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メンタリングとは?

「メンタリング」とは、英語でmentoring と表す、人材育成や教育方法のひとつです。
ビジネスにおいて企業の新人教育や創業などの場合に、マンツーマンでのコミュニケーションによって自発的・自律的な成長を促すものとなります。指導者側である上司や先輩、先駆者などを「メンター(mentor)」、指導を受ける側を「メンティ(mentee)」と呼び、これらの関係は「メンター制度」または「メンターシップ」と呼ばれます。

メンタリングの歴史、特長や具体的な事例についてくわしく説明します。
まず、歴史についてですが、メンターという言葉の起源は、紀元前8世紀末の古代ギリシャの詩人であるホメロスによる叙事詩「オデュッセイア」に由来すると言われています。物語に登場する主人公に指導、支援をした老賢者の名前が「メントル」であったことから、英語では指導者をメンター、指導することをメンタリングと呼ばれています。
現代社会でアメリカを中心として、従来の一方的な指導や教育ではなく、対象者の自発的な成長、育成を促す方法がメンタリングとして確立されました。

次に、メンタリングの特長としては、指導や支援がマンツーマンで個別に行われることと言えます。また、主体は指導を受けるメンティであり、指導を行うメンターは対話や助言を継続することで、メンティ自身の気づきや可能性を引き出すことが重視されます。
例えば、企業の新人教育の場合では、新人や後輩社員に対して、比較的年齢が近く経験豊富な上司や先輩社員が1対1の個別支援を行います。ここでは、仕事に関する指導だけでなく、中長期の目標やキャリア形成、メンタル面の悩みなどをサポートするため、ヒアリングとコミュニケーションを継続します。そして、メンティとメンターの関係性、信頼関係が構築されることによって、対象者は自身の気づきを得て自発的に成長していくものとなります。

ここで、メンタリングで具体的に行うことと、行うべきでないことを整理します。
メンタリングは自発性とコミュニケーションを重視しますので、メンターはメンティからの意見を徹底して聞くことが求められます。メンティが意見を発しやすい、相談をしやすい雰囲気や関係性をつくり、励ましながら反論も認める姿勢が大切です。また、価値観を理解して将来的な目標やキャリア像を気づかせることも必要となります。
逆に行うべきでないこととしては、メンターが主体となって自身の意見を伝えることに注力したり押し付けたりすることが挙げられます。経験や実績があっても一から全てを教えて、気づきや反論の機会を与えないことはメンティの自発的な成長につながりにくいと言えます。
あくまでも、メンタリングは対象者の自主的な成長を促すものでなければなりません。

近年は日本においてもメンタリングを導入することが多く、個々人の関係性が高まって成長を図ることで、組織全体としての生産性の向上や発展を目指すことにつながります。
このように、メンタリングの手法によって企業を活性化させるものは「メンター制度」「メンタリング・マネジメント」と呼ばれます。
また、メンタリング・マネジメントの逆の手法として「リバースメンター制度」があります。これはメンティとメンターの関係が逆転したものです。例えば、後輩社員が先輩社員に対して、得意とする新技術やITC分野などの共有、両者のコミュニケーションやマネジメント能力の向上を図ります。

ここまでで、メンタリングの歴史や特長、事例について説明しましたが、まとめると次の通りとなります。
・メンタリングは人材育成の手法のひとつで、マンツーマンでのコミュニケーションによって自発的な成長を促す。
・従来の一方的な指導や教育ではなく、対象者の自主性を尊重して目標やキャリア像などを気づかせるもので、指導される側をメンティ、指導する側をメンターと呼ぶ。
・メンタリングの手法によって企業を活性化させるものをメンター制度やメンタリング・マネジメントと言い、日本の企業でも多数導入されている。

メンタリングと似た用語として、「OJT」「コーチング」の意味と違いについて補足します。
ひとつめのOJTとは、英語でon-the-job trainingの略で、企業において上司や先輩社員が後輩社員などに対して行う、実務による実践的な教育を意味します。職場や現場にて実務を積みながら、後輩社員の成長、能力向上を図るものです。
メンタリングの違いとしては、目的と関係性が異なると言えます。OJTは短期的な業務能力の向上を目的としており、同じ職場の指導者が具体的、実践的な指導を行うのに対して、メンタリングは中長期的なキャリア開発やメンタルの形成が目的ですので、メンターは同じ職場にとらわれず、メンティへの聞き役とサポートに徹します。

ふたつめのコーチングは、英語のcoachを表しており、指導者であるコーチが指導される側のクライアントとのコミュニケーションを重ねることで、クライアントに気づきを与えて目標を達成させるものです。
メンタリングと同じく、マンツーマンでの人材育成である点や、クライアント自身の自主性を尊重する点は共通していますが、それぞれの目的や期間に違いがあると言えます。コーチングは事業やプロジェクトなどで、比較的短期間に具体的なスキル開発や目標を達成させるものですが、メンタリングはキャリアやメンタル面の形成など、中長期での成長をサポートしますので、場面に適した手法が求められます。

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