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シリーズBラウンドとは?

シリーズBラウンドとは、ベンチャー企業が事業を開始してから成長する段階の中で資金調達を判断する用語であり、事業が軌道にのってさらなる拡大を目指すステージとなります。

シリーズBラウンドの定義と位置づけ、具体的な内容について詳しく説明します。
ベンチャー企業において、事業を開始し成長していくためには、外部からの資金調達が必要となります。
ここで、適切な資金調達を行うために、企業の成長の段階を分けたものが「投資ラウンド」と呼ばれます。ベンチャー企業としては、投資ラウンドによって資金調達の時期や手段を計画することができます。また、投資する側のベンチャーキャピタルでは、投資判断の指標となって、投資先の企業の成長や資金の状況を把握しやすくなります。

これは、ベンチャー企業やベンチャーキャピタルが多数集まるアメリカのシリコンバレーで生まれた考え方です。現在では、日本や世界各国でスタートアップ市場の資金調達に関して広く使われる用語となっています。投資ラウンドでは、ベンチャー企業の成長段階の順に次の4つに分けられます。

(1) シード
(2) シリーズA
(3) シリーズB
(4) シリーズC

1番目の「シード」は、ベンチャー企業の創業前または創業直前の段階を意味します。市場調査や人件費のために資金調達を行うケースがあります。投資ラウンドの中では最も必要な資金は少なく、一般的には数百万円程度です。

2番目の「シリーズA」は、ベンチャー企業が自社の商品やサービスを発売し、顧客が増えて成長を始める段階を意味します。シリーズとは投資ラウンドにおける段階を示したもので、A、B、Cと順に企業が成長し、調達金額は増えることとなります。シリーズAでの資金調達額は、一般的には一千万円~数千万円と言われます。

そして、3番目が「シリーズB」となります。前の段階であるシリーズAを経て、商品やサービスの品質が向上し、顧客も増えることで売上が伸びている段階です。ベンチャー企業としては中規模となり、ビジネスモデルも確立されてきた状態と言えます。

ここで、さらなる商品やサービスの向上、人材確保や設備導入、広告宣伝のため、あるいは将来的な成長を見据えたスピーディな資金調達が必要となります。資金調達額はシリーズAよりさらに増え、一般的には数億円~10億円程度とも言われます。

この段階での主な調達先は、ベンチャーキャピタルが挙げられます。ベンチャー企業のIPOの実現が見込まれる場合には、ベンチャーキャピタルからの注目が集まりますので、出資をより受けやすくなります。
ただし、資金調達額が大きいため、複数のベンチャーキャピタルと契約をすることも考えられます。もしくは、複数のベンチャーキャピタルを代表するリードインベスターと交渉、契約をすることで、資金調達をまとめて行うケースもあります。
また、売上が伸びており実績もある段階のため、信頼度が高く優良企業として認められますので、国や地方自治体、金融機関からの融資、補助金などを得られることもあります。

一方で、投資する側としては、企業に対する投資が適切かどうかを顧客やコストと利益の状況などによって見極めます。他にも、外部資金調達の有無や、株価の変化、企業評価額を参考にするケースもあります。

このように、シリーズBはベンチャー企業の成長の段階の中で、経営が軌道にのっている状況でさらなる成長のために、ベンチャーキャピタルなどから数億円程度の資金調達を行うものです。投資側としても、資金繰りや株価などの状況を判断しながら、投資判断の指標として活用します。
ちなみに、シリーズAからシリーズBへ進むことのできるベンチャー企業の割合は、アメリカでは1,000社に数社程度と言われています。シリーズBの資金調達や投資を受けるベンチャー企業は優良企業であり、企業の将来性に関わる重要な指標となります。

ここで、投資ラウンドおよびシリーズと似た概念として、ベンチャー企業の成長指標を示す「成長ステージ」について補足します。
成長ステージは、投資ラウンドと同じくベンチャー企業の成長段階を意味しますが、投資ラウンドにおける資金調達や投資側からの視点ではなく、主にベンチャー企業側から見た成長の段階分けとして使われます。
投資ラウンドのそれぞれの段階に対応した成長シリーズがあり、シードの段階が「シードステージ」、シリーズAは「アーリーステージ」、シリーズBは「ミドルステージ」、シリーズCは「レーターステージ」となります。
それぞれの成長ステージでは、ベンチャー企業が成長、拡大するにつれて、株式の時価総額や資金調達の金額も段階的に増えることを意味していますので、投資ラウンドと使い分けをしましょう。

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