会計ソフトとは?できることから選び方まで徹底解説!
会計ソフトとは何か理解し、自社に最適なものを選ぼう
会計ソフトには様々な種類があります。数ある会計ソフトの中で、どれを選んだらいいのか迷ってしまうケースも少なくありません。
自社に適したものを採用するためには、そもそもどのようなものか理解を深めておくことがポイントになります。
今回は、会計ソフトの種類や機能、導入すべき理由、会計ソフトの選び方などについて解説します。
どのソフトを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
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この記事の目次
会計ソフトとは?
会計ソフトは、会計処理を記録して決算に必要な帳簿類を作成する際に必要なソフトです。
簿記の実務において幅広く活用されています。仕訳の記録や買掛金台帳や売掛金台帳などの得意先帳簿、総勘定元帳などを作成する機能など、便利な機能が搭載されています。
財務状況などの把握に必要な勘定科目や補助科目の設定ができるソフトもあるため、非常に便利です。
2022年1月に改正・施工された電子帳簿保存法といった最新の法律や法令に適用しているソフトもあります。そのため、特徴を把握した上で導入する必要があります。
会計ソフトの種類2つ
会計ソフトは大きく分けると、クラウド型とインストール型の2種類があります。
どちらが向いているか知るためにも、それぞれの特徴も確認していきましょう。
クラウド型の特徴
クラウド型は、オンラインで作業や管理ができるタイプです。初期費用は基本的にかかりませんが、毎月の利用料金を支払わなければいけません。
操作がインストール型より簡単なので初心者向きで、導入のハードルが低くなっています。
複数の端末で使用できる、スマートフォンやタブレットでも使える、Macにも対応しているといったメリットもあります。
複数人で使用できるため、大企業で導入するケースも増えている会計ソフトのタイプです。データはクラウド上に保存されるため、データ損失のリスクも低いです。
ただし、ネットワーク環境が不安定だと仕様に支障が出る場合もあります。
毎月のランニングコストがかかってしまうので、トータルの費用が高くなってしまう点もデメリットです。
インストール型の特徴
インストール型は、パッケージソフトを購入してPCにダウンロードするタイプです。
PCにダウンロードしておけば、オフラインでも作業できるという点が強みとなっています。古くから活用されているタイプでもあります。
パッケージを購入するので初期費用はかかりますが、毎月のランニングコストは不要です。1台で会計処理が可能な小規模な小売店などにおすすめです。
カスタマイズ性が高いことや使い慣れていることを理由に、大企業が導入しているケースもあります。
しかし、バージョンアップ時に費用や手間がかかってしまう場合もあるので要注意です。
また、Macに対応していないソフトが多い、スマートフォンやタブレットで使えないといった点はデメリットです。
会計ソフトでできることは?機能をまとめてご紹介!
会計ソフトには、多くの機能が盛り込まれています。具体的にどのような機能があるのかご紹介します。
1.伝票作成
入金伝票や出金伝票、振替伝票などの伝票を作成するための機能です。会計ソフトの基本となる機能で、使用頻度も高いです。
多くの場合、振替伝票形式となっています。
振替伝票形式は、借りた方と貸した方の金額、勘定科目の入力をした後に仕訳を登録するという方法です。自動で仕訳を作成してくれる便利なソフトもあります。
どのような方法で仕訳を行うソフトなのか、あらかじめ確認してから導入するのがおすすめです。
2.帳簿作成
会計ソフトは帳簿を作成する機能も搭載しています。
従来のやり方だと書類で会計処理を行っており、伝票の作成が終わってから帳簿に仕訳を転記しなければいけませんでした。
そのため、手間がかかっていた作業のひとつとされていました。
しかし、会計ソフトを使えばその手間も省けます。伝票の入力と帳簿作成の関連付けが行われるためです。
現金出納帳などの帳簿が自動で作成されるのは、魅力的な機能といえます。
手間がかかる作業を削減できるため、会計ソフトの導入を前向きに検討してみてください。
3.入金・支払管理
会計ソフトによりますが、入金や支払いの管理も完結できる場合があります。
入金管理は、債権管理を行う機能です。
請求書と連携して売上債権に追加する機能や売上債権回収の消込機能、売上債権をレポートで把握できる機能、遅延確認ができる機能など、導入するソフトによって異なります。
支払い管理は、買掛金を中心とする債務管理に関する機能です。支払い予定日のチェックなどができます。
取引先との信頼関係に関わってくるため、重要な機能になります。
4.資金管理
資金管理は、その名のとおり資金の管理ができる機能です。
決算書のみだと資金繰りに不安がある場合、全体を把握するための資金管理が重要な役割を担います。
円滑に資金を管理するためにも活用したい機能です。
会計ソフトによっては、キャッシュフローの把握ができるものもあります。
利用できる機能は会計ソフトによって異なるため、導入前に確認しておくと安心です。
使いたい機能が搭載されているものを探してみてください。
5.予実管理
予算と実行の結果を管理する機能が予実管理です。売上げ目標を立て、実際に実行し、どのくらい達成できたのかを確認するために役立ちます。
また、収益やコストの管理にも活用できるため、予実管理は円滑な会社運営に欠かせません。
事業計画書の作成にも役立つ便利な機能です。
しかし、会計ソフトによって盛り込まれている場合とそうでない場合があります。
必要だと感じるのであれば、備わっているか確認してから購入してください。
6.固定資産管理
固定資産を会計処理と連携させる機能が固定資産管理です。会計処理を正しく行うためには、固定資産の確認はもちろん大切です。
しかし、それに加えて原価償却もきちんと行わなければいけません。
適切に固定資産を管理するためには、減価償却費の自動計算や仕訳を行ってくれる会計ソフトがおすすめです。
会計と連携させる機能があればより効率的に進められます。固定資産台帳の作成もできることから、活用するメリットは大きいです。
7.経営分析
会計ソフトで経営分析ができる機能もあります。決算書が会社の経営状況を分析するための資料になるためです。
会計ソフトを使うと経営分析に関する指標を自動的に計算してくれたり、表示したりする製品もあります。
よりレベルが高い経営分析を求める場合もあるかもしれません。そのようなケースでは、外部と連携できる会計ソフトの導入がおすすめです。
連携の可否などを加味し、どれが適しているか検討してみてください。
8.決算書・税務申告書の作成
法人にとって必要な決算書や税務申告書の作成も、会計ソフトを活用すると可能です。
決算書の作成機能を使うと、損益計算書や賃借対照表などを作成できます。
金融機関などから資金調達を行う場合に必要な資料となるため、正しいものを作らなければいけません。
税務申告書は、消費税の集計などを行う際に参考になる資料です。このような機能が備わっている会計ソフトもあります。
自動で作成してくれるソフトであれば非常に便利です。
9.確定申告書の作成
個人事業主の場合は、確定申告書を作成する機能が備わっている会計ソフトがおすすめです。
日頃から会計ソフトを使っていれば、ソフトの指示に従って操作するだけで確定申告書の作成が行えます。
確定申告書の作成には手間がかかってしまうため、簡単に作れる機能があるのは魅力的だと感じる人も多いです。
申告しなければいけない項目や経費計上できる項目も確認しやすくなっています。そのため、漏れなく記入することが可能です。
会計ソフトはなぜ導入したほうがいいのか?
会計ソフトを導入すると様々なメリットを享受できます。続いては、メリットを踏まえつつ、導入したほうが良い理由を解説していきます。
1.簿記・会計の知識がなくても書類が作成できるから
会計ソフトを使用すると、簿記や会計の知識がない人でも必要な書類を作成することが可能です。
会計に関する書類の作成は面倒だと思われがちです。
しかし会計ソフトなら、取引画面がシンプルな設計になっている製品が多いため、初心者でも無理なく正しい書類を作成できます。
専門的な知識が必要だと思われている会計ですが、特別な勉強をせずに済むのは大きなメリットです。
初心者でもスムーズに会計処理ができるため、導入する価値は大いにあります。
2.作業を効率化できるから
記帳や仕訳といった日々の作業を効率化できることも、会計ソフトの導入で感じられるメリットです。
会計ソフトによりますが、レシートをスキャンする機能や自動的に仕訳を行ってくれる機能などがあります。
そのため、日々の記帳や帳簿の作成がスムーズになります。
紙の領収書を担当社員の手で仕訳するとミスが生まれる可能性も高いです。そのような不安を払拭するためにも、導入は前向きに検討して良いといえます。
3.電子申告で確定申告もスムーズになるから
電子申告による確定申告も会計ソフトの導入でスムーズになります。確定申告に必要な書類をインターネット経由で提出できるe-Taxという機能が実装されています。
この機能を使えばわざわざ税務署を訪れる必要もありません。
自宅にいながら書類の提出ができるので、仕事への支障も少なくなります。
締め切り間近の混んでいる税務署で待ち時間を過ごし、焦るようなこともありません。
4.計算ミスをなくせるから
毎日の取引を帳簿に記載したり、転記したりする作業を手書きで行うと、計算間違いのリスクが高くなります。
計算を間違えてしまうと、財務諸表などの数字も正しいものではなくなってしまいます。
その結果、納めなければいけない税金額や会社の状況把握に支障がでてしまうので、細心の注意を払わなければいけません。
しかし会計ソフトを使えば、自動的に仕訳の数値を集計してくれます。したがって、手書きで行う場合のようなミスは回避できます。
自社に適した会計ソフトの選び方
会計ソフトの種類は多岐にわたります。その中で自社に適したソフトを選ぶことも重要です。
最後に、自社に適した会計ソフトを選ぶ時のポイントをご紹介します。
1.導入目的を明確にする
なぜ導入するのか、目的を明確にすることは重要です。なぜなら目的によって必要な機能が異なるからです。
目的が明確になっていれば必要な機能を判断しやすくなります。
ユーザー数やユーザーの会計知識レベルは要チェックです。
また、管理会計機能などをどのくらい使う予定か、会計以外の機能は使う予定があるか、なども見据えて選ぶようにしてください。
必要な機能が過不足なく揃っているソフトを選ぶと後悔せずに済みます。
2.業界に特化した会計ソフトを選ぶ
会計ソフトによって、得意とする業界も異なります。それぞれの業界に特化した会計ソフトを選択することもポイントです。
自動車販売業者向けや飲食店向け、ベンチャー企業向けなど様々なタイプがあります。
該当する業界に特化した会計ソフトがない場合は、勘定科目などをカスタマイズできるタイプがおすすめです。
カスタマイズの自由度が高ければ、特定に業種に特化していなくても対応できる業種の幅が広がります。
3.外部ソフト・アプリとの連携を確認する
外部のソフトやアプリと連携できる会計ソフトは非常に便利です。
ネットバンクやクレジットカード、支援ソフトなどと連携ができるか確認してから購入するようにしてください。
連携機能を活用すると手動入力の手間を省けるだけではなく、人為的なミスの軽減にもつながります。
ただし、ほかの機能がいまいちなソフトだと使い勝手が悪いと感じる原因になります。
そのため、連携数が多いという単純な理由だけで選ぶのは避けたほうが良いでしょう。
4.サポート内容が充実している会計ソフトは安心!
導入時や導入後のサポート体制についても、購入する際にしっかり確認してください。
特に、個人事業主や小規模な企業は、サポート内容を確認しておいたほうが無難です。
アフターサポートは、プランによって異なるケースが多いため、それも加味した上でどれを導入するか決めるのがおすすめです。
電話での問い合わせや業務相談などができるプランもあります。そのようなソフトなら、安心して使い続けられます。
5.インボイス対応の会計ソフトを選ぼう
2023年10月から新たにスタートするインボイス制度に対応した会計ソフトを選択することもポイントです。
帳簿や適格請求書発行、データ保存のシステム化は、今のうちに行っておくと安心です。
これから新しく会計ソフトを導入するのであれば、インボイス制度に対応しているか否かも確認する必要があります。
対応した会計ソフトであれば、制度がスタートしてからも安心です。トラブルの回避のもつながります。
受け取った請求書のデータ化処理を自動化する機能などがあれば、インボイス保存のシステム化がスムーズになります。
まとめ
会計ソフトは、企業の経営状態などを把握するためにも役立つソフトです。
クラウド型とインストール型のどちらが適しているか、どのような機能が必要か、などを加味して選んでみてください。
必要な機能に関しては、導入目的を明確にすると見えてくるでしょう。
(編集:創業手帳編集部)