事業再構築補助金第8回では「最低賃金枠」の要件が見直しに!その内容とは
令和4年10月に最低賃金の引き上げが行われたことにより、事業再構築補助金の最低賃金枠の要件も見直されています。
事業再構築補助金第8回の公募要領が2022年10月頭に発表されました。
今回の事業再構築補助金で要チェックするポイントは、「最低賃金枠」において要件の見直しがされている点になります。
また、「最低賃金枠」は加点措置が行われるため、「回復・再生応援枠」に比べて採択率において優遇されます。
どのような点において変更となっているか、詳細をご説明していきます。
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この記事の目次
最低賃金の引き上げについて
令和4年8月に実施された中央最低賃金審議会にて、今年度の地域別最低賃金額改定の目安が決定致しました。
地域別最低賃金では、各都道府県の経済実態に応じ、4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示しているのですが、今年は全国加重平均で31円とすることが決められ、この金額は昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となって話題を呼んでいます。
引き上げ実施時期においては、各自治体により異なるのですが、多くの場合10月上旬には実施を行う予定となっています。
東京都を例にすると、時給1041円から時給1072円にと10月1日より変更がされています。
最低賃金枠の要件見直しは3つ!
前述した最低賃金の引き上げの影響を考え、事業再構築補助金の「最低賃金枠」においても3つの部分において要件の見直しが行われています。
1、最賃売上高等減少要件の撤廃
第7回公募までは
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2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること(付加価値額45%以上減少で代替可。)
が申請要件に加わっていましたが、こちらが撤廃となりました。
2、最低賃金要件の期間変更
第7回公募までは
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2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
となっていましたが、2021年10月から2022年8月までに期間が変更となっています。
3、製品等の新規性要件の緩和
製品などの新規性要件とは、「事業再構築」の定義に該当する事業であることを示すために満たす必要があります。
第7回公募までは
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- ①過去に製造等した実績がないこと
- ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
- ③定量的に性能又は効能が異なること
となっていましたが、「②製造等に用いる主要な設備を変更すること」は任意要件となっています。
今回の事業再構築補助金の最低賃金枠においては上記3つの部分において変更が加わっていますが、「補助金額・補助率」や「売上高等減少要」については変更がありません。
事業再構築補助金の枠ごとにおける補助金額や補助率について
第8回の事業再構築補助金においては、補助金額や補助率について変更が加わっておりませんが、改めて以下表にまとめました。
(※1)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は2/3)
(※2)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は1/2)
今後のスケジュール
第8回事業再構築補助金のスケジュールは以下の予定となっております。
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公募開始:令和4年10月3日(月)
申請受付:調整中
応募締切:令和5年1月13日(金)18:00
令和4年では最後となる事業再構築補助金の公募となり、応募締切は令和5年となりますので、忘れないように注意しましょう。
まとめ
第8回事業再構築補助金では最低賃金引き上げによる企業における影響を考えた要件緩和となっています。
円安や物価高などの影響を受け、経営が何かと厳しいこの情勢下において、今回の要件緩和は経営者にとってプラス面が大きいかと思われます。
制度をきちんと理解し活用することによって、新たな事業の活路を見出すチャンスにもなりますので、きちんと理解をしておきましょう。
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(編集:創業手帳編集部)