ChatGPT Search(サーチ)とは?日本語でも使える?使い方も解説

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ChatGPT Search(サーチ)は日本語でも使える?Google検索は使われなくなる?

ChatGPTが登場して以降、「ChatGPTがいつかGoogle検索を代替する日が来るのではないか」と言われてきました。そして24年10月、ついにChatGPTに検索機能「ChatGPT Search」が追加されました。これによって、いよいよネットユーザーはGoogle検索を使わなくなるのでしょうか。

本記事では、「ChatGPT Search」の概要と使い方、「ChatGPT Search」の登場によって起こるビジネスの変化についてご説明します。

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ChatGPT Search(サーチ)とは?日本語でも使える?

「ChatGPT Search」は、自然な対話形式での問いかけに対して、精度の高い回答を提供できるよう最適化されています。質問を掘り下げていく過程でも、文脈を適切に理解し、即座に関連性の高い情報を提示することができます。

また、問いに対する回答だけでなく、回答の根拠となるソースのURLもあわせて提示してくれるので、ファクトチェックするのもやりやすいです。

利用方法としては、検索アイコンから手動で検索を実行でき、ブラウザ、デスクトップアプリケーション、モバイルアプリなど、ChatGPTのさまざまなプラットフォームでご利用可能です。

本サービスは日本語に完全対応しており、日本語での検索・質問にも対応しています。

技術面では、GPT-4をベースとしたファインチューニングモデルを採用し、OpenAI o1-previewからの情報抽出など、最新のデータ生成技術を活用しています。

現在このサービスは、ChatGPT Plus会員およびTeamプラン利用者、SearchGPT待機リストに登録されているユーザーが利用できます。個人のユーザーとしては、Plus会員になることですぐに利用可能です。今後は、他のプランでも利用できるように展開予定だということです。

ChatGPT Search(サーチ)を実際に使ってみた

筆者はChatGPT Plusに課金しているので、早速「ChatGPT Search」をウェブブラウザで利用してみました。

Plus会員になると、検索窓に地球儀のマークが表示されます。このマークを押して質問を入力すると、検索することができます。

実際に、検索してみると、以下のように回答が表示されます。

左下の「情報源」を押すと、以下の画像のように右に回答の根拠となったソースのURLがずらりと表示されます。

ChatGPT Search(サーチ)でビジネスはどう変わる?

「ChatGPT Search」が社会に浸透することでビジネスはどう変わるのでしょうか。考えてみました。

意思決定の迅速化と質の向上

まず、意思決定の迅速化という観点では、従来は複数の情報源から必要なデータを収集し、それらを人手で整理・分析する必要がありましたが、生成AIが最新の情報を即座に取得・処理することで、この時間を大幅に短縮できます。例えば、市場動向や競合他社の動きについて、数十のニュースサイトやレポートを確認する代わりに、AIが関連情報を瞬時に収集し、重要なポイントを整理して提示することが可能になります。

意思決定の質の向上については、より包括的なデータに基づく判断が可能になることが大きな要因です。生成AIは、過去のデータと最新情報を組み合わせて分析を行い、複数の視点から問題を検討できます。たとえば、新製品の投入を検討する際、市場の現状分析だけでなく、類似製品の過去の成功事例や失敗事例、最新の消費者トレンド、規制環境の変化など、多角的な情報を統合して判断材料を提供できます。

さらに、意思決定のバイアス軽減にも貢献します。人間は往々にして、自身の経験や直近の情報に影響を受けやすい傾向がありますが、AIは客観的なデータに基づいて、より中立的な視点から状況を分析することができます。また、予期せぬリスクや機会の発見にも役立ちます。人間が見落としがちな情報の関連性や、データ間の微妙なパターンを検出し、より総合的な判断を支援します。

カスタマーサービスの品質向上

「ChatGPT Search」がカスタマーサービスに組み込まれることで、顧客対応の質は大きく向上すると考えられます。

最も直接的な改善点として、顧客からの問い合わせに対する回答の正確性と即時性が飛躍的に向上します。従来のシステムでは事前に用意された情報やFAQのみに依存していましたが、リアルタイム検索機能により、最新の製品情報、サービス状況、価格変更、在庫状況などを即座に確認しながら対応できるようになります。例えば、製品の不具合に関する問い合わせがあった場合、最新の解決方法や対処手順を即座に提供することが可能になります。

また、顧客一人一人の状況に応じたパーソナライズされた対応が実現します。過去の問い合わせ履歴や購入履歴と、最新の製品情報や市場動向を組み合わせることで、より適切な提案や解決策を提示できます。たとえば、特定の製品について問い合わせがあった際、その顧客の使用環境や好みに合わせた具体的なアドバイスや代替製品の提案が可能になります。

さらに、問題の予測と予防的な対応も可能になります。SNSでの言及や関連ニュースをリアルタイムでモニタリングすることで、潜在的な問題を早期に発見し、顧客からの問い合わせが発生する前に対策を講じることができます。これにより、顧客満足度の維持向上と、問題の拡大防止が図れます。

カスタマーサービス担当者の対応品質も向上します。複雑な技術的問題や特殊なケースに直面した際も、AIが関連する技術文書や過去の解決事例を即座に参照し、適切なサポートを提供できます。これにより、経験の浅いスタッフでも、高度な問題解決が可能になります。
言語やコミュニケーションの面でも大きな進展が期待されます。リアルタイムで多言語の情報を参照・翻訳できることで、グローバルな顧客サポートの質が向上します。また、専門用語や業界特有の表現も適切に理解・説明できるようになり、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。

対応時間の短縮も重要な改善点です。これまで複数のシステムや部門間の確認が必要だった案件でも、AIが必要な情報を即座に収集・整理することで、顧客をお待たせする時間を大幅に削減できます。これは顧客満足度の向上だけでなく、運営コストの削減にも寄与します。
知識の蓄積と活用も効率化されます。顧客との各やり取りから得られた知見を、AIが自動的に学習・整理することで、組織全体のサービス品質が継続的に向上していきます。また、頻出する問題や顧客のニーズトレンドを分析することで、製品やサービスの改善にも活かせます。

Web広告の変化

「ChatGPT Search」は、Web広告業界に大きな構造変化をもたらすと予想されます。

検索行動の変化による広告効果への影響から見ていきましょう。従来の検索エンジンでは、ユーザーは特定のキーワードを入力し、その結果として表示される広告を目にしていました。しかし、生成AIとの対話型検索では、単一のキーワードではなく、文脈を含む自然な会話が主流となります。これにより、従来のキーワードベースの広告配信モデルの効果が低下する可能性があります。

広告フォーマットも大きく変化すると考えられます。生成AIが情報を要約・統合して提供する中で、従来型の検索広告の表示機会が減少する可能性があります。その代わりに、AIとの対話の文脈に自然に組み込まれる新しい広告形式や、より詳細な情報提供型の広告コンテンツが重要性を増すでしょう。

ターゲティングの精度と方法も進化します。生成AIは、ユーザーとの対話を通じてより深い意図や文脈を理解できるため、より適切なタイミングと文脈で広告を提供できるようになります。例えば、商品の詳細情報を求める質問の流れの中で、関連する製品やサービスを自然な形で紹介することが可能になります。

広告費用の構造にも変化が予想されます。従来のクリック課金型(CPC)モデルから、対話の質やエンゲージメントの度合いに基づく新しい課金モデルへの移行が進む可能性があります。また、より複雑な文脈理解が必要となることで、広告の制作・運用コストも変化するでしょう。

広告主側には、新たな対応が求められます。キーワードの選定や入札管理といった従来の手法に加えて、AIとの対話に適した広告コンテンツの開発や、より詳細な商品情報・サービス情報の整備が必要になります。また、ユーザーの検索意図をより深く理解し、それに応じた広告戦略を立案する能力も重要になります。

競争環境も変化します。大規模な広告予算を投じてキーワードを買い占めるような戦略の効果が低下し、代わりに、質の高いコンテンツや詳細な商品情報を提供できる広告主が優位に立つ可能性があります。これは、中小企業やニッチな市場でも、適切な情報提供があれば効果的な広告展開が可能になることを意味します。

プライバシーとデータ保護の観点からも変化が生じます。より詳細な対話履歴や文脈情報を活用する一方で、個人情報の保護やデータの適切な取り扱いがこれまで以上に重要になります。広告主は、これらの要件に対応した広告戦略の構築が必要になるでしょう。

マーケティング施策全体の見直しも必要になります。検索広告単独ではなく、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、実店舗でのマーケティングなど、様々なチャネルを統合的に活用する戦略が重要性を増します。

広告効果の測定方法も進化が必要です。単純なクリック数や表示回数だけでなく、対話の質や情報提供の適切性、最終的な購買行動への影響など、より複雑な指標での効果測定が求められるようになります。

Webメディアの変化

「ChatGPT Search」の登場により、従来型の検索エンジン経由のトラフィックに依存したWebメディアのあり方は大きな転換点を迎えることになります。

この変化に対応するため、Webメディア運営者はまず、コンテンツの質的転換を図る必要があります。従来のSEOを意識した記事作りから、AIが情報源として高く評価する質の高いコンテンツの制作へとシフトすることが重要です。具体的には、独自の取材や調査に基づく一次情報、深い専門性を持った分析、実務的な知見に基づく洞察など、AIが単独では生成困難な価値の高い情報を提供することが求められます。

収益モデルについても、根本的な見直しが必要になるでしょう。広告収入への依存度を下げ、有料会員制やサブスクリプションモデルへの移行を検討する必要があります。特に、専門性の高い分野では、詳細な分析レポートや実践的なアドバイスなど、付加価値の高いコンテンツを提供することで、直接的な収益確保が可能になります。また、独自に収集したデータのAPI提供や、専門知識を活かしたコンサルティングサービスなど、新たな収益源の開発も重要になってきます。

コンテンツ制作のアプローチも変化が必要です。オリジナルリサーチの強化は特に重要で、市場調査や専門家インタビュー、現地取材など、一次情報の収集に注力する必要があります。また、テキストだけでなく、動画や音声、インタラクティブコンテンツなど、多様な形式でのコンテンツ提供も検討すべきです。特に、速報性の高いニュースや最新トレンドの分析など、リアルタイム性の高い情報提供は、AIとの差別化要因として重要になります。

ユーザーとの関係性構築も、これまで以上に重要になってきます。専門家や実務者のコミュニティを形成し、生きた対話や情報交換の場を提供することで、AIには難しい価値を創出することができます。また、個々のユーザーのニーズや興味に応じたきめ細かな情報提供を行うことで、AIよりも深い個別対応を実現することが可能です。

組織としての対応も欠かせません。ライターやエディターの専門性を強化し、より質の高いコンテンツ制作を可能にする必要があります。同時に、AIを活用したコンテンツ制作や分析のスキルを組織内で育成することも重要です。また、他のメディアや専門機関とのパートナーシップを構築し、コンテンツの充実を図ることも効果的な戦略となります。

ChatGPT Searchを積極的に活用しましょう

以上、ChatGPT Searchについてご説明しました。ぜひあなたも、積極的に活用してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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