アフターコロナに向けた営業再開の仕方。スムーズな再開を目指してやっておくことをホテル旅館業務の達人が解説

創業手帳

アフターコロナ対策に合わせた営業再開の準備方法とは?

(2020/05/15更新)

新型コロナウイルスよる緊急事態宣言は5月末まで延長となりましたが、営業自粛要請を解除したり、段階的な緩和を示唆したりする自治体も出てきました。
コロナとの戦いはまだ続きますが、アフターコロナに向けて準備しておく必要がでてきたのではないでしょうか。自粛要請などによって打撃を受けた宿泊業ですが、今後に向けて今できることややるべきことはたくさんあります。

そこで、今回は宿泊施設の営業をスムーズに再開するために事前に確認しておくべきことなどを旅館業務の達人に聞いてみました。

取材にご協力いただいた旅館業務の達人
ホテル旅館勤務一筋25年。フロント、予約、会計、ブライダル、レストラン、客室、などホテルの各セクションを経験し、リアルエージェント契約、オンライントラベルエージェントの在庫管理、プラン料金調整などを統括。現場業務から30以上の予約サイトやツールでの集客、コンサルまで幅広い経験がある。

「創業手帳 冊子版」では、会社の立ち上げからやることがステップごとにまとめられています。利用は無料ですので参考にぜひご覧ください。

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いよいよ営業再開!長期間休業による様々な影響と営業再開に向けた5つの準備ポイント

こんなに長い期間休業した経験のある宿泊施設は少ないと思います。
長期休業を余儀なくされた事により、様々な影響がいたるところで発生しているはずです。
どこの宿泊施設でもお部屋のお掃除は隅々まで細かく丁寧に清掃されていると思いますが、長期間の休館明けでは普段は清掃しない場所の確認が重要となります。
いざ営業再開となった際に、トラブルなくお客様をお迎えできるようチェックしておくべき5つのポイントをみていきましょう。

①空調設備の確認

客室の空調設備は、長期間使用せずにいるとダクトや通気口に大量のカビが発生している事がよくあります。コロナでお客様も敏感になっておられると思いますので、営業再開の数日前にはエアコンの清掃はもちろん試運転を行い、カビの臭いがしないかチェックしましょう。

②水回りの確認

お風呂のシャワーや洗面台などの水回りも長期間使用していないと、水に錆が混じる事がありますので問題なく綺麗な水が出る事を確認しておきましょう。

客室内の冷蔵庫も長期間の休業で電源と落されている場合は、正常に作動するか確認が必要です。電源を落していなかった場合は、商品の消費期限の確認や冷凍庫の霜取りなどの確認も行って下さい。

③寝具・アメニティの確認

旅館ではお布団や浴衣、ホテルではベッドのシーツや枕など長期間放置していた場合は、湿気などで異臭がする事があります。
必要に応じて営業再開日に間に合うようにクリーニングに出しておき、アメニティ類も新しいものに取替えておきましょう。

④館内の非常灯、照明器具の確認

長期間休館にする場合、非常灯以外の照明はブレーカーを落とすなどして待機電力の削減などによる経費節減をしている宿泊施設もあると思います。
コンセントが抜かれていたり、ブレーカーを落としたままになっていたりして、お客様からスイッチを入れても点灯しないなどの指摘があってから気が付く事のないよう、営業再開日までに一度全館の電気系のチェックをしておいた方が良いでしょう。

⑤従業員の心身の健康状態の確認

従業員も外出自粛、自宅待機でストレスが溜まった状態になっており、心身ともに疲弊している事もあるかもしれません。
営業再開の目途がたったことを全従業員に速やかに伝達し、健康状態の確認とモチベーションUPの為の声掛けを行いましょう。

休業から営業再開する告知の方法やタイミング

営業再開日が決まれば、早急に公式ホームページでお客様への告知を行いましょう。
旅行代理店などにもFAXや電話で営業再開の予定日を予め伝えておき、予約の早期受注ができる態勢を整えなくてはなりません。
従業員はもちろん、出入り業者など関係者にも漏れなく伝達できるよう事前に役割を決めて準備しておきましょう。

営業を再開するタイミングは地域や宿泊施設により違いますので、お客様にまだ休業中だと思われてしまい予約の機会損失が生じている事も考えられます。

Twitter、FacebookなどのSNSでの情報拡散で営業再開を幅広く告知すること、また長年ご愛顧して頂いているお客様、休業によりキャンセルをお願いしたお客様には、お手紙やお電話で再度ご予約をして頂くようお願いする事も大切だと思います。

アフターコロナGO TOキャンペーンについて

政府は16兆8057億円の2020年度補正予算案を4月7日に閣議決定しました。
そのうち、経済産業省で国内に向けた観光需要喚起策として、1兆6794億円もの予算が計上されております。

今後、新型コロナウイルス感染が収束を迎えたタイミングで、観光業ではGo To Travel、飲食業ではGo To Eat、イベント業ではGo To Eventといった形で 今までにない大規模な緊急経済対策が発動される予定です。

宿泊業におけるGo To Travelの事業イメージとしては、旅行業者等経由でキャンペーン期間中に宿泊予約などの旅行商品を購入した消費者に対して、代金の1/2相当分のクーポン等(宿泊割引・クーポン等に加え、地域産品・飲食・施設などの利用クーポン等を含む)を付与するとあります。

※Go To キャンペーンの概略については5月7日現在の情報です。
今後変更になる場合もございますので、国土交通省、経済産業省の公式HPなどをご確認下さい。

Go To Travel キャンペーンの注意点!売上げUP収益Downでは意味がない?!

宿泊業にとってGo To Travelキャンペーンは需要喚起に繋がるありがたい施策ですが、宿泊施設によっては、減収となってしまうリスクも含んでいます。

現在公開されている資料の事業イメージには、「旅行業者等経由して旅行商品を購入した消費者が対象」と記載されていますので、宿泊施設に直接電話で予約された人や、宿泊施設の公式ホームページからオンライン予約をされたお客様は対象外となってしまいます。
逆の見方をすると、キャンペーン期間中はほぼ全ての宿泊予約が旅行業者経由になってしまう事になり兼ねません。
宿泊施設は旅行業者から送客を受ける事で、8%~15%の送客手数料を支払っています。Go To Travelキャンペーンでの予約一色になると前年と同じ売上を残せたとしても、手数料は前年を大きく上回ってしまいます。
そのため、直接予約比率の高い宿泊施設ほど注意が必要です。

売上確保は大切ですが、結果として収益UPに繋がる対策でないと宿泊施設としては本来の恩恵を受ける事ができません。
営業再開までにGo To Travel キャンペーンに関する情報収集をこまめに行い、直接予約の優位性の確保や販売価格の見直しなどの対策を準備しておく事が重要だと思います。

「創業手帳 冊子版」では、宿泊業はもちろん、さまざまな業種の創業期を支援する情報が満載です。お困りごとの解決にぜひお役立てください。

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(編集:創業手帳編集部)

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