注目のスタートアップ

株式会社SABU 齋藤篤|歯科医療の現場をオンライン上の仕組みで支援する事業で注目の企業


歯科医療の現場をオンライン上の仕組みで支援する事業で注目なのが、齋藤篤さんが2019年8月に創業した株式会社SABUです。

近年、口腔ケアへの関心や意識が高まりを見せています。お口の健康が全身の健康の第一歩ということで、国としても口腔ケアを推進しようと動き出しています。
現状ではほとんどの人が、何か不具合が起きてからあわてて近くの歯科医院に掛けこむという状態だと思いますが、本来なら予防歯科の観点で、定期的に自ら口腔ケアを行えるようになることが望ましい状態だと思います。
しかし、全国にあまたある歯科医院それぞれの具体的な情報、特長や実績などを把握できる術がなく、患者側としては一般的な歯医者のイメージだけが先行し、どの歯医者に行ったらよいかわからず、結局、どうしようもない状態になるまで放置してしまうというケースも多いのではないでしょうか。
どこにどんな特徴のある歯科医院があるのかが、いつでも、すぐに、明確に把握できるようになれば、安心して行くべき歯科医院選びが行えるようになり、自発的に計画的に口腔ケアを実践できるようにもなると思います。

また、歯科医療現場においては、まだまだアナログな環境が多く、特に個人経営の医院においては院長先生が自ら診察と経営にまつわる業務を全て回しているという状況が広がっています。
本来なら診察業務に集中し、その技術向上や診察を求めている患者さんを一人でも多く診られることが大事であるにもかかわらず、雑多なバックヤード業務に圧迫され、診察時間が限られてしまったり、研究や技術向上にかける時間が制限されてしまったり、余計な残業時間が増えてしまったりしているケースが多く見られます。

こうした課題を解消していくために、歯科医院の煩雑なバックヤード業務を一元管理し、歯科医師の働く環境整備はもとより、全ての人の健康を促進するDX事業の開発にいそしむ起業家に、大きな注目が集まっています。

株式会社SABUの齋藤篤さんに、事業の特徴や今後の展開、課題についてお話をお聞きしました。

創業手帳別冊版「創業手帳 人気インタビュー」は、注目の若手起業家から著名実業家たちの「価値あるエピソード」が無料で読めます。リアルな成功体験談が今後のビジネスのヒントになるはず。ご活用ください。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

エリアを問わず、全国の歯科医院様をオンライン上からサポートします。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

忙しく診療に集中できない、やりたいことがなかなか前に進まないとお困りの歯科医院様にはすべて当サービスを使っていただきたいと思っています。医院の規模や売上、スタッフ数などは関係なく先生は忙しく、様々な悩みを抱えています。その根本的課題解決のためには先生の時間を生み出すことが必須です。そのためにアウトソーシングという選択肢を考えていただき、業務を任せるということに慣れていただければより先生の生産性は高まると確信しています。

・このサービスの解決する社会課題は何ですか?

先生がより診療に集中できる環境を整えることです。弊社は歯科医院だけでなく、その先の患者さんのことも考えてサービス提供を行なっています。先生が診療に集中できれば必ず患者さんにも良い影響が出てきます。地道な活動にはなりますが、弊社が全国1割以上の歯科医院をサポートできたときに大きく歯科業界の未来や日本人の歯に対する意識も変わっているはずです。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

会社を立ち上げた頃は仕事がなく、創業後半年間は全くの無風状態でした。先生方を雑務から解放すると意気込んでいたものの、コロナ禍前でオンラインのやりとりも広まっていなかったため事業への理解を得られず仕事に結びつかない状況が続きました。ただ1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4月になると一気に潮目が変わり、オンラインのやりとりが歯科業界でも変化があり、問い合わせが急増してオンラインによる事務代行サービスにも目を向けていただけるようになりました。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

弊社の強みはクライアントの歯科医院様と毎月ミーティングを行い、現時点の課題などをヒアリングしていることにあります。リアルタイムの歯科医院の悩みからニーズを導き出し、課題解決ができる事業を即時リリースできるような会社の体制を整えてスピード感のあるサービスにしていきたいと思っています。

・今の課題はなんですか?

ありがたいことに急速にクライアントの歯科医院の数が増えてきたこともあり、弊社の人材採用と教育のスピード感とクオリティアップが直近の課題です。そのために採用や教育にはコストをかけて、ニーズに応え続けられるよう日々活動しています。

・読者にメッセージをお願いします。

当面の目標として私が30代のうちに上場したいと考えています。あと6年ですが、その頃には少なくとも150名ほどのスタッフが必要になると予測しています。現在は社員たちの頑張りに支えられているビジネスモデルですが、今後はクライアントのご意見など弊社に集まるリアルタイムかつ生の声を活用し、時代のニーズに即した新規事業やサービスを創出していきたいと思っています。今はまだ理想の1、2%しか実現できていませんが今の社員と意見を交わし合いながら夢に向かってチャレンジしていきたいです。

会社名 株式会社SABU
代表者名 齋藤篤(さいとう あつし)
創業年 2019年8月
社員数 41名
資本金 3,175,000円
事業内容 株式会社SABUは「仕組みで医療を支える」というミッションのもと歯科医院に特化したオンラインで歯科医院の事務を代行するクラウドバックオフィス事業を展開しています。歯科医院で働く先生は診療はもちろん診療外業務も多く多忙です。そんな忙しい先生に対して事務をアウトソーシングすることで診療に集中できる環境を整えられるようサポートしています。
サービス名 歯科専門クラウドバックオフィス
所在地 107-0062 東京都港区南青山1-26-5 南青山ヒルフラッツ3F
代表者プロフィール 昭和63年生まれ。東京理科大卒。
新卒で株式会社オアシスソリューションに入社後、春水堂日本法人の新規立ち上げを経験。
その後、歯科向けコンサルティング会社にて五年間で100医院を超える歯科医院の経営改善に携わる。
2019年に独立し、2020年1月に歯科オンラインアシスタント事業を開始。
関連記事
業務システムとは?どんな種類がある?定義や例、役割、導入のメリットなどを解説
GeNEE 日向野卓也│ヒットアプリの裏側・現役エンジニア社長が教える「アプリ開発の進め方」ポイント8選
サイボウズ 青野 慶久|業務改善プラットフォーム「kintone」を活用したwithコロナ時代の乗り越え方
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ SABU クリニック バックオフィス 事務代行 医療 歯科 齋藤篤
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「大塚メディカルデバイス」がイギリス・医療機器ベンチャー「Veryan Medical」を買収
大塚メディカルデバイス株式会社は、Veryan Medical Ltd.(本社:Horsham,UK、CEO:Chas Taylor)を買収したことを発表しました。 Veryan Medicalは、生…
iPS細胞由来の細胞移植による角膜内皮再生医療の事業化を目指す「セルージョン」が28.3億円調達
2023年6月7日、株式会社セルージョンは、総額28億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 セルージョンは、iPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す独自技術をもとに、水疱性角…
カイコの研究開発を行う「Morus」が2億円調達
2023年5月10日、Morus株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Morusは、カイコ(蚕)の研究開発・事業開発を行う、信州大学発スタートアップです。 カイコ由来のバイ…
手術支援ロボットを開発する「F.MED」が1.8億円調達
2022年12月15日、F.MED株式会社は、総額1億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 F.MEDは、九州大学先端医療オープンイノベーションセンターで実施されてきた、マイクロサー…
矯正歯科DXの「Brace」が資金調達
2024年8月29日、株式会社Braceは、資金調達を実施したことを発表しました。 Braceは、矯正歯科医がオンラインで治療をサポートする一般歯科向けサービス「b-ortho(ビーオルソ)」と、矯正…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集