注目のスタートアップ

3次元形状処理エンジンを活用した産業用ロボットの自律化を展開する「リンクウィズ」が6.5億円調達

company

2024年5月21日、リンクウィズ株式会社は、総額6億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

リンクウィズは、3次元形状処理エンジンを活用した産業用ロボットの自律化を展開しています。

生産最適化システム「L-ROBOT」、自動検査システム「L-QUALIFY」、生産データ管理分析ツール「LINKWIZ FACTORY CLOUD」、溶接加工自働化のオールインワンソリューション「L-ROBOT板金溶接パッケージ」を提供しています。

「L-ROBOT板金溶接パッケージ」は、産業用ロボットコントロールソフトウェア「L-ROBOT」をベースに、精密板金TIG溶接向けに開発したプロダクトです。協働ロボット、3Dスキャナ、タブレットコントローラー、TIG溶接機、架台、制御盤などをパッケージ化しています。

今回の資金は、事業活動の加速、技術開発、人材開発などに充当します。


製造業は国内GDPの約2割を占める基幹産業です。しかし、少子高齢化による人材不足や国際競争の激化に伴う競争力の低下といった課題に直面しています。

製造業をさらに競争力のある産業へと発展させるためには、デジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が不可欠です。

このような状況下で、製造業ではAI・IoT・ロボティクスなどの先端技術の活用が進められており、これらの技術は生産性向上や品質確保など多岐にわたる恩恵をもたらしています。特に、自律ロボットは効率化と省人化を実現するため、多くの製造業で注目を集めています。

しかし、製造現場でロボットが行う作業の大半は運搬、組立、スポット溶接などであり、製造業における最も一般的な作業である加工分野では、ロボットの導入が進んでいないという課題があります。

加工分野でロボットの導入が進まない理由の一つに、ソフトウェア面の課題があります。ロボットの動作には、AIに作業を教えるティーチングが必要ですが、加工プロセスではこのティーチングが非常に複雑で大量の作業が必要となるため、大量生産でない限り手作業の方がコスト効率が良いという状況です。

リンクウィズの「L-ROBOT」は、3Dスキャナーを用いて対象ワークの形状を認識し、その形状の違いに応じてティーチングデータを自動で生成・補正することで加工不良ゼロを実現するソフトウェアです。この「L-ROBOT」を基にした板金TIG溶接向けのパッケージ製品が「L-ROBOT板金溶接パッケージ」です。

板金TIG溶接は微細な精度が要求され、高いスキルを持つ溶接工に依存していました。そのため、ロボットによる自動化も難しく、精密板金の現場は生産効率向上や人材確保の課題に直面していました。

「L-ROBOT板金溶接パッケージ」は、ワークの形状や位置のバラツキに合わせて自動で動作を補正し、ロボットによるTIG溶接を可能にする製品です。これにより、ロボット操作や溶接の経験がない従業員でも溶接作業に従事でき、精密板金現場の課題を解決します。

近年のテクノロジーの発展は、業務に革新をもたらしています。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。また、ICTの専門家にインタビューを行い、創業期のシステム整備のメリットや注意点なども伺っていますので、こちらも参考にしてください。

また、設備投資には資金調達も必要となるでしょう。「資金調達手帳」では、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB DX デジタルトランスフォーメーション ものづくり ロボット 処理 株式会社 検査 生産 生産性向上 産業 産業用ロボット 研究開発 自動 自動化 製造業 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

マイナンバーカードで公的個人認証ができるスマホアプリ「IAM<アイアム>」がリリース
2022年8月9日、シフトプラス株式会社は、「IAM」をリリースしたことを発表しました。 「IAM」は、NTTコミュニケーションズ株式会社と共同開発した、マイナンバーカードを使用した本人確認や電子署名…
超小型人工衛星を活用した新たな宇宙利用の実現を目指す「ASTROFLASH」が資金調達
2020年12月7日、株式会社ASTROFLASHは、資金調達を実施したことを発表しました。 超小型人工衛星(CubeSat)を活用した新たな宇宙利用の実現を目指しています。 具体的には、多くの人が体…
AIライティングアシスタント「Xaris」を提供する「スタジオユリグラフ」が2,500万円調達
2024年1月18日、株式会社スタジオユリグラフは、総額2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 スタジオユリグラフは、AIライティングアシスタント「Xaris(カリス)」の開発・提供、…
倉庫シェアリングサービス運営の「souco」が4億円調達
2021年12月23日、株式会社soucoは、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 倉庫のシェアリングサービス「souco」を運営しています。 物流施設・倉庫の空きスペースを抱える企業と…
自由診療クリニック向け業務支援SaaS「Medi Tec Hub」を開発する「グリーンメチル」が1.05億円調達
2023年8月23日、株式会社グリーンメチルは、総額1億500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 グリーンメチルは、自由診療クリニック向け業務支援SaaS「Medi Tec Hub(メディテ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集