起業1年目でやることは?成功までの道筋をたどる方法まとめ

創業手帳

起業1年目の土台作りにやることをまとめよう


起業して1年目は、将来につながる大切な時期です。しっかりと経営を続けていくための基盤を作るため、起業してすぐにノウハウやスキルを積み重ねることをおすすめします。
しかし、起業について何を参考にすればいいのかわからず、悩んでしまう人もいるかもしれません。そこで今回は起業1年目の土台作りとしてやることをまとめました。

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起業1年目でやっておきたいことリスト


起業1年目は、将来のビジネスを決定づける大切な時期です。起業1年目でどのようなことをしておくべきなのか、紹介します。

実績を作る

起業してビジネスのための設備や人手が整ったとしても、実績がともなわなければ信用はえられません。
起業を成長させたり、資金を調達したりするためにも、まずは実績が重視されます。

ただし、大きな実績に限定する必要はありません。初めに小さな成功を確実に積み重ねてください。実績を重ねる中でわかることも多くあります。
実績を増やすことで、より大きな仕事も舞い込むようになるかもしれません。

仲間を増やす

起業してから人手が足りないことに気が付くケースは多々あります。
創業初期はやることも多くあるので、すべてをひとりでするのではなく、仲間を増やして人に任せることも意識してください。

ただし、無計画に人を増やすのではなく、どういった地位、職責の人間が必要なのかを考えてリストアップしてください。
例えば、営業力に自信がある場合には事業に集中するために、サポートしてくれる管理部門やバックオフィスの人材を探すこと検討します。
採用活動を始める前にどういった人材が足りないのかを洗い出してください。

資金の調達先を考える

事業計画の段階から、起業家の一番の不安ともいえるのが資金面です。事業に投下した資金を失ったり、安定収入が得られなかったりすることは精神的な負担になります。
不安を軽減する手段のひとつが資金調達です。資金調達には様々な方法がありますが、申請できる補助金や助成金を探すことが近道です。

補助金や助成金は、国や地方団体などが起業や事業拡大を支援する目的で行われています。
運営資金の助成には返済不要のものもあるので、地方自治体や地域の金融機関で実施されている制度を調べてみてください。

ただし、補助金や助成金は対象となる会社や要件が決まっているため、応募できなかったり、審査を通過できなかったりするケースもあります。
そういった場合には、金融機関から借入れや、クラウドファンディングを検討してください。
優れたアイデアや技術があるのであれば、ビジネスコンテストに挑戦する方法もあります。

未来に投資する

起業1年目は、目の前の仕事に全精力をつぎ込んできたという経営者もいるかもしれません。しかし、起業してすぐに将来に目を向けることをおすすめします。

会社経営では、何にお金を使うのかが重要な意味を持っています。お金を使う時には、その費用が未来への投資になるのかどうかを考えてみてください。
未来への投資といえる出費にはいろいろあります。
従業員に向けた教育として、本や教材を購入することもひとつです。従業員が本や教材を活用することによって、将来の利益や顧客満足度などにつながります。

また、将来への投資として、新商品の開発に資金を使うことも可能です。将来のビジョンを思い描くとともに、そのために必要な投資を始めてください

相談先を見つける

全国各地に創業支援機関が存在していて、無料で相談を受け付けています。
起業時にどこにも相談しなかった場合でも、企業1年目をきっかけに創業支援機関の利用を検討してみてください。

起業して1年目に見えた課題や将来の事業に対する不安など、相談の内容は千差万別です。
以下では、主な創業支援機関を説明します。

・商工会議所
商工会議所は、全国に拠点があり、商工業者によって組織され商工会議所法に基づく活動を行っているほか、創業や資金調達の相談を受け付けています。

・中小企業支援センター
中小企業支援センターは、全国に窓口があり相談や専門家によるアドバイスを受け付けています。中小企業庁のホームページでは各中小企業支援センターのURLを確認できます。

・日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、一般金融機関の役割を補完しつつ、中小企業者向けの事業も提供しています。
長期事業資金融資のほか、ビジネスマッチングや事業再生、スタートアップなど幅広く支援しています。

経営が成り立っているかを考える

起業すれば組織から給与を受け取るのではなく、自分自身のスキルを頼りにビジネスを成立させなければいけません。
起業してから1年たって、経営が成り立っているか、自分がしたい生活やキャリアパスを描けているかを見直してください。

経営が成り立っていなかったり、自分のビジョンから離れていたりするのであれば、事業自体を改善しなければいけません。
忙しすぎて休みが取れていなかったり、インプットの時間が削られていたりするのであれば、人材を雇用することも検討しましょう。
経費や税金がかさんでいる時には、税理士のような専門家の力を借りてください。

事業計画の見直し

起業1年目でうまくいっていないのであれば、事業計画を見直してください。
事業計画書は、会社運営に必要なのものではありますが、起業前に作成するため現実とはズレがあるかもしれません。

事業計画は策定して終わりではなく、定期的に見直して改善していくものです。
事業計画を見直すことによって、市場やトレンドの変化に対応できるほか、リスクや課題の発見につながります
自社の現状や実績を分析した上で、なぜ事業計画からズレが生じたのか、どのように軌道修正すればいいのかを考えてください。

毎月の不要な固定費をカットする

事業がうまくいっていない場合や、売上があるのに利益が残らないといった場合には、不要なコストが発生していないかを確かめてみてください。
コストに対して変動費をイメージするかもしれませんが、無駄な固定費を支払い続けているケースがあります。

例えば、効果が少ないにもかかわらず支払っている広告宣伝費や、あまり使われていない固定電話の料金などです。
固定費は、変動費と比較して把握しやすく売上に関係なく発生するため、削減した時の利益への影響も大きくなります。
毎月どのような固定費が発生しているかを把握してから、固定費削減目標を設定するようにしてください。
ただし、生産性が下がったり、モチベーションに影響するような固定費の削減は避けることをおすすめします。

事業ドメインを見直す

事業ドメインとは、企業が経済活動を行う事業領域や主力事業となる本業を指す言葉です。
つまり、「誰に対して」、「何を」、「どのように」提供するのか、企業がカバーする範囲が事業ドメインといえます。

事業ドメインは、起業する前の事業計画の段階ですでに決定していることが多いかもしれません。しかし、事業ドメイン自体が最適ではないケースは珍しくありません。
具体的には、若い女性向けと考えていた商品が、実は年配者からも需要があるものであるようなケースです。
若い女性をターゲットにしたという場合でも、男性や年配者からの需要は本当にないのか、イメージだけで事業ドメインを狭めてしまっていないか考えてみましょう。
現在の事業ドメインにこだわらず、事業領域を広げたり新しい領域を探したりしてみてください。

起業1年目で陥りがちな失敗とは


起業1年目は、多くの起業家が悩みを抱える時期です。起業まではやみくもに事業に取り組んできたとしても、それ以降はあいまいになっている人もいるかもしれません。
ここでは、起業1年目で陥りがちな失敗をまとめました。

集客力や営業力が不足しているできない

集客方法は、インターネットの発達によって多様化しました。SNSの運用のようにコストが少ない集客方法も多くあります。
しかし、起業する人の中には想定していたよりも集客ができないと嘆く人も多くいます。集客力に悩む企業で散見されるのは、集客方法をひとつしか用意していないケースです。

集客の方法には、Web広告やチラシやポスターなど多くのものがあります。
また、年齢によっても利用している年齢層が異なるため、自社がターゲットにする層にアプローチできる集客方法を考えなければいけません
SNSによるアプローチなどチャレンジしていない集客法がないか考えてください。

売上げがあるのに利益が少ない

多くの人は売上が多ければ利益も多いと思い込みます。しかし、起業1年目で売上が目標を達成しているのに、利益が思ったほど残らないといったケースは珍しくありません。

例えば、人件費などの経費がかかりすぎたケースや、安売りなどで売上高総利益率が低いケースが考えられます。
売上げは会社が商品やサービスを提供して得られる売上金額の合計です。利益は売上高から費用を差し引いて求めます。

いくら売上げが大きくなっても費用がそれ以上に増えれば利益は小さくなります。
売上げが大きいと安心するかもしれませんが、どれだけ利益が残っているかも意識してください。

コストが大きくなりすぎる

起業する人は、起業までに必要資金を計算したり、資金計画を立てたりしているでしょう。
しかし、やりくりする中で予算以上にコストを使用しているケースも少なくありません。
計画した資金でうまくいかない場合には、それ以降の資金計画、事業計画も見直しが必要です。場合によっては、新しく資金調達することも検討してください。

経理に手が回らない

起業して1年目は事業規模が小さく、税理士に依頼せずに自分で経理を行うケースも多々あります。
しかし、本業の仕事をしながら慣れない経理を完璧に行うのは困難です。

決算の段階になってから税理士に依頼しておけばと悔やむケースも多いかもしれません。
さらに、事業で利益が出ていれば利益に基づいて計算された税金を国に納付します。
起業してから課せられる税金の大きさに驚くかもしれません。
経理が難しいと感じた場合、会計ソフトの使用や、税理士からアドバイスを受けることをおすすめします。

会計ソフトは、簿記の知識がなくても必要事項を入力すれば自動で仕分けしてくれます。
クレジットや銀行と連動させれば利用履歴が自動で反映されるので、作業負担を大幅に削減可能です。
小規模の会社には様々な特例が用意されていて、特例を知っていることで有利になったり節税できたりすることもあります。
節税方法や資金繰りは税理士に相談してください。

メンタルコントロールが難しくなる

多くの起業家が悩んでいるのはメンタルコントロールです。起業して失敗すれば自分に責任がのしかかります。
失敗するのが怖くて前に進めなくなったり、逆に自由になったからと無責任な働き方をしたりする人は起業で行き詰ってしまうかもしれません。
さらに、不安や孤独感をコントロールして働き続ける覚悟が起業家には求められます。
また、働く上で自分が苦手な仕事でも取り組まなければいけません。

起業1年目は、過度のストレスやメンタルヘルスの不調がないか注意してください。
サポートしてくれる人を探すほか、カウンセリング、運動や趣味に取り組むことも有効な手段です。

主要メンバー同士のトラブル

起業して1年目は、起業前には思ってもいなかったようなトラブルに見舞われます。
まだ慣れていない状況で問題を解決しても、また新たば問題が出るような状態が続くため、主要メンバー間でトラブルに発展することもあります。

事業を初めてすぐは忙しさにかまけて、目の前の問題にとらわれがちです。しかし、目の前の仕事だけにとらわれていると、問題がより深刻に思えることがあります。
2年後や3年後、それ以降の事業につなげていくためにも、目の前の問題解決は長期的な視点を大切にしてください
無理やり解決するよりも、メンバー同士でしこりが残らないように対処することをおすすめします。

起業1年目で経営の感覚をつかもう

現在成功している起業家であっても、起業1年目からうまくいっていたとは限りません。
苦手分野が多くて苦労したり、資金繰りで失敗したりした上で、徐々に利益を増やしていった例も多くあります。
始めからすべてを成功させようとするのではなく、目の前にあることから自分のペースで達成してください。
起業して1年目は経営の感覚をつかみ、課題を洗い出すことが必要です。


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(編集:創業手帳編集部)

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