フリーランスの年収はいくら?年収アップのためのできることを徹底解説

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フリーランスなら働き方次第で年収アップを目指しやすい


会社員として働く人の中には、フリーランスになろうと考える人もいるのではないでしょうか。
スキルや経験によっては、フリーランスで働いたほうが年収アップを狙える人もいるかもしれません。

この記事では、フリーランスで働く人が、どのくらいの年収を得ているのかをまとめました。
収入を得るために必要なことも紹介しているので、これからフリーランスになろうと考えている人はぜひ参考にしてください。

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フリーランスの平均年収と満足度


フリーランスになることを考えた時、フリーランスでやっていけるのか、仕事がなくなった時はどうしたらいいかと悩み、決断に踏み切れない人もいるかもしれません。

中でも、フリーランスになることでの経済的な変化は、多くの人が気にしている点ではないでしょうか。
ここでは、データを参照してフリーランスの平均年収や満足度をまとめました。

2020年の内閣官房日本経済再生総合事務局の調査では、日本のフリーランス人口は462万人。
これは日本の労働人口の7%に当たり、数年前と比較してもフリーランス人口は増加の一途をたどっています。
フリーランスの実態を知って、自分がこれからどのようなキャリアパスを描くか考えてみてください。

年収200万円以上300万円未満が最多

多様なライフスタイルや働き方が認められるようになり、フリーランスへの注目が高まっています。
ここでは、2020年5月に行われた内閣官房日本経済再生総合事務局のフリーランス実態調査から、フリーランスで働いている人の収入や変化を紹介します。

フリーランス実態調査に回答したフリーランスの年齢構成は、40代以上のミドルシニア層が7割でした。
フリーランスの年収は年収200万円以上300万円未満が最も多く、19%を占めています。

次いで多かった回答は、年収300万円以上400万円未満で16%でした。
上記の回答は、本業かつ主たる生計者が本業として行うフリーランスの回答を集計したものです。

フリーランスとしての働き方には、副業や主たる生計者でないものもあります。
副業や主たる生計者ではないフリーランスの年収は、年収100万円未満が最も多いという回答でした。

多くのフリーランスが収入の不安定さがネックと回答

フリーランス実態調査では、フリーランスとして働く上での障壁についても質問しています。
その回答として最も多かったのが、「収入が少ない・安定しない」との回答で59%を占めました。
次いで「ひとりで仕事を行うので、他人とのネットワークを広げる機会が少ない」が17.2%でした。

過半数のフリーランスが、収入に関しての悩みを抱えていることがわかります。
フリーランスは、会社から給与をもらう立場ではないので、自分で稼がなければ収入がゼロになってしまいます。
仕事が減った時だけでなく、ケガや病気になった時に働けないリスクも考えておかなければいけません
フリーランスになる前に収入面の課題をどのようにクリアするか、万が一の時の保障についても考えておくことが大切です。

8割のフリーランスが今後もフリーランスとして働きたいと回答

フリーランスの多くが収入に悩みを抱える一方で、78.3%のフリーランスが「今後もフリーランスとして働き続けたい」と回答しています。
一方で「会社員になりたい(戻りたい)」と回答したのは3.4%でした。

フリーランスは、人間関係・就業環境・プライベートとの両立面でメリットがあり、自分の裁量で働けるスタイルを続けたい人も多いことがわかります。
どのようにして収入面の課題をクリアしてフリーランスで働き続けるかが課題です。

今後も「フリーランスとして働きたい」と回答した人のうち、9割が事業規模の維持、拡大を予定しています。
フリーランスの魅力である仕事の環境はそのままに、受注する仕事を増やしたり新しい仕事にチャレンジしたりと収入を安定させるための行動を考えていることがわかりました。

会社員からフリーランスになってもやっていける?


フリーランスは自分の裁量で働きやすく、実力を試すにも適した働き方です。しかし、会社員の立場からフリーランスになるには勇気がいるかもしれません。
会社員からフリーランスになる際、どのようにしたらうまくやっていけるのか、年収の違いやポイントを紹介します。

会社員の年収とフリーランスの年収の違い

フリーランスの年収を考える際に注意してほしいのが、売上げと年収は別物である点です。会社員の収入の場合は、税金や保険の計算や納入は会社が行います。

会社員の年金、健康保険料の半分は会社が負担しているほか、仕事の必要経費や備品代も会社が支払います。
福利厚生や有給休暇などのように、会社員であることによって受けられる恩恵がある点もメリットです。

一方のフリーランスは、会社員と年収の考え方が違う点も重要なポイントです。
例えば、フリーランスとして月に20万円を稼げた場合、それをそのまま収入と考えるかもしれません。
実際にはその額から必要経費を支払い、さらに税金と保険料を引いた金額が手元に残ります。
また、会社員であれば源泉徴収される税金も、フリーランスは自分で確定申告をして納税しなければいけません。

会社員の年収とフリーランスの年収は、単純にその額だけで比較はできません。
会社員からフリーランスになる際には、自分が会社からどのような恩恵を受けているのか、フリーランスになって同じ手取り額を維持するためにはいくら稼がなければいけないのかまで考えておくことが大切です。

フリーランス初年度は年収が思うようにならないことも

フリーランスになってからしばらくは、収入が安定しない人も少なくありません。
フリーランスのポータルサイト「フリーランス名鑑」が2021年4月に行ったアンケートによると、フリーランス1年目の年収として最も多い回答は0~200万円以下で82%を占めています。

さらに、このアンケートではフリーランス1年目特有の悩みも質問されました。
具体的には、「安い単価で引き受けてしまう」・「報酬の決め方がわからない」といったものから、確定申告や法律面の知識不足への悩みなどが挙げられています。

稼げるようになるまでは、貯金を取り崩していたという意見もあり、フリーランスになってすぐ順調に稼げるとは限らないことも留意したいポイントです。
また、フリーランスになる前に仕事を受注して自分の仕事にどのくらいの対価が受け取れるか、スケジュール管理をどうするかを考えておくようにおすすめします。

フリーランスがやらなければならないことを知っておこう

フリーランスになると、営業や会計手続きまでをすべて自分でしなければいけません。
フリーランスになる前に、どういった仕事が発生するか把握しておくことが大切です。

会計処理や事務手続きも自分で行う

会社では、仕事に付随するバックオフィス業務はそれぞれ専門の部署や担当者が行います。
一方、フリーランスになった際には、経理・契約書や領収書の作成・庶務まですべて自分で行います。

仕事が少ないうちは自分で対処できても、仕事が増えるにつれて人手が必要になるかもしれません。
経理や会計サービスは、専門家に依頼するか、クラウドサービスを活用するのも有効な手段です。

フリーランスになってから契約トラブルになればその対応も自分で行います。
報酬の未払いや契約外の内容を要求されるといったトラブルが起きることもあるので、トラブルの相談先を考えておくか、間に入ってくれるフリーランスエージェントを使う方法も検討してください。
フリーランスになると専門のスキルだけでは不十分と感じる場面も出てくるかもしれません。経験を積むとともに、勉強してスキルの幅を広げるように心がけることも大切です。

専門分野以外のスキルも身につける

会社では人材育成やスキルアップの機会も提供していますが、フリーランスで働いている場合はスキルアップの機会は自分で作ります。
中でも、エンジニアやIT系の仕事は流行や技術の変化がスピーディーな業界です。
ひとりで働くことが多いフリーランスは、変化に取り残されないように自分で勉強していくことが求められます。

また、収入を増やすには、スキルアップして仕事の幅を広げることも大切です。
異業種交流会に参加したり、独学で勉強したりといった自己投資を欠かさないように意識して行動するもポイントです。

自己管理の習慣をつけておく

フリーランスは、自分の裁量で働く場所や時間を決めて取り組める点がメリットです。
しかし、自分でタスクもスケジュールも管理するのは簡単ではありません。

仕事を受けすぎてパンクしてしまったり、納期を守れなくなったりしては信用も失います。
さらに、働けば働くほど収入が増えるからといって働きすぎて体調を崩してしまう人もいます。
フリーランスは、自分で余裕を持って取り組める仕事量を把握して計画を立てなければいけません。

フリーランスは自宅でも働けるので、プライベートと仕事のオンオフがつきにくくなる点も課題といえます。
自由に働けるとしても、稼働日はいつで休日はいつなのか、また、勤務時間は何時から何時までなのかを決め、メリハリをつけて仕事に取り組むようにおすすめします。

フリーランスが年収アップのためにできること


フリーランスは、年収が不安定になりがちな反面、自分の努力や工夫で年収を増やしやすい点がメリットです。
フリーランスが年収をアップさせるために、できることを以下にまとめました。
これからフリーランスになる人も参考にしてみてください。

収入が増加しやすい職種を選択する

フリーランスが高収入を得るためには、もともと収入が高めの職種を選ぶこともポイントです。具体的には、IT系やエンジニアは収入が高い傾向があります。

IT系の中でも、需要が高い言語を使えたり、マネージャーやリーダーの経験があったりすると高い報酬が期待できます。
同じフリーランスといっても職種によって収入の相場が異なるので、独立する前にその職種の収入の相場を調べてみてください。

知識やスキルの習得を怠らない

経済や社会は目まぐるしいスピードで変化し続けています。
フリーランスの場合にはひとりで作業しているため、自分の持っている知識やスキルをアップデートしないと、時代の流れについていけない場合もあるかもしれません。

フリーランスになってからは、組織にいた時よりも意識的に知識やスキルの習得を欠かさないようにすることが大切です。
その時代のニーズを捉え、需要を把握することは、仕事を失わないためにも重要なポイントのひとつです。

また、一般的に希少なスキルや専門的な仕事ほど高単価・高収入が提示される傾向にあります。
独学するだけでなく、セミナーや勉強会などスキルアップの機会を自分で作るようにしてください。

様々な仕事にチャレンジする

スキルを頼りにフリーランスになったとしても、そのスキルだけでは高収入につながらないかもしれません。
収入アップを目指すのであれば、いろいろな仕事に積極的にチャレンジすることも有効な方法です。

収入が高い案件ではひとつのスキルだけでなく、営業スキルやマネージャーの経験が求められることもあります。
ひとつの部門の専門性に加えて、企画や現場での営業経験、プロジェクトを完遂した経験があれば一括で発注されやすく単価も上がりやすくなります。

売上げにつなげることを意識する

フリーランスは、自分で稼がなければ収入が途絶えてしまいます。
どれだけ働いていくら稼げるのか、月収をいくら稼がなければならないのかといった売上げへの意識を常に持つことが大切です。

組織で働いていた時と同じ感覚でいると仕事が作業になり、経営者としての稼ぐ視点が失われてしまうことがあります。
売上げへの意識が薄いと、労働時間は長いのに収入は少ない、労働が売上げに直結していないといった事態に陥るかもしれません。
取引先と契約を結ぶ時には、売上げを意識して単価アップや条件の交渉に取り組んでください。

節税対策をする

フリーランスが収入を増やすためには、節税も欠かせません。
基本的に所得が増えれば増えるほど、納税額は大きくなりますが、節税するかどうかによって納税額は大幅に変わります。

節税の基本は、控除を活用して経費を計上することです。
青色申告にして控除を受けたり、損金計上できるものを探したり、身近なところから節税を始めることも大切なポイントです。

フリーランスエージェントを使う

フリーランスとして個人で営業するよりもフリーランスエージェントを使ったほうが、収入が多くなる場合もあります。
企業が発注する高単価の案件には、エージェントを介してのみ募集しているものもあるので、高単価の案件を獲得するためにも、フリーランスエージェントも活用してください。

さらに、フリーランスエージェントではフリーランスのキャリアや働き方についてアドバイスを提供している場合もあります。
その業界を詳しく知るフリーランスエージェントに相談すれば、役立つスキルのアドバイスのように収入アップのヒントが掴めるかもしれません。
まだフリーランスになっていない人も、フリーランスエージェントでどのような案件を扱っているのかチェックしてみることをおすすめします。

まとめ

フリーランスの人口は増加傾向にあるものの、収入について不安を持つ人も少なくありません。
これからもフリーランスが増えるのであれば、差別化するためにより高度なスキルや専門性が求められると考えられます。
フリーランスになる前には、どのようにして収入を確保するのか、生活のためにどのくらい稼がなければいけないのかシミュレーションしておくようにしましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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