【2026年】両立支援等助成金とは?受給のメリットや助成額をわかりやすく解説!

仕事と家庭の両立を推進する事業者のための両立支援等助成金

両立支援等助成金は、職業生活と家庭生活を両立できる雇用環境整備に取り組む事業主を支援するものです。育児や介護、不妊治療や女性の健康課題対応などを行う従業員が安心して仕事を続けられるよう、休業制度や業務代替体制を整え、かつ一定要件に該当したときに支給されます。

本記事では、両立支援等助成金の概要や受給のメリット、各コースの支給要件と支給額、申請の流れ、助成金を利用する場合の注意点などについて解説します。

この記事の目次

【2026年】両立支援等助成金の変更点

2026(令和8年度)より、両立支援等助成金は5コースから6コースへ再編されました。特に「柔軟な働き方」の新設と「女性の健康課題(更年期・PMS等)」への対象拡大が大きな変更点です。

新しい6つのコース構成

コース名 内容のポイント
出生時両立支援 男性育休の取得人数(最大3名)や取得率上昇を支援
介護離職防止支援 有給の介護休暇制度を新設・利用で30万円支給
育児休業等支援 育休の「取得時」と「復帰時」の基本サポート
育休中等業務代替支援 業務代替手当や新規雇用を支援。専門家活用で加算あり
柔軟な働き方(新設) テレワーク等の導入や、子の看護休暇の有給化を支援
不妊治療・女性の健康 更年期やPMSも対象。両立支援担当者の選任が必須

主な改定ポイント

  • 休暇の有給化支援:介護休暇や子の看護休暇を有給化し、利用されると各30万円受給可能です。
  • 男性育休の要件変更:最大3人まで受給可能ですが、3人目は14日以上の休業が必要など日数要件が段階的に上がります。
  • 女性特有の健康課題:更年期障害やPMSによる離職防止も対象となり、担当者選任によるシンプルな要件に変わりました。

3. 今後の対応ステップ

これらの変更点を受けて、各企業が行うべきステップは以下になります。

  1. 介護休暇・看護休暇を「有給」とする規定改定の検討
  2. 社内に「両立支援担当者」を配置し、相談体制を整える
  3. 育休代替時の業務見直しに、外部専門家(社労士等)の活用を検討する

両立支援等助成金とは?概要・対象について

共働きが一般的になった現代、働きながら育児や家族介護をする従業員が増えています。しかし仕事と育児・介護等の両立はなかなか難しく、離職を余儀なくされる従業員も少なくありません。

両立支援等助成金は、こうした育児等を理由とする離職を回避し、育児や介護などを行う従業員が継続して働ける体制づくりをする事業主を支援するものです。

男性の育児休業取得を促進する「出⽣時両⽴⽀援コース」、家族介護をする従業員が働き続けられる環境整備を支援する「介護離職防⽌⽀援コース」、育児休業の取得や復帰を支援する「育児休業等⽀援コース」、休業中などの代替体制を整えた場合の「育休中等業務代替支援コース」など、現在6つのコースがあります。各コースの詳細については以下で詳しくご説明します。

助成金の対象となる中小事業主とは?

両立支援等助成金のほとんどのコースは「中小事業主のみ」を支給対象としています。この助成金における「中小事業主」の範囲は下表のとおりです。

業種 資本金 常時雇労働者数
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下 または 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他 3億円以下 300人以下

出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

資本金や出資金のない事業主の場合は「常時雇用する労働者の数」のみで中小事業主かどうかを判断します。

なお、常時雇用する労働者とは「2ヶ月を超えて使用される労働者」で、かつ「1週間の所定労働時間がその事業主に雇用される通常の労働者と同じくらいの者」のことです。

両立支援等助成金を受給するメリット

両立支援等助成金をはじめとする雇用関連助成金は、金融機関からの融資と異なり、返済の必要がありません。また受給した助成金の使い道も自由です。

そして金銭的なこと以外にも、多くのメリットがあります。順にみていきましょう。

会社としての両立支援体制ができる

両立支援等助成金を受給するには、育児・介護等をしながら働き続けられる環境を整備しなければなりません。

環境整備には「自社の問題点を洗い出す」「自社に合った勤務体制や各種の制度を考え、選択する」「就業規則を作成・改定する」「従業員に周知する」など、しなければならないことが多数あり、実はなかなか大変です。

しかし、助成金受給に向けて一つ一つ条件をクリアしていくことで、徐々に仕事と家庭を両立できる自社の体制が構築され、最終的には従業員が長く働ける環境が整備されていきます。

従業員の定着につながる

育児や介護等に直面した従業員の多くは、仕事との両立に困難さを感じるものです。中には離職してしまう人もいます。

しかし、育児等と仕事の両立支援体制のある会社なら、周囲に過度な気遣いをすることなく休業や各種の制度を利用できます。その結果、仕事を続けられる可能性が高まり、会社も大切な戦力である従業員を失わずに済むでしょう。

また、すぐに育児や介護の予定がない従業員も、充実した両立支援体制があれば「この会社なら、育児等をしながら働き続けられる」と安心感を持つことができます。

優秀な人材を確保できる

会社に両立支援体制があることは、人材募集時の大きなアピールポイントです。ワークライフバランスが重視される現代、仕事と家庭を両立できる環境は、会社選びの重要なファクターだからです。

長い職業生活の中、育児や介護などで仕事を休む可能性は、誰にでもあります。そのため、休業体制や職場復帰体制、柔軟な勤務制度などが整えられていることは、求人応募者にとって大きな魅力となるでしょう。

【コース別】両立支援等助成金のコース別概要・助成額

両立支援等助成金には「出⽣時両⽴⽀援コース」「介護離職防⽌⽀援コース」「育児休業等⽀援コース」「育休中等業務代替支援コース」「柔軟な働き方選択制度等支援コース」「不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース」の6つのコースがあります。

ここでは、各コースの主な支給要件と支給額について説明します。

なお、詳細な支給要件等は、厚生労働省の両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)をご参照ください。

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

「出生時両立支援コース」は、男性従業員の育児休業取得を支援する助成金です。「男性労働者の育児休業取得」と「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」の2つがあります。

男性労働者の育児休業取得

出⽣時両⽴⽀援コースの「男性労働者の育児休業取得」は、男性従業員が育児休業を取りやすい雇用環境や休業中の業務代替体制を整えた会社において、実際に男性従業員が育児休業を取得した場合に支給されます。同一事業主につき3人目まで受給が可能です。

【男性労働者の育児休業取得の主な支給要件】

  • 育児・介護休業法等に定められた雇用環境整備の措置を複数行っている
  • 育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しに係る規定等を策定し、業務体制の整備をしている
  • 男性従業員が、子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上(2人目は10日以上、3人目は14日以上)の育児休業を取得した 等

なお、情報公表加算として、厚生労働省の「両立支援のひろば」に自社の育児休業等の利用状況を公開した場合に助成金に加算されます(1回限り)。
※休業中の代替要員を新たに確保した場合などの助成金は、現在「育休中等業務代替支援コース」として独立しています。

男性労働者の育児休業取得率の上昇等

出⽣時両⽴⽀援コースの「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」は、一定期間内に育児休業取得率をアップさせたときの助成金です。

【男性労働者の育児休業取得率の上昇等の主な支給要件】

  • 申請年度の前事業年度の男性従業員の育休取得率が、前々事業年度と比較して30ポイント以上上昇し、かつ育休取得率が50%以上となった、または一定の場合に2ヶ年連続で70%以上となった 等

【出⽣時両⽴⽀援コース(⼦育てパパ⽀援助成⾦)の支給額】

種別 支給額
男性労働者の育児休業取得 1人目 20万円(雇用環境整備措置を4つ以上実施した場合は30万円)
2人目・3人目 10万円
情報公表加算 2万円
男性労働者の育児休業取得率の上昇等 60万円(申請時にプラチナくるみん認定事業主であれば15万円加算)

出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

介護離職防⽌⽀援コース

家族の介護に直面した従業員は、仕事との両立に悩み、離職してしまう人も少なくありません。介護離職防止支援コースは、介護をしながら働き続けられる雇用環境を整備した事業主に支給される助成金です。現在、「介護休業」「介護両立支援制度」「業務代替支援」「介護休暇制度有給化支援」の4つの助成があります。

介護休業

従業員が介護休業を取る際に、個別の「仕事と介護の両立支援プラン」を作り、そのプランに基づいて介護休業を取得・職場復帰させた事業主に支給されます。

【介護休業の主な支給要件】

  • 「仕事と介護の両立支援プラン」により介護休業の取得や職場復帰を支援する旨を、従業員に周知している
  • 介護休業を取得する従業員と面談のうえ、個別の「仕事と介護の両立支援プラン」を作成した
  • 「仕事と介護の両立支援プラン」どおりに業務の整理・引継ぎをした
  • 当該従業員が合計5日以上(※所定労働日)の介護休業を取得した
  • 休業前の職務等に復帰させ、3か月以上継続雇用している 等

介護両立支援制度

介護両立支援制度は、介護をしながら働き続けられる柔軟な勤務制度等を導入し、実際に制度利用者が出たときに支給されます。

【介護両立支援制度の主な支給要件】

  • 介護両立支援制度(所定外労働の制限制度、時差出勤制度、短時間勤務制度等)について、就業規則等に定めている
  • 介護を行う従業員と面談したうえで、個別の「仕事と介護の両立支援プラン」を作成した
  • 実際に、対象従業員が介護両立支援制度を一定基準以上利用した 等

業務代替支援

介護休業や短時間勤務制度を利用する従業員の業務をカバーする体制を整えた場合に支給されます。休業取得者の代替要員を新規雇用(派遣受け入れ含む)した場合や、業務の見直し等を行い周囲の従業員に手当等を支払って業務をカバーした場合が対象です。

介護休暇制度有給化支援

法を上回る有給の介護休暇制度を就業規則等に導入し、従業員が一定時間以上利用した場合に支給されます。

※その他、「介護休業」「介護両立支援制度」「業務代替支援」の要件を満たした上で、仕事と介護を両立しやすい雇用環境整備の取組を行った場合に支給される「環境整備加算」や、対象労働者が有期雇用労働者の場合の「有期雇用労働者加算」があります。

【介護離職防⽌⽀援コースの支給額】

種別 支給額 支給人数/回数
介護休業 40万円
(連続15日以上の休業は60万円)
1年度5人まで
介護両立支援制度 ・制度を1つ導入し利用:20万円(利用が60日以上の場合は30万円)
・制度を2つ以上導入し利用:25万円(利用が60日以上の場合は40万円)
1年度5人まで
業務代替支援 ・新規雇用:20万円(連続15日以上の休業は30万円)
・手当支給等(介護休業):5万円(連続15日以上の休業は10万円)
・手当支給等(短時間勤務):3万円
1年度5人まで
介護休暇制度有給化支援 30万円
(10日以上の有給休暇を付与する場合は50万円)
1事業主1回限り
加算 ・環境整備加算:10万円
・有期雇用労働者加算:10万円
1事業主1回限り

出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

育児休業等⽀援コース

育児休業の取得率が上がったとはいえ、まだ休業取得を躊躇する従業員はいるでしょう。また職場復帰後も、子の予防接種や通院などで頻繁に休まなければならないため、周囲に気を遣う従業員も少なくないようです。

育児休業等支援コースは、従業員が安心して育児休業を取り、休業終了後は元の職務に復帰して、無理なく働き続けられる体制を整えた場合に助成されます。現在は「育休取得時」と「職場復帰時」の2つの助成があります。

育休取得時・職場復帰時

育児休業を取る従業員のための「育休復帰支援プラン」を作り、それに基づいて育児休業を取得させた場合と、育児休業終了後に元の職務に職場復帰させた場合に、それぞれ支給されます。

【「育休取得時」の主な支給要件】

  • 従業員の育児休業取得を支援する方針を従業員に周知している
  • 育児休業を取る従業員と面談等をしたうえで「育休復帰支援プラン」を作成した
  • 「育休復帰支援プラン」に基づき、業務の引き継ぎ等をした
  • 対象従業員が、連続3ヶ月以上の育児休業を取得した 等
【「職場復帰時」の主な支給要件】

  • 「育休復帰支援プラン」に基づき、対象従業員の復帰前に、業務データや月報、企画書などの情報を提供した
  • 職場復帰前に、対象従業員と面談した
  • 育児休業取得前の職務等に復帰させ、6ヶ月以上継続雇用している 等

なお、厚生労働省の「両立支援のひろば」に自社の育児休業等の利用状況を公開した場合、助成金に加算される「育児休業等に関する情報公表加算」があります。

※休業中の代替要員を確保した場合の「業務代替支援」や、職場復帰後の柔軟な働き方を支援する制度(子の看護等休暇制度など)は、現在それぞれ「育休中等業務代替支援コース」「柔軟な働き方選択制度等支援コース」という別の助成金コースとして独立・再編されています。

【育児休業等支援コースの支給額】

種別 支給額 支給人数/回数
育休取得時 30万円 1事業主2回まで
(無期雇用労働者・有期雇用労働者各1回)
職場復帰時 30万円 1事業主2回まで
(無期雇用労働者・有期雇用労働者各1回)
情報公表加算 2万円 1事業主1回

出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

育休中等業務代替支援コース

育児休業等を取得する従業員が出ると、休業取得者の担当していた業務の割り振りや引き継ぎが大変です。場合によっては周囲の従業員の業務負担が不相応に重くなり、モチベーションが低下することもあるでしょう。

「育休中等業務代替支援コース」は、休業取得者の業務のスムーズな引き継ぎを支援する助成金です。このコースには「手当支給等」と「新規雇用」があります。

手当支給等

育児休業取得者や育児短時間勤務制度の利用者が担当していた業務を、社内の他の従業員に手当等を支払い、代替させた場合に助成されます。

【手当支給等(育児休業)の主な支給要件】

  • 休業取得者や業務代替者の業務の見直し・効率化を行った
  • 休業取得者が7日以上の育児休業を取得し、その間、他の従業員に業務を代替させた
  • 業務代替について、手当等による賃金増額をした
  • 休業取得者を原則として元の仕事等に復帰させた(1か月以上の休業の場合) 等

「手当支給等(育児休業)」には、有期雇用労働者加算と情報公表加算があります。

「有期雇用労働者加算」は休業取得者が有期雇用労働者の場合に、「情報公表加算」は、厚生労働省のサイト「両立支援のひろば」に自社の育児休業取得状況等を公表した場合に、それぞれ助成金に加算されます。

【手当支給等(育児短時間勤務)の主な支給要件】

  • 短時間勤務制度の利用者や業務代替者の業務の見直し・効率化を行った
  • 短時間勤務制度を、制度利用者が1ヶ月以上利用した
  • 業務を代替した従業員に、手当等による賃金増額をした 等

新規雇用

育児休業取得者の業務を代わりに行う従業員を、新たに雇い入れた場合に支給されます。

【新規雇用(育児休業)の主な支給要件】

  • 代替従業員を新規雇用した(または新たな派遣労働者を受け入れた)
  • 休業取得者が7日以上の育児休業を取得し、その間、代替者が業務を代替した
  • 休業取得者を原則として元の仕事等に復帰させた(1か月以上の休業の場合) 等

なお、新規雇用(育児休業)にも、有期雇用労働者加算と情報公表加算があります。

【育休中等業務代替支援コースの支給額】

支給額
手当支給等  
(育児休業)  
業務体制整備経費 休業取得者1名あたり6万円
(1ヶ月未満のときは2万円。※労務コンサル等を外部委託した場合は20万円)
業務代替手当 支給した手当総額の3/4
(プラチナくるみん認定事業主は4/5)
有期雇用労働者加算 10万円/1人
情報公表加算 2万円
手当支給等
(短時間勤務)
業務体制整備経費 休業取得者1名あたり3万円
(※労務コンサル等を外部委託した場合は20万円)
業務代替手当 支給した手当総額の3/4
有期雇用労働者加算 10万円/1人
情報公表加算 2万円
新規雇用
(育児休業)  
育児休業取得者1名につき、代替期間に応じ9万円~81万円
(プラチナくるみん※認定事業主は11万円~99万円)
有期雇用労働者加算 10万円/1人
情報公表加算 2万円

※「プラチナくるみん認定」とは、より高い水準の子育てサポート企業としての厚生労働省の認定制度です

出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

【新設】柔軟な働き方選択制度等支援コース

子供が3歳以降になると、保育園の送迎時間が変わったり、小学校就学後にはいわゆる「小1の壁」に直面したりと、育児と仕事の両立において新たな課題が生じやすくなります。

「柔軟な働き方選択制度等支援コース」は、こうした育児期の労働者がそれぞれの事情に合わせて柔軟に働けるよう、複数の選択肢を用意した事業主に支給される助成金です。このコースには「柔軟な働き方選択制度」と「子の看護等休暇制度有給化支援」の2つの枠組みがあります。

柔軟な働き方選択制度

子が3歳以降、小学校就学前までの労働者が利用できる「柔軟な働き方を可能とする制度」を3つ以上導入し、実際に労働者が利用した場合に支給されます。対象となる制度は以下の5分類です。

1. 始業時刻等の変更(フレックスタイム制度 または 時差出勤制度)
2. 育児のためのテレワーク等
3. 柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度
4. 保育サービスの手配及び費用補助
5. 養育両立支援休暇制度

【柔軟な働き方選択制度の主な支給要件】

  • 上記の柔軟な働き方を可能とする制度を3つ(または4つ)以上導入し、就業規則等に規定している
  • 制度の利用や、利用後のキャリア形成を支援する方針を全労働者へ周知している
  • 対象労働者と面談し、個別の「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を作成した
  • 対象労働者が、利用開始から6ヶ月間で一定の基準以上、制度を利用した 等

子の看護等休暇制度有給化支援

法律の要件を上回る形で、有給の「子の看護等休暇制度」を導入し、実際に労働者が利用した場合に支給されます。

【子の看護等休暇制度有給化支援の主な支給要件】

  • 年次有給休暇と同等の賃金が支払われる、有給の子の看護等休暇制度を就業規則等に規定している
  • 対象労働者が、有給化された子の看護等休暇を10時間以上利用した 等

なお、このコースには3つの加算措置が用意されています。
導入した制度の利用期間を「中学校修了前」まで延長した場合の**「制度利用期間延長加算」**、障害児等を養育する労働者が「18歳になる年度末」まで利用できるようにした場合の**「障害児等要配慮支援加算」**、そして厚生労働省のサイト「両立支援のひろば」に自社の育児休業取得状況等を公表した場合の**「情報公表加算」**です。

【柔軟な働き方選択制度等支援コースの支給額】

種別 支給額 支給人数/回数
柔軟な働き方選択制度 ・制度を3つ導入し利用:20万円
・制度を4つ以上導入し利用:25万円
1事業主5人まで
子の看護等休暇制度有給化支援 30万円 1事業主1回
加算 ・制度利用期間延長加算:20万円
・障害児等要配慮支援加算:20万円
・情報公表加算:2万円
1事業主それぞれ1回

出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース

不妊治療は通院回数などが多いことから、仕事との両立が難しくなることがあります。また、月経(PMS含む)や更年期における心身の不調といった女性特有の健康課題により、働きづらさを感じる従業員も少なくありません。

「不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース」は、不妊治療や女性の健康課題に対応するために利用可能な両立支援制度を利用しやすい環境整備に取り組み、労働者からの相談に対応する担当者を選任した上で、対象となる労働者が実際に制度を利用した場合に助成されるものです。

主な支給要件

従業員が、不妊治療、月経に起因する症状への対応、更年期における心身の不調への対応のために、両立支援制度を合計5日(5回)以上利用したときに支給されます。

【主な支給要件】

  • 不妊治療や女性の健康課題への対応のための両立支援制度を就業規則等に規定し、労働者に周知している
  • 労働者からの相談に対応する両立支援担当者を選任している
  • 対象労働者がそれぞれの両立支援制度を、利用開始日から1年以内に合計5日(5回)以上利用した 等

不妊治療や女性の健康課題に対応するための両立支援制度とは、「休暇制度」「所定外労働制限制度(残業免除)」「時差出勤制度」「短時間勤務制度」「フレックスタイム制」「在宅勤務等」をいいます。

【不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの支給額】

種別 支給額
(1) 不妊治療 30万円
(2) 女性の健康課題対応(月経) 30万円
(3) 女性の健康課題対応(更年期) 30万円

※それぞれの種別につき、1事業主1回限り支給されます。
出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

両立支援等助成金の準備・申請の流れ

両立支援等助成金申請前に準備すべきこと

まずは申請前に準備すべきことがあります。以下の流れに沿って取り組んでみましょう。

  • 自社の現状を調べ、問題点を把握する
  • 自社の状況に合致する休業制度や両立支援制度等を設け、就業規則等に明記、従業員に周知する
  • 各コースの措置(個別プランの作成、育児休業等の取得など)を実施する
  • 支給申請する

なお、コースによっては「一般事業主行動計画※」を策定し、労働局へ届け出ておく必要があります。

※一般事業主行動計画とは、仕事と育児が両立できる環境づくり等に会社がどのように取り組むかの計画のことです。現在、常時雇用する従業員が100人を超える会社には、一般事業主行動計画の策定・届出・従業員への周知が義務付けられています。(なお、プラチナくるみん認定を受けている事業主は、行動計画の策定・届出がなくても助成金の支給対象となります。)

両立支援等助成金申請のおおまかな流れ

両立支援等助成金を申請する流れを「育児休業等支援コース(育休取得時)」の例で説明します。


出典:厚生労働省 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)

  • まず、育児休業制度等について、就業規則に規定し、所轄労働基準監督署に届け出ます。従業員への周知も忘れてはいけません。
  • 次に、育児休業を取得する従業員と面談したうえで、個別プランを作ります。そして、休業予定の従業員が担当していた業務について、プランに基づく引き継ぎをします。
  • その後、従業員に3ヶ月以上の育児休業を取得させ、支給申請を行います。(現在は雇用関係助成金ポータルからの電子申請も可能です)

以上が「育児休業等支援コース(育休取得時)」の例ですが、他のコースも概ね同じ流れになります。

両立支援等助成金申請時受給の注意点


両立支援等助成金を申請するときには、注意する点や意識しておいた方がよい点があります。

普段から適切な労務管理を心がける

両立支援等助成金をはじめとする雇用関連助成金の申請には、多くの添付書類が必要です。よく添付する書類には、出勤簿(タイムカード)、労働者名簿、賃金台帳、労働条件通知書などがあります。

このような書類は、日頃から几帳面に調整し、保存しておくことが大切です。法令で記載事項が定められている書類については、正しいフォーマットを使って整備しましょう。

また、就業規則は法令に沿った内容にしておかなければなりません。両立支援等助成金に関係の深い「育児介護休業法」は改正が多いため、時おり改正をチェックし、最新の状態に整備する必要があります。

従業員に周知する

従業員の育児・介護等に対応する会社の姿勢を整え、休業制度や短時間勤務制度、費用補助制度などを作っても、従業員に公開しなければ意味がありません。また従業員への適切な周知は、両立支援等助成金の受給要件でもあります。

周知の方法は、社内回覧や書類の配布、メール添付での送信、イントラネットへのアップなど、自社に合った方法で構いません。せっかく作った制度を従業員に知らせ、必要に応じて活用してもらいましょう。

なお、周知した旨やその日付がわかるよう、記録を取っておくことも重要です。社内に配布する書類には必ず日付を記入するなど、普段から心掛けておきましょう。

助成金受給までにはタイムラグがあるため早めの準備が肝心

両立支援等助成金は、準備開始から助成金の受給まで、長い時間がかかります。

育児休業等支援コースを例に取ると、女性従業員が子の1歳到達まで育児休業を取った場合には、出産から支給申請まで少なくとも1年3ヶ月の期間を要します。

そして支給申請をしても、審査期間があるため、すぐに助成金が振り込まれることはありません。また、不支給になる可能性もゼロとは言い切れません。

そのため、助成金が必ず受給できると考えないことも、一つのリスク管理でしょう。

そして「うちの会社では、今のところ育児休業を取りそうな従業員はいないな」と思うときでも、各種労務書類の整備などは始められるものです。

いざ育児休業取得予定者等が出現すると、急に予定が立て込んでくるため、普段から意識して制度や書類の管理をしておきましょう。

まとめ・中小企業こそ従業員の働きやすい環境整備に両立支援等助成金を活用しよう!

両立支援等助成金は、育児や介護、不妊治療や女性の健康課題対応等に直面した従業員が継続して働けるよう、雇用環境を整備した事業主に支給されるものです。

現在、「出⽣時両⽴⽀援コース」「介護離職防⽌⽀援コース」「育児休業等支援コース」「育休中等業務代替支援コース」「柔軟な働き方選択制度等支援コース」「不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース」の6つがあります。

両立支援助成金の申請をするメリットの一つはもちろん助成金受給ですが、受給に向けて制度づくり等をしていくことで、従業員の定着率アップや優秀な人材確保といった更に素晴らしいメリットも得られます。特に中小企業のみ対象である助成金は、比較的受給しやすい傾向にあります。

ただ、両立支援等助成金の受給は必ずしも容易ではなく、様々な条件をクリアしなければなりません。しかし各種の休業・休暇制度や代替要員の整備体制などを調整していくことで、結果的に従業員が安心して働ける雇用環境が構築されるでしょう。

従業員の働きやすい環境を作るため、両立支援等助成金の受給に向けて、制度の整備を始めてみてはいかがでしょうか。

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(編集:創業手帳編集部)