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2022年4月27日ユニロボット株式会社 酒井拓|コミュニケーションテクノロジーの事業開発が注目の企業
コミュニケーションロボットの開発・販売等を行うロボット事業と、AI電話サービス、クラウドサービスの開発・販売等を行うクラウド事業を展開し、注目されているのが、2014年に創業したユニロボット株式会社です。
コミュニケーションはあらゆる場面で発生する、人が生きていく上で必要不可欠なことです。
人と人とのコミュニケーションが活発に行われることによって、情緒や精神が養われ、大切な命を守り育くみ そして私たちの生活が豊かになり、社会が発展してきました。
今では様々な伝達ツールが発達し、直接会わずとも会話や連絡が取り合えたり、互いの状況を確認出来たりするようにもなっています。
あるいはモノ自体にインターネットやAIが搭載され、指示を出すだけで自動的に稼働してくれたり、受け答えをしてくれたり、接客応対をしてくれたり、モノ自体が自分で修理やエネルギー補充を行ったりも出来るようになりました。
少子高齢化や労働人口の減少、核家族化が進む日本社会において、こうした様々な伝達ツールは欠かすことが出来ないものとなり、もはや私たちの生活インフラの一部にさえなっています。
しかし一方で、オンラインやツールを介したやり取りだと 今までのような人の温もりや感情のこもったコミュニケーションが取りづらい、という事実もあります。
人肌の温もりを感じられないやり取りは、単に ‶情報を伝える” という行為に近く、本来あるべき ‶コミュニケーション” とは異質なものとも言えます。
無機質な情報伝達の中からだけでは、創造的な発想や情緒の育成は難しく、人間社会の発展にも影響を及ぼしかねません。
ツールを介してでも、これまでと同じようなコミュニケーションをとるためには、‶人とモノとの心の通ったコミュニケーション” が必要です。
今、モノとの心の通ったコミュニケーションを実現し、人とモノが家族のように寄り添い合える社会を創ろうと奮闘している起業家に注目が集まっています。
ユニロボット株式会社の酒井拓さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトを開発するに至った経緯について教えてください。
私は元々、週末にゴミ拾いのボランティアや、NPO法人支援等、社会貢献に携わることに情熱を持って取り組んでいました。そのような中で、テクノロジーの力で社会に貢献していきたいという思いが生まれました。ちょうどその頃、少子高齢化社会の進展や、核家族化等の問題があり、「いつかドラえもんのようなパートナーロボットが、家族の一員にいる世界観」を実現したいと考えるようになりました。また、ロボットとのコミュニケーションだけでなく、世の中にない新しいコミュニケーションスタイルをテクノロジーの力で生み出したいという思いから、コミュニケーションロボットの「unibo(ユニボ)」を開発することに至りました。
また、最近では、コミュニケーションサービスを豊かにする各種インテリジェンス機能(対話エンジン、音声認識・音声合成など)をサブスクリプションサービスとして提供する「unirobot cloud(ユニロボットクラウド)」を提供しています。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
「unibo(ユニボ)」
unibo(ユニボ)は、パーソナルAIに強みを持ち、ユーザーの趣味・嗜好・生活習慣等の個性を学習することができます。また、会話内容から感情解析を行うことでユーザーの感情を理解した双方向での会話を可能とします。
さらに、簡易にアプリケーションを開発できる開発キット「skillcreator(スキルクリエイター)」というインターフェイスを持っており、他社のクラウドエンジンと連携したり、IoTデバイスと連携したり、テレビやエアコンの操作等も制御できます。
「unibo(ユニボ)」はカスタマイズ性が高く、様々な事業・業務形態に即してアレンジが可能です。
「unirobot cloud」
unirobot cloud(ユニロボットクラウド)は、コミュニケーションサービスを豊かにする各種インテリジェンス機能(対話エンジン、音声認識・音声合成など)をサブスクリプションサービスとして提供します。例えば、業務オペレーションの音声入力化、電話自動応答化、IoT連携などの実現にあたり、必要となる各種先端技術をクラウド経由で機能単位で利用できます。
・どのような方にこのサービスを使って欲しいですか?
「unibo(ユニボ)」
「unibo(ユニボ)」は、柔軟に個別カスタマイズ可能なコミュニケーションができるロボットなので、用途は様々です。したがいまして、どのような業界の顧客の方にも幅広く活用していただきたいです。
例えば、企業の受付、施設の案内係、介護や医療従事者の方の補助役等です。
また、現在、当社はパートナー企業様と一緒に運送業界向けに点呼業務(自動点呼のソリューション)を行う「Tenko de unibo」、教育業界向けに子供に算数等 勉強を教えるロボット「ユニボ先生」を個別学習塾、学童保育、複式学級を中心に、全国に広く展開しております。
「unirobot cloud」
現在、当社は、トレタ株式会社様が提供する、飲食店の電話予約をAIで自動受付する「トレタ予約番」に対して、unirobot cloud(ユニロボットクラウド)を提供しています。電話予約をAIで自動受付できますので、ターゲットとする主な顧客としては、美容院、病院、不動産仲介、スポーツ施設等です。また、インバウンドコールだけでなく、アウトバウンドコールも可能です。例えば、保険の更新案内を電話でリマインドするようなことができますので、保険会社はターゲット顧客としています。
・このサービスが解決する社会課題はなんですか?
少子高齢化社会が進む昨今では、労働生産人口の減少に歯止めがかからず、人手不足が課題です。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、非接触・非対面でのサービスが求められ、その対応が課題となっています。当社の「unibo(ユニボ)」が解決する課題は、このような人手不足やwithコロナ時代での非接触・非対面に対応したサービス提供です。
弊社が企画・開発・製造・販売するコミュニケーションロボット「unibo(ユニボ)」は、ユーザーの個性を学習して、個々人に合わせたコミュニケ―ションができるコミュニケーションロボットなので、社会課題の解決支援が可能と考えています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
創業期において、大変だったことは、資金調達とロボットの量産製造です。
ロボットの開発・生産・販売にあたっては、億単位の資金調達が必要となります。出資を募るために、様々な会社を訪問して事業説明をしましたが、投資家の皆さんに、当社が実現したい世界を必死で訴えることで乗り越えました。
また、ロボットの量産製造ですが、株主の皆さまを中心としたパートナー会社様から支援をいただくことによって、乗り越えられました。また、社員の皆さんが決して諦めず、苦しい時でも、底力を発揮してくれたおかげで幾度と訪れた危機を乗り越えられました。
・今後どういう会社、サービスにしていきたいですか?
当社は、コミュニケーションテクノロジーのプラットフォーマーを目指しています。AIを使ったロボティクスやコミュニケーションテクノロジーは、今後大きく飛躍していく産業だと思っています。コミュニケーションテクノロジーのプラットフォーマーとして、「unibo(ユニボ)」「unirobot cloud(ユニロボットクラウド)」の製品・サービスを様々な企業様の業務改善等に取り入れて頂き、役立てていただきたいです。
また、創業当初に夢見た「いつかドラえもんのようなパートナーロボットが、家族の一員にいる世界観」を実現したいと思います。
それ以外には、テックカンパニーとして、エンジニアの人数を増やしていきたいと思っています。既成概念にとらわれないで新しいものを作っていきたい意欲、情熱のある人達と共に、会社を成長させていきたです。
・今の課題はなんですか?
販路の拡大と、「unibo(ユニボ)」の次期モデルの開発です。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、営業が制限されています。また、ロボット生産に必要な部材の調達等が影響を受けています。
・読者にメッセージをお願いします。
当社は『「モノと心を通わせる」を当たり前にする』という経営理念のもと、今までに無い新しいコミュニケーションテクノロジーを生み出していきたいと考えております。
社員全員が、夢や情熱を持って、未来のありたい日々を描きながら働いている ユニークなスタートアップベンチャーです。
ロボティックス、AI、音声、IoTと社会が求めている技術トレンドを常に 意識して、研究開発を進めています。 今後の当社の挑戦に、是非ご期待ください。
また、弊社の製品・サービスにご興味ありましたら、お声がけいただければと思います。
会社名 | ユニロボット株式会社 |
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代表者名 | 酒井拓 |
創業年 | 2014年 |
社員数 | 21名(2022年3月末時点) |
資本金 | 8,280万円 |
事業内容 | ・コミュニケーションテクノロジー全般(音声I/F・自然言語処理・感情解析・パーソナルAI・チャット等)に関する研究開発、販売 ・コールセンター向けの自動応答AIソリューションの開発、販売 ・上記を活用したクラウドサービスの企画、開発、販売(unirobot cloud) ・コミュニケーションロボットの開発、製造、販売(unibo) ・ソフトウェア、ハードウェアの受託開発 |
サービス名 | unibo(ユニボ) unirobot cloud(ユニロボットクラウド) |
所在地 | 東京都渋谷区笹塚3-2-15 第Ⅱベルプラザ5F |
代表者プロフィール | 慶応義塾大学経済学部卒業。2000年4月、住友商事株式会社入社。 基幹系システムを開発し展開するプロジェクトに携わり、プロジェクトマネージャーとしてデリバティブシステムや、グローバル経営情報システムの新規開発等各種プロジェクトの開発責任者を歴任。 また、2007年から2008年にかけては米国住友商事にトレイニーとして駐在し、米国でのITビジネスの最先端を学びながら、New York UniversityでITの情報セキュリティやプロジェクトマネジメント等を学ぶ。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | AI AI電話サービス クラウドサービス コミュニケーションロボット ユニロボット ロボット 酒井拓 |
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