九州の起業支援は休日でも熱かった! -九州縦断 起業を学ぶ自転車旅④-
インターン青野による、自転車での九州縦断レポート<鹿児島市-熊本市編>
(2015/06/30更新)
こんにちは!創業手帳インターンの青野です。宮崎空港を出発してから、早くも3日が経ちました。全7日間の自転車旅も、後半戦に突入です!今回は、鹿児島市-熊本市間の約210kmのレポートをお届けします。
バックナンバー:
注目の起業エリア・宮崎市を取材してきました!<宮崎市編>
日南市で﨑田市長にインタビューしてきました!<日南市編>
南九州の起業支援をバッチリ取材!<都城市-鹿児島市編>
旅先で「創業手帳」発見!
土曜日なので、役所はどこもお休み。ということで、起業支援に携わる方にお話伺いました。
まずは、鹿児島の東和宏公認会計士・税理士事務所の東さん。
創業手帳を知ったきっかけは、今年の2月に開催された「創業手帳セミナーin鹿児島」とのこと。
https://www.youtube.com/watch?v=M_NF_P78myo
都内で就職後に地元鹿児島で独立したいわゆる「Uターン起業家」で、起業家の経営相談もしています。
東さんによると、都内で働きながらも、地元に帰って仕事を見つけたいというUターン希望者は多いそうです。しかし、地方には賃金や雇用の点でどうしても不便があり、それがUターンの妨げになっているそうです。Uターン希望者が「会社がないなら、自分でつくってしまえ!」という意気で地元に戻れるくらい起業の環境が整えば、地方経済にとって大きなプラスになりそうですね。
続いて、「ファスティングスタジオシルキー」の徳留さん。
ファスティングスタジオシルキーでは、美容とファスティングを融合させた『ビューティーファスティング』を提供しています。また、「女性の自立支援」のテーマの一環として、創業手帳を用いた女性の自立サポートを考えているそうです。
徳留さんは、たまたま二人の知り合いから創業手帳の話をきき、それがきっかけで創業手帳を資料請求したそうです。創業手帳第1版刊行から約1年。東京から約1,000km離れた鹿児島市でも、創業手帳が確実に広まっていることに少し感動しました。
起業の穴場?薩摩川内市
鹿児島市内から国道3号線を40kmほど北上し、鹿児島県薩摩川内市へ。
薩摩川内では、びっくりするくらいたくさんの方々が応援してくださいました!連日の疲れなんて吹っ飛んでしまいますね。
今回は、採用コンサルティングをしている「荒木麻友ナビオフィス株式会社」の竹下さん、中小企業の黒字化をサポートする「ラフィオ」の東川内さんにお話を伺いました。
小規模な行政のなかには、地元企業と商工会議所、行政の間に親密な協力関係があるところがあり、それが地元でのビジネスに功を奏することがあります。東川内さんによると、薩摩川内市にもそんな特徴があり、特に商工会議所は頼りになる存在だそうです。
実は、上の応援写真にも商工会議所の方がいます。企業のかけ声にすぐさま協力してくれる良き支援機関があることは、起業家にとっても大きなメリットになりそうです。
南九州地域は、豪華列車「ななつ星」が発着するなど観光資源に恵まれています。
地元の良いビジネスネットワークを駆使しながら、北九州の起業ノウハウと、南九州の観光資源を同時活用する。薩摩川内はそんな美味しい起業ができる穴場スポットなのかもしれません。
日曜でもフル稼働!熊本の起業支援
薩摩川内から国道3号線を150kmほど北上し、熊本市街に到着!
肥後52万石の領主、加藤清正の城下町として栄えた熊本市。武将の実利的な気風の名残か、日曜でも開いている起業支援施設があります。そんな起業家に優しい施設をいくつか取り上げたいと思います。
熊本駅前の複合施設「くまもと森都心プラザ」にある「ビジネス支援センター」です。主任の今野さんにお話を伺いました。
更に、ビジネス支援センターには「創業支援室」というインキュベーションルームが6室あり、審査を通れば、何と1年間家賃無料でオフィスを利用できるそうです。別途共益費がかかるとはいえ、1年間「家賃無料で入れるインキュベーション施設」はそう簡単には見つからないと思います。
全国にこんなインキュベーションがたくさんできたら、日本のスタートアップは更に盛り上がるかもしれません。
図書館の一角なので、起業家が情報をとるには良い環境です。経営相談員だけでなく、何万冊もの蔵書を自分の頭として利用できることは、大きな魅力です。
男女共同参画センターはあもにいは、文字通り「男女共同参画社会の推進」を図る施設だそうです。会議室や研修室のほか、コンサートや講演会が開催できるホールもあり、様々なイベントが開催されています。
起業家におすすめしたい「はあもにい」の特徴は、wi-fi環境が整ったコワーキングスペースがあることです。インターネットが普及し、今やPC一台で仕事が出来る時代。そこで、オフィスから離れて仕事をする「テレワーク」を、多様な働き方の一つとして提案、発信するために設置したそうです。
老若男女さまざまな方々に門戸が開かれている「はあもにい」のコワーキングスペースですが、もちろん起業家の利用もあります。過去には、コワーキングスペースを利用していた起業家が独立した例もあり、他にも毎日利用する方がいるなど好評でした。
今後は、利用者同士が交流し、ネットワークを広げられる取り組みを進めていきたいとのこと。女性起業家が注目される今、起業を切り口にした男女共同参画社会が「はあもにい」から発信されたらいいなと思います。
おまけ:「人生の充実期」の今昔
自転車旅九州編がスタートして丸5日。距離にして約450km走ったことになります。この企画に向けて地元の筑波山でトレーニングを重ねてきた僕ですが、さすがに疲労が溜まって来ました。しかも天気は雨。
思わず「自分の人生」という、柄にもなくセンチメンタルなことを考えてしまいます。
一般的に、「人生の充実期」は30代にやってくるそうです。昇進やキャリアアップの転職など、人生の分岐点になるような出来事は、だいたいこの時期に起きるようです。「人生の充実」の最たる例、起業の平均年齢も30代なので、現代において「人生の充実期30代説」は妥当といえそうです。
では、過去、例えば江戸時代はどうだったのでしょうか。熊本城は、加藤清正が29歳の1591年に着工、44歳の1606年に完成しています。熊本城は日本の三大名城の一つとされていますが、清正はその築城という大仕事をまさに30代におこなった訳です。
平均寿命や成人の年齢、社会状況などあらゆる条件が異なる3つの時代ですが、いずれの例も人生の大仕事を30代におこなっています。「人生の充実期30代説」は、時代を超えた普遍的な事実かもしれませんね。
(創業手帳編集部:青野)