フリーランスの仕事の取り方はどうする?案件を増やすためにできることのまとめ
フリーランスになるには下準備が必須!仕事の取り方を考えておこう
晴れてフリーランスになっても、仮に仕事が取れなければ、収入に関わる大きな問題になります。
そのため、どうやって仕事を取るかを事前に考えておくことがとても大切です。
仕事の取り方は、人脈を活用する方法以外にも、フリーランス向けのエージェントを使う方法や、企業への営業などいろいろあります。
ここでは、フリーランスとして安定して働くための仕事の取り方を紹介します。
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この記事の目次
フリーランスで仕事を取る方法
フリーランスは、会社のような組織にとらわれることがない自由な働き方です。
いずれはフリーランスになりたいと考えながら、組織で働く人も少なくはありません。
フリーランスになった後、仕事の取り方で困らないように、あらかじめどういった方法があるのかを知っておきましょう。
以下に、フリーランスが仕事を得る方法を紹介します。
フリーランス向けのエージェントを利用する
フリーランスになると、組織では分業していたような仕事も自分でする必要があります。
仕事の管理だけでなく、仕事を獲得するための営業も大切です。
仕事をするスキルがあっても営業が苦手な人もいるのではないでしょうか。
そこで、おすすめしたいのは、フリーランスエージェントです。
フリーランスエージェントは、フリーランスとスキルを求める企業をつなぐ存在です。
営業から契約の締結までの業務代行のほか、案件獲得のアドバイスなども提供しています。
フリーランスエージェントがいることで、営業にかかる時間を短縮して仕事に集中できる点もメリットです。
また、間に入ってもらうことでトラブルの解決や交渉も任せられます。
フリーランスになるが、仕事が獲得できるか不安がある場合には、フリーランスエージェントに相談することも有益です。
昔の職場から紹介を受ける
フリーランスにとって、強い武器になるのがもともと働いていた職場です。
人脈や伝手を頼って仕事を獲得するのは、フリーランスにとって定番の仕事の取り方です。
職場で良好な人間関係を築いて円満に退社していれば、以前の職場から仕事を受ける選択肢も十分に考えられます。
社員として行っていた仕事の一部を回してもらったり、繁忙期にスポットで仕事を受けたりできます。
もとの職場から携わってきた仕事であれば、内容について理解しているため働きやすい一面もあるでしょう。
社員として業務に関わるよりも、ある程度仕事量を調整しやすくなる点もメリットです。
フリーランスとして働くことで、稼働日数を減らしたい、趣味や家庭と両立したいといったニーズに対応しやすくなります。
SNSで営業をする
多くの人が仕事やプライベートでSNSを活用しています。
また、フリーランスが仕事を探すにも、SNSは便利なツールです。
仕事や役立つ情報をSNSで発信することによって、クライアントから仕事の依頼を受けるきっかけになることもあります。
請け負った仕事の実績や仕事に関係する情報をブログに掲載すると、見込み客から問い合わせがあるかもしれません。
また、SNSでフリーランスを集めるための呼びかけがされることもあります。
SNSを活用した人脈づくりも仕事を獲得するために役立ちます。
企業に直接営業する
電話やメール、SNSを通じて企業にコンタクトを取れば、仕事がないかを直接問い合わせる方法があります。
課題をヒアリングしたり、自分が提供できる付加価値を提案したりすれば、案件獲得のきっかけになるかもしれません。
企業によっては、仕事を請け負ってくれるパートナーを募集している場合もあります。
門前払いになってしまう場合もありますが、どういったスキルの需要があるのかをリサーチできる方法でもあります。
自分の利用価値をアピールできるように、実績やスキルをまとめておくことも準備の段階でできることのひとつです。
異業種交流会に参加する
仕事を獲得するための人脈作りには、異業種交流会やサロンも役立ちます。
セミナーやサロンのつながりから、プロジェクトの立ち上げの話が持ちあがることもあります。
すぐに仕事獲得につながらなくても、名刺交換やSNSでつながった後も細かく情報交換すると良いでしょう。
時間が経ってから、ビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
クラウドソーシングで仕事を探す
フリーランスとして本格的に働く前に、負担が少ない案件から仕事をスタートしたいといった場合には、クラウドソーシングが便利です。
クラウドソーシングは、依頼主と委託先をマッチングするプラットフォームです。
クラウドソーシングのサイトをチェックすると、様々な個人や法人からの依頼が掲載されています。
未経験でも受託できる案件もあるため、まずは試してみたい場合や経験を積みたい時にも適しています。
副業向きの負担が少ない仕事や、在宅での仕事も多いので積極的に活用してみてください。
フリーランスで活躍している人はどうやって仕事を取っているの?
フリーランスでの仕事の取り方は、その業界や職種によっても異なります。
人によって、向き不向きもある場合もあります。
では、実際にフリーランスとして活躍している人は、どのように仕事を獲得しているのでしょうか。
『フリーランス白書2022』から、フリーランスの仕事獲得経路のデータを紹介します。
仕事獲得経路の過半数が人脈
『フリーランス白書2022』では、1,000名以上のフリーランスからオンラインのアンケートを収集しています。
その中の質問のひとつが、仕事をどのようなところから見つけたかというものです。
この質問では直近1年間で仕事獲得につながった選択肢をすべて回答しています。
回答された仕事獲得経路で最も多かったのが「人脈(知人の紹介を含む)」で、65.9%を占めていました。
次いで、過去・現在の取引先の58.3%、自分自身の広告宣伝活動26.2%と続きます。
この3つの順位は調査を開始した2018年から5年間変わっていません。
また、最も収入が得られる仕事経路も「人脈」がトップでした。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響で行動が制限された2021・2022年はそれまでと比較して「人脈」と回答した割合が少なくなっています。
これは行動制限の影響で、人脈の形成が難しくなったことが原因と考えられます。
こういった社会の状況によっても、フリーランスの仕事の取り方に変化が表れていることがわかりました。
フリーランス向けサービスの利用も拡大傾向にある
コロナ禍で人脈の形成が難しい一方で、仕事獲得経路として割合が増えたのが、「エージェントサービスの利用」と「クラウドソーシング」です。
コロナ禍は、社会のあり方にも大きく影響を与えました。
企業でも、在宅の推進や働き方改革、DXが進んでいます。
社会の変化に応じて、エージェントを通じて業務委託をしたり、クラウドソーシングで外注したりする企業が増えていると考えられます。
前述した『フリーランス白書2022』でも、フリーランスから「コロナの影響で在宅やオンライン化が進んだ」・「単価が高い発注先に切替えができた」といった意見もありました。
フリーランスで仕事に困らないように今からできること|準備編
会社員であれば、会社の業績が悪くても給料は支払われますが、フリーランスになって仕事を取れなければ収入も途絶えてしまいます。
フリーランスになってから仕事に困ることがないように、準備をする必要があります。
在職中や開業前でもできる準備を以下にまとめました。
スキルアップしておく
フリーランスにとって最も武器になるのはスキルです。
例えば、エンジニアの場合は開発に必要な言語のスキルがなければ、案件に応募することもできません。
フリーランスになるにあたってスキルに不安がある場合には、前もってスキルアップしておくことは必須といえます。
スクールに通ったり、独学したりしてフリーランスになる準備を進めてください。
強みや実績を洗い出しておく
フリーランスとして仕事を取るには、自分が持つスキルや強み、実績を整理することも必要です。
自分では実力があるつもりでも、その実力を人に説明するとなると難しいものです。
クライアントに自分をアピールするためにもスキルの棚卸しをしてください。
自分の強みや実績を洗い出しておくことで、自分の仕事への適正も把握できるようになります。
市場動向を読む
フリーランスは社会や企業の変化に大きく影響を受けるものです。
フリーランスになる前に、自分が関わる職種のトレンドや求められるスキルの動向を知っておくようおすすめします。
例えば、エンジニアであれば主流となっている言語をチェックしておきます。
市場がどのように動くかを予測して、フリーランスになった後のことまで長期的な視点で計画を立てることも大切です。
必要な収入を把握しておく
フリーランスは会社から給料を受け取るわけではなく、自分の働き次第で収入が変わります。
生活に困窮しないよう、フリーランスになる前に月にどれだけの収入が必要か目標月収を決めておくようにおすすめします。
目標月収が決まったら、それを得るためのどれだけ働かなければならないのか、自分のスキルに見合う報酬はいくらなのかも見定めてください。
コネクションを増やしておく
フリーランスの多くが、人脈を活用して仕事を獲得しています。
会社員時代の同僚や取引先、プライベートの知り合いも仕事につながる可能性もあります。
フリーランスになる前にコネクションを作っておけば、仕事を獲得するために応募して信頼を得るまでの時間や手数もかかりません。
お互いに能力や人柄を知っている状態から、すぐに仕事に取りかかれます。
可能であれば前もって、フリーランスとして受けられる案件がないか、人手を探していないかを相談してみることもおすすめの方法です。
フリーランスで仕事に困らないように今からできること|実践編
フリーランスとして仕事探すために、すぐに実践できることもたくさんあります。
費用がかからないものもあるので、フリーランスになることに不安がある人も、できることからチャレンジしてみてください。
ホームページを作成する
フリーランスになる下準備として、自分のホームページを作ってみることをおすすめします。
ホームページの内容は、仕事に関わる内容や今までの実績など職種に応じて自由に考えてください。
ホームページを見て仕事を依頼する人のために、問い合わせ先を載せておくようにします。
また、名刺にもURLを掲載しておくと、そこから仕事につながることがあります。
ポートフォリオを作る
仕事を取る時に自分の実績やスキルをまとめたポートフォリオが役に立ちます。
デザイナーやイラストレーターといったクリエイティブ系の仕事は、ポートフォリオの完成度が評価に関わります。
経歴・スキル・受賞歴のほか、実際の成果物をわかるようにまとめてください。
準備編でも紹介したように、フリーランスになる前からコネクション作りは必要です。
営業でアピールするためにも、ポートフォリオを入念に作っておくようおすすめします。
ブログやSNSで発信をする
ブログやSNSなら気軽に情報を発信できます。
仕事の獲得につながるケースもあるので、見込み客に向けた情報や自分の成果物を発信してみてください。
SNSが企業の目に留まって仕事につながるかもしれないので、発信する内容には注意を払います。
SNSを通じた交流から仕事が入る場合もあり、多くの人とコミュニケーションを取るようにおすすめします。
フリーランスを続けるための仕事の選び方
フリーランスを続けるためには、仕事をどうやって取っていくかも重要ですが、仕事の選び方にも注意が必要です。
どういった仕事を受注していけばいいのか、選び方を紹介します。
実績になる仕事を選ぶ
仕事の実績や事例があると、新しいクライアントが仕事を依頼しやすくなります。
どういった仕事をしてきたかによって、その人が信頼できるかどうか、どの程度実力があるかどうかを判断できるためです。
経験を積むためにも、自分の実績となるような仕事を選ぶことが大切です。
受注先はひとつに絞らない
フリーランスが安定収入を得るためには、ひとつのクライアントだけでなく複数のクライアントから仕事を受けることも重要なポイントです。
定期的に仕事を依頼してくれる先や、保守・運用業務などのように固定収入になる契約をする先を作ると収入も安定します。
受注先をひとつに絞ると、その受注先との仕事が途絶えたとたんに収入がなくなってしまう危険があるので、受注先は複数持つようにしてください。
クオリティを維持できる範囲で受注する
フリーランスになったら、働けば働くほど稼げるからとできるだけ多く仕事を受注する人もいるかもしれません。
しかし、自分の能力を超えた量の仕事を受注してしまうと、納期遅れやクオリティ低下の原因となります。
フリーランスとしてスタートしたての時には、クオリティを維持でき、スケジュールに余裕がある範囲で受注するようにしてください。
ブログやSNSで情報を発信して新規クライアントを増やす
仕事が途絶えないようにするためには、新規クライアントを増やしていくことが重要です。
ブログやSNSで情報を発信して、クライアントの見込みを作っていくと良いでしょう。
記事を投稿して終わりではなく、コメント数やPV数から需要を判断して発信の内容をブラッシュアップすると、より効果的です。
まとめ
組織を離れてフリーランスになると、営業からクライアントとの交渉、スケジュールの管理まですべて自分ですることになります。
仕事の取り方自分でも考えておかなければ、フリーランスになってから困るケースもあります。
どのように仕事を獲得するのか、そのために今何ができるのかを考えて準備を進めましょう。