広告費用の目安はいくら?11種類の媒体別特徴や料金相場を解説

創業手帳

予算内で効果的な広告を打つには、広告費用の目安を知っておくべき!


商品・サービスの認知度を高める手段として、広告を打つ方法があります。
広告を打つためには予算が必要ですが、商品・サービスに適した広告を打つことができれば高い効果も期待できます。

企業によっては厳密な予算の中で広告を打つ必要があり、制限される場面も少なからずあるでしょう。
そこで今回は、11種類の広告媒体の特徴と広告費用の目安を解説します。
広告費用の目安を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

マスメディアの媒体別特徴&広告費用の目安


マスメディアとは、大衆に対して情報を伝えるための媒体です。具体的にはテレビCM・新聞広告・雑誌広告・ラジオ広告の4つに分類されます。
それぞれの媒体で広告を出した場合、どのような効果が得られるのか、広告費用の目安はいくらになるのかを解説します。

1.テレビCM

テレビCMは、番組と番組の間や番組中に流れる広告のことです。
商品やサービスの宣伝はもちろん、企業のブランディングを目的とした広告もあり、その種類は多岐にわたります。

テレビCMは視聴者が多ければ多いほど認知もされやすくなり、広告効果の即効性が期待できます。
映像と音声から商品やサービスをユーザーへ明確に伝えられることから、理解度が高くなる点もメリットです。

ただし、テレビCMの欠点としてほかの広告媒体に比べてコストがかかってしまう点が挙げられます。テレビだと広告の制作費以外に電波料がかかってしまうためです。

特に、関東エリアの地上波で広告を打つ場合、30万~100万円と高額な費用がかかります。
また、有名人を起用したCMになると高額なギャラが必要となり、数千万円~1億円以上かかる場合もあるといわれています。

2.新聞広告

新聞広告もテレビCMと同様に、多くの人へ情報を伝達できる広告媒体です。
マスメディアの中でも信頼性の高い媒体であり、商品やサービスへの信頼度も上げやすくなります。

新聞広告の料金は主に発行部数や掲載場所、指定料金などで決定します。
そのため、全国紙と地方紙では全国紙のほうが広告費用も高くなり、掲載場所が目立ちやすい場所も高額になりやすい仕組みです。

広告費用の目安は、主要新聞の全国紙で数十万円から数千万円と幅広い価格帯です。サイズや広告を配置する場所によって大きく値段が異なるため、掲載を検討している場合は注意してください。

3.雑誌広告

雑誌は、テレビや新聞と比べて不特定多数の人には手に取ってもらいにくくなりますが、そのジャンルに興味を持つ人が雑誌を購入するため、商品・サービスを届けたいターゲットが明確な場合に効果が期待できます。

雑誌広告も、掲載場所・色・掲載サイズによって費用が変動してきます。掲載場所の中でも特に値段が高いのは、「表四」と呼ばれる裏表紙です。
最も露出度が高いことから、その分値段も高くなります。

色は基本的にフルカラーまたはモノクロから選び、フルカラーのほうが高額です。
掲載サイズは見開き(2ページ分)が最も高額であり、「ヨコ1/4P」(1ページを横に4分割した時のスペース)だと費用を抑えられます。

広告費用は各雑誌で異なりますが、大まかな目安は約50万~250万円です。ただし、この中に制作費は含まれていないため、別途予算が必要となります。

4.ラジオ広告

ラジオ広告は、ラジオの放送内で配信される広告であり、大きく分けて番組提供の「タイムCM」と特定の時間帯・曜日に放送できる「スポットCM」の2種類から選べます。
ラジオ広告のメリットは、リスナーがCM中でもチャンネルを変えない傾向にあり、しっかりと聞いてもらいやすいのがメリットです。

デメリットは、音声のみの広告となるため映像よりも具体的なイメージが付きにくく、さらに10~20代など若者へリーチするのが難しいことです。
デメリットはあるものの、適した形で活用すれば十分な広告効果も期待できます。

広告費用の目安は、20秒のスポットCMなら2万円程度です。
タイムCMは3カ月単位で契約することが多いことから、20秒の広告でも10万~200万円以上になる場合もあります。

Web広告の媒体別特徴&広告費用の目安


インターネットが普及するまでは上記のマスメディアによる広告媒体が主流でしたが、現在はWebを活用した広告媒体が増えています。
そこで、Web広告の媒体別特徴とそれぞれの広告費用の目安もご紹介します。

1.リスティング広告

リスティング広告とは、「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに応じて、検索結果一覧の上部または下部に表示される広告を指します。
検索連動型広告とも呼ばれており、検索するほど関心の高いユーザーに向けてリーチできることから、成果につながりやすい広告のひとつです。

リスティング広告は主にクリック課金制となっており、ユーザーがクリックするごとに費用が発生します。
また、1クリックにかかる金額は商品やサービス、ジャンルなどで異なり、人気のある場合は単価も高くなります。

広告費用の目安は、1カ月で20万~50万円程度です。ただし、クリックされる数が多ければそれ以上の金額になり、10万円以内に収まる場合もあります。

リスティング広告の費用をなるべく抑えたい場合には、除外キーワードの設定や広告の配信対象を限定してみましょう。
出稿前に細かく設定しておくことで、明らかに成果が見込めない対象を除外でき、無駄なクリックを防げます。

2.ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Webサイトやページに表示される広告です。「バナー広告」とも呼ばれており、画像・テキスト・動画を使って商品やサービスを宣伝します。

該当するWebサイトやページを訪問すると配信されるものなので、すでに商品・サービスを知っている層よりも興味・関心の薄い潜在層へのアプローチを目的に配信するのが基本です。
広告をクリックするとランディングページへ遷移するため、ディスプレイ広告を出す前にランディングページも制作しておく必要があります。

課金方式はクリックするごとに費用が発生する「クリック課金型」と、1,000回広告が表示されることで費用が発生する「インプレッション課金型」の2種類があります。
広告費用の目安は、クリック課金型だと1クリックあたり50~100円、インプレッション課金型だと1,000回表示あたり数十~数百円程度です。

クリック課金型はクリックされない限り費用はかからないものの、実際の価格は競合の出稿状況などで左右されやすく、単価が上がることもあります。
クリック率の高い広告でコストを抑えたい場合は、インプレッション課金型を選択するのがおすすめです。

3.動画広告

動画広告は、主に「YouTube」などの動画配信プラットフォームなどで動画の視聴前や途中に流される広告を指します。
映像・文字・BGMなどを組み合わせることで、多くの情報を届けられるのが大きな特徴です。

動画広告は自社で制作することも可能ですが、一般的にはプロの動画制作会社に依頼します。動画制作は安くて数万円程度、高額なものになると1,000万円程度かかります。
相場でいえば、20万~80万円程度で価格設定をしている企業が多いようです。

また、動画広告を出稿する媒体によって広告費用の目安は異なり、例えば「YouTube」であれば視聴回数1回あたり数円~20円前後かかります。

一方、SNSの「Twitter」では動画広告を配信して1アクションごとに80円、「Instagram」ではCPM(1,000回表示あたりにかかる費用)が1円、CPC(1クリックごとにかかる費用)が40~100円など細かく価格設定が設けられています。

動画広告について、詳しくはこちらの記事を>>
月3万円から始める動画広告入門!スタートアップ企業に動画広告が最適である理由

4.SNS広告

SNS広告とは、主にSNS上で配信する広告です。
SNSといっても様々な種類があり、商品・サービスに関連するリーチさせたいターゲットによって配信する媒体を変えていきます。
例えば、20代~30代の女性向け商品の広告を配信したい場合、女性で利用する人が多い「Instagram」を選ぶようおすすめします。

SNS広告の課金方式は様々ですが、特に種類が多いのは「Twitter」です。「Twitter」の場合、以下の6種類から課金方式を選択できます。

  • CPC(クリック課金)
  • CPM(インプレッション課金)
  • CPI(アプリをインストールするごとにかかる費用)
  • CPV(動画の再生時間で決まる費用)
  • CPE(いいねやリツイートなどのエンゲージメントごとに発生する費用)
  • フォロー課金(広告経由でアカウントがフォローされるごとにかかる費用)

広告費用の目安は、月30万円前後とされています。あくまでも目安であり、この金額よりも少ない予算で運用することも可能です。
また、大規模なマーケティングを実施したい場合は数百万円~数千万円の費用が必要になることもあります。

5.記事広告

記事広告とは、主にWebサイト上で通常の記事と同じような形で出稿・掲載される広告です。
記事の見出しや冒頭などで「広告」・「PR」・「Sponsord」などが明記されている場合、記事広告となります。

記事広告にも様々な種類があります。
例えば、製品紹介や導入事例などを解説する一般記事、企業や企画の代表、有識者などを集めてインタビュー・対談形式で行うもの、動画やマンガとのメディアミックスなどです。

広告費用は出稿するメディアによって異なるため、知名度の高いWebメディアで出稿する場合、200万~300万円かかる場合もあります。

記事広告の出稿先を選ぶ際は、顧客となるターゲットとWebメディアの読者属性が合っているかチェックすることが大切です。
また、各メディアによってPV保証やリード獲得機能など、オプションが備わっている場合もあります。こうしたオプションなども事前に確認しておくことがポイントです。

6.アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は、広告を経由して商品が売れた場合に広告を紹介した人に対して報酬を支払う形式の広告です。
アフィリエイト広告を出稿したい場合、まずはASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)というアフィリエイト提供企業と契約する必要があります。

ASPにはブログやメディアの運営者も登録しており、出稿されている広告を自身のブログ・メディアに掲載します。
そのブログやメディアを訪れたユーザーが広告経由で商品を購入した場合、仲介料として企業はASPに成功報酬を支払い、ブログやメディアの運営者にも分配される仕組みです。

アフィリエイト広告の初期費用相場は約5万円、さらに月額費用が3万~4万円程度かかります。
また、ユーザーがアフィリエイト広告を経由して商品・サービスを購入した場合、成果報酬として約30%分を支払うことになります。

初期費用と月額費用はかかってしまうものの、数万円程度の月額費用がかかる程度です。
その後は実際にユーザーからのアクションを受けない限り費用もかからないため、費用体効果は高いといえます。

7.メルマガ広告

メルマガ広告とは「メールマガジン広告」の略称で、主にe-mailから情報を配信するマーケティング方法です。
メルマガ広告では画像やテキストを使って読者に広告を配信します。メリットは、低コストに抑えつつ、特定のユーザーへピンポイントに広告を届けられる点です。

メルマガ広告の課金方式はクリック課金・配信課金・一斉配信契約の3種類から選択することになります。それぞれの広告費用の目安は以下のとおりです。

  • クリック課金…1クリックあたり約300~800円
  • 配信課金…1件あたり5~100円
  • 一斉配信契約…配信メルマガ数×0.1~2円

配信課金はメルマガの広告配信数ごとに課金される方法で、費用対効果が高いなどの理由から利用されるケースが多い課金方式になります。
また、一斉配信契約はターゲット層を絞らずに、メルマガの読者全員に対して広告を配信する課金方式です。

各課金方式でメリット・デメリットが異なるため、ターゲットにどのようにして広告を配信したいのかを明確にしてから適した課金方式を選択してみてください。

広告費用の予算を決めるポイント


様々な広告媒体の特徴と費用目安についてご紹介してきましたが、実際に広告を打つ前にまず予算を決定することが大切です。
しかし、どのようにして広告費用の予算を決めれば良いのか迷ってしまうケースもあるかもしれません。そこで、広告費用の予算を決めるポイントも解説します。

情報収集を行う

予算を決めるためにまずやるべきことは、情報収集です。どのような情報を収集すべきかというと、同業他社の売上高と広告費の比率をチェックしてください。
これらの情報はIRから確認できます。

自社と売上高が近い会社を参考にする場合、自社に訪れる営業マンに同業他社の情報を聞き出してみるのも良い方法です。
また、完全な同業他社でなくても参考にできる部分は多いので、どれくらいの広告費をかけているのか調べてみてください。

ターゲット層を明確にする

費用体効果の高い広告を打ち出すためには、広告のターゲット層を明確にする必要があります。
商品やサービスによって年齢や性別などが異なるのは当然ですが、それ以外にも新規ユーザーを獲得したいのか、リピート層を増やしたいのかなども決めておくことが大切です。

例えば、既存の顧客に売上げが依存している場合、既存の顧客との取引きが万が一ストップしてしまった場合に対処できなくなる恐れがあります。
一方、新規の顧客に売上げが依存している場合は、顧客の定着率が低いことで常に莫大な広告費をかける手間や労力がかかります。

こうした背景から、自社の状況や商品・サービスの傾向を見てターゲット層を明確にすることが大切です。

売上げの見込みから考える

ターゲット層を明確にできたら、具体的に広告費の予算を決めていきます。
予算を決める時は、まず売り出したい商品・サービスでどれだけの経常利益が見込めるのか検討してください。

また、経常利益の見込みを達成するためにはどれだけの売上げが必要になるかも考えます。この結果から、最終的な広告費の予算を決めていきます。

先に広告費の予算を決めるケースもありますが、最も大事なことは広告ではなく利益を確保することです。
せっかく商品やサービスで大きな売上げを残せても、莫大な広告費がかかっていては意味がありません。そのため、売上げの見込みから予算を考えたほうが安全です。

まとめ

広告媒体の特徴と費用は、どういった媒体を選ぶかで広告費が大きく異なります。また、広告媒体は、リーチしやすい層や効果なども違ってきます。

これらを理解した上で適切な媒体に広告を出稿することが大切です。売上げの見込みから予算を算出し、効果的な広告を打ちましょう。

創業手帳の冊子版(無料)は、広告などマーケティングに関する情報はもちろん、起業前後に役立つ情報を発信しています。ぜひお役立てください。
関連記事
SNSをマーケティングに活かそう!ポイントや注意点を事例とともに解説
行動経済学をマーケティングに活かす方法をわかりやすく解説!

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す