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受領印・承認印の違いは?

受領印とは、物品や金銭を受け取ったことを証明するもので、主に個人の印鑑やサインが使用されます。一方、承認印とは、主に会社内の申請書類に承認する立場の者が認めたことを証明するもので、社内専用の判などが使用されます。
どちらも受領や承認を証明するものですが、受領印は外部とのやり取りで広く使用されるのに対して、承認印は社内での専用の書類や判が使用される点が違いとなります。

それぞれについて、より詳しい内容と使用例を説明します。
まず、受領印の定義ですが、元々、受領とは「受け取る」「受け入れる」という意味がありますので、受け取りを証明する印という意味になります。
ビジネスや日常生活の様々な場面では、物品や金銭の取引、つまり「受け渡し」と「受け取り」が行われます。ここで、正しく受け取りがされたかを確認、証明する必要があります。そのため、取引で受け取った者から、受け渡した者へ、受け取ったことを証明する書類、受領書が渡されます。
このときに、受領書で受け取りを証明する印として使われるのが受領印です。記載内容は主に「氏名」または「企業名」のみとなります。受領印の形式には様々な種類があり、会社や個人の印鑑だけでなく、より簡易なインク浸透印のシャチハタ、またはサインでも対応可能です。取引で受け渡しをした者、あるいは取引を仲介した運送業者などは、受領印のある受領書をもって、取引の確認や証明とすることができます。

実際の使用例として、個人でインターネット通販を利用するケースを考えてみましょう。
ECサイトで商品の購入、支払いをした場合に、商品は運送会社によって自宅や指定の届け先へ運ばれます。そして、この商品を受け取る際に、受け取りを証明するものが受領印です。受領印は送り先や商品の内容が記された伝票へ印しますが、使用するのは簡易な印鑑や大半はサインとなります。ちなみに、このケースでは受領印がされた伝票は、送り主のECサイトではなく運送会社が保管し、商品の受け取りを証明します。

次に、承認印の定義ですが、そもそも承認とは、ある事柄について「正しいと判断する」「認める」といった意味がありますので、内容を認める印と言えます。
承認自体は経済や社会活動の中で、個人間や企業間、国と国などの様々な場面で使われますが、承認印としては主に社内でのやり取りに限られて使用されます。
一般的に、社内での物品の購入をはじめ、事業の計画や報告などで、これらの当事者から上の職位の者へ申請があり、認められた場合に承認印が使われます。記載内容は主に「氏名」「日付」「役職」などです。社内のルールや対象の重要度によっては、複数人の承認印が必要な場合もあります。そして、当事者は承認印をもって、申請内容に取り組むことが可能となります。

実際の使用例として、社内で新規事業のために設備を購入するケースを考えてみましょう。
担当者は事業計画書として、事業の見込みや効果、経費となる設備の見積りなどをまとめて、上の職位の責任者へ事業の許可と設備の購入の承認を問います。責任者としては、事業計画書が妥当であると判断できれば、社内の承認印をして、事業の推進と設備の購入を認めます。この承認印をもって、経費を使用して設備を購入することが可能となります。ここで、事業計画書や承認印などは全て社内専用のものを使用し、社内だけでやり取りされます。
このように、受領印と承認印の定義や使い方は次の通りとなります。
・受領印は物品や金銭の受取りを、受け取った者から受け渡した者へ証明する印で、様々な取引の場面で個人や会社の印鑑、サインなどが使用される。
・承認印は主に社内での申請などの際に、上の職位の者が申請内容を認める印で、氏名や職位が記載された社内専用の印鑑が使用される。

ここで、受領印と承認印の違いは、やり取りをする対象が外部または内部か、使用する印が汎用または専用か、であると言えます。
やり取りの対象としては、受領印が主にビジネスや日常生活での外部とのやり取りであるのに対して、承認印は企業など組織の内部でのやり取りとなります。
また、使用する印としても、受領印は氏名のみを表記しますので、汎用的な個人または企業の印鑑やサインですが、承認印は氏名や役職を表記した社内専用の判となります。どちらも紙媒体の書類へ朱肉やスタンプで印とするものや、データ書類への電子印鑑に対応したものもあります。

なお、受領印や承認印と似た言葉に、「収受印」「検印」「決済印」などがありますが、それぞれに特定の業種や処理に特化した印となります。
収受印とは、確定申告の際に担当の税務署が申告書を受け取ったことを証明する印です。申告書の控えに税務署の名前と日付が記されますので、期日に正しく受け付けられたかどうかが分かります。
また、査印とは書類などの検査が済んだことを証明するために押す氏名などの印であり、決済印とは承認印と近いものですが、一般的には承認印の積み重ねやその上位にあたる最終的な判断などで、会社名や役職、氏名を記した決済印が使用されます。
このように、受領印や承認印をはじめ、それぞれの印では使われる場面や表記が異なりますので、正しい理解と使い分けが必要となります。

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