スモールビジネスの始め方は?具体例や成功するヒント
スモールビジネスの始め方を知って自分が興味のあることやスキルを成功につなげよう
創業や起業と聞くと、革新的なアイデアを持つ人がお金を調達して始めるイメージがあるかもしれません。
しかし、起業は大掛かりなものだけではありません。
低コストで始められる企業として、スモールビジネスが注目されています。
起業に興味はあってもリスクに不安がある人、副業として起業したい人にもスモールビジネスはおすすめです。
自分の得意分野や興味、関心のあることがスモールビジネスにつながらないか考えてみてください。
ここでは、スモールビジネスの始め方や具体例を紹介します。
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スモールビジネスの始め方
スモールビジネスは、その名前からもわかるように規模が小さい事業を指す言葉です。
ビジネスを始めると聞くと、開業資金のために借金したり店舗を契約したりするようなイメージがあるかもしれません。
しかし、スモールビジネスは小規模からスタートするため、自分ひとりで最低限のコストだけで始められます。
まとまった資金や人手を集める必要もなく、より短時間でスタートできる点も特徴です。
ここでは、スモールビジネスを始めるためにどのようなステップが必要なのか紹介します。
STEP1.参入したい分野を選ぶ
スモールビジネスは小規模で始めるため自由度が高く、自分の裁量で何をするかを決められます。
しかし、自由度の高さから何をすればいいのかわからなくなる人もいるかもしれません。
スモールビジネスで参入する分野を選ぶときに初めに考えてほしいのが、自分の興味や関心がある分野です。
始めた事業がスムーズに進むとは限りません。
思ったよりも大変だったり、軌道に乗せるまで手間がかかったりすることもあります。
しかし、自分が楽しさややりがいを感じられる分野だと、トラブルや苦労があるときでも前向きに取り組めるでしょう。
また、自分の知識や経験がある分野に参入する方法もあります。
小売やメーカーでの経験を活かしてECビジネスをスタートするほか、専門知識を活かしてニッチな需要があるビジネスに取り組むといったやり方です。
自分の経験や知識を応用してビジネスにならないか検討してみてください。
STEP2.必要なモノや資金を準備する
小規模なスモールビジネスであっても、最低限の資金や準備は必要です。
資金計画を立てていないと、予想以上に経費が膨らんでしまうことがあります。
まずは、事業計画書で必要な資金や収支の計画を立ててください。
事業を始めるにあたって何が必要なのかをピックアップし、どの程度の費用がかかるのかを試算します。
将来的に大きな成長を見込むビジネスであっても、最初は小規模からのスタートです。
いずれは実店舗に成長させるつもりでネットショップを開設するといった方法で、規模やかかるコストはコンパクトに抑えるようにしましょう。
STEP3.他人のビジネスモデルを参考にする
スモールビジネスは、すべてオリジナルのビジネスである必要はありません。
新しい需要、市場を開拓する事業は成功すれば大きな利益が得られますが、それまでにかかる時間や費用が大きくなりがちです。
他人のビジネスを参考にすれば、既存のビジネスモデルを使って起業できます。
小規模だからこそ意思決定がスムーズなので、いろいろなビジネスモデルにチャレンジできるでしょう。
フットワークの軽さは、スモールビジネスの大きな魅力です。
STEP4.必要な手続きを行う
スモールビジネスは、事業の内容やビジネスの形態に応じて手続きも必要です。
起業するのであれば、個人事業主か法人を設立するかをまず考えてください。
将来的に本格的なビジネスとして展開するのであれば、法人としてスタートすることも検討しましょう。
初期の費用負担を少なくするのであれば、個人事業主がおすすめです。
個人事業主になるには、事業開始から1カ月以内に税務署で開業届を提出します。
また、事業の内容によっては許認可や、事前申請が必要なこともあります。
例えば、中古品を売買する場合は、管轄の警察署で古物商許可申請を行わなければなりません。
事業計画段階でどのような手続きをしなければいけないのか、調べておくことが大切です。
STEP5.実際に仕事を受注する
スモールビジネスを始める準備が整ったら、早速仕事を受注してみてください。
スモールビジネスは、人を雇用したり資金調達したりしなくてもいいので、早ければ思い立った日からでも始められます。
クラウドソーシングで仕事を受注してみたり人材紹介サイトに登録してみたり、始め方にはいろいろあります。
ネットショップであれば、実際に商品を仕入れて出品、取引きをしてみましょう。
ビジネスは、事業計画書だけではわからない部分もたくさんあります。
しかし、スモールビジネスは想定通りにならない、もっとよいやり方を考えたいと感じた場合には仕切り直せます。
スモールビジネスならではのフットワークの軽さを武器に、継続できそうなビジネスを見つけてください。
スモールビジネスのメリット・デメリット
スモールビジネスには、メリットがたくさんあります。
しかし、スモールビジネスだからできることもあれば、困難なこともあります。
スモールビジネスを始める前に、メリット・デメリットを確認しておきましょう。
メリット①ローリスクでスタートできる
事業を始めるときに、まず問題となるのが資金です。
スモールビジネスは、起業時にかかる費用が少ない点がメリットです。
規模が大きい事業だと、物件を借りたり人を雇ったりと事業資金も膨らんでしまいます。
手持ち資金では足らずに、金融機関から融資を受けることもあるでしょう。
ビジネスが失敗してしまえば、返済だけが残ります。
スモールビジネスは投資額が少ないため、失敗しても失うものは多くありません。
ローリスクでスタートできるため、安全志向の人にもおすすめです。
メリット②得意分野や興味のあることを活かせる
スモールビジネスは、事業を大きくすることが必須ではありません。
大きな事業にしなくてもよいので、自分の興味があることを追求した事業にできます。
ビジネスとして成立する必要はあるものの、趣味や得意分野を活かせば仕事へのやりがいも高まります。
得意分野や興味を仕事にすることで、ほかの人にはない視点や個性が武器になるかもしれません。
メリット③副業やサイドビジネスとして始めやすい
スモールビジネスは、時間や場所にとらわれず、やりたいときにやりたい場所で始められます。
パソコンやスマートフォンを使ったビジネスであれば、自宅でも出先でも可能です。
副業としてスタートしたりスキマ時間を活用したり、始め方はいろいろあります。
事業のために退職したり生活を変えたりしなくてもよいので、挑戦するハードルは低くなるでしょう。
メリット④人間関係のトラブルが少ない
仕事の悩みとしてよく聞かれるのが、人間関係のトラブルです。
スモールビジネスは従業員やパートナーがいなくてもスタートできるため、人間関係の悩みからは解放されます。
もちろん、取引先や顧客とのコミュニケーションはありますが、あくまで社外の人なので距離感をもって接することができるでしょう。
スモールビジネスなら、自分が働きやすい環境を自分で作っていくこともできます。
デメリット①収入が不安定になることが多い
スモールビジネスは、好きな仕事や自分の趣味を追求できる働き方です。
しかし、人によっては好きなことだからこそ生産性が落ちてしまうこともあります。
こだわりが強くて採算が取れない事業になってしまったり、時間をかけすぎてしまったりするケースです。
また、自己管理が苦手な経営者の場合は、スケジュールや進捗管理ができずに収入が落ちることもあります。
デメリット②事業拡大が困難な場合もある
スモールビジネスは低コストで始められるものの、事業を大きくしようとすればどうしてもコストが大きくなっていきます。
ローリスクで始めるスモールビジネスはリターンも小さく、大きく利益を得ようとすれば事業を大きくしなければいけません。
将来的に事業を拡大しようとしても、スモールビジネスでは事業を大きくするための人手や資金を用意できないケースもあるでしょう。
デメリット③信用性が劣ってしまう
スモールビジネスは資金調達や大きな店舗が必要ないものの、事業としては信用性が劣ることがあります。
小規模のビジネスとなりますので、一般企業に比べると社会的信用が低いです。
そのため、トラブルのときに金融機関からの資金調達が難しいこともあります。
スモールビジネスである限り、事業を安定して続けることは困難と判断されてしまうかもしれません。
スモールビジネスの具体例
IT技術や社会の変化によって、スモールビジネスとしてスタートできる業種は増えています。
どのような仕事があるのか紹介しますので、これからスモールビジネスを始める参考にご覧ください。
ライター・デザイナー
スキマ時間を活用して働きやすいのが、ライターやデザイナーです。
夜の時間や休日を仕事時間にあてられるため、副業としても働きやすいでしょう。
また、慣れないうちは少しずつ受注し、軌道に乗ってから受注量を増やすといった形で作業量をコントロールしやすい点もメリットです。
出版系の会社やデザイン会社から独立して、フリーランスのライター、デザイナーとして活躍する人もたくさんいます。
企業に直接営業する方法もありますが、ライターやデザイナーを募集しているサービスもあるので活用してみましょう。
IT・Web関連職
ITやWebに関する仕事も、スモールビジネスに適しています。
システム開発やプログラミングのほか、アプリ開発やWebデザインのような仕事は在宅でも作業しやすいため、副業として始めやすいです。
会社員としてIT・Web関連の仕事をしている人が、フリーランスになる準備として始めてもよいでしょう。
また、youtuberの登場もあり、動画編集のニーズも高まっています。
独学でも勉強できる分野なので、気になるジャンルがあればチャレンジしてみましょう。
ITやWebの仕事は今後も高い需要が期待でき、小さくスタートした会社が大企業に成長した例もたくさんあります。
クラウドソーシングを使って、負担が少ない仕事からスタートしてみてください。
講師・コンサルタント
持っている知識や経験を活用するのであれば、講師やコンサルタント業も適しています。
オンライン会議システムを使えば、自宅からでも全国の顧客にサービスを届けることが可能です。
例えば、Webマーケティングや動画編集といった内容に関心を持つ人は増えています。
スキルを持つ人とスキルと求める人をマッチングするサービスもあるので、自分が提供できるスキルが何かを考えてみてください。
講師やコンサルタントの仕事は、オンラインサロンのようにインターネットを介した会員制コミュニティを活用することも可能です。
オンラインサロンは、会員が月会費を支払って参加する仕組みです。
知識だけでなく知名度も必要なので簡単ではありませんが、会費制のビジネスなので安定して収入を得られます。
ネットショップ運営
ネットショップは実店舗運営に比較して、大幅に初期費用を抑えられます。
家賃や敷金礼金といった店舗にかかる費用のほか、人件費も制限できます。
インターネット環境さえあれば、どこからでも世界中の顧客に商品を販売可能です。
ネットショップ開設サービスを使えば、ショッピングカート機能や決済機能を利用できます。
また、大手モール型ECに出店してサービスを利用する方法もあります。
大手モール型ECでは、発送や顧客管理といった業務を代行してもらうこともできるので、事務作業を減らしたい場合には利用を検討しましょう。
アフィリエイト
アフィリエイトは、自分のブログなどで商品を宣伝し、ブログを訪問した人が購入すれば報酬を受け取れる仕組みのビジネスです。
商品を仕入れることもなく、パソコンやスマートフォンだけでスタートできる点が大きな魅力です。
初期費用がかからないので、まずはビジネスで稼いでみたい人や起業初心者にもおすすめです。
ただし、アフィリエイトは商品を見た人が購入しなければ報酬にならないため、スタートしてすぐに儲けるのは難しいとされています。
また、商品を購入してもらうためには、ブログに人を集めなければいけません。
安定してブログを見てもらうためには、良質なコンテンツを定期的に投稿して訪問者を増やす必要があります。
ある程度記事が増えないと訪問者も増えないので、まずはブログを始めて記事を増やしていきましょう。
まとめ
スモールビジネスは、ずっと小規模である必要はありません。
企業ができないような小さな需要を掘り起こしたりニッチなジャンルに展開したりと、取組方によっては大きく成長する可能性を秘めています。
より利益率が高い、儲かるビジネスにシフトしていくためにも、いろいろなビジネスにチャレンジしてみましょう。