企業主体の積極的な採用方法「ダイレクトリクルーティング」を活用しよう

創業手帳

導入メリットとおすすめのサービスを紹介

(2019/06/21更新)

「売り手市場」で、社会全体的に人手不足が深刻になっている現在。企業の規模を問わず人材獲得が厳さを増す中、特に創業期の経営者にとっては、いかに優秀な人材を採用するかで大いに苦戦する人も少なくありません。

今回は、新たに注目を集めている採用手法の1つで、創業期の経営者でも活用しやすい「ダイレクトリクルーティング」について詳しくご紹介します。「攻めの採用」と呼ばれているダイレクトリクルーティングを上手に活用して、人材採用の悩みを解決しましょう。

ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングとは、「企業が求職者へアプローチする」採用戦略のことです。これまで人材採用の手法としては、「求職者が求人広告を見て応募する」、「人材紹介会社が企業と求職者をマッチングする」といった”受け身の採用”が一般的でした。これに対してダイレクトリクルーティングは、企業自らが欲しい人材獲得に向けて戦略的に動くことから”攻めの採用”と呼ばれています。また、新卒・中途どちらの採用でも活用することができます。

人口減少により働き手の数が減っている現在、今後も売り手市場の加速は避けられません。こういった背景も後押しして、ダイレクトリクルーティングに取り組む企業も増えています。特に創業期は、大手企業などに比べて採用にかけられるリソースやブランディングが十分でないことも多く、人材獲得が大きな悩みとなる傾向にあります。この新しい採用戦略を取り入れることが、状況の打破につながるかもしれません。

ダイレクトリクルーティングの方法は?

ダイレクトリクルーティングは、主にSNSやダイレクトリクルーティングに特化したサービスを活用して行います。サービスに登録している会員の中から求める人材を探し、企業側から直接アプローチして企業を知ってもらい、採用へと導きます。

似た単語に「ソーシャルリクルーティング」というものもありますが、これは採用サービスではなく、FacebookなどのSNSを活用して欲しい人材にアプローチする手法で、ダイレクトリクルーティングの一種といえましょう。

実際にダイレクトリクルーティングを行うにあたって、利用できるサービスについては後述しますので、参考にしてください。

ダイレクトリクルーティング4つのメリット

ダイレクトリクルーティングの主なメリットを見ていきましょう。

自社の採用力を高めることができる

従来の「受け身」の採用方法では、いくら仕事内容や職場環境に自信があっても、求職者からの応募がなければ採用を進めることができません。さらに応募が来ない場合、どこに問題やミスマッチが生じているのかも把握し難い、という課題がありました。

ダイレクトリクルーティングの場合は、企業が主体となって採用活動を行うことができます。これにより、取り組みの効果分析や振り返りをしやすくなり、採用業務の生産性を高めるための環境を整えやすいというメリットがあります。

自社に合う人材を採用できる確立が高まる

ダイレクトリクルーティングでは企業が主体となって欲しい人材を定義し、それに近い人材に積極的にアプローチする必要があるので、受け身の状態で応募を待つだけの場合に比べて、自社に合った人材を採用できる可能性が高くなります。

また、求職者のどんなところを魅力に思うのか、どこが会社とマッチするのかを直接説明できるため、採用候補者の入社意欲を高めやすいという特徴もあります。

採用コストを下げることができる

求人サービスを利用すると、求人広告掲載料や紹介決定報酬費が発生します。ダイレクトリクルーティングの場合は、これらの費用がかからない分、従来のサービスよりも発生するコストを抑えやすいです。

スピード感がある採用ができる

求人サービスを利用する場合には、マッチング条件の設定や求人現行の作成、入稿などさまざまな準備が必要で、募集開始までに時間や工数がかかります。ダイレクトリクルーティングは、採用したいタイミングですぐにアクションを起こすことができるので、急に人材が必要になったときにもスピーディに対応しやすいです。

ダイレクトリクルーティングの注意点

ダイレクトリクルーティングを使うにあたって、念頭に置いておくべき注意点もあります。

採用・人事担当者の負担が大きくなる場合もある

企業主体の採用活動を行うということは、採用・人事担当者がやるべき作業が増えるということです。今までの採用活動では必要なかった採用候補者の選定やアプローチ、その後のやり取りなどが必要になり、工数がより多くなってしまうことも。

従来の採用方法の時は基本的には「待ち」の姿勢のため、応募があったあとの対応も一律で行うこともできましたが、一人ひとりに違ったメールを送り、個別の採用フローを構築する必要があります。場合によっては、大きな負荷だと感じることもあります。

すぐに成果が出ないこともある

ダイレクトリクルーティングを行なったからと行って、「すぐに成果が出て優秀な人材を集めることができる」、というわけではありません。

人材選びの点では、従来の採用方法と同じく、どんなアプローチで求職者を見つけるのが自社にとって効果的なのか改善を続ける必要があります。また、候補者から主体的に応募がある従来の方法と比べて、ダイレクトリクルーティングで出会う人材は「自社への転職意思が低い」、「そもそも自社のことを全く知らない」という状態であるパターンも少なくありません。そうした層にどのように働きかけるか、従来の方法とは異なるアプローチを求められる局面も出てくるでしょう。

試行錯誤をする必要がある分、良い人材を安定して効率的に見つけられるようになるまで、長い道のりになるケースもあるのです。

実際にダイレクトリクルーティングを活用するには?

ダイレクトリクルーティングを実際に活用したいという場合には、人材会社などが提供しているサービスを利用することになります。サービスによって、得意としている業種や人材に違いがあるので、各社比較して自社の希望に沿うサービスを見つける必要があります。

国内の主要サービスの特徴を紹介します。導入の参考にしてみてください。

ビズリーチ

管理職、専門職、グローバル人材などの採用に強いプラットフォームです。大学院卒の人が15%、マネジメント経験(6名以上)のある人が27%、英語力が日常会話レベル以上の人が40%と、即戦力人材が多いです。同じ会社が提供しているサービスに、若手採用に特化した「キャリトレ」や、新卒の中でも”肉食系”な就活生と繋がることができる「ニクリーチ」があり、目的に応じて使い分けることもできます。

・料金:システム利用料85万円+入社時の成功報酬

Indeed

求人用の検索エンジンです。無料で自社の求人情報を掲載でき、そこから自社の求人情報への誘導ができます。それなら旧来の採用方法と同じ?と思われるかもしれませんが、積極的に情報を打ち出せること、独自の情報を発信できることで採用力を高められる点に特徴があります。求人用サイトを無料で作れるツールも提供されているので、それらを活用することでコストや手間をかけずに採用体制を整えることができます。

料金:無料

基本的に、利用は無料です。無料ツールによる入力ではなく、求人情報を個別に作成して求職者にアピールしたい場合は、広告を出向するという形で料金が発生します。クリック課金なので、予算次第で柔軟な広告運用ができます。

Wantedly Admin

ビジネス用のSNSという位置づけのWantedlyですが、ダイレクトリクルーティングに使えるプランがあります。それが「Wantedly Admin」です。求人をすぐに掲載することができる点、職種や採用形態にかかわらず募集ができる点に特徴があります。今は転職を考えていない潜在層にもアプローチできるので、魅力的なオファーができれば良い人材と出会える可能性があります。

料金:月3万円~

料金に応じて4つのプランが準備されていて、月額料金のみ発生します(採用が成功しても、別途報酬は不要)。無料でトライアルを始めることも可能です。

まとめ

ダイレクトリクルーティングは、採用側の負担が大きくなることもあるものの、ピンポイントで求める人材と出会える可能性のある採用手法です。特に、創業期で人的リソースが少ない企業にとっては、攻めの採用が企業の成長やビジネスの発展に大きな影響を与えるかもしれません。利用するサービスによっては、経験者を効率的に採用できる可能性も秘めています。

人材の採用や育成に悩みを感じている方は、今回ご紹介したメリットや注意点を理解した上で、活用するかどうかを検討してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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