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「見える」がん治療の実現を目指し放射性医薬品を開発する「リンクメッド」が20.5億円調達

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2025年4月9日、リンクメッド株式会社は、総額20億5000万円の資金調達を発表しました。

今回の資金調達により、累計調達額は約47億円となります。

リンクメッドは、「革新的な「見える」がん治療」をいち早く社会に届けるため、放射性医薬品を開発しています。

「放射性同位体64Cu(銅-64)」を用いた放射性治療薬を開発しています。64Cuは、がん細胞のDNAを高いエネルギーで効果的に攻撃できるため、高い治療効果が得られます。また、がんに特異的に結合する分子に結合させることで副作用の低減も期待されます。さらに、陽電子放射断層撮影(PET)診断により、がんへの薬剤集積を確認しながら治療することも可能です。

開発一号品である64Cu -ATSM(LM001)については、ランダム化比較第Ⅲ相医師主導治験(STEP-64 試験、試験番号 NCCH2301)を2024年6月から開始しています。

また、64Cuを用いた放射性医薬品の国内における量産体制構築に向けて必要となるサイクロトロンや製剤設備の工場を現在千葉市内に建築しています。

今回調達した資金は、研究開発、工場の立ち上げ、工場の運営、人材採用、組織機能の強化に活用します。


放射性同位元素(ラジオアイソトープ)は、微量の放射線を放出する性質を持っており、その特性を活用して医療分野で幅広く応用されています。とくに核医学の領域では、放射性同位体を用いた検査や治療技術が進展しており、患者の体内に取り込ませて病変部位の診断や治療に役立てる取り組みが行われています。

この分野ではとりわけ、がん治療への応用が急速に発展しています。国内外において、複数の治療法が承認されており、すでに臨床の現場でも活用が進んでいます。放射性物質によってがん細胞を標的として攻撃する方法は、正常組織への影響を最小限に抑えながら高い治療効果を期待できるため、今後のさらなる普及と発展が期待されています。

リンクメッドはこの革新的ながん治療を社会に届けるため、放射性同位体64Cuを用いた放射性医薬品の開発を進めています。

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