YouTubeのブランドアカウントとは?作り方と運用のコツを解説

広報手帳

起業家のマーケティング策として注目されるYouTube。YouTubeブランドアカウントの作り方や成功事例を紹介します


世界最大の動画プラットフォームとして知られる「YouTube」。国内の月間ユーザー数が6,500万人以上を誇るYouTubeを利用し、情報発信したいと考える起業家やスタートアップの方も多いのではないでしょうか?

ただしビジネスでYouTubeを使うなら、まずブランドアカウントを作成したいところ。「費用が高そう」「手順が面倒そう」というイメージもありますが、YouTubeでは無料で手軽にブランドアカウントを作成することができます。

この記事では、初めてYouTubeのブランドアカウントを作る方に向けて、作成する手順やすでに実践しているブランドアカウントの事例、さらに運用のコツなどをわかりやすくお伝えします。

創業手帳ではYouTubeの他、TwitterやInstagramなどの運用についてまとめた「起業家のためのSNS使い方 ガイド&チェックシート」を無料で配布しております。SNS運用はマーケティングや集客としての目的に欠かせないものになりつつあります。うまく活用すれば、事業の成功にもつながります。是非こちらもあわせてご活用ください。

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この記事の目次

YouTubeのブランドアカウントとは?


YouTubeには、個人アカウントとは異なる「ブランドアカウント」というものがあります。ブランドアカウントは、企業やブランドがビジネス用途で利用するためのアカウントです。

個人アカウントとブランドアカウントの違い

一般的な個人のGoogleアカウントと違い、ブランドアカウントは複数のアカウントで管理できる点が大きな特徴です。つまりブランドアカウントなら社内の複数メンバーで管理できるため、セキュリティ面でも安心です。

ビジネス目的でYouTubeチャンネルを開設する場合は、ブランドアカウントをおすすめします。

YouTubeでブランドアカウントを作るメリット

すでに他のSNSを運用している場合、今からYouTubeでブランドアカウントを作るべきか迷う方も多いかもしれません。しかしYouTubeには、他のSNSとは大きく異なる特徴があります。ここではYouTubeでブランドアカウントを作る2つのメリットをお伝えします。

利用者数は国内SNSトップクラス、幅広い世代にリーチできるのが強み

YouTubeの月間ユーザーは国内で6,500万人以上。これは、Twitter(4,500万人)やInstagram(3,300万人)より多い数字です。さらにYouTubeは他のSNSへシェアできる機能があるため、拡散されやすい点もビジネス用途として大きなメリットです。

実際にある調査でも、全体の9割以上が「YouTubeを使ったことがある」と回答。また20~30代の約半数が「ほぼ毎日YouTubeを見ている」というデータもあり、若年層を中心に多くのユーザーの生活に浸透しているのが強みです。

テキストや画像より、動画の方がユーザーへ多くの情報を伝達できる

一般的に動画は画像の約7倍、テキストの約5,000倍もの情報伝達能力があると言われています。つまりYouTubeなら、テキストや画像が中心のSNSよりさらに多くの情報をユーザーへ伝えることが可能です。

ただしトレンド情報を得る目的では、TwitterやInstagramといったSNSが主流。です。また最近はスマートフォンだけではなく、テレビでYouTubeを視聴するユーザーも増えているというデータもあります。他のSNSと違い、さまざまなデバイスで視聴するユーザーが多いのも特徴です。

YouTubeでブランドアカウントを運用する場合、例えば自社プロダクトの操作が学べる動画や、自社商品を楽しく使っている様子を紹介した動画などが想定されます。

またYouTubeにはライブ配信(生放送)機能もあります。例えば新商品の説明会をライブ配信をして、その場でユーザーからの質問に答えるケースもあります。

YouTubeブランドアカウントの作り方とは


ブランドアカウントは3つの手順で、作成することができます。

1.Googleアカウントを用意する

Googleアカウントが必要なため、持っていない場合は作成しておきましょう。Googleアカウントは個人のもので問題ありません。

2.YouTubeチャンネルを作成する

1で作成したGoogleアカウントにて、YouTubeチャンネルを作成します。

3.ブランドアカウントへ移行する

一旦自分のGoogleアカウントに戻り、 [設定]-[詳細設定]から[ブランド アカウントに移行する]を選びます。この手順によって、チャンネルがブランドアカウント扱いになります。

なおYouTubeの画面やヘルプでは「チャンネル」と「アカウント」という単語があまり区別されていませんので、注意しましょう。

YouTubeブランドアカウントを運用する5つのコツ


YouTubeのブランドアカウントは誰でも無料で作成できますが、運用するにはいくつかのコツがあります。YouTubeでブランドアカウントを作る前に、まず知っておきたい運用のコツを5つのポイントで解説します。

話題性だけを追わず、ユーザーが求めるコンテンツを意識する

YouTube上で大きな話題になれば、再生回数やチャンネル登録数は劇的に増えます。こうした話題性を狙って、インパクトのある映像を使ったりインフルエンサーを起用したりするケースも増えています。とはいえ話題性だけでは、人気は一過性のものになりがちです。

まずはターゲットとなるユーザーを明確にした上で、ユーザーが求めるコンテンツを意識しましょう。動画に寄せられたユーザーのコメントなども参考にしながら、ユーザーが見て楽しいと思えるコンテンツを提供していくことがコツです。

公式アカウントであることを強調する

企業にとっては信頼性も重要。そのため、なりすましではなく企業が公式アカウントとして運用していることをユーザーへアピールする必要があります。

YouTubeにおいても公式アカウントと認証されたことを表す「認証バッジ」があり、認証バッジのついたアカウント(チャンネル)には、チェックマークがつきます。

ブランドアカウントを運用する上では、信頼性を高めるためにも認証バッジは取得しておきたいところでしょう。しかしYouTubeで認証バッジを申請するには、チャンネル登録者数が10万人を超えている必要があります

チャンネル登録者数10万人となると、起業家やスタートアップにとっては相当ハードルが高いのも事実。まずは認証バッジを狙わず、ブランドアカウント名や説明テキストに「公式」と表記したり、アイコンを企業やブランドのロゴマークにしたりという方法で、公式であることをアピールしましょう

ブランドアカウントでの広告収入を目指すかについて、方針を決めておく

YouTubeというと、動画に広告を表示して収入を得る「収益化」を狙う人が多いイメージがあるのではないでしょうか。ブランドアカウントでも、広告による収益化を目指すことは可能です。

ただし収益化には「YouTubeパートナープログラム」への申請が必要です。申請には「チャンネル登録者数1,000人以上」「動画の総再生時間が直近12ヶ月間で 4,000 時間以上」といった条件があります。

広告収入を狙うかどうかは、ブランドアカウントを作る時点で方針を決めておきたいところです。起業家の場合、自社ブランドやサービスの認知拡大や売上アップが目的と言うケースが多いはずです。その上で広告収入も狙おうとすると本来の目的を達成しづらくなるのも事実。また競合他社の広告が表示されてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

これらを踏まえて、ブランドアカウントを作る目的をあらかじめ明確にしておき、本当に広告収入を求めるのか社内で認識を合わせておくことが大切です。

※なおYouTubeは2021年に規約を変更し、収益化を狙っていないアカウントでも他社の広告が表示される場合があります。

新規ユーザーを増やすためSEOを意識する

Googleの検索結果において自分のWebページを上位表示させるためのSEO(検索エンジン対策)。Webページのアクセス数を増やすために必須の施策ですが、実はYouTube動画においてもSEOは重要です。SEOを意識することで、Google検索結果やYouTube内での検索結果で上位に動画が表示されやすくなり、新たなユーザーの獲得につながります。

YouTubeでも、動画のタイトルや説明テキスト、タグなどに検索されやすいキーワードをなるべく含むよう、意識しましょう。

ブランドアカウントの効果測定を行い、改善を図る

YouTubeにも無料のアクセス解析ツール「YouTubeアナリティクス」があります。「YouTubeアナリティクス」では、動画の再生回数やサムネイルのクリック数のほか、視聴者の属性(性別や年齢、地域)や視聴状況(どの時間帯に見られているかなど)も調べることが可能。

「どんな動画がユーザーに評価されているか」「どんなユーザーにいつ視聴されているか」といったデータを定期的にチェックして、ブランドアカウントの運用改善につなげていきましょう

YouTubeブランドアカウントの成功事例


YouTubeブランドアカウントを活用して、多くの企業がすでに実績を上げています。ここでは参考にしたいBtoC、BtoBの代表的な成功事例を紹介します。

【BtoC】映像作品にこだわりファンを獲得した「北欧、暮らしの道具店」の事例

北欧雑貨のECショップとして知られる「北欧、暮らしの道具店」。コロナ禍の巣ごもり需要を背景に2020年の1年間でYouTubeチャンネル登録者数を4倍に増やし、50万人を達成するほど人気を集めています。

「北欧、暮らしの道具店」はECショップですが、YouTubeで載せているのは映像作品のような動画がメイン。オリジナルの短編ドラマや、北欧で暮らす人の生活を紹介したドキュメンタリー動画などを数多くアップしています。

多くのユーザーがYouTubeに求めるのはエンターテイメントです。また最近ではスマホだけではなく、大型テレビでYouTubeを楽しむユーザーも増えています。こうしたユーザー動向にあわせ、エンターテイメント性がありクオリティの高い映像作品を定期的に載せた施策がうまくマッチしたと考えられます。

【BtoB】学び系動画で既存ユーザーとの接点を強化した「サイボウズ」の事例

企業向けグループウェアなどを手掛けるサイボウズ。サイボウズでは「Kintone(キントーン)」いうクラウドサービス専門のYouTubeチャンネルを運営しています。

「Kintone」はユーザー自らがプログラムを組み、カスタマイズできるのが特徴。そこでYouTubeでもカスタマイズの手順やコツを解説する動画などを載せて、人気を集めています。

テキストや画像だけではわかりづらい操作も、動画ならよりわかりやすく説明できるというわけです。また楽しみながら学べるよう、さまざまな工夫を行っています。

こうした施策が既存ユーザーとの接点強化となり解約防止につながるほか、問合せサポートの負荷軽減になるという効果も期待できます。

実はこうした「学び系コンテンツ」も、YouTube全体で人気のジャンル。サイボウズのように学び系コンテンツをうまく使えば、BtoB企業もYouTubeをマーケティングに活用できるでしょう。

YouTubeブランドアカウントでトラブルを防ぐための注意点


YouTubeのブランドアカウントを作成するにあたって、「炎上などのトラブルにならないか心配」という方も多いかもしれません。トラブルを防ぐために、ブランドアカウントの運用を始める際は3つのポイントに注意しましょう。

社内のルールとチェック体制を整備する

ブランドアカウントを作成しても、掲載した動画に問題があるとむしろ企業イメージを悪くしてしまう可能性も。最悪の場合、炎上してしまうリスクもあります。YouTubeは拡散されやすいため、一旦炎上すると大きな問題に発展することもあり、要注意です。

またYouTube動画で注意したいのが、著作権。動画で使用した映像や音楽が実は著作権を侵害していたため、トラブルになるケースもあります。

まずは社内でブランドアカウントのルールを決めておくことが必要です。あわせて公開前に複数メンバーでチェックできるよう、ブランドアカウントの運用体制を整えておきたいところです。

YouTube側の仕様や規約の変更をチェックしておく

YouTubeでは度々、仕様や規約、ガイドラインなどを変更しています。できるだけこうした情報をチェックしておきたいところです。ブランドアカウントがYouTube側の変更にキャッチアップできていないと、最悪の場合は動画の削除やチャンネルの停止といった事態になりかねません。

短期間での結果を求めすぎない

ブランドアカウントを作成して、いくつかの動画をアップロードしただけでは成果は出ません。継続して動画を上げ続け、効果測定をしながらブラッシュアップしていくスタンスが必要です。

また短期間で成果を出そうと話題性を意識しすぎると、炎上のリスクが高まります。この点からも、ブランドアカウントの運用は長期的な視点で考えましょう。

まとめ

若年層を中心に、動画プラットフォームとして絶大な人気を誇るYouTube。起業家やスタートアップにとっても、YouTubeは避けて通れないマーケティング手法になってきています。

ただし効果が出るまでには、時間がかかります。まずはできるだけ早いタイミングでYouTubeのブランドアカウントを作成し、運用をはじめてみることをおすすめします。

なお創業手帳では、起業家の方に向けてマーケティングやPRのノウハウを提供しています。ぜひプロのアドバイスをご活用ください。

(※本記事で紹介している機能や料金などは2023年7月時点のものです)

創業手帳ではYouTubeの他、TwitterやInstagramなどの運用についてまとめた「起業家のためのSNS使い方 ガイド&チェックシート」を無料で配布しております。SNS運用はマーケティングや集客としての目的に欠かせないものになりつつあります。うまく活用すれば、事業の成功にもつながります。是非こちらもあわせてご活用ください。
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