創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2023年4月14日「働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)」
厚生労働省は、2023年度「働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)」の交付申請受付を開始したことを発表しました。
2024年4月1日から、建設業、運送業、病院等、砂糖製造業といった、適用猶予業種等に時間外労働の上限規制が適用されます。
「働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)」は、生産性を向上させ、時間外労働の削減、週休2日制の推進、勤務間インターバル制度の導入や医師の働き方改革推進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援する助成金です。
支給対象となる事業主
支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する中小企業事業主。
1. 労働者災害補償保険の適用事業主であること。
2. 交付申請時点で、「成果目標」1から4の設定に向けた条件を満たしていること。
3. 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
4. 以下のいずれかに該当する中小企業事業主であること。
常時使用する労働者数が300人以下もしくは資本金または出資額が3億円以下(病院等については5,000万円以下)の
ア. 建設業
イ. 運送業
ウ. 病院等
エ. 砂糖製造業
支給対象となる取り組み
いずれか1つ以上実施。
1. 労務管理担当者に対する研修
2. 労働者に対する研修、周知・啓発
3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
5. 人材確保に向けた取組
6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
7. 労務管理用機器の導入・更新
8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
9. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)
支給額
取り組みの実施に要した経費の一部を、成果目標の達成状況に応じて支給します。
以下のいずれか低い方の額
(1)成果目標1から4の上限額および賃金加算額の合計額
(2)対象経費の合計額×補助率3/4(※)
(※)常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5
働き方改革関連法により、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から、残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間(特別条項付き36協定を締結する場合の上限は年960時間)となります。
また、2023年4月からは、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上となる対象が、従来の大企業に加え、中小企業まで拡大します。
建設業、運送業、医療、砂糖製造業については、この適用にあたって猶予が設けられています。しかし猶予は2024年3月末に終了し、2024年4月からこれらに対応する必要があります。このことを「2024年問題」といいます。
たとえば運送業においては、時間外労働の制限によって、ドライバー1人が担っていた長距離輸送を見直す必要が生じ、鉄道・航空・船などへの転換や、中継地点を活用した中距離輸送の導入によって対応しなければなりません。
このように事業そのものを大きく転換する必要があります。そのためこの転換が生産性の低下や売上減少などにつながってしまわないように事業環境を構築することが重要です。
起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「補助金ガイド」では、専門家に監修してもらいながら、創業手帳が実際に補助金申請を行った経験をもとに補助金・助成金申請のノウハウを解説しています。また、日々更新される補助金・助成金の情報を、それぞれ最適化してメールでお知らせをする「補助金AI」をリリースしました。こちらもご活用ください。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。カテゴリ | 公募 |
---|---|
関連タグ | 2024年問題 働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース) 働き方改革関連法 助成金 補助金 |
公募の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
中小企業庁は、「小規模事業者持続化補助金(第14回締切分)」の補助事業者の採択を発表しました。 「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者等が、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組…
「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」のご案内です。 専門家による省エネ診断費用を補助する事業です。 省エネルギーの専門家が中小企業等の工場・ビル等を訪問し、エネルギーの無駄遣いや、すぐにでき…
独立行政法人中小企業基盤整備機構は、「小規模事業者持続化補助金」において新たに「災害支援枠」を設け、その公募を開始したことを発表しました。 「小規模事業者持続化補助金」は、中小企業・小規模事業者の働き…
農林水産省は、令和6年度「麦類供給円滑化推進事業」の5次公募について発表しました。 麦(大麦、はだか麦、小麦)の安定供給体制を構築し、供給を円滑化するための産地や実需者による余剰在庫の保管等に要する経…
農林水産省は、令和6年度「国産飼料増産対策事業」の公募について発表しました。 飼料生産組織の人材確保・育成の取組、子実用とうもろこし等国産濃厚飼料の生産・利用を図るための実証の取組を支援することを目的…
大久保の視点
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…