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精神疾患を対象とした治療用アプリ(DTx)を開発する「emol」が3.15億円調達

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2025年1月8日、emol株式会社は、総額3億1500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

emolは、精神疾患治療を目的とした認知行動療法を実践するアプリの日本国内薬事承認を目指して研究開発を行っています。

1つめのパイプラインとして、強迫症患者向けの治療用アプリを開発しています。パイロット研究で良好な結果を得ており、現在は探索的治験を進めてきます。

さらに、社交不安症やADHDを対象とした治療用アプリの開発にも着手しています。

今回の資金は、精神疾患領域の治療用アプリの臨床研究の推進や、人材採用の強化に充当します。


治療用アプリは、デジタル技術を活用して病気の治療を支援するものであり、新たな医療手段として注目されています。

専門的にはデジタルセラピューティクス(DTx)と呼ばれ、とくに米国ではエビデンスに基づいた臨床的評価を経たソフトウェアによる医療行為として明確に定義されています。2010年に糖尿病管理用アプリが承認を受けたのを皮切りに、うつ病や、耳鳴り、パニック障害、アルコール依存症など、さまざまな疾患に対する治療用アプリが開発され、治療現場での利用が進んでいます。

日本国内でも治療用アプリの開発が進み、CureApp社のニコチン依存症治療用アプリや高血圧治療補助アプリが薬事承認を得ています。

これら治療用アプリは患者の日常生活において継続的な介入を可能にし、行動変容を促すことで治療効果を高めることが期待されています。

とくに精神疾患の治療では、認知行動療法を基盤とした治療用アプリが注目されています。認知行動療法は、患者の認知や行動に働きかけ、症状にアプローチする科学的に有効性が実証された心理療法です。

しかし、日本では診療時間の制約や医師の負担の大きさから、保険診療としての実施が限られており、患者の多くが保険適用外で公認心理師の治療を受ける必要があります。この点が金銭的負担として大きな課題となっています。

emolはこの課題を解決するため、精神疾患治療を目的とした認知行動療法を実践する治療用アプリを開発しています。

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