スクールの開業・起業をする前に考えておくべき5つのこと

創業手帳

スクール開業・起業で失敗しないために


スクールを開業したい、または、起業したいと思っても、継続させられなければ失敗に終わります。
会社勤めをしている人であれば退職をしてからの独立となるため、もし失敗をすればその後の生活に大きな影響を与えてしまうかもしれません。

開業したスクールを軌道に乗せるためにも、失敗しないための対策を前もって考えておきましょう。
スクールの開業が失敗する原因や起業の前にやるべきことを知り、開業に向けて準備を進めてください。

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スクールの開業・起業が失敗する原因


スクールの開業・起業を夢見て実現させても、失敗してしまうケースもあります。なぜ失敗を招いてしまうのか、それには理由があります。
スクールの開業を成功させるためにも、失敗する原因を知り、対策を立てるための参考にしてください。

起業の目的が曖昧で計画の見通しが甘かった

目的がスクールの開業だと、失敗を招きやすいです。起業すること自体を目的にしていると、その後の事業計画が疎かになってしまうため、事業継続が難しくなります。

起業を成功させるためにも、起業後にどうしたいのか、最終的に目指すところはどこかなど、具体的な目標を掲げて起業の準備を進めていきます。
特に、「簡単に稼げる」などの甘い言葉を信じてフランチャイズで起業すると失敗するリスクが高まるため、気をつけてください。

市場のニーズとマッチしていなかった

世間のニーズに合っていないと起業はうまくいきません。
いくらユニークなアイデアを思いついても、市場ニーズとマッチしていなければスクールを開業しても利用者はやってこないからです。

これは、事前に市場調査を実施していないのが原因です。
一緒にスクールを開業するメンバーがいれば意見を聞き、それ以外にも第三者の意見を取り入れるなど、世間のニーズを知る機会を設けてください。
実際にスクールを開業して成功を収めた人に話を聞くと、有益な情報を提供してくれる可能性があります。

資金不足に陥ってしまった

資金不足が原因でスクールの開業が失敗することもあります。
世間のニーズに合ったスクールを起業しても、事業を継続するためには家賃・光熱費・人件費などの様々な経費が必要です。
事業を継続するための運転資金が不足してしまえば、スクールを続けることが難しくなってしまいます。

特に、事業をスタートしたばかりであれば資金調達は難しいかもしれません。
資金繰りがうまくいかず、立て直せないと最終的には倒産を避けられないため、資金を多めに用意する必要があります。

スクールの開業となれば、多額の初期費用が必要です。
準備の段階では初期費用にばかり目がいきがちですが、それ以外にも当面の運転資金が必要になることを念頭におき、資金を準備するよう努めます。

人間関係でトラブルに発展した

スクールの開業を共同で行う場合も注意が必要です。
最初はスクールの方向性が同じでも経営を続けていくうちに、考えに違いが現れることがあります。

仲の良い友人との共同であれば、「一緒に起業できて嬉しい」といった気持ちを初めは持つでしょう。
しかし、今後の方針や報酬に関して綿密な打ち合わせをせずに起業してしまうと、後にトラブルが起きることは予想に難くありません。

良好な関係にヒビが入れば、友人としての付き合いがなくなってしまうことにもつながります。
共同でスクールを開業する場合は事前に打ち合わせを行い、その内容は書面に残しておくなど対策を講じながら準備を進めます。

集客・営業が十分に行えていなかった

スクールを開業しただけでは利用者は集まりません。
どれほど優れた講師陣を集めても、どのくらい学びやすい環境を取り入れても、世間に知ってもらえなければ魅力は伝わらないからです。
集客力や営業力不足はスクールの開業において重要なポイントです。
地域に住んでいる人たちにスクールの良さを知ってもらうためにも、スクールのPRは入念に行います。

スクールの開業・起業をする前に考えておくべきこと


スクールを開業させるためには、まずは行動も大切です。しかし、何も考えずに開業してしまえば失敗を招きます。
開業を継続させるためにも、スクールの起業前に何をすべきか解説していきます。

スクールを開業・起業する目的を決める

起業することは決して簡単ではありません。そのため、スクールの開業だけに目が向きがちになってしまいます。

しかし、スクールの将来性を決めていないと、経営を続けていくうちに方針がブレてしまうことがあり、その結果利用者に不信感を与えてしまいかねません。
小さなスクールだとしても、しっかりと計画を立てスクールのビジョンを明確化させてください。

ビジョンを明確化させるためにも、まずはスクールの理念を掲るようおすすめします。

  • 何を学べるスクールなのか
  • どのようなレッスン(授業)を実施するのか
  • 生徒たちの目標は何か

などを、わかりやすい言葉を意識して理念を決定します。

事業戦略・資金計画を練る

スクールの運営を安定させるためにも、理念に基づいた事業計画を練る必要があります。魅力的な理念を掲げても、計画が疎かであれば経営は成功できません。
まずは下記の項目から考えてみてください。

  • 利用者のターゲットはどのような人物か
  • 目指すべき毎年の収入、毎月の収入はどの程度なのか
  • スクールに通う生徒は何人か

また、事業の立ち上げや継続に必要な資金を調達するためには資金計画書も作る必要があります。
ビジョンや理念のほかに、サービスの特徴や売上げに関する計画などを記載して作成します。
資金計画も必要であり、開業に向けて必要となる資金に加えて運営にかかるランニングコストをしっかりと算出してください。
そして、運営費用が明確化されてから月会費などを決定していきます。

スクールの場所を決める

スクールの開業においては、レッスンや授業を行う場所選びも重要です。自宅・オンライン・テナントなど様々な場所があるため、以下にそれぞれの特徴を解説します。
場所を決める際には、レッスンの内容や賃貸料など、コストとバランスがとれているか確認します。

自宅

料理教室やハンドメイド作品、フラワーアレンジメントなど小規模なスクールであれば自宅の一室を使ったレッスンも可能です。
最大のメリットは、テナントと異なり利用費用がかからない点です。
ただし、自宅の住所が不特定多数の人に知られてしまう、スクールの内容によってはリフォームが必要になる点がデメリットでもあります。

マンションの一室を教室にする際には、管理組合に確認を取る必要があります。
分譲であれば、スクール運営が可能な場合が多くありますが、騒音問題などで近隣住民から苦情が入る恐れもあるかもしれません。
前もって近隣住民にスクールを開業することを伝え、了承を取っておくとトラブルを未然に防げます。

オンライン

英会話やプログラミング、ヨガやフィットネスといった種類のスクールを開業したいならオンラインでのレッスンも可能です。
場所を選ばないため始めやすい利点があり、遠方に住んでいる人も参加しやすいので、全国に住んでいる人たちがレッスンの対象です。

オンラインでのスクールであれば、インターネット環境を整えて必要に応じて照明やWebカメラ、マイクなどを購入しておきます。
ただし、直接会って教えないため、伝えたい内容が十分に伝わらないケースもあります。
実際に教える場合と比較すると、生徒との距離感が生じやすいため、距離を縮める方法や適切やわかりやすい教え方を事前に考えることが必要です。

テナント

学習塾やスポーツ、ダンスやヨガまで幅広いスクールを運営できるのがテナントでの開業です。
スクールとして認知されやすく、集客効果が上がりやすいメリットがあります。駅前などアクセスしやすい場所を借りられれば、より集客アップを目指せます。

ただし、借りる際の審査が通らない場合がある、初期費用が多くかかる点がデメリットです。テナントでスクールを開業したい場合は、資金を多く用意する必要があります。

法的に問題がないか確認する

スクールの開業にあたり、資格や届け出の提出をしないと違反になるケースもあります。
法的な問題が発生すれば、信用問題にもつながるので利用者を失う恐れがあります。
そのため、計画の段階からサービスを提供する際にどういった資格や届け出が必要になるのかを、しっかりと確認してください。

特に、特定商取引法や個人情報保護法には注意が必要です。特定商取引法は消費者を守るためのクーリングオフなどの制度です。
個人情報保護法は、個人情報の管理や利用方法についての明示などとなるため、正しいスクール運営のためにも必ず確認してください。

また、個人事業主となるので、税務署に開業届を出す必要があります。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 事業開始等申告書
  • 所得税の青色申告承認申請書

これらの書類は、記入の仕方を事前に調べておくとスムーズに提出できます。

集客方法やマーケティングを検討する

開業したスクールを長く経営するためにも、生徒を集めなければいけません。
より多くの利用者を確保するためにも、集客やマーケティングを実施しスクールの存在を多くの人達に紹介して、魅力的であると感じてもらう必要があります。
募集方法は様々ですが、チラシ・フリーペーパー・ホームページ・SNSの活用などが一般的です。
以下に、その方法を解説していきます。

チラシやフリーペーパーで宣伝

チラシを作成すればスクールに近いエリアに絞って配布できます。方法は、自らポスティングをするほか、新聞の折込みチラシとしても届けられます。

フリーペーパーは地域限定で配布される情報誌です。掲載には費用がかかりますが、比較的安価で依頼できるので便利です。
スクール周辺に住んでいる人以外にも、少し離れたエリアに住んでいる人にも存在を知ってもらうチャンスをつかめます。

ただし、チラシやフリーペーパーを見た人すべてが入会するとは限りません。
情報を見てもらえない、捨てられてしまうことも考え、お得な情報を掲載するなど、魅力的な内容を盛り込むと目に留まりやすいでしょう。
ホームページのQRコードを掲載すれば、ホームページに誘導もできます。

ホームページ作成

インターネットが普及している現代では、チラシやフリーペーパーのみでは集客不足になります。
スクールを開業する際には、ホームページを作成して詳しい情報を掲載すると、スクールが持つ魅力を発信できます。

  • スクールの特徴
  • スクールの魅力
  • 会費
  • 問い合わせフォーム

上記は必須項目です。上記に加えてブログを更新すると、普段の教室の様子や講師の人柄が紹介でき、スクールの雰囲気がより伝わります。

ホームページの作り方について、詳しくはこちらの記事を>>
『見やすいホームページの作り方』失敗しないための10の法則を解説

SNS活用

SNSのアカウントを作れば、より多くの人にスクールの魅力を伝えられます。
また、文章のみではなく画像や動画も投稿できるので、インパクトを与えることにも役立ちます。

SNSの種類としては、TwitterやInstagram、Facebookなどです。
それぞれの利用者に違いもあるので、自身が開業するスクールのターゲット層に合わせて利用するSNSを決めてください。

SNSの活用について、詳しくはこちらの記事を>>
SNSをマーケティングに活かそう!ポイントや注意点を事例とともに解説

スクールの開業・起業を成功させるためのヒント


スクールの開業を成功させるためのヒントをご紹介します。以下の方法を試して起業を成功させてください。

大手のまねはせず独自の魅力を引き出す

スクール経営が初めてであればわからないことは多いはずです。
そのため、すでに成功しているほかのスクールのまねをして経営をしようと考える人もいるのではないでしょうか。

しかし、ほかのスクールのまねをするのはあまり有効ではありません。
事業の実績や生徒数はスクールによって違いがあります。特に、大手のスクールであれば実績もあり、利用者も多くいます。
経営が安定しているスクールをヒントに経営を続けても、経営をスタートしたばかりのスクールにはまねできない点が多くあるでしょう。
あくまでも参考に留め、独自の魅力を引き出しながら経営をスタートさせてください。

常に学ぶ姿勢で取り組む

経営者になれば、基本的に誰かからのマネジメントはありません。アドバイスされることも減るので、アドバイスを得て成長する場は得られにくくなります。
スクールの経営では、常に変化のある社会情勢やトレンドをつかむのも大切なポイントです。時には経営の軌道修正が必要になる場合もあります。

そのような時にも、焦らず対応できるように学ぶ姿勢を忘れてはいけません。会社の経営・人脈の活用・集客などを学び続け、スクールの経営に活かしてください。
セミナーや講演会などに定期的に通うのもおすすめです。

相談できる相手やメンターを作ると安心

スクールの経営はすべてが順調に進むとは限りません。考えられるリスクを抑えるためにも、相談できる相手やメンターを作っておくとより安心して経営を続けられます。

例えば、起業に関する相談事は同じような経験をした起業家に相談すると、貴重な情報を得られるかもしれません。
また、スクールを立ち上げる際に必要な手続きや助成金に関することは、司法書士や社労士に相談します。
書類作成など手間もかかるため、プロに任せるのもおすすめです。

税務や会計関連は税理士への相談で解決でき、確定申告や節税に関するアドバイスももらえるため、疑問や不安の解消にも役立ちます。

また、トラブルに関する対策や相談、法律に関する手続きは弁護士に相談すると、いざという時に頼りになり、適切な対処法を提示してくれるでしょう。
自分ひとりでは解決できなくても専門家であればスムーズに解決できるため、経営にも支障をきたすことなく進められます。

まとめ

スクールの開業・起業を目指すなら、最初の準備が肝心です。成功に導くためにも失敗する要因を知り、適切な対処法を事前に考えておく必要があります。
スクールを開講する場所もコストやレッスンの内容によって最適なものを選んでください。

そして、自身のスクールの魅力を発信し、多くの人の目に留まるような集客やマーケティングを行いましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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