業務改善助成金特例コースが新たに設置!気になる助成額や対象事業者などを紹介

創業手帳

新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業所は必見です!

業務改善助成金特例コース

業務改善助成金特例コース」は、新型コロナウィルス感染症の影響を受けながらも労働者の雇用環境改善に挑む企業のための助成金です。

通常コースよりも申請の要件緩和&対象経費の拡充が実施され、使いやすくなりました。

ただし申請期間が短くて予算を使い切ったら終了する制度なので、焦りを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は申請のためにクリアするべき要件、申請の流れ、注意点などをわかりやすく解説します。スムーズに申請するための情報が盛りだくさんなので、ぜひ最後までごらん下さい。

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この記事の目次

業務改善助成金特例コースとは

業務改善助成金とは
「業務改善助成金」とは、【生産性向上+賃金引上げ】に取り組む中小企業等を経費助成というかたちで支援する制度です。

通常コースは賃金(時給)の引上げ額に応じて助成額上限が決まっていて、最大600万円を受け取れます。

「業務改善助成金特例コース」は業務改善助成金の一部で、申請のための要件緩和&助成対象経費の範囲を拡充している点が特徴です。

通常コースとは申請条件等が違うため、わかりやすく解説していきます。

申請期間

業務改善助成金特例コースを申請できる期間は、【令和4年1月13日〜令和4年3月31日】です。

またこの助成金のための予算額が決まっていて、予算額に達した時点で申請受付が終了します。申請を検討している場合は、すぐに準備をしましょう。

助成額の計算方法

助成額は賃金引き上げをする労働者の数によって上限額が決まっていて、30万円〜100万円です。

【助成対象経費(下限10万円)の合計額×3/4】と【以下の表に記載の上限額】を比べて、どちらか低い額を申請することになります。

業務改善助成金特例コースの上限額
賃金を引上げした労働者数 上限額
1人 30万円
2人〜3人 50万円
4人〜6人 70万円
7人以上 100万円


※上記表の具体的な金額は、千円未満の端数切り捨てで計算します。

業務改善助成金特例コースが使えるかを確認

対象となる条件をチェック
業務改善助成金特例コースを利用するためには、大きく分けて3つの要件をクリアする必要があります。

  • 事業場の要件
  • 2つの取組を実施
  • 対象経費の要件

それぞれ簡単に紹介します。

事業場の要件

業務改善助成金特例コースは、企業の事業場※ごとに申請が可能です。事業場が以下3つの条件に該当しているかをご確認下さい。
※事業場とは、企業の支店、工場、店舗などのことです。

  • 事業規模が一定の範囲以内の中小企業事業者が運営している
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で、売上高等が減少
  • 決められた期間内に最低賃金を30円以上引き上げている

事業規模が一定の範囲以内の中小企業事業者が運営

申請可能な中小企業事業者かどうかは、以下の一覧表でチェックします。事業形態に合わせて、①or②どちらかをごらん下さい(例:個人事業主は②の基準を使います)。

業種 ①資本金or出資金の総額 ②企業全体の労働者数※
一般(下記以外) 3億円以下の法人 300人以下
卸売業 1億円以下の法人 100人以下
サービス業 5,000万円以下の法人
小売業 50人以下


※企業全体の労働者数とは、臨時的な労働者(日雇い労働者、パートタイマーなど)も含めて、常に企業で働いている人の数です。判断が難しい場合は、後ほど紹介する問い合わせ先に確認しましょう。

新型コロナウイルス感染症の影響で売上高等が減少

新型コロナウイルス感染症の影響で、売上高or生産量等を示す指標(生産量、販売量など)※が前年or前々年に比べて30%以下になっている必要があります。

※新型コロナウイルスの影響で減少している必要があるのですが、「減少理由は幅広く認める」と公表されています。ただし「新型コロナウイルスの影響が全く無い」場合は助成対象となりません。

「30%以上減少しているかどうか」を計算する流れは、以下のとおりです。

  • 令和3年、令和2年、令和元年の4月〜12月の売上高or生産量等を示す指標をピックアップ
  • 1.の数字を比べて、減少額の差が一番大きい月(連続3ヶ月)をピックアップ。この時点で、令和2年、令和元年どちらと比較するかが決まる
  • 3ヶ月の平均値を計算(令和3年、2.で選んだ年をそれぞれ計算)
  • 令和3年の平均値と2.で選んだ年の平均値を比べて、令和3年が30%減少していれば助成対象

決められた期間内に最低賃金を30円以上引き上げている

令和3年7月16日〜12月31日に、事業場内の最低賃金(時給)を30円以上引き上げている必要があります。

また以下全てに該当する必要があるため、必ずチェックして下さい。

  • 事業場内の最低賃金と地域別最低賃金※の差額が30円以内
  • 3ヶ月以上働いている労働者の、事業場内での最低賃金を30円以上引き上げ
  • 最低賃金引き上げ日後、最初の賃金支払い日に引き上げた額の賃金を支払っている

※地域別最低賃金は、都道府県ごとに決まっています。金額は毎年10月頃に改定となる(改定日は都道府県ごとに違う)ため、最新情報を参考にしましょう。
〈参考〉厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

ちなみに「令和3年に賃金引き上げをしたけど、30円未満だった」という場合は、令和3年7月16日〜12月31日の期間までさかのぼって追加支払いをしてもOK※です。

※追加支払いをする期間の決め方について電話問い合わせをしたところ、「企業が任意で決めてOK」との回答でした。ただし「期間ギリギリの12月末を選ぶ場合に事業場がお休みだと勤務実態が無いため認められない」とのことなので、ご注意下さい。

今回の申請書類を提出する日までに、支払いを終えましょう。

2つの取組を実施

業務改善助成金特例コースの交付対象となるためには、2つの取組を実施する必要があります。

  • 「事業場の全労働者の賃金が、最低賃金引き上げ後の賃金以上になること」を就業規則等※で定めて、実際に支払う
  • 生産性向上、労働能率増進のための設備投資等を行って、費用を支出する

※就業規則等が無い場合は、決められた用紙に「賃金を引き上げた」という旨を記載して提出することになります。

設備投資等を行って費用を支出するのは申請後です。費用を支出する流れを紹介するので、一緒に確認しましょう。

生産性向上、労働能率増進のための設備投資等を計画

設備等の購入先を決めて、見積もりを受け取る
※後ほど業者の決め方も紹介します。

見積もりをもとにして、申請書類に設備投資等の金額を記載

設備投資等の内容が助成金の主旨に合うかどうか、労働局の審査を受ける

審査を通過した場合は、交付決定通知が届く

設備投資等を実施し、費用を支出

交付決定前の支出は助成対象とならない点に、注意が必要です。また、費用は交付年度の3月31日までに支出する必要があります。

クレジットカード払い等で3月31日以降に費用を支出する場合も、助成対象とならない点に注意しましょう。

対象経費の要件

設備投資等として認められる経費には、2つの区分があります。

  • 生産性向上等のための、設備投資等の経費
  • 関連経費

それぞれの具体的な内容が決まっているため、一覧表で確認して下さい。

生産性向上のための、設備投資等の経費
経費区分 内容
謝金 専門家のアドバイス等に支払う謝金
旅費 専門家に来てもらう際の旅費 等
借損料 機械のリース料 等
会議費 会議会場を借りる費用 等
雑役務費 受講料 等
印刷製本費 研修資料等の作成費用
原材料費 資材購入の費用
機械装置等購入費 パソコンの購入費用 等
造作費 機械設置費用 等
人材育成・教育訓練費 セミナー等の受講費

関連費用
経費区分 内容
広告宣伝費 広告宣伝費
改築費 作業場の拡大費用 等
備品等購入費 机の増設、エアコン設置 など
通信費 データ回線使用料 等


特例コースの魅力は、通常コースで認められていない広告宣伝費、エアコン設置日などまで対象経費が拡充されている点です。

ここまでは業務改善助成金特例コースに該当する要件を消化してきましたが、申請書類を作る前には「不交付要件」の確認も必須です。大きく分けて7つの要件があるため、次にわかりやすく紹介します。

助成金を受け取れないケースもある。7つの不交付要件をチェック

7つの不交付要件を確認し、該当しないように注意しましょう。

不交付要件1.賃金引き上げ日の前後9ヶ月間にしてはいけないこと

賃金引き上げ日の3ヶ月前〜賃金引き上げ後6ヶ月に以下の1つ以上に該当すると、助成金が不交付となる可能性があります。

  • 企業都合によって労働者を解雇or労働者が退職
  • 時給や月給の引き下げ
  • 国や地方公共団体から、業務改善助成金と同じような内容の支援を受けた

不交付要件2.業務改善助成金利用後に、最低賃金を引き下げた経歴がある

過去に業務改善助成金を受け取った事業場が該当する要件です。「今回の申請時の最低賃金が過去に決めた最低賃金よりも低い場合」は、不交付となります。

不交付要件3.法令違反

以下の法令違反がある場合は、不交付となります。

  • 「申請書提出日の前日から1年前〜支払い請求手続きを行った日の前日」or「賃金引き上げから6ヶ月を経過した日」のどちらか遅い日までに、労働関係法令違反をして司法処分等を受けた
  • 申請書&事業実績報告書の提出日〜過去3年以内に、補助金の不正受給等で処分を受けた

不交付要件4.暴力団との関係

法人の役員、事業場の業務統括者が暴力団等と関与している場合は、不交付となります。

また暴力団等と関与している事業場だと知りながら利用している場合も、不交付となる点にご注意下さい。

不交付要件5.労働保険料等を滞納

過去に労働保険料等を滞納している場合は、不交付となります。ただし今回の申請をして交付決定日までの間に滞納分を納付すれば、助成金を受け取れます。

不交付要件6.倒産

申請手続きor支払い請求手続き※の時点で倒産している場合、不交付となります。

※助成額が確定し、いよいよ支払いを請求する段階です。後ほど申請から助成額受け取りまでの流れを紹介するので、ご確認下さい。

ただし再生手続き開始の申立て等を行って事業継続の見込みがある場合は、申請or助成金の受け取りができます。

不交付要件7.不正受給の場合の情報公開に同意しない

申請書類の中に「不正受給公表同意の有無」という項目があり、「無」を選ぶと不交付となります。

業務改善助成金申請書
画像参照:厚生労働省HP「業務改善助成金(特例コース)」より

ちなみに助成金を不正受給した場合の公表内容は、以下のとおりです。労働局のホームページで、3年間公表されます。

  • 企業名、事業場名
  • 助成金の交付が取り消しとなった理由や助成金の返還状況 など

ここまで交付要件、不交付要件の全体像を確認してきました。あとは申請をするだけなのですが、申請にはいくつかの段階があります。次に紹介するので、手続きの流れを確認して下さい。

業務改善助成金特例コースの申請〜受給〜交付後の手続き

業務改善助成金特例コースは、申請してすぐに助成金を受け取れるタイプの制度ではありません。

申請の段階を「申請〜受給まで」、「受給後」に分けて紹介します。

申請〜受給までの流れ

申請から受給までの流れは、以下のとおりです。申請書類や実績報告書の提出期限を、間違わないようにしましょう。

事業主:令和3年3月31日までに、都道県の労働局に申請書類を提出

労働局:申請書類を受け取り、原則1ヶ月以内に審査。適正であれば交付決定

事業主:交付決定通知を受け取り、申請書類に記載した通りに計画を実施(申請年度の3月31日までに完了&支出)

事業主:計画実施が完了したら、1ヶ月後or4月10日のどちらか早い日までに実績報告書を提出

労働局:実績報告書を受領。原則20日以内に審査し、助成額を確定

事業主:助成額の確定通知を受け取り、労働局に請求書を提出

労働局:請求書を受け取り、助成金を支払う

事業主:助成金受け取り

受給後に状況報告が必要

助成金を受け取った後に、「受給後に不交付要件に該当していない」旨の状況報告が必要です。

以下のどちらか遅い日から起算して、1ヶ月以内に提出しましょう。

  • 賃金引き上げ〜請求手続きの前日
  • 賃金引き上げ〜6ヶ月

業務改善助成金特例コースの活用例と拡充された経費をピンポイントで紹介


画像参照:厚生労働省HP「業務改善助成金(特例コース)」より

「特例コースで対象経費が拡充されたことはわかったけど、具体的なイメージがわかない」という方もいらっしゃると思います。そこで飲食店とオフィスワークを例に、活用の具体例を紹介します。

飲食店の活用例
通常コース 特例コース
生産性向上等のための設備投資等 デリバリーの売上を拡大するために、デリバリーバイクを購入
関連経費 デリバリーサービス周知の広告費を支出
オフィスワークの活用例
通常コース 特例コース
生産性向上等のための設備投資等 リモートワーク強化のためにサテライトオフィスを設置し、テレワーク関連機器を購入
関連経費 サテライトオフィス用に机、椅子などを購入

設備投資等の計画をする上で、「これは対象経費になる?」と迷うものも出てくると思います。問い合わせ専用のコールセンター※があるため、疑問点を確認しながら申請書類を作成するのがおすすめです。

※コールセンターについては、次の章で紹介します。

申請時に必ずチェックするべき6つの注意点

最後に、申請書類を準備する際に見落としがちな6つの注意点を紹介します。

問い合わせ先と提出先が違う

業務改善助成金は、問い合わせ先と提出先が違います。丁寧に対応してくれるので、疑問点を問い合わせてスムーズに申請をしましょう。

問い合わせ先
業務改善助成金コールセンター
電話番号:03(6388)6155(受付時間 平日8時30分〜17時15分)

提出先
都道府県の労働局(担当部署は「雇用環境・均等部」です)

受給額は税抜きで計算

業務改善助成金の助成額は、基本的に税抜きで計算をして申請します。ただし以下のような事業主は税込みでの申請が可能なので、計算方法を確認しながら申請書類を作成して下さい。

  • 免税事業者
  • 消費税簡易課税制度を選択している など

設備投資等の費用支出先は一般の競争によって決める

「一般の競争によって決める」とは、「費用支出先を広く募集した上で決める」といったニュアンスです。ただし、ある程度業者を絞る場合もありますよね。

そのような場合には、以下の方法が推奨されています。(支出額が10万円未満の場合は対象外)

原則として2者以上の業者から見積もりをとる

安い業者と契約

「一般の競争」、「2者以上の業者から見積もりをとる」どちらもしない場合は、やらない理由を書面で提出する必要があります。

申請内容を変更する場合は、労働局に申請が必要

申請後に「予定していた期間内に賃金引き上げができない」等の変更がある場合は、労働局に変更の申請が必要です。

変更内容によっては1ヶ月ほどの再審査が必要なケースがあるため、早めに申請をしましょう。

助成金に関わる経理について

業務改善助成金特例コースを実施する際には、助成事業(設備投資等の取組)用の帳簿を作って基本的に5年間保存する必要があります(電子帳簿が使える部分もあります)。申請時から準備しておくのがおすすめです。

助成金で取得した財産は使い続けるのが基本

助成金を受け取って取得した財産は、助成金の目的に合わせて使い続けるのが基本とされています。

「売却して収入を得る」といった場合は、収入の全部or一部の納付を求められるケースがあるという点に注意しましょう。

また、前述した「業務改善助成金コールセンター」に「故障等で手放す場合はどのように処分するべき?」と質問をしてみると、回答は以下のとおりでした。

「財産の処分に関しては、労働局に個別相談をするのがおすすめです。」

まとめ

業務改善助成金特例コースの全体像、申請に関わる注意点などを解説してきました。

「労働者の賃金を引き上げたい」、「賃金を引き上げるなら生産性をアップさせる必要がある」などのお考えをお持ちの企業様にピッタリの制度です。申請のハードルが下がっているので、ぜひ活用を検討してみて下さい。

ただし申請期間が短く、早めに受付終了となる可能性がある点に注意しましょう。

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