法人カードで、創業期の経営基盤を築く
税理士法人も着目する、法人カードの魅力を探る
(2015/09/02更新)
めまぐるしい創業時こそ、法人のクレジットカードをもつことで経費管理がスムーズになり、キャッシュフローにもゆとりが生まれます。そこで、今回は日本発で唯一のクレジットカードブランドとして、世界を舞台に多様な事業を展開しているJCBカードに注目。ビジネスシーンにおけるその魅力を辻・本郷税理士法人の遠藤豊子さんに伺いました。
遠藤 豊子(えんどう・とよこ)
日本最大級の税理士事務所、辻・本郷税理士法人の「経理宅配便®」事業部部長。産休後の再就職が難しかった時代、フレックスタイムで働く主婦を税理士補助業務として募集していた当事務所に再就職。安価版システムを売る新規事業の立ち上げを行い、すでに20年のキャリアをもつ。
会計処理のデータ化の流れが今後ますます加速
遠藤:この秋から、領収書を捨てていい時代がくる、そんな風にいわれています。
国税庁が、これまでは認めらなかった領収書をスキャンした電子データも税資料として認めるという動きが出ているのです。
これが認められれば、3万円以下の領収書については、スキャンしてデータ化した後、破棄してもよいことになります。
経理のデータ化の流れは、今後ますます加速してくるものと思われます。
私どもでは、顧問契約しているお客様から届いた領収書や預金通帳のデータなどを東南アジアへ送り、翌日にはすべて入力完了された状態で戻ってくる、独自のシステムを構築しています。
迅速に経理処理をするには、領収書などのデータ化が鍵を握っています。
そのためにも、法人でクレジットカードをつくり、会計処理をデータ化していくことは、よりスムーズな経営を行うために役立つことでしょう。
また法人でクレジットカードをもてるということは、それだけ社会からの信用もあるということ。
将来性の高い法人ほど、創業時からクレジットカードをもつことで、経理業務が迅速化され、経営にもよい影響を与えると考えています。
法人カードなら領収書不要経理はもっとラクになる!
遠藤:創業から法人カードをもつことで、3つのメリットが得られます。
まずは、「経理精算がラク」であること。
起業すると、会社関連のものを購入するたびに領収書をもらい、それを会計事務所に送る必要が出てきます。それが、法人カードがあれば、決済の履歴が毎月明細として出てくるので、それをデータとして会計事務所へ送るだけ。
領収書を紛失したといったミスもなくなるため、たいへん効率的です。
また、創業時に資金がショートする主な原因は、売掛金がなかなか現金化されないのに、支払いは前倒ししなければいけないため。
そんな時、法人カードがあれば支払いが翌月以降になり、「キャッシュフローに余裕」が生まれます。
特に与信が高い法人であれば、限度額も大きいため、資金として使えるお金も増え、売上げと仕入れのバランスが良くなります。
さらに、うれしいのが「ポイントがたまる」ことではないでしょうか。毎月のことなので、ポイントとして還元されれば、それを会社のために使うことができます。
カードにかかる年会費や会計事務所の費用、出張費も、立て替えることなくカードで決済できるので、ムダなくポイントをためることができるのもいいですね。
タクシー、ギフトカードなどビジネスシーンで使える!
遠藤:JCBは、日本のクレジットカード会社として歴史のあるブランドだけあって、「タクシー利用」の際にはとても役立ちます。
タクシーに乗るとJCBしか使えないなんてこともよくあります。聞くところによると、JCBは都内のタクシーの90%カバーしているそうですね。
また、法人で利用しやすいのが「JCBギフトカード」。
ポイントをギフトカードに変えて、従業員の表彰の際や忘年会の特典などにしたりと、何かとお世話になっています。
スーパーや地方の百貨店などもカバーしているので、エコポイントの交換商品で1位だったというのも納得です!
地方まで幅広くカバーしているので、日本中を駆けまわる起業家にとっては頼りになる1枚といえるでしょう。
法人カードでポイントを賢くためる
クレジットカードを選ぶときに気になるのがポイント還元です。
なかにはポイントが付かないカードも多いなか、JCBカードは法人カードでもポイント(Oki Dokiポイント)をためることができます。
毎月の通信費や公共料金の支払いといった固定費をJCB法人カードにしておけば、効率的にポイントがたまり、バラエティー豊かな商品などに交換が可能です。
会社の備品や社員みんなで楽しめるものを選ぶのもいいでしょう。
(取材協力:辻・本郷税理士法人/遠藤豊子)
(編集:創業手帳編集部)