営業の業務をアウトソーシングするのに押さえておくべき5つのポイント

創業手帳

起業家が営業業務をアウトソーシングするために押さえておくべきポイントを解説

アウトソーシングの図

(2020/08/09更新)

起業家が営業業務をアウトソーシングすることで、企業成長のきっかけになることがよくあります。

商品やサービスを販売する営業活動をアウトソーシングすることで、起業家は本来取り組むべき仕事に集中できるようになるなど、様々なメリットがあります。

最近は、アウトソーシングを取り入れる企業が増えており、大企業だけではなく中小企業やベンチャー企業でも積極的に取り入れられるようになってきました。

この記事では、アウトソーシングの基本から、営業をアウトソーシングするときに押さえるべきポイントをご紹介します。

創業手帳が無料で発行している冊子版でも、総務をアウトソーシングするメリットやポイントについてまとめています。ぜひ、ご活用ください。

業務効率化を図ることができる「アウトソーシング」とは?

アウトソーシングする男
アウトソーシングとは、日本語に直訳すると「外部調達」を意味しており、外部から人やサービスを調達することを指します。

アウトソーシングは、契約形態によって大きく「業務請負契約」「準委任契約」の2つに分けることができます。

業務委託契約とは?

アウトソーシングでよく利用される「業務委託契約」は、正確には業務請負契約か準委任契約のどちらかになります。

業務請負契約とは、仕事をそのまま任せる契約のことです。工場内にある食堂や自動車部品を製造している企業などが、業務請負契約を結んでいることが多いですね。

発注者(起業家)側から見た業務請負契約のメリットは、実施して欲しいことを丸投げできることです。

依頼した仕事の責任は受注者(アウトソーシング企業)側にあるため、起業家はリスクごと仕事を任せることができるのです。

業務請負契約のデメリットは、アウトソーシング企業のノウハウを学びにくいこと、コストが割高になることです。

準委託契約とは?

準委任契約は、作業した実績によって対価を支払う契約のことです。

間接部門のアウトソーシングでは準委任契約を用いている企業が多くあり、経理部門や人事部門のアウトソーシングでよく利用されます。

たとえば、経理業務の一部を準委任契約でアウトソーシングした場合、故意ではない経理上の間違いは発注者側に責任があることになります。

つまり、責任は発注者側が負うことになるので、受注者には作業・サービスのみを提供してもらうことになるのです。

これは準委任契約のデメリットとして捉えることもできますが、協力体制を組むことができる、比較的コストを抑えることができるといったメリットとしても考えられます。

以上のように、アウトソーシング契約の大きな枠組みは2種類ですが、どのような契約内容にするのかはその時の交渉によります。

営業のアウトソーシングを検討する時のためにも、この2種類があることを頭に入れておきましょう。

積極的に取り入れるべき営業業務のアウトソーシング

アウトソーシングを任せる図
起業家が営業のアウトソーシングを活用することによって得られるメリットについて説明します。

①コストを削減することができる

アウトソーシングを活用することでコストを削減することができます。

起業家が自分で実施していた営業活動のコストを落とすことができますし、新規社員を採用しようとしていたのなら採用コストも落とすことができます。

社員が退職をしようが、新たに入社しようが、引継ぎや研修コストはアウトソーシング企業側に任せることができるのです。

起業家にとって、営業活動はとくに時間がかかりやすいです。

マーケティングをしながらトライ&エラーを繰り返していく必要があるからです。そのため、営業のアウトソーシングはよりコスト削減の効果が出やすいジャンルとなります。

②営業のプロに任せることができる

自社にいくら素晴らしい商品や魅力的なサービスがあったとしても、顧客が増えなければ売上は上がりません。

営業のアウトソーシングを展開している企業は、営業のプロ集団です。営業のことは営業のプロに任せるのが一番効率的といえます。

特に、苦手としているジャンルや業界においては、営業アウトソーシングの活用メリットが最大限発揮されることでしょう。

これまでアプローチしたことがない業種へ展開を広げることができるようになるかもしれません。

また、技術者や研究者から起業家になった人は、営業が得意ではない場合もあるでしょう。営業行為をアウトソーシングすれば、製品の品質向上や新技術の開発に注力することができます。

③新しい情報を手に入れることができる

営業のアウトソーシング企業は、様々な経験値を保持しています。扱ったことがある商品も多いでしょうし、業界や業種も様々です。

営業のアウトソーシング企業と一緒に仕事を進めていくと、起業家だけでは気付かなかった顧客のニーズを知ることができるようになります。

潜在的なニーズに合わせて、商品やサービスをブラッシュアップさせていくことができるようになるのです。

また、営業スキルという点についても学ぶことは多いです。

契約形態にもよりますが、営業のアウトソーシング企業と手を取り合って営業活動をしていれば、営業スキルを身につけることができるようになります。

営業のプロから学ぶことはとても多く、起業家としての成長を促してくれる存在になってくれるでしょう。

④地方に拡大することができる

営業のために出張をすると、1日に回れるお客様はせいぜい3件ほどではないでしょうか。
常にスケジュールが埋まっている起業家にとって、出張はできるだけ効率的に行いたいものです。

地方にいるお客様から自社商品についてお問い合わせを受けるのは、とても嬉しいことで見込み客であることに変わりはありません。

しかし、そのお客様だけのために出張するのはとても非効率です。

営業のアウトソーシング企業と手を組んでいれば、急な地方への対応も実施してくれるかもしれませんし、エリアを分けて効率的な営業活動をすることも可能でしょう。

⑤コラボレーションが期待できる

アウトソーシングを手掛けている企業は、横のつながりがとても広いです。

営業活動で成果を上げることがアウトソーシング企業には求められているわけですから、良いサービスがあれば積極的に他社と引き合わせてくれるようになります。

起業家だけでは見えなかったコラボレーションによる効果をアウトソーシング企業に教えてもらうことができるのです。

また、企業同士を引き合わせる段取りまでしてくれるので、出会うまでの労力がかかりません。

お互いのサービスとお客様のニーズを把握しているアウトソーシング企業だからこそ、効果的なコラボレーションが期待できるのです。

営業をアウトソーシングするときに押さえるべき5つのポイント

デスクに向かう女性イラスト
確実に成果を出すため、営業をアウトソーシングするときに押さえるべき5つのポイントをお伝えします。

①どのような営業活動をアウトソーシングするか

営業のアウトソーシングを活用する時には、新規開拓の営業活動が一番効率的です。

新規開拓営業をしようと思うと、テレアポをしたり飛び込みをしたり、ときにはターゲティングメールを送ったりすることもあるでしょう。

起業家の方が、これらの新規開拓営業に時間を割くのは非常にもったいないですし、新規開拓営業はタスクの優先順位が落ちやすいです。

既存のお客様から問い合わせがあれば優先するでしょうし、トラブルがあればトラブル対応の方が優先順位も高くなります。

このような状況下では、新規開拓営業の必要性は理解していても、優先順位がどうしても落ちてしまうのです。

新しいお客様を見つける新規開拓営業は、アウトソーシング企業に任せると時間を効率的に使うことができるようになります。

②どのような企業にアウトソーシングの依頼をすればいいか

営業のアウトソーシング企業を選別する時に重要なのは「コストパフォーマンス」です。

たとえば、月に10万円で1000社に営業メールを投げてくれる企業があったとします。かなりお得な価格設定になっており、外部に任せるメリットは多いにあるかもしれません。

しかし、起業家が展開しているサービスが、メールの文章だけでは把握できないものだったらどうでしょうか。1000社にメールをしても、ヒットするのが0件なら意味がありません。

また、月に50万円かかるけれど実績も十分で、たくさんの見込み客を紹介してくれるアウトソーシング企業ならばどうでしょうか。コストはかかりますが、確実に数字に結び付けてくれるでしょう。

しかし、この場合も安価なサービスを展開している起業家であれば、少数の受注では50万円の元を取ることができません。

営業のアウトソーシングをする際には、どれだけのコストをかけて、どれくらいの効果を生み出すのかを計画として立てておく必要があります。

営業活動は見えにくいコストだからこそ、コストパフォーマンスの計算が重要といえます

③どのような契約内容にすればいいか

営業のアウトソーシングを検討する際には、契約内容がとても大切です。

アウトソーシング企業と一緒に営業活動をして、潜在ニーズの掘り起こしや営業アドバイスを求める場合、付加価値分も含めた契約で調整をするといいでしょう。

もし、見込み客がすぐに見つからなかったとしても、得られるメリットがあるかもしれません。

逆に「営業活動はできるだけ切り離したい」という起業家の場合は、成果報酬にするのも良いでしょう。お客様を紹介してくれたら○%をお支払いする、という契約であればコストパフォーマンスも良くなります。代理店契約に近い形ですね。

どちらにせよ、重要なのは「見直しができる」ということです。やってみなければ分からない契約を1年間結んでしまうと途中で解約することができません。

アウトソーシング企業とよく話し合い、適宜見直しができる契約内容にすることをおすすめします。

④自社サービスを簡潔に説明できるようにする

アウトソーシング企業は営業のプロとはいえ、起業家が展開したいサービスを最初から理解しているわけではありません。

早く成果を出してもらうためには、自社サービスを簡潔に説明できるように準備しておく必要があります。営業が話しやすい状態を作っておくと、新規開拓もスムーズに進んでいくでしょう。

また、お客様のターゲットも明確にしておくとよいです。アウトソーシング企業が迷わないようにしておくことで、スタートダッシュが切りやすくなります。

さらに、ターゲットに対して営業をしていく中で「もしかしたら、こういったターゲットの方が合っているかもしれませんよ」といったアドバイスをもらうことも可能になるでしょう。

プランが固まっていた方がフィードバックしやすく、改善に動きやすくなります。営業活動を通して、サービスのPDCAを回すことができるようになります。

⑤自社のビジョンを熱く語る

アウトソーシング企業とはいえ、営業代行をするということは会社の顔になるということを忘れてはいけません。

もし営業手法が、メールマーケティングやテレアポのようなテンプレートが存在しているものだとしても、アウトソーシング企業と信頼関係を築いておくことはとても重要です。

とくに新規開拓営業においては、起業家の思いを理解していないと提案がブレてしまいます。

今後の販売戦略についても共有しておくと、長く付き合えるパートナー企業になる可能性が高くなります。付き合いが長くなり、お互いに成長しあえる関係性を築くことができれば、アウトソーシングの効果はより高いものとなるでしょう。

まとめ

起業家は、忙しい中でも新規開拓を進めていかなければ、企業の成長につながりません。

新しい時間を生み出すこと」、それがアウトソーシングの醍醐味になります。

営業のアウトソーシングを利用するときには、「何を目的にするのか」をよく考えるようにしましょう。

創業手帳の冊子版では、Webで非公開の有益な情報を多数掲載しています。無料で配布していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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