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2024年8月21日【最大300万円】外国出願の権利化に要する費用を補助「外国出願・審査請求・中間応答支援(海外権利化支援事業)」
特許庁は「外国出願・審査請求・中間応答支援(海外権利化支援事業)」について発表しました。
国での特許、実用新案、意匠または商標の出願・権利化を予定している中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学等に対し、一般社団法人発明推進協会を通じて、海外知財庁における権利化(①出願、②審査請求、③中間応答)に要する費用の1/2を助成します。
【出願】にかかる費用補助
支援の概要
外国での特許、実用新案、意匠または商標の出願・権利化を予定している中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学等に対し、外国出願に要する費用の1/2を助成します。
対象
中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学等で国際出願関係手数料に係る軽減・支援措置対象者。ただし、地域団体商標の外国出願については事業協同組合、商工会議所、商工会、NPO法人等も含む。
要件
(1)応募時に既に日本国特許庁に対して特許、実用新案、意匠または商標出願済みであり、採択後に同内容の出願を優先権を主張して外国へ公募毎に指定する期限までに出願を行う予定の案件。
※商標については優先権を主張しない案件も可とします。
※基礎となる国内出願を有しないPCT国際出願(ダイレクトPCT出願)、ハーグ出願については、出願時に日本国を指定締約国に含むこと。
(2)先行技術調査等の結果からみて、外国での権利取得の可能性が明らかに否定されないこと。
(3)外国で権利が成立した場合等において「当該権利を活用した事業展開を計画している」または「商標出願に関し、外国における冒認出願対策の意思を有している」こと。
※冒認出願とは、悪意の第三者による先取り出願のこと。
(4)外国出願に必要な資金能力及び資金計画を有していること。
補助対象経費
外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費用等
補助率
1/2
上限額
1企業あたり:300万円 ※大学等は1法人あたりの上限額なし
1案件あたり:
・特許150万円
・実用新案・意匠・商標それぞれ60万円
・冒認対策商標30万円 ※冒認対策商標とは、冒認出願の対策を目的とした商標出願
公募期間
第1回:2024年5月30日(木曜日)~6月14日(金曜日)
第2回:2024年8月19日(月曜日)~8月30日(金曜日)
第3回:2024年11月18日(月曜日)~12月3日(火曜日)
【審査請求】にかかる費用補助
支援の概要
海外で特許の権利化を進めるにあたり、出願後に審査を開始するための「審査請求」が必要な国・地域があります。
特許庁では、外国特許庁へ「審査請求」を予定している中小企業者等に対して、外国特許庁での審査請求に要する費用の1/2を助成します。
支援の対象・要件
中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学等で国際出願関係手数料に係る軽減・支援措置対象者。
令和5年度までに、特許庁の「外国出願補助金(中小企業等外国出願支援事業)」または「スタートアップで活用予定の海外出願支援事業(出願手続)」を利用して出願した「特許」の案件で、審査請求期間内であること。
補助対象経費
(1)外国特許庁への審査請求料 ※審査請求と同時に行う補正費用についても対象
(2)(1)に要する国内代理人・現地代理人費用
(3)(1)に要する翻訳費用
補助率
1/2
上限額
1手続(各国別)あたり50万円 ※1法人(または1個人)あたりの上限額なし
公募期間
第1回:2024年5月30日(木曜日)~2025年2月7日(金曜日)
【中間応答】にかかる費用補助
支援の概要
海外の特許出願について、出願国での審査の結果、拒絶の理由があると判断されると「拒絶理由通知」が出されます。権利化のためには、これらの拒絶理由を解消するための応答手続(中間応答)が必要です。
特許庁では、外国へ特許出願を行った案件で、拒絶理由通知を受領し、今後応答を検討している中小企業等に対し、外国出願の中間応答に要する費用の1/2を助成します。
支援の対象・要件
中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学等で国際出願関係手数料に係る軽減・支援措置対象者。
令和5年度までに、特許庁の「外国出願補助金(中小企業等外国出願支援事業)」または「スタートアップで活用予定の海外出願支援事業(出願手続)」を利用して出願した「特許」の案件で、出願国知財庁から、「拒絶理由通知」を受領している案件であること。
拒絶理由に「新規性」、「進歩性」が指摘された案件であり、採択後に、応答手続を行い、応答期限内の対応が可能な案件であること。
補助対象経費
(1)外国特許庁への中間応答費用
(2)(1)に要する国内代理人・現地代理人費用
(3)(1)に要する翻訳費用
補助率
1/2
上限額
1手続(各国別)あたり50万円 ※1法人(または1個人)あたりの上限額なし
公募期間
第1回:2024年5月30日(木曜日)~2025年2月7日(金曜日)
知的財産はビジネスにおいて非常に重要な資源であり、企業の収益性や競争力を高めるために活用されます。特許を取得することで、企業は自社の製品や技術を保護し、模倣や侵害から守ることができます。
特許庁の調査によると、知的財産を所有している中小企業は、所有していない企業に比べて売上高営業利益率が高いことが示されています。これは、知的財産の活用がビジネスの成果に直結していることを示しています。
しかし、外国での特許出願にはさまざまな障壁が存在します。たとえば、手続きのコストや、外国語の問題、外国の特許制度の複雑さなどが挙げられ、外国出願を後回しにするケースも見られます。
しかしながら、国内だけで特許を取得していても、外国で製品や技術が模倣された場合には対応が難しくなります。そのため、企業は外国市場の規模や競合他社の出願状況、特許取得にかかるコストや権利行使のコストなどを考慮して、戦略的な外国特許出願を行う必要があります。
「外国出願・審査請求・中間応答支援(海外権利化支援事業)」は、海外知財庁における権利化(出願、審査請求、中間応答)に要する費用の半分を助成する支援事業です。海外展開を考えている、あるいは海外企業による模倣リスクのある企業は、この支援を活用し、海外での権利取得を目指しましょう。
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