支援者にプロジェクトへの熱意を届け、事業やアイデアの実現に向けて取り組みましょう。

資金調達手帳では、資金調達成功のヒントについて詳しく解説しています。無料でお届けしますので、起業後のサポートにぜひお役立てください。

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(編集:創業手帳編集部)

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