【TechCrunch Tokyo 2018 2日目レポ】新進気鋭のスタートアップ6社による「スタートアップバトル」
6社がしのぎを削ったピッチバトルの模様をお届けします
(2018/11/16更新)
11月15日、16日に渡って開催された、日本最大級のテックイベント「TechCrunch Tokyo 2018」。2日目のメインイベントは、厳しい予選を勝ち抜いた6社による「スタートアップバトル」!今回はその模様を、創業手帳編集部がお届けします。
初日の様子はこちら→【TechCrunch Tokyo 2018 1日目レポ】フリマアプリの革命児「メルカリ」が目指す道
この記事の目次
2日目のメインイベント!「スタートアップバトル」
午後4時20分。初日に行われた厳しい予選を勝ち抜いた6社による、「スタートアップバトル」ファイナルラウンドが開幕しました。
限られた時間の中で、自分たちのサービスをプレゼンする「スタートアップバトル」。会場にいる観衆だけでなく、SNSでもリアルタイムで注目されているプログラムです。
初日の様子はこちら→【TechCrunch Tokyo 2018 1日目レポ】フリマアプリの革命児「メルカリ」が目指す道
審査員のご紹介
まずは、審査員が登壇。向かって左から順にご紹介します。
エウレカ創業者 赤坂優
2009年にエウレカを創業し、代表取締役CEOに就任。マッチングサービス「Pairs」やカップルのためのアプリ「Couples」などを提供。2015年にMatch、Tinder、Vimeoなどの有力インターネットサービスを展開する、アメリカのInterActiveCorpにエウレカを売却。現在はエンジェル投資家として活躍中です。
株式会社ディー・エヌ・エー 顧問 川田 尚吾
1999年にディー・エヌ・エーを共同創業。以降はCOOとして一連の事業立ち上げをリードしてきた方です。
2008年に非常勤取締役、2011年より顧問に就任。現在は日米欧のスタートアップ企業への投資・支援を中心に活動しています。
マネックスグループ株式会社 取締役会長 松本 大
ソロモン・ブラザーズを経て、ゴールドマン・サックスに入社。30歳で同社史上最年少のジェネラル・パートナーに就任。1999年にオンライン専業のマネックス証券を設立しました。現在はマネックスグループの会長を勤め、米中を含む世界で展開しています。
東京証券取引所社外取締役ほか、公職を歴任し、現在は米マスターカード、ユーザーベース社外取締役などを兼任しています。
Drone Fund創業者/代表パートナー 千葉功太郎
慶應義塾大学卒業後、リクルート、サイバードなどを経て2009年にコロプラに参画し、取締役副社長に。2012年にマザーズ上場、2014年に東証一部上場を果たしました。2016年に退任後は、リアルテックファンド マネージャー、慶應SFC研究所 上席所員を務めるかたわら、日本初のドローン・スタートアップに特化したファンド「Drone Fund」のジェネラル・パートナーを務めています。
創業手帳が注目したファイナリストをご紹介!
それでは、出場したスタートアップ6社の中で、創業手帳が注目したスタートアップをご紹介します。
株式会社JobRainbow
日本では13人に1人の割合でいると言われる「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)」の就職活動・転職活動に役立つ、企業の口コミ・企業評価・採用・求人情報サイト「JobRainbow」を運営しているスタートアップ。
マイクロソフトやIBMなどの大企業も本サービスを利用しており、人材採用だけでなく、企業の取り組みやインタビューからLGBT対応をチェックする事業も行なっています。
審査員からも「社会的に意義にある事業だ」と納得のコメントが出ていました。
株式会社KURASERU
病院と介護施設のマッチングサービス「KURASERU」を運営するスタートアップ。
病院と介護施設での勤務経験がある代表の川原氏は、現状の介護施設のマッチングは医療ソーシャルワーカーや家族または患者様の知識量の中でしか選べず、「本当にこれで良かったのか」と悩んでいる双方の姿を現場で数多く見てきた、とのこと。この問題をITで解決し、病院と介護施設の情報格差を無くそうと思って事業を始めたそうです。
超高齢化社会となった日本では、将来身近な人を介護する確率が高い。このサービスはそんな状況で力を発揮します、と力強くスピーチしていたのが印象的でした。
株式会社Eco-Pork
養豚経営支援システム「Porker」を運営するスタートアップ。
「日本の養豚業界は、人手不足や後継者不足という課題に加えて、多国間自由貿易協定の締結により、グローバルな競争にも巻き込まれていくことになる」と語る、代表の神林氏。
そんな課題を解決するために、農場のデータ分析や飼育環境の改善などをテクノロジーでできるシステムを開発したそうです。
株式会社ムスカ
株式会社ムスカが行なっている事業は、「イエバエ」というハエを活用したバイオマスリサイクルシステム「MUSCAシステム」。
なんと、今まで堆肥となっていた家畜糞や加工残渣(溶解や濾過などのあとに残った不溶物)にイエバエの卵を投入することによって、その中で生まれた幼虫が高品質の有機肥料と飼料を作り出す、という画期的なシステム。
堆肥の匂いの問題や、肥料と飼料を作り出すことによって家畜・農産物の栄養を確保することができる。食糧不足という課題を抱えている世界において、有望なシステムだと高評価を得ていました。
いよいよ表彰式!受賞したのは・・・?
18時20分。いよいよ表彰式が始まりました。
頂点に輝くのは、一体どの企業でしょうか?
最優秀賞:株式会社ムスカ
最優秀賞は、株式会社ムスカが受賞しました!
同社の暫定CEO 流郷 綾乃さんは、受賞の喜びを以下のようにコメントしていました。
「ムスカはものすごいポテンシャルを持っている企業です。”ハエ”と聞くとあまりいいイメージを持っている人は少ないかもしれませんが、彼らは地球上にある様々な問題を解決できる存在です。これからもそれらの課題を解決できるように、頑張っていきます!」
社会問題の解決に真っ向から挑むスタートアップ
様々なスタートアップが登壇した「TechCrunch Tokyo 2018」の全プログラムが終了しました。
去年出場したスタートアップは、比較的専門的な分野の業務改善に取り組んでいるところが多かったです。
それに対して今年の出場者は、LGBTの人材採用、病院と介護施設のマッチング、ハエを利用した食糧不足の解消など、社会的な課題に真っ向から取り組むスタートアップが多く出場していたのが印象的でした。
これらの課題は日本国内のことだけでなく、世界規模の課題と言えます。
社会的に意義のある事業に取り組むスタートアップが出てきたことで、これからのビジネスにどのような変化がもたらされるのでしょうか?
これからに期待です。
TechCrunch Tokyo 2018 概要
日時:平成30年11月15日、16日
会場:渋谷ヒカリエ ヒカリエホール 東京都渋谷区渋谷2-21-1 9F
URL:https://jp.techcrunch.com/event-info/techcrunch-tokyo-2018/
(執筆:創業手帳編集部)