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2022年7月7日株式会社Kanatta 井口恵|女性のドローンパイロット・宇宙業界で活躍する女性のコミュニティ事業で注目の企業
女性のドローンパイロットのコミュニティ事業、宇宙業界で活躍する女性のコミュニティ事業で注目されているのが、井口恵さんが2016年6月に創業した株式会社Kanattaです。
女性の社会進出が随分と進んできました。
2000年には約57%だった女性の就業率は、2019年には70%を超えてきており、G7各国内での女性就業率も2位にまで上り詰め、この傾向が継続すればあと5年から10年程度で1位になる可能性があるとさえ言われているほどです。
一方で、女性管理職の割合がまだまだ低く、非正規雇用における女性の割合も多い傾向があります。
同様に、理数系女子の数や割合も世界と比べるとまだまだ少ないのが実情です。
日本では論理的思考能力と計算能力が優れていることについて、男性的であると多くの人が認知していることに加え、従来、知的な女性を敬遠する傾向が強かったことも、女性が理数系の世界で活躍できる機会や可能性を狭めてしまってきた要因の一つと言えるのかもしれません。(科学技術社会論研究より)
ジェンダー平等を真に実現させ、より多くの女性がより広い世界で活躍できる社会を創っていくには、無意識のうちに形成されてしまった観念や差別的発想を、いかに自然に取り除けるかがカギとなるでしょう。
そうした動きを後押しすべく、近年、特に話題となっている「ドローン」や「宇宙事業開発」を軸に、そこに関心を持つ女性たちだけのネットワークコミュニティを形成し、年齢や地域を問わずあらゆる女性たちが興味と関心の赴くままに体験や学習が出来る環境を提供するという活動に、今注目が集まっています。
株式会社Kanattaの井口恵さんに、事業の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
男性主体のドローン業界および、宇宙業界で活躍する女性のコミュニティを運営しております。
女性のドローンパイロットのコミュニティである「ドローンジョプラス」は、2016年に発足し、今では100名弱のメンバーが活躍しています。
活動内容としては商業施設や大規模なイベントなどで行うドローンの操縦体験会、小学生向けのドローンを使ったプログラミング講座、空撮、ドローンを活用した物流の実証実験のサポートなどを行っています。
一番の特徴は男性が9割以上のドローン業界で女性だけのチームで活動していることです。
毎月開催している勉強会にはドローンジョプラスに入会されたい女性が多く参加されますが、年齢層も20-60代と幅広く、ドローンを本業としている女性から、平日は会社員として他のお仕事をしながら、週末はドローンジョプラスとして副業でドローンの仕事をする女性まで様々な方が活躍されていることも特徴です。
「宇宙を身近に」をテーマに活動している宇宙業界で活躍する女性コミュニティの「コスモ女子」は、2020年に発足しました。
こちらも男性が8割の宇宙業界で今後活躍する女性を輩出したいという想いから、立ち上げたコミュニティです。
コロナ禍でオンラインコミュニティとして発足した背景から、全国で9歳から60代まで幅広い女性が一緒に活動しています。
コスモ女子は毎月宇宙業界の専門家の方をお招きした勉強会を開催しながら、コスモ女子が講師となって宇宙の基礎知識を学ぶイベントを開催しています。
そのようなイベントを通じて宇宙の知識を身につけながら、宇宙業界で働く女性を紹介する「宇宙のお仕事図鑑」などのWebメディアの運営、zoomで体験できる宇宙旅行「バーチャル宇宙旅行」の企画運営など様々なプロジェクトを推進しています。
また、コスモ女子から発足した「コスモ女子アマチュア無線クラブ」は、2023年の超小型人工衛星の打ち上げに向け、挑戦中です。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
「ドローンジョプラス」は、ドローンを本業にしたい女性はもちろん、趣味の延長線上で副業としてドローンに挑戦されたい方にもぜひ参加していただければと思います。
また、ドローンを使ったプログラミング講座をはじめとしたSTEAM教育に力を入れていることから、そのような教育の分野に関心がある女性にも、ぜひ参画していただきたいです。
ドローンジョプラスによるドローン操縦体験会やワークショップなど、ドローンを活用したイベントは、新しい取り組みを実施されたい企業や地方自治体の方々にご利用いただきたいですね。
特にお子様も参加できるドローン操縦体験会は、累計1万人以上の方々に体験していただいており、業界1位の実績を誇っております。
また、ドローンを使ったプログラミング講座に関しては、現在小学生から必修になっているプログラミングを子供たちが楽しく勉強できるような内容なので、教育機関の方々にぜひご検討いただきたいです。
「コスモ女子」は、今後宇宙業界で活躍したい女性や、宇宙は好きだけど仕事にすることは諦めていた女性に参加していただければと思います。お子様と一緒に親子で宇宙の勉強をされたい方も大歓迎です。
コスモ女子は宇宙関連のサービスを展開されている企業の方々とのコラボ企画も積極的に行っています。まだ宇宙に関心がない非宇宙業界の方々への広報活動、イベント企画などをご提案できます。
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
SDGs5「ジェンダー平等の実現」に貢献します。
ドローン、宇宙ともに男性が8-9割の業界ですが、今後確実に成長する産業です。
そのような産業で活躍する女性を増やすことで、ジェンダー平等の実現および女性の雇用創出に貢献いたします。
さらに、女性ならではの強みを生かして教育分野に力を入れることで、小さいお子さんのときから男女問わずSTEAM分野に興味を持ってもらえるような活動を行っています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
特にドローンは創業当時の2016年にはほとんど認知されていなかったので、まず認知していただくことに苦労しました。
ドローンと言っても人が集まらなかったので、「ガジェット飲み会」などのイベントを開催し、ガジェットに興味がある方にドローンの魅力を伝えて、興味を持っていただくなど、様々な工夫をしていました。
創業時のまだ誰も空撮技術がないときからアイドルのプロモーションビデオの空撮の仕事をとってきたり、とにかく「まずやってみる」ことを大事に活動してきました。
また、2019年には中心メンバーの卒業により、100名いたドローンジョプラスが1ヶ月で10名に減少する事件が起こりました。当時は毎日のように話し合いをし、もうドローン業界から撤退しようか、と悩む日々でしたが、残った10名で0からの再出発を誓いもう一度立ち上げ直しました。半年で60名まで回復したときにはとても嬉しく、あの時ついてきてくれた10名には感謝の気持ちでいっぱいです。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
ドローンジョプラスからはドローンで活躍する女性を、コスモ女子からは宇宙業界で活躍する女性をどんどん輩出したいです。
また、これらの業界に限らず、今後女性がもっと活躍できる可能性があるフィールドを開拓し、ジェンダー平等を推進し続けることが、Kanattaのビジョンです。
・今の課題は何ですか?
まだ知名度の低いドローン業界をまず認知していただくことです。2022年には法改正もあり、幸い注目されていますが、なんとなく「怖い」という印象を持たれている方も多いのが現状です。ドローンジョプラスをきっかけにより多くの方々がドローンに関心を持っていただければと思います。
一方、宇宙業界は、認知はされているものの、従来民間企業がほとんど参入できない分野だったことから、ハードルが高いと思われている方がほとんどです。コスモ女子の活動を通して宇宙ををより身近に感じていただくことが目標です。
また、日本は理系分野で活躍する女性が少ないことが課題なので、幼い時期からのSTEAM教育に力を入れることで、理系分野に対するハードルを下げることもKanattaの使命だと感じています。
・読者にメッセージをお願いします。
ドローンも宇宙もまだまだ成長中の分野ですが、今後みなさんの生活により身近になってくる業界です。
ドローンジョプラスやコスモ女子の活動を通じて、少しでもそれらの分野を身近に感じていただければ幸いです。
私も初心者からのスタートだったので、少しでも関心のある方はぜひ一緒にドローン・宇宙業界を盛り上げましょう!
会社名 | 株式会社Kanatta |
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代表者名 | 井口恵 |
創業年 | 2016年6月23日 |
社員数 | 12名 |
所在地 | 東京都 |
サービス名 | ドローンジョプラス、コスモ女子 |
事業内容 | ドローン業界、宇宙業界での女性のコミュニティ運営 |
代表者プロフィール | 2010年横浜国立大学経営学部卒。監査法人やファッション業界での経験を経て、2016年に株式会社Kanattaを創業。SDGsの取り組みの1つである「ジェンダー平等の実現に貢献する」ことを理念に、さまざまな分野での女性の活躍や社会進出を支援するコミュニティの形成に尽力している。その代表格である、ドローンの魅力を社会に発信する女性チーム「ドローンジョプラス」は約100名に成長。女性が社会で活躍する場を提供している。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | Kanatta SDGs ジェンダー平等 ドローン 井口恵 女性 宇宙 |
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