フランチャイズにおけるマーケットの選び方と売れる仕組み作りとは
どんなマーケットに参入したらいい?
新規事業を始める時にポイントとなるマーケットの選定。新規参入するためには、マーケットの時流を見極めて成長分野を選択する必要があります。では、成長するマーケットを見極める方法はあるのでしょうか。
この記事の目次
成長するマーケットを見極めるには経営者の天才的な嗅覚が必要と思われがちですが、以下にご紹介する3つのポイントで判断すると大きく外すことなく成長するマーケットを見分けることができます。
成長するマーケットの見極め方
成長するマーケットを見つけるには時流を掴む必要がありますが、時流を掴むために着目したい3つのポイントがあります。
・人口や世帯はどのように変化するのか?
人口動態とはある一定の期間に発生する人口の変動のことで、最近注目されてきましたが実は50年前に経営学者のドラッガーが定義している言葉です。
第2次ベビーブームの世代は現在40歳代ですが、20年後には必ず60歳代になり、60歳代の人口が増えます。
このように人口の変動は予測できるので、その変動をもとにマーケットを考えると成長分野がわかります。
また、今1人世帯が増えています。スーパーマーケットへ行くと一人用の惣菜がたくさん並んでいますが、10年前の惣菜は家族用の量で売られていました。世帯の変化に対して商品の容量が変化していったということです。
世帯構造が変化すると、商品やサービスに対するニーズも変化していきます。
・商品・サービスの届け方はどのように変化するのか?
いままではメーカーと小売業の間に卸売業がありましたが、ネットの世界では、卸の役割はなく、いわゆる「中抜き」の状態で商品・サービスが販売されています。
こうした商品・サービスの届け方がインターネットにより劇的に変わり、インターネットを使ったサービスで成長している企業がたくさん登場しました。
また、規制緩和で保険の窓口販売が解禁になると、店舗で保険を販売する形態が増えてきました。
いままでは訪問営業で各家庭を回って契約を取っていましたが、店舗で販売することによってお客様を待つ販売方式に代わりました。
この方式が自宅に営業マンが来て営業してほしくないというニーズとマッチして、サービスの届け方が変わってきたのです。
・どのような法律の改正が予定されているか?
2012年の児童福祉法改正により、「放課後等デイサービス」が誕生しました。
放課後等デイサービスとは、障がいのある児童・生徒が放課後や長期休暇を過ごすための施設で、今までは社会福祉法人など一部の団体しか提供できませんでしたが、法改正により民間事業者が提供可能になりました。
民間事業者にとっては新たなビジネスチャンスが生まれたことになります。
このようなチェックポイントを把握しておくとビジネスチャンスを掴むことができ、検討しているビジネスが3つのチェックポイントどれかで変革を生み出すチャンスがあるのかを確認することができます。
成功企業に学ぶ売れる仕組み作りとは?
人口動態の変化・商流の変化・法改正によって成長するマーケットを見極めたら、そのマーケットで利益をあげる仕組みを作る必要があります。
売れる仕組み作りで成功している企業の事例をご紹介します。
・プラットフォームからファンドを形成「Google」
Googleの戦略はプラットフォーム戦略ともいわれ、検索エンジンで大量のユーザーを獲得し、GmailやGoogleカレンダーなどを無料で提供していくことで巨大なプラットフォームを形成します。
そのプラットフォームで得た資金を使って優良なサービスを買収したり、先進的な技術力を持つ企業に投資するなどのファンドを形成しています。
・ハードウェアからコンテンツまでユーザーを獲得「Apple」
AppleもGoogleと同じようにプラットフォームを形成して資金源にしていく手法です。
Appleで開発したiOSを搭載する携帯端末を販売して端末上で動作するアプリやコンテンツを提供することによって大量のユーザーを獲得していく手法をとっています。
・商店街を開拓して顧客増に成功フィットネスクラブ「カーブス」
カーブスは「30分間フィットネス」を掲げる女性専門のフィットネスクラブで、全国で約1300店舗を展開しています。
カーブスが成功したのは以下のような取り組みをしたからです。
➢お風呂など水回りの設備をなくして初期投資を抑える
水回りは初期投資の大部分を占めるため、水回りを失くして手軽に運動したい女性にターゲットを絞りました。
➢地域の商店街のキーマンから紹介をもらうことで集客する
顧客獲得単価が2〜3万円と言われるチラシを打たず、オープン前に地域の商店街を1軒ずつ訪問してキーマンを探し、キーマンからの紹介で集客しました。
このように、初期投資を抑えて、集客方法を商店街からの紹介に絞ったことが成功につながりました。
成長するマーケットを見つけ出し、売れる仕組み作りを形成するというプロセスが事業の開始にあたり必ず必要となってきます。
ご紹介したような時流の掴み方と売れる仕組み作りの事例を参考にして事業を検討していきましょう。
(監修:AT カンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土(あさの しのただ))
(編集:創業手帳編集部)