リモートワークを始めるには何が必要?導入までの流れを解説!
事前準備をして、ストレスのないリモートワーク環境を作る
(2020/06/27更新)
新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークを取り入れる会社やお店が増えました。しかし、今までリモートワークを導入していなかった会社やお店が、リモートワークを導入すると様々な問題が発生します。そういった問題の発生を最小限に防ぐためには、事前にしっかりとした準備をする必要があります。
その準備にはどういった内容があるのでしょうか?会社やお店がリモートワークをする上で準備するものや、導入の流れを解説していきます。
これからは、リモートワークはもちろん始めからオフィスを持たない選択も広がるでしょう。必要に応じてシェアオフィスなどの活用が有効かもしれません。「冊子版創業手帳」では、オフィスの新たな形態を考えるヒントとなるような記事を掲載しています。参考にしてください。
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この記事の目次
リモートワーク導入のメリット
リモートワークを実際に導入した企業では、予想以上のメリットを感じたのではないでしょうか。
- 【メリット】
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- オフィスを縮小できる可能性
- 地域問わず優秀な人材を確保することができる
- リスク分散ができる
固定費の節約につながります。会議などもオンラインで可能となるため、会議室を借りる経費も節約することができます。
通勤が必須条件だと、どうしても社員の住む地域が限定されてしまいますが、通勤がなければ、海外在住でも優秀な人材と仕事ができるかもしれません。
交通網が止まってしまい、オフィスへの通勤が困難な場合でも、自宅で仕事ができる環境にあると業務が滞らずに済みます。
会社やお店でリモートワークをするために必要な物
では、会社やお店でリモートワークをするための準備として、どのようなものが必要なのでしょうか?揃える物品を見ていきます。
準備1.パソコン
社内のPCがデスクトップが主流だと、リモートワークの際は社員個人のパソコンを使うことになるかもしれません。しかし、近年はスマートフォンの普及によりパソコンを持ってない人の割合も増えています。また、セキュリティ上の問題を考えると、リモートワークに使うパソコンはできる限り会社で準備したほうが良いでしょう。
その際に、低スペックのパソコンでは作業効率が落ち、業務に支障をきたしてしまいます。また、Windows7のパソコンはすでにサポートが終了しており、セキュリティ面でも多くのリスクを抱えることになります。会社側でパソコンを用意する場合は最新のパソコンを準備するようにしましょう。
一方、個人で使用しているパソコンを使う場合も、セキュリティのチェックはしっかりと行わなければなりません。パソコンのスペックや使用しているOS等をチェックし、業務で使っているソフトウェアやセキュリティソフトなどと互換性があるかどうか確認しましょう。
準備2.ソフトウェア
普段オフィスで利用しているソフトウェアは、リモートワーク用のパソコンにインストールしなければいけません。
ExcelやWordなどのオフィスソフトだけであれば移行は簡単です。しかし専門的な仕事の場合はその他のソフトも必要となります。
個人所有のパソコンのスペックによっては、専門性の高いソフトウェアをインストールできないかもしれません。個々の状況を確認し対応します。パソコンの環境を整えることは快適なリモートワークの基本です。長い目で見れば投資額以上の効果につながるので、ここは丁寧に準備しましょう。
準備3.安定したインターネット回線
リモートワークをする上で、安定したインターネット回線も大切です。ネット回線の速度が遅いと業務効率が悪くなり、オンライン会議にも支障をきたします。速度の速い安定したインターネット回線を用意することをおすすめします。
最近は、働く世代のほとんどの家庭でネット回線が敷かれていると思いますが、セキュリティ上の問題もあり、できれば家庭用のネット回線と仕事用の回線は分けていた方が良いです。
自宅にネット回線のない社員は、フリーWi-Fiを使う可能性があります。しかし、フリーWi-Fiはセキュリティ上のリスクが高いです。その場合は、自宅にネット回線を敷いてもらうか、会社からモバイルWi-Fiを支給しましょう。
準備4.チャットツール、会議ツール
複数の社員と連絡を取ることができるチャットツールを導入するとコミュニケーションの面でとても効果的です。連絡を電話やメールで各個人に行うと、作業効率の面で無駄が生じます。
円滑なコミュニケーションを行うためにも、共通のチャットツールを導入しておきましょう。リモートワークでよく使用されているチャットツールには、チャットワークやSlack、LINEWORKSなどさまざまあります。
社内だけでなく、クライアントとの連絡を行う際にもチャットツールを導入しておけば大変便利です。メインの取引先と同じツールを使えばやり取りもスムーズになります。
チャットツールはチャット以外の機能も充実しています。例えば、チャットワークは、「チャット機能」や「ファイル添付」はもとより、「タクス管理機能」や「検索機能」などがあります。
「タクス管理機能」は非常に使い勝手が良く、自分のタクスだけでなく、指定メンバーや業務を行うチームのタクスも管理することができます。社内外問わず、指定メンバーでチームを組みタクス管理することも可能です。
また、オンライン会議が必要な場合もあるので、そういった際にはビデオ通話ができるZoomなどをインストールしておくと大変便利です。こちらも、さまざまな種類が出ているので、自社の使い方に合ったものを見つけてください。
準備5.セキュリティツール
リモートワークは各所で各人がパソコンを使いますから、会社の情報を守るためにセキュリティツールを入れるのは必須です。Windows10であれば、あらかじめWindows Defenderが搭載されています。これで通常の業務であればウイルスによるリスクはほとんど取り除くことが可能です。
しかし、それ以前のOSを使用している場合は、ウイルス感染のリスクが高くなるのでセキュリティ対策が必須となります。現在、社内で使っているパソコンに導入しているセキュリティツールを、リモートワーク用のパソコンに導入しても良いですが、互換性があるかどうかあらかじめ確認しておきましょう。
準備6.会社用の携帯電話
日ごろから営業職などは、会社の携帯電話を支給していることがあるかもしれません。しかし、リモートワークになると他の業務担当者にも会社の携帯電話が必要になることがあります。必要な台数を把握して支給の準備を進めます。
連絡を取る際に個人の携帯を使用すると、個人情報の漏えいはもちろん、通話費用が発生してしまいますので、できるだけ避けるほうが良いです。
準備7.椅子やクッション、イヤホンなどの備品
パソコンと通信環境さえ整えばリモートワークを始められますが、より快適に環境を整えらえると効率がアップします。例えば、テーブルが低いものしかないと、長時間のパソコン作業は疲れてしまいます。簡易的でもイスとデスクがあると体への負担が少なく済みます。
座面が硬い椅子にはクッションを置いたり、オンライン会議用にイヤホンが必要なこともあるでしょう。
リモートワークは社員それぞれ仕事をする環境が違います。各自に要望を聞き、必要だと認めたものは購入します。
リモートワークを導入する流れは?
リモートワークに必要な物品の準備が整ったらいよいよ導入です。実際にリモートワークにスムーズに移行するためのポイントは次の通りです。
リモートワークの頻度は?
リモートワークの形式や頻度はどのようなものを想定していますか。
週に数日のリモートワークで残りは出勤と組み合わせるハイブリッド型、全ての勤務時間を在宅で行うフルタイム型、一定期間・一時的にリモートワークをするなど、リモートワークの導入レベルもさまざまです。また、社員や部署によって内容を変えることも考えられます。
コロナウイルス対策のためにフルタイムのリモートワークを導入し、収束後にハイブリッド型に切り替えるという方法もあります。
柔軟に対応できるように、さまざまなシーンを想定して準備します。もっとも用意が大変なのは、「全社員・終日・継続的にリモートワークをする」状態ですから、そこに合わせた準備をしておけば、さまざまな場合に適応できます。
社内ルールの制定
新しい生活様式のひとつとしてリモートワークを取り入れたら、社内ルールを制定しましょう。
出退勤の管理方法や休憩のルール、などを決める必要があります。出退勤の際には証拠として残るようにメールを送るよう指示したり、休憩もチャットで報告したりすると管理がしやすいです。
また、各メンバーの作業状況の管理方法なども考えなければなりません。そういった細かい社内ルールの制定は、リモートワークをした場合を想定して設定していきましょう。
リモートワークによる情報格差をなくすという点も非常に大切です。オフィスに出社しなければわからないということをなくすために、「会議などの議事録は誰でも見ることができるようにしておく」、「希望があればビデオ会議を試聴することができる」などのルールを定め準備します。
リモートワークを少人数でテストする
ルールを制定した後は、在宅勤務でも影響の出にくい社員から少人数でテストをしてみましょう。実際に業務を開始すると思わぬトラブルが起きたり、報告の仕方を変えたりとルール変更が必要となってくることが多いです。
少人数でテストし問題点をヒアリングし、改善をします。
いよいよリモートワークを稼働してみて改善点を探る
どれだけ事前準備をしっかりとしていても、リモートワークを実施すると必ず問題が発生します。細かな社内ルールはその都度見直し、改善していきましょう。また、リモートワークの責任者を立てておくことも重要です。
ガイドラインで分からないことがあれば、リモートワークの責任者に質問できる環境を整えておきましょう。リモートワークで対応できない業務などが出てきた場合は、一時的に内勤に戻すなどの柔軟な対応をします。
いつでもリモートワークに切り替えられるようにしておく
現時点ではコロナウイルスの感染がいつ収束するのかといったことは分かりません。またコロナウイルスが収束した後でも、新たなウイルスなどが感染・拡大する可能性も考えられます。
まだリモートワークを導入していない企業でも、今後のため準備は進めておいた方が良いです。ウイルスや災害以外にも、会社や社員の都合でオフィスに通勤できなくなることがあるかもしれません。その時にリモートワークができれば、会社はもとより社員の生活を守ることができます。
アフターコロナで生き残る企業となるため、できるところからリモートワークの準備を始めていきましょう。
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(編集:創業手帳編集部)