中小企業の新卒採用成功の秘訣!今からできる効果的な施策を解説
中小企業の新卒採用の現状と効果的な対策を知ろう
中小企業は大手企業に比べ、新卒採用に苦戦しやすいといわれています。応募者数が少ないことに加え、内定辞退率が高いことが原因です。
中小企業が新卒採用で成功するためには、様々な対策を講じることが重要です。
そこで今回は、中小企業の新卒採用を成功させるためのポイントや、アピールすべき強み・魅力についてご紹介します。
新卒採用がうまくいかずに悩んでいる中小企業の人事担当者は、ぜひ本記事を参考にしてください。
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この記事の目次
中小企業の新卒採用における現状と課題
中小企業の新卒採用は、大手企業と比較すると苦戦を強いられているケースが多くあります。
苦戦を強いられる理由や、中小企業の新卒採用における現状と課題について解説します。
採用コストの確保が困難
大手企業と中小企業には、新卒採用にかけられる予算にそれぞれ差があるようです。
「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、採用費総額平均は上場企業で1,783.9万円、非上場企業で375.1万円でした。
上場企業は非上場企業の4倍以上も採用費をかけていることがわかります。
中小企業の知名度は大手企業よりも低く、採用にかけられる予算も限られていることから、優秀な新卒人材を獲得するための競争では不利な傾向です。
また、中小企業は早期から採用活動を始められない点も新卒採用に影響しています。
採用活動の期間が延びればその分費用もかかってしまうため、大手企業のように早期から採用活動を始められないのです。
限られた人的リソースと採用ノウハウの不足
中小企業は大手企業よりも社員数が少なく、新卒採用に取り組む人材が限られてしまいます。採用担当が他の業務と兼任であることも少なくありません。
そのため、採用活動に十分な時間がとれず、優秀な新卒人材を逃してしまう可能性があります。
また、新卒採用のノウハウが十分に蓄積されていないことで、効果的な採用手法が確立できていないことも課題として挙げられます。
自社の魅力アピールが不十分
大手企業と比べて知名度が低い中小企業は、合同説明会に参加する機会が限られ、学生と接点を持ちにくいといえます。
大手企業に負けないような強み・魅力があったとしても、学生に直接アピールする機会が少なければ、自社の存在を知ってもらうことや、認知度の向上は難しいかもしれません。
内定辞退率の高さ
中小企業と大手企業から内定が出た場合には、大手企業を優先する学生が多く、中小企業の内定辞退率は高くなる傾向にあります。
大手企業のネームバリューだけでなく、自社の魅力や将来性が学生へ十分に伝わっていないことが一因です。
内定辞退数が増えれば、予定していた採用計画が崩れ、人材不足に陥るいうリスクがあります。
中小企業の新卒採用で重要な4つのポイント
ここからは、新卒採用における重要な5つのポイントをご紹介します。
求める人物像の明確化
単に「優秀で若い人材が欲しい」と考えて採用活動を行っている人事担当者もいるでしょう。
求める人物像が曖昧であれば、自社の魅力を十分に伝えられません。
自社の経営理念や価値観に合う人材を見極めるためにも、求める人物像を明確にすることが大切です。
そのためには、必要なスキルやコンピテンシー(個人の能力・行動特性)を採用基準で具体的に提示することをおすすめします。
また、求める人物像を社内で共有し、一貫した採用活動が行えるような体制や環境を整えておく必要もあります。
学生との早期接触
大手企業の内定出しが終わってから採用活動をスタートさせる中小企業は少なくありません。
大手企業と採用活動期間を被らないようにすれば、新卒採用に成功する可能性もありますが、対象の学生数が減ってしまうため、あまり良い方法とはいえないでしょう。
インターンシップや説明会などを通して、早い段階から学生と接触できる機会を持つことが重要です。
早期接触ができれば、丁寧に自社の事業内容や社風、将来のビジョンについても説明できます。
学生の興味・関心事などをヒアリングし、個別にコミュニケーションを図れることも早期接触のメリットです。
学生との出会いを増やすためにも、採用スケジュールの前倒しを計画してみてください。
社内協力体制の構築
新卒採用は人事部だけが担当しているイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、採用活動に成功している企業は、人事部以外にも協力人員が多いといわれています。
人事部以外の社員に協力してもらうことは難しいかもしれませんが、全社的な取組みとして社内協力体制の構築を検討してみてください。
人事部以外の社員にも採用活動への協力を仰ぎ、面接官・メンターとして参加してもらうことや、若手社員を自社の採用アンバサダーに任命して学生と積極的に交流してもらうことがおすすめです。
募集地域の見直し
大手企業の本社は都市部に集中している傾向ですが、学生の中には都市部よりも地元で働きたい人も多くいます。
就職先として必ずしも大手企業が選ばれているわけではありません。
反対に、地方に住む学生のなかには、大手志向ではなく中堅・中小企業でも良いという考える人も多くいます。
そのため、募集地域を見直してエリアを拡大させることも検討してみてください。
地方の学生にアプローチをかけたい場合は、地方学生が主に登録している人材紹介サービスを活用したり、地方の就職イベントに参加したりすることも必要です。
アプローチ方法の変更
学生へのアプローチには、就職サイトの活用が一般的です。しかし、ただ就職サイトに登録しただけでは認知度が高い大手企業をはじめとする他社の情報に埋もれてしまいます。
就職サイトを活用していてもあまり効果が見られない場合は、アプローチ方法の見直しと変更を試してみてください。
学生へのアプローチ方法として、ダイレクトリクルーティングや中小企業向け合同説明会、SNS採用、リファラル採用などが挙げられます。
自社に合うアプローチ方法に変更してみてください。
中小企業必見!新卒学生の企業選びの基準
中手企業が新卒採用を成功させる上では、新卒学生が企業を選ぶ際に何を基準にしているのか理解することも大切です。
ここでは、新卒学生の企業選びの基準について紹介します。
仕事内容とキャリアパス
学生は応募する企業を選ぶ際に、興味のある仕事かどうかや、自分の適正に合う仕事かどうかを重視する傾向にあります。
給料や福利厚生などの待遇が良かったとしても、興味がない仕事や自分の適正に合わない仕事は避けられます。
中小企業が採用活動に成功するためには、仕事内容を詳細に伝え、仕事の幅が広いことのアピールが重要です。
また、学生は入社後のキャリアパスも重視しており、成長する機会があるかどうかも見ています。
専門性が高い仕事や将来のキャリアビジョンを明確に描きやすい企業は、スキルアップを目指す学生にとって魅力を感じてもらえやすいといえます。
企業の安定性と成長性
企業の安定性や成長性などを十分に調べて応募する学生は多くいます。景気が不安定な状態であれば、学生は企業に対して安定を求める傾向です。
経営基盤が安定しており、事業の継続性が見込める企業は学生からも選ばれやすい特徴があります。
大手企業は資金力があるため経営は安定しているかもしれません。しかし、中小企業は設備・人材への投資が難しく、売上が思うように伸びない場合もあります。
しかし、安定性をうまくアピールすることで新卒採用が成功する可能性は高まるでしょう。
また、業界での地位や実績、将来に向けた成長性が高い企業は、大手・中小を問わず人気が集まる傾向にあります。
将来への成長性をアピールにつながるデータを用意することで、成長性が高い企業と認識してもらいやすくなります。
中小企業が新卒採用でアピールすべきの強みと魅力
続いては、中小企業が採用活動でアピールすべき強みと魅力について紹介します。
少数精鋭ならではの成長機会の多さ
中小企業は大手企業と比べて社員数が少なく、採用活動のリソースは不十分です。そのため、「少数精鋭」であることをアピールするのがおすすめです。
中小企業は個人で担当する仕事が多く、ある程度の裁量を持って仕事に取り組めます。
負担や責任は大きくなってしまうものの、若手でも自分から主体的に取り組めて、成長する機会が多いともいえます。
中小企業では、プロジェクトのメンバーに企画段階から携わることも可能です。様々な経験を通して総合的な力を身に付けられることをアピールしてみてください。
大手にはない独自の社風や福利厚生
学生は企業の社風や福利厚生など、仕事がしやすい環境かどうかを確認しています。
中小企業の場合は、大手企業と比べて十分な福利厚生を用意することはできないかもしれませんが、社員同士の距離が近く、コミュニケーションが活発で明るい雰囲気の職場が多くあります。大手にはない独自の社風をアピールしてみてください。
また、新たなチャレンジに対して奨励する社風は学生にとって魅力的に映るでしょう。
大手企業ではあまり見かけないような、独自の福利厚生を取り入れてアピールするのもおすすめです。
会社のイベントやランチ補助、eラーニングなど、学生にとって魅力的に感じられる福利厚生があるなら積極的にアピールしてみてください。
中小企業の新卒採用における効果的な施策
中小企業の新卒採用において、効果が期待できる施策として以下の4つが挙げられます。それぞれの特徴についてご紹介します。
説明会の早期実施
自社の説明会を早期に実施することで、人材確保への効果が期待できます。
また、大手企業が本格的に採用活動へ移行する前に学生と接点を持てるようになり、他社に奪われないように囲い込むことも可能です。
大手企業の採用解禁に先駆けて、説明会のスケジュールを組むようにしてください。
なお、説明会に若手社員との座談会や職場見学なども組み入れることで、学生に興味を持ってもらいやすいかもしれません。
インターンシップの活用
長期のインターンシッププログラムを用意するなど、学生へ仕事に対するやりがいや面白さを実感してもらう方法もおすすめです。
長期のインターンシップであれば社員とも交流しやすくなり、社風や組織文化を理解してもらえます。
インターンシップに参加した学生には、選考プロセスで優遇措置を受けられるようにするなど、メリットを導入することも重要です。
SNSを活用した情報発信
中小企業が採用活動に苦戦する理由として、採用コストをかけられないことや知名度の低さなどが挙げられます。
この2つの問題点を解消しつつ効果的に採用活動を行いたい場合には、SNSを活用した情報発信がおすすめです。
X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなど、学生の使用頻度が高いSNSを活用してみてください。
採用に関することだけでなく、日常の仕事風景やイベントの様子なども投稿します。
学生の興味を引くようなコンテンツを配信することで、自社に対する関心を高めてもらえます。
OB・OG訪問の積極的な受け入れ
知人や大学の先輩が働いている企業に対して、学生は親近感や安心感を持てます。
また、OB・OGから仕事内容や社風、キャリアパスなどリアルな情報を直接聞く機会があれば、自身が働く姿を想像しやすくなります。
採用活動では、OB・OG訪問など、積極的な受け入れを検討してみてください。
中小企業の強みを活かした効果的な新卒採用対策を考えよう
中小企業は大手企業に比べると採用活動にかけられるコストが少ないかもしれません。
しかし、効果的な施策をうまく組み合わせて自社の特徴や魅力をアピールすれば、優秀な新卒人材の確保や内定辞退率の低下にもつながります。
ぜひ今回紹介した施策やポイントなどを参考に、新卒採用対策を検討してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)