「オンライン研修」導入のすすめ 選び方のポイントは?
オンライン研修の選び方やポイントを解説します
(2020/04/21更新)
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響で、企業のテレワーク移行が進んでいます。特に、新年度が始まるタイミングと重なったことで、新人や中途採用の社員への研修を、オンライン研修に変更する、もしくは変更を検討している企業も増えていることでしょう。
オンライン研修の方法は、目的や事業規模によって、複数の選択肢があります。オンライン研修を導入するには、オンラインならではの特性を理解した上で、自社に合った手法を選ぶ必要があります。
オンライン研修の基本的な情報や、サービスを選ぶ上でのポイント、国内で展開しているサービス例を紹介します。
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この記事の目次
オンライン研修の概要
オンライン研修は、大きく分けて「eラーニング」と「リアルタイム」の2種類があります。
eラーニングは、録画されたコンテンツを個人で視聴するタイプの研修です。リアルタイムは、Web会議ツールなどを使って、講師と複数の受講者をオンラインでつなぎ、同時に行います。それぞれの主な特徴は、以下の通りです。
オンライン研修導入で考えるべきポイント
オンライン研修導入のポイントを解説します。
自社に必要な研修の全体像を把握する
オンライン研修の手段は、それぞれ一長一短です。また、実技をともなう研修など、オンラインでの代替が難しい場合もあるでしょう。基本的には「一つの手段ですべてをまかなうのではなく、複数の手段を使い分ける」という前提に立ち、「どの領域でオンライン研修を活用するか」を考えることが現実的です。
- どんな内容・種類の研修が必要か
- オンラインで対応可能な研修かどうか
- 自社でオリジナル研修を行うか、既存のサービスを活用するか
といった視点で、まずは自社に必要な研修の全体像を把握した上で、オンライン研修の具体的な計画に進むと良いでしょう。
導入するオンライン研修の精査
オンライン研修の導入計画を立てる際に、検討するべき点を紹介していきます。
内製か、外注か
例えば、ビジネスマナーや接客対応、経理など、業務のベースとなる一般的な領域については、既存のeラーニングや、講師を招く形のオンライン研修サービスを活用しやすいでしょう。社内ルールや、ビジョン・理念の共有、業界知識など、独自性の高い領域については、研修を内製化する必要が出てきます。研修の目的に応じて、使うサービスや手段を検討しましょう。
どの人材がオンライン研修の対象か
新入社員、内定者、中堅社員、管理職など、「どの人材が研修の対象か」も考慮するべき点です。eラーニングを始めとする外注サービスには、特定の人材や業種に特化したものから、幅広いキャリアに対応したものまであります。特に既存のサービス利用を考えている場合は、各サービスを比較検討する上でのポイントとなります。
サービス利用料と導入コスト
オンライン研修の導入には、様々なコストが発生します。
外注する場合は、定額制のものもあれば、1講座単位で支払いが発生するもの、回数制など各サービスによって料金形態が異なります。
- 1つの拠点で利用するのか、多拠点で利用するのか
- 社内全体で行うのか、部署単位で行うのか
- 1回あたりの参加人数はどれくらいか
上記によっても、コストに差が出てきます。このほかにも、オンライン研修を行うために必要な機器・環境の整備費も必要です。予算と、導入にかかる手間もふまえた上で手段を検討しましょう。
オンライン研修に役立つツール・サービス
国内で展開しているサービスの一例をピックアップし、概要を紹介します。比較検討の参考にしてみてください。
WEBee Campus
中小機構の人材育成機関・中小企業大学校が展開している、中小企業向けのオンライン研修カリキュラム。Web会議ツール「FreshVoice」を使った、少人数制(定員5人)のリアルタイムオンライン研修です。
講師は現場経験豊富な経営コンサルタントが担当し、中小企業の経営に特化した幅広いカリキュラムが用意されています。少人数制なので、講師とのコミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。また、オンラインだけではなく、社内の実践的な研修を組み合わせることを想定したカリキュラムになっている点が特徴です。
6時間16,000円からというリーズナブルさも魅力の1つです。
グロービズ 企業内研修(オンライン)
人材育成事業を手掛けるグロービズのオンライン研修サービスです。Web会議システムを利用し、グロービズに所属する講師がリアルタイムの研修を提供します。
ビジネスのベースとなる「思考」、マネジメントに必要な「ヒト」(人事・組織・リーダーシップ)、「モノ」(マーケティング・戦略)、「カネ」(会計・財務)など、各領域に分かれたカリキュラムがあります。
アウトプットを重視した参加型の研修スタイルで、オンラインでも能動的に学べるサービスになっています。
Schoo 法人向けサービス
生放送の学習動画配信事業を展開しているSchooの法人向けサービス。定額制で、eラーニング型のオンライン研修コンテンツを提供しています。1つのIDにつき、月額1500円で制限なく4500本の動画を見ることができます。
新人社員だけではなく、若手社員、中堅社員、管理職、内定者向けなど、幅広い人材の研修に対応しています。
リモトレAI
AIによるビジネストーク分析サービスを展開しているコグニティ株式会社がリリースした、新人向けの研修サービスです。トークの録音データをアップロードするだけで、AIが自動的に評価を数値化し、フィードバックしてくれます。接客や営業・コールセンターなどで働く人材に適したサービスで、オンラインながら集合研修に近いロールプレイング研修を行うことができます。
リモトレAIは2020年5月までの期間限定提供となっています。
まとめ
オンライン研修導入のポイントを紹介しました。オンライン研修に関連するサービスは種類が多く、導入にあたって検討するべき項目は多岐にわたります。裏を返せば、サービスの多様化が進んでおり、自社の事業規模やニーズ、予算にフィットするオンライン研修の手段を見つけやすくなっているともいえます。
まずは自社が求めるオンライン研修の形を洗い出し、各サービスに詳細を問い合わせてみることをおすすめします。
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(編集:創業手帳編集部)