ビジネスで使用される「タスク」の意味とは?タスク管理の方法について解説

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ビジネスにおいて使用される「タスク」の具体的な意味は?プロジェクト・ToDoとの違いやタスク管理について解説


ビジネスを展開する際に、よく使用される「タスク」ですが、具体的な意味はよくわからないという人もいるかもしれません。
タスクについては、似た言葉との微妙な違いも含めて正しく理解し使用しなければ、ビジネスにおいて齟齬が生まれる可能性もあります。

また、タスク管理を適切に行うことで、スムーズな業務が実現するはずです。
今回は、タスクについての意味や類義語との違い、効率の良いタスク管理の方法について見ていきます。

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「タスク」の本来の意味とビジネスでの使われ方


「タスク」という言葉をビジネスで使用するにあたり、本来の意味を理解しておくことで、より明確かつ円滑な作業進行が可能になります。
こちらでは、タスクが持つ本来の意味や、ビジネスの場面でどのように使われているかについて紹介します。

「タスク」はラテン語から英語として使用されるようになった

「タスク」のもともとの語源はラテン語であり、日本語で「税」を表す言葉です。
税は国に納める義務であり、この言葉が英語として使用されるようになると、課題や業務、任務といった意味合いに転じました。
また、IT業界ではコンピュータの作業処理の最小単位として用いられる言葉です。

ビジネスにおける「タスク」とは

特に、ビジネスにおける「タスク」とは、プロジェクトを構成する業務の中でも、それを達成するための作業のひとつひとつを指すことが多いです。
例えば、新商品を開発するプロジェクトがあったとして、このケースにおけるタスクは設計や材料の仕入れ先の決定、メンバーの役割分担、発売日の決定がタスクにあたります。

「タスク」を使用したビジネス用語について

「タスク」は、ビジネスシーンでは業務達成のために積み上げていくものであることから、言葉が多用されたり様々な言葉と組み合わせて使用されたりすることがあります。
では、「タスク」を使用したビジネス用語についてあげていきます。

タスク管理は、業務の進捗を管理すること

タスク管理とは、自分もしくはチームが抱えているタスクについて、日程や進捗、優先すべき順番などを設定して確実にこなすために管理することを指します。
どのようなタスクがあるかを隅々まで洗い出し、決めた順番や日程どおりに進めていくことで、作業の抜け漏れを防ぐだけではなく、より効率的に作業を進めることが可能です。

緊急性の高いタスクフォース

タスクフォースとは、日本語では「任務部隊」「対策本部」のような意味合いであり、緊急性が高い仕事に急ぎで取り組むべく、複数部署から一時的に結成されたチームを指します。
もともとは、軍事の場面で使用されていた言葉であり、特殊な任務を遂行する「機動部隊」を指しています。つまり、ビジネス上でも特別な任務に当たるチームです。

目的のために結成されるタスクチーム

タスクフォースの類義語としてよく使われる言葉が、タスクチームです。
こちらも、重要な問題を解決するために各部署から引き抜きで編成されたチームのことで、一時的なチームであるため問題が解決されれば解散となります。
タスクフォースと異なる点は、緊急性が比較的低く、チームとして動く期間が限定されていることです。

マルチタスクは業務を並行して行うこと

マルチタスクとは、複数の作業を並行して行うことを意味します。
作業を同時に進めることもありますし、作業の期限や所要時間に応じて細かく作業を切り替えながら行うこともあります。
ビジネスにおいては、いくつもの作業を期限までに終わらせることが求められるため、マルチタスクをこなせる人は重宝されるでしょう。

「タスク」と類義語との違いは何か


タスクには、類義語や区別のつきにくい言葉が存在します。
それらとの意味合いの違いや、正しい使い方を覚えておかなければ、ビジネスにおいてスケジューリングや進捗のすり合わせに齟齬が生じる場合も。
以下では、タスクとよく似た言葉と違いについて説明します。

「プロジェクト」との違いは規模

タスクとプロジェクトは、よく混同されがちな言葉です。では、これら2つの違いは何かというと、仕事における規模感といえます。
プロジェクトは、1つの大きな目的に向かって行う業務全般を包括したものであり、その中で1つ1つの工程を実現するために行う作業がタスクです。

この点から、タスクはプロジェクトの業務を枝分かれさせた作業の1つであり、タスクが複数集まってそれぞれが達成されることで、プロジェクトの目的に近づきます。

プロジェクトとタスクの例について

複合施設を建設しオープンするまでのプロジェクトを例に取ってみます。
プロジェクトの目的は「複合施設のオープン」であり、この目的の達成に必要な要素には以下のようなものがあります。

  • 土地の買収
  • 建設業者の見積もり依頼、選定
  • 建築スケジュールの計画、作業
  • テナントの募集
  • 完成日、オープン日などの決定
  • 対外的な広告
  • など

さらに、上記のタスクをクリアするために細かな作業が枝分かれし、最終的なプロジェクトの目的に向かってタスクがこなされていきます。

スケジュールとの違いは時間で区切られるか否か

スケジュールは、タスクを終了させるために日程、時間を調整するものです。
タスクでは大まかな期限を設定しますが、その期限までに作業を終了させるために「何時まで」「何日まで」のようにスケジュールを組みます。
スケジュールがずれると進捗に影響を与えてしまいますが、タスクは優先順位を臨機応変に組み替えることで、状況に応じた柔軟な対応を行えます。

ToDoとの違いは期限があるかどうか

ToDoは、「やるべき作業」を指す言葉であり、一見タスクと混同しがちです。
これらの違いは、期限が設けられているか否かです。
タスクは、終了までの期限が設けられていますが、ToDo自体は特に期限がなく、「いつかやらなければならない作業」に分類されます。

ToDoとタスクの例について

例えば、前述の「複合施設のオープン」プロジェクトにて、建設業者から見積もりを取る業務はタスクであり、複数の見積もり書をファイリングする作業はToDoと分けることができます。
ちなみに、ToDoにも優先順位を設けることがあります。
例えば、書類作成のためのプリンターのインクと用紙の発注はいずれもToDoですが、インクはまだ使える、しかし用紙が切れそうという場合は用紙の発注を優先し、その後でインクの発注をします。

workとの違いは会社活動全般か作業か

タスクに似た言葉で、workもそのひとつにあげられますが、workの定義はタスクやプロジェクトよりもさらに広義であるといえます。
workは、あらゆる会社活動全般を指し、会社で働く人員すべてがworkを行っています。
タスクはそれぞれの人員がやるべき作業で、それが集まったものがプロジェクトであり、workはそれらに関連する仕事すべてを含むことになります。

jobとの違いは報酬が発生するかしないか

workと並行して語られることが多いjobも、タスクとは意味合いが異なります。
jobの意味するものは職業そのものや業務内容のほか、「報酬が発生する仕事」です。
つまり、特に仕事の中でもお金が絡むニュアンスで使用されるのがjobです。
タスクは、報酬が発生するか否かは関係なく作業それぞれを指すものであるため、jobとは使用されるシーン自体も違ってくるはずです。

ビジネスにおけるタスク管理の方法


ビジネスでは、タスクをスムーズにこなすことが業務の円滑化に重要であり、そのためにはタスク管理が欠かせません。
タスク管理をきちんと行えば、頭の中で混乱することもなく、作業を整理しながら進めることができます。
こちらでは、効率的なタスク管理方法をあげていきます。

タスク管理の重要性とは

前述したマルチタスクをこなすときには、タスク管理をしっかり行うことが必須です。
多くの作業を抱えている状態で、手当たり次第にこなしていると、後回しにしていたタスクの期限に間に合わなかったり、自分自身が混乱して何から手をつけて良いかわからなくなったりします。

必要なタスクに優先順位をつけ、また並行すべきタスクを把握することで、より効率的かつすっきりと作業を進めることができます。
そのためには、タスクの期限をそれぞれに洗い出し、目標をきちんと定めて組立てることが重要です。

また、プロジェクトにおいても作業をタスクに分解し、メンバーに割り振って進捗を管理することで、プロジェクト全体の進行状況を整理できます。
プロジェクトの目的を達成させる強いチームを作るためにも、タスク管理は役に立ちます。

タスク管理の順序について

タスク管理を行うには、順を追って作業を行うとスムーズです。では、タスク管理の順序について説明します。

1.抱えているタスクを洗い直す
現在、自分が抱えている作業について、細かく洗い直します。
参加しているプロジェクトの中で、自分に割り振られたタスクをひとつひとつピックアップし、例えば「打ち合わせ日程の調整」と「外注への依頼」を任さされているとすると、下記のように細分化します。

【打ち合わせ日程の調整】
  • 日程の設定
  • メンバー全員に連絡
  • 社外担当者や上司へのスケジュールの確認
  • など

【外注への依頼】
  • 外注スタッフの選定
  • スケジュールのすり合わせ
  • 進捗状況の確認
  • など

2.タスクを分類・整理する
タスクを洗い直した後は、それらのタスクを分類して整理を行います。
上記の例では、「打ち合わせ日程の調整」と「外注への依頼」にタスクを分類できます。
この時、分類種別は作業が進行しやすいように設定して問題ありませんが、「社内」「社外」のような分け方や、「連絡」「事務作業」のような分け方があります。

3.タスクの終了期限を決める
タスクの分類の次は、それらの期限を設定します。上記の例をあげると、以下のような決め方ができます。

【打ち合わせ日程の調整】
  • 日程の設定→3月7日に打ち合わせ→参加者のスケジュール確認を行う2月22日より前=2月10日まで
  • メンバー全員に連絡→3月10日の1週間前=3月1日まで
  • 社外担当者や上司へのスケジュールの確認→メンバーへの連絡の前=2月22日まで
【外注への依頼】
  • 外注スタッフの選定→納品日である4月30日の1ヵ月半前=3月15日まで
  • スケジュールのすり合わせ→外注スタッフの業務開始の想定日4月1日の前日3月31日まで
  • 進捗状況の確認→業務開始から1週間ごと→4月7日・14日・21日・28日

4.タスクの優先順位を決める
タスクの期限が決まったら、これに優先順位をつけます。上記の例を優先順位で並べ替えると、以下のようになります。

「打ち合わせ日程の調整」
1.日程の設定(2月10日まで)
2. 社外担当者や上司へのスケジュールの確認(2月22日まで)
3.メンバー全員に連絡(3月1日まで)

「外注への依頼」
4.外注スタッフの選定(3月15日まで)
5.スケジュールのすり合わせ(3月31日まで)
6.進捗状況の確認(4月7日・14日・21日・28日)

もし、期限が近いタスクが複数あれば、双方が並行できるか、ひとつのタスクが終了した後に取り掛かることができるかなどを考えます。

効率的にタスク管理を行うには

さらに、効率よくタスク管理を行うためには、下記のような方法が有効です。

ノートに手書きで書き出す

ノートを使用し、分類別や優先する順番に手書きですべてのタスクを書き出します。
このとき、付箋1枚ごとにひとつのタスクと期限を記入し、並べ替える方法でも良いです。
そして、タスクが終了するごとに上から線を引く、付箋をはがすなどの作業を行って終わったことがわかるようにします。

手書きにすることで、自分の頭の中でもそれぞれのタスクが記憶に残りやすくなり、抜け漏れを減らすことが期待できます。

表を作成する

Excelで表を作成し、それぞれのタスクと期限、また進行中・終了といった進捗もひと目でわかるようにする方法もおすすめです。
進捗は〇×のような記号でも良いですし、フォントやセルの色分けでも良いです。
いずれにしても、表にすることでタスクの状況をまとめて把握できるメリットがあります。

プロジェクトメンバー全員で進捗を把握したいときは、共有フォルダやクラウドを使用してメンバーが確認できるようにしておきます。

タスク管理ツールを使用する

PCで使用できるアプリで、タスク管理ができるツールも存在します。
タスク管理ツールでは、簡単にタスクの状況を整理できる機能や共有機能が備わっています。
ツールごとに機能や特徴が異なり、例えば以下のようなものがあげられます。

共有すべき情報を簡単に残せるもの

共有フォルダでのデータ共有が煩雑というときに、メモやメッセージによりチーム内で必要な情報を残せて、すぐに閲覧できるツールがあります。
もちろん、ファイルの共有も可能であるほか、分類ごとにメッセージを送り合うことができ、情報が錯綜することなくスムーズに作業が進みます。

職種別でタスク管理できる

ビジネスでのタスク管理は、開発職や営業職などの職種で性質がかなり違ってきます。
そこで、同じツールで職種ごとに適切な管理が行えるものがおすすめです。このようなツールであれば、会社内でツールを統一することが可能です。

エンジニア向けのタスク管理ツール

特に、開発担当のエンジニアに向けたタスク管理ツールでは、リポジトリとしての使い方ができることから、例えば、エンジニアが作成したソースコードを共有してレビューを実行できる点がメリットです。
また、文書や素材をアップロードして管理する機能もあります。

チームだけでなく個人での使用にも便利

チームで情報共有するだけではなく、自分用にタスク管理できるツールも便利です。
チームでの利用の場合はそれぞれのタスクの担当者を入力でき、誰が何を請け負っているのか把握しやすいです。
また、タスク内に詳細なメモを入力することも可能です。

様々なデバイスで管理できる

多様なOSやデバイスに対応しているクラウド型タスク管理ツールなら、どのような環境でもすぐに閲覧、確認できて使いやすいです。
操作は、ドラッグ&ドロップのほか、スマホでも簡単にできるようにタップやスワイプでもタスクを分類別や進捗ごとに分けられます。

タスク管理で注意すべきこととは


タスク管理を行って作業を進めるために、注意したい点がいくつかあります。
上記のタスク管理法に加えて、以下に紹介することに気をつけておけば、さらに効率性は上がるはずです。では、タスク管理で注意すべき点とはどのようなものでしょうか。

優先順位の付け方を工夫する

タスクに優先順位を付ける時、緊急性や重要性の高さからチャートを作って分ける方法が有効です。
緊急性を縦軸、重要性を横軸とし、
1.どちらの度合いも高いもの
2.いずれかひとつの度合いが低いもの
3.どちらの度合いも低いもの
と分けることができれば、簡単に優先順位を把握できます。
また、3.に関しては状況に応じて切り捨てる決断も簡単です。

チームでの情報共有を密に行う

プロジェクトを進めるにあたっては、どのタスクを優先するか、順調に進行しているかといった情報をメンバー全員が把握できるよう密に共有することが大切です。
そして、プロジェクトリーダーが共有した情報を管理しておけば、メンバーへの指示も出しやすくなります。

タスク管理ツールはそれぞれに合ったものを使う

タスク管理ツールを使用する際は、プロジェクトや職種に合ったものを選ぶようにします。
メンバーのスキルや性質によっては、多機能でも使いづらいものは存在するため、まずはお試しで使用してみるのも良いです。
その上で、メンバーの誰でも使えるものを選びましょう。

まとめ

タスクとは、業務全般を作業に細分化したときに使用する用語です。
似た言葉であるプロジェクトやToDoとは多少意味が異なり、それらの違いを理解することができれば、仕事でやるべきことの整理も付けやすくなります。
また、ビジネスにおいてタスク管理は重要であり、しっかりタスク管理を行うことで業務を円滑に進めることが可能です。

タスク管理には、便利ツールもあるため有効に使うと良いです。タスクの意味や扱い方を正しく知って、余裕を持ったビジネスライフを送りましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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