ロンブー淳や、厚切りジェイソンも登壇! 「NTT DOCOMO VENTURES DAY 2020」開催レポ

創業手帳

NTT DOCOMO VENTURES DAY 2020の様子をお伝えします

(2020/02/07更新)

NTTドコモ・ベンチャーズ主催の大規模なベンチャー向けイベント「NTT DOCOMO VENTURES DAY 2020」が2020年2月7日に開催されました。

タレントであり、起業家でもあるロンドンブーツ1号2号の田村淳氏、テラスカイベンチャーズ取締役で、タレントとしても活躍する厚切りジェイソン氏などゲストを招いたセッションや、期待のスタートアップによるピッチ、ベンチャー企業の出展ブースなど、盛りだくさんの催しが行われました。

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今回のテーマは「Innovate. Keep On Blending」

稲川尚之代表

ドコモ・ベンチャーズの稲川尚之代表は、今回のイベントの趣旨について

「アクセラレータープログラムに参加した企業のデモデイとして始まった本イベントですが、前身のNTTインベストメント・パートナーズの始まりから10周年だった3回目を期に、「ギアチェンジ」をテーマに、活動の領域を世界や新たな投資分野に向けるという意味で大きな変化を起こしました。続く昨年の4回目では、大企業としてのドコモと、ベンチャー企業との「Blending(混ざり合い)」をテーマに、オープンイノベーションを推進するアイデアを交換しました。

5回目となる今回は、「Innovate. Keep On Blending」として、ブレンドを続けつつ、さらに先に進もうという気持ちのもと、「ファーストフォロワー」をキーワードに掲げています。我々が、大きな変化を起こす天才的な新企業にいち早く気づき、最初のフォロワーとなって、どう新たな時代・ムーブメントを作っていくかをテーマにしています」

と語りました。

ロンブー淳、為末大語るオープンイノベーション

最初のゲストセッションは、田村淳氏と、元陸上選手で株式会やDeportare Partners代表でもある為末大氏を迎えて、稲川代表とのセッションが行われました。

テーマは「Inovation前夜」。タレントとして活躍する田村氏と、アスリート界の最前線に立ってきた為末氏という、異なる領域から見たオープンイノベーションについてのトークが繰り広げられました。

田村氏は「そもそも自分はオープンイノベーションを意識したことがない」ときっぱり。なにかの領域で変革を起こしている本人が「自分が今オープンイノベーションを起こしている」と意識しているケースは実はあまりなく、外部の人がそれを見て「オープンイノベーションだね」と評した結果として、変革が周知されるのではないか、という見解を示しました。

田村淳氏

為末氏もこの意見に対し、「陸上競技で新しいフォームが生まれるときも、選手が試行錯誤を生み出す中で偶然生まれた結果であることが多い気がします」と共感。また、スポーツにおいてのイノベーションは「自分の限界突破」だとした上で、「自分で立てた目標は自分の範囲を出ないので、自分の限界超えるためには外の人たちからの“ゆさぶり”が大事だと思っています。僕の場合は、国を変えたり、練習相手を変えたりしてきましたね」とアスリート視点でのイノベーションを語りました。

為末氏

田村氏は、イノベーションの起こし方は人によって全く異なるので「マニュアル化は絶対できない」と伝え、「イノベーションを起こしたいと考える人は、新しいことに一歩踏み出すだけでなく、一歩踏み出したその先で何をするかを考えてほしいです。今回みたいなイベントの中でも、小さな種はたくさんあると思います」と呼びかけました。

常に新たな挑戦を続ける二人によるイノベーション理論の共有は、起業やビジネスシーンにも相通じる知見の宝庫でした!

厚切りジェイソン×革新を起こす起業家 白熱のセッション

フォワードセッションでは、厚切りジェイソン氏をパネリストに、「テクノロジーによる新たな購買体験の創造」と「デジタルトランスフォーメーション」をテーマにした2つのセッション行われました。

「テクノロジーによる新たな購買体験の創造」

最初のセッションでは、小売店の来客情報を集めて分析するクラウドカメラを手掛けるセーフィーの佐渡島隆平CEO、お店やECサイトにチャットで相談できるツールの提供している株式会社空色の中嶋洋巳代表、レジを使わないシームレスな購買体験を実現するサービスを提供しているZIPPINのDr. Motilal Agrawal氏が登壇。

左から厚切りジェイソン氏、佐渡島隆平氏、中嶋洋巳氏、Dr. Motilal Agrawal氏

各代表による事業説明に始まり、今後日本における「購買体験」を自社の事業を通じてどのように変えていきたいか、同じ領域の事業が増える中で他社と差異化を図る戦略などについて意見を交わしました。

テクノロジーが日本の購買行動に近く大きな変革をもたらすことを確信できる刺激的なセッションでした。

デジタルトランスフォーメーション~世界のスタートアップがDXで切り開く未来~

機械をコンセントに指すだけで、部屋の中にいる人の健康状態をスキャンすることができるデバイスを開発しているTellus You Care,Inc.のTania A. Coke氏、コンピュータに搭載したカメラを通じて人の感情を可視化するサービスを展開しているRealeyes(Holdings) LimitedのMihkel Jaatma氏、工場のエネルギー消費量をリアルタイムに最適化できるプラットフォームを提供しチエルTETRON SASのScott Cerreta氏が登壇。

左からTania A. Coke氏、Mihkel Jaatma氏、Scott Cerreta氏

3者ともNTTドコモ・ベンチャーズから出資を受けていて、今後日本においてどのように事業を展開していく予定か、日本で事業を行う上で必要な要素などを各社の視点で語りました。日本ではまだ普及が進んでいないデジタルトランスフォーメーションですが、日本企業と海外の有力なスタートアップとの協業により普及が加速しそうな予感を感じられるセッションでした。

2つのセッションのあと、厚切りジェイソン氏は、

「各社のセッションを聞いて、NTTドコモ・ベンチャーズが出資している事業の幅広さを改めて感じました。海外の最新技術が日本でも活躍できる場を提供することで、好循環が生まれることを期待しています。これから5Gが実装されたあとも、デジタルトランスフォーメーションがますます進みそうで楽しみです!」

とコメントしました。

注目のベンチャーが登壇!フューチャーピッチ

フューチャーピッチでは、NTTドコモ・ベンチャーズが注目しているスタートアップ6社による事業プレゼンも行われました。各社の代表と事業内容を紹介します。

株式会社AILL 豊嶋千奈 代表取締役

豊嶋千奈代表

世界初、企業向けの福利厚生恋愛アシストAIサービス「Aill」を提供しています。気になる異性の反応をAIで分析し、恋愛におけるコミュニケーションの質の向上、成功率を上げることができるというユニークな技術です。

株式会社ラディウス・ファイブ 漆原大介 代表取締役

漆原大介代表

「クリエイターの仕事には、誰がやっても差が出ない単純作業も多い」という点に着目し、クリエイター向けの業務効率化AIツール「cre8tive AI」を開発。低解像度の画像や動画を短時間で自動的に高解像度化することができるできる技術を始め、色彩の補正、背景の補完、特定の物体の切り抜きなど、クリエイティブ領域に関わるあらゆる業務のコスト削減に貢献します。

株式会社Catalu JAPAN 吉本正 代表取締役

吉本正代表

製造業につきものの、流通販路の確保問題を解決するマッチングプラットフォーム「カタルスペース」を展開しています。プロダクトを開発する製造業と、物販を行える小売店をマッチングするだけでなく、店舗から製造業への誘導経路も複数設定することができます。製品が出会ってから手元に届くまでのプロセスを一貫してサポートするサービスです。

吉本代表へのインタビューでは、事業内容や事業にかける想いを詳しく紹介しています。

株式会社トルビズオン  増本衛 代表取締役社長

増本衛代表

「空の不動産」事業として、ドローン航行に使う空路提供に向けたドローン事業者と地権者のマッチングを行うサービスを展開しています。今後、普及が確実視されているドローンによる物流サービス普及に向けて、法律面で必要な「ドローンの社会受容性」を高めます。

既に様々な企業、各自治体と提携しながら空の道を開拓しており、2026年までに1万本のルートと、年1億回の利用を目指します。

株式会社Sportip 高久侑也 代表取締役CEO

高久侑也代表

筑波大学との共同開発で、スマホなどのカメラで撮るだけで、身体データを細かく可視化し、効果的なフィットネスをサポートをするサービスを提供しています。フィットネスクラブにおけるトレーナー不足や、データの一元化が出来ていないというネックを解決するために始まった事業です。将来的に、AIによる無人パーソナルトレーニングジムの提供を予定しています。

Mira Robotics株式会社 松井健代表取締役CEO

 

松井健代表とugo

 

ビルメンテナンス業務をサポートするロボット「ugo(ユーゴー)」を開発。ユーゴーは遠隔操作技術とAI技術のハイブリットで、遠隔で複数台のロボットを半自動で動かすことができます。遠方にいる人や、障がい者の方でも活用できるメリットがあります。今後、警備領域だけでなく清掃・点検サービスでも展開していく予定です。

マッチングブースも大盛況

イベント会場には、ステージプログラムに登壇した企業など、31社がブースを出展し、来場者どうしのマッチングが盛んに行われていました。

スポーツ中継の映像から、自動でハイライト映像を作るWSC Sports社

参加企業の国籍も多様化し、今後ますますNTTドコモ・ベンチャーズを中心とした「Blending」の輪が広がっていきそうです。

(編集:創業手帳編集部)

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