電子証明書は更新しないとどうなる?デメリットや更新方法を徹底解説
電子証明書は期限切れの前に更新すべき?
マイナンバーカードといった電子証明書には有効期限があります。有効期限の前に更新をせずに放置すれば、様々なリスクがあるので注意が必要です。
そこで今回は、マイナンバーを更新しないとどうなるのか、そのデメリットについて伝えていきます。
電子証明書の基本概要や更新手続きの方法、マイナンバー以外の電子証明書の更新についても解説していくので、電子証明書の期限切れが迫っている人や電子証明書について理解したい人は参考にしてみてください。
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この記事の目次
【マイナンバー】電子証明書を更新しないとどうなる?
マイナンバーカードを所有している人の中には、有効期限通知書が送られてきて更新の時期だと理解する人も多いかもしれません。
マイナンバーカードには有効期限があり、カードそのものの期限は10年ですが、電子証明書は5年で更新が必要です。
有効期限を迎える際には期限の2~3カ月前を目途に有効期限通知書が送付されるので、確認して更新する必要があります。
ただし、中には期限を過ぎてしまった人もいるでしょう。
その場合は、電子証明書の再発行が可能なので、住民登録のある市区町村窓口のホームページ、もしくは電話にて問い合わせをして詳細を確認してください。
更新しないデメリット
マイナンバーの更新期限が迫っても、仕事で忙しい場合や更新手続きが手間だと感じれば、「更新しない」を選択する人もいます。
しかし、更新しないと電子証明書は失効してしまいます。
マイナポータルへのログインができなくなるほか、住民票といった証明書のコンビニ交付サービス、e-Taxなども利用できなくなるので注意してください。
マイナ保険証はどうなる?
マイナンバーカードと健康保険証を一本化したマイナ保険証は、2024年12月から本格的な運用が開始されています。
2024年12月2日から従来の保険証の新規発行が停止されたことで、12月2日から8日までの1週間のマイナ保険証の利用率は28.29%だったと厚生労働省が発表しています。
病院を受診する際にはマイナ保険証が必要になるため、電子証明書の有効期限が切れた際にはマイナ保険証の利用について不安視する人もいるかもしれません。
電子証明書の有効期限が切れたとしても、有効期限の満了日が属する月の月末から3カ月後の月末まではオンライン資格確認によって資格情報のみが医療機関に提供されるので、そのまま健康保険証としての利用が可能です。
ただし、3カ月以上経過すると利用できなくなるので、早い段階での更新手続きが必要です。
マイナンバーカードを更新しない、電子証明書が必要ないといった場合は、マイナ保険証も使えないため、当面の間は保険証の代わりとなる「資格確認書」が無償で交付されます。
【マイナンバーカード】電子証明書とは
マイナンバーカードや電子証明書と聞いても、どういった用途があるのか具体的な内容を理解していない人もいるでしょう。
有効期限について知るためにも、再度電子証明書について理解を深めてみてください。
本人性を証明するもの
認証局と呼ばれる第三者機関によって間違いなく本人であることを電子的に証明するものが電子証明書です。書面取引の際に活用する印鑑証明書の代わりといえます。
電子証明書には「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2種類があります。
署名用電子証明書は、ネットなどで電子文書を作成したり送付したりする際に利用します。
利用者が作成したものであり、利用者が送信したものであることを証明するものです。暗証番号は6~16文字の英数字で構成されています。
利用者証明用電子証明書は、暗証番号が4桁の数字によって構成されており、インターネットサイトにログインする際に使用されます。
具体的にはマイナポータルやコンビニ交付サービスの利用時などです。ログインした人が利用者本人であることを証明するために使用されます。
電子証明書には有効期限がある
前述したように電子証明書には有効期限が設定されています。
マイナンバーカード自体の有効期限は、発行された日から10回目の誕生日までとなるので、10年が有効期限です。未成年者は5年となります。
一方、電子証明書に関しては発行から5年後の誕生日まで利用ができるので、有効期限は5年です。
電子証明書をそのまま使い続けたい場合は、必ず更新手続きを行ってください。
また、有効期限の確認方法としては、マイナンバーカードを確認する方法が最も早いです。
マイナンバーカードの右中央部分に「電子証明書の有効期限」が記されているので確認してください。
JPKI利用者ソフトを用いて確認することも可能です。
公的個人認証サービスポータルサイト内にある「利用者クライアントソフトの利用方法」に進み、利用ツールを選んで「自分の証明書を見る」をチェックすると有効期限を確認できます。
有効期限がある理由
電子証明書に有効期限があるのは、安全性を維持するためが理由の1つです。
電子証明書は暗号によってセキュリティ対策が施されています。しかし、長く使い続ければ暗号を解読する技術が発達してしまうため、解読されないためにも更新が必須です。
また、日本よりも先に電子証明書を導入している国も存在します。
ほかの国でも同様に有効期限を5年と定めているケースが多いため、世界的な水準を設けているのも理由の1つです。
ただし、マイナンバーカード自体の有効期限は10年となっているため、カードには2つの有効期限が設定されています。
手続きが煩雑といった声が上がっているため、電子証明書の暗号を強固なものに変え、有効期限を10年に揃える方向で検討しているという話も出ています。
そのため、技術の進歩によっては有効期限が変更になる場合もあるでしょう。
有効期限が切れる前に通知書が届く
前述したように、電子証明書の有効期限が切れる前には有効期限通知書が自宅に送付されます。
期限の2~3カ月前に送付されるので中身を確認して更新の手続きの準備を進めてください。
また、有効期限の更新は期限が切れる3カ月前から行えます。
3カ月の対応期間があるので余裕があると考える人もいますが、更新を忘れてしまえば再発行するまでに時間を要します。
忘れないうちに更新手続きをするようにしてください。
【マイナンバー】電子証明書の更新手続き方法
ここからは、マイナンバーの電子証明書を更新するための手続き方法を解説していきます。前もってやり方を理解しておくとスムーズに手続きができるでしょう。
本人が手続きする方法
自分で電子証明書の更新手続きをする場合は、以下の書類を持って住んでいる市区町村窓口に出向いてください。
-
- マイナンバーカード
- 有効期限通知書
有効期限通知書に関しては忘れても手続きが可能となるので、必ずしも必要な書類ではありません。
しかし、持参したほうがスムーズに手続きを終わらせられる可能性もあるので、持参しておくと安心です。
また、更新の際には署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の暗証番号を入力しなければいけません。事前に確認をして忘れないようにしてください。
暗証番号を忘れてしまった場合には窓口で再設定が可能なので、相談して再設定を行ってください。
代理人が手続きする方法
電子証明書の更新は代理人による手続きも可能です。
その場合は、以下の書類を代理人に提出してもらいます。
-
- 申請者本人のマイナンバーカード
- 代理人の本人確認書類
- 照会書兼回答書を封入した封筒
- 有効期限通知書
照会書兼回答書には、電子証明書の暗証番号を記載してください。
窓口で上記の書類を提出すると、市区町村の職員が代わりに照会書兼回答書に記載されている暗証番号を利用して更新手続きを実施してくれます。
暗証番号の照会ができなければ文書照会で再度来庁が必要となるので忘れないように持参してください。
【マイナンバー】スマホ用電子証明書も更新しよう!
続いて、スマホ用電子証明書の更新方法を解説していきます。
スマホ用電子証明書とは
スマホ向けの公的個人認証サービスをスマホ用電子証明書といいます。
マイナンバーカードを所有している人が、スマホに電子証明書機能を搭載することでスマホだけでマイナンバーカード関連のサービスを利用したり更新することが可能です。
生体認証といった本人確認が可能になるので、パスワード忘れの防止や簡単な認証も可能になり、本人確認がより便利にもなります。
更新手続きのやり方
スマホ用電子証明書の更新手続きは、窓口での更新ではなく自分のスマートフォンから行います。
マイナポータルアプリを活用してマイナンバーで操作する仕組みです。
アプリを起動すると、トップページの下部に「メニュー」ボタンがあるのでタップをしてください。
スマホ用電子証明書欄の「更新・再発行」を選択すると手続きが行えるので、指示に従って操作すれば更新手続きが完了します。
詳しくは、デジタル庁のスマホ用電子証明書搭載サービスを確認してみてください。
マイナンバー以外の電子証明書の更新をしないとどうなる?
電子証明書はマイナンバー以外のものもあります。その中でも「商業用電子証明書」は事業でも使用するケースが多いです。
ここでは、商業用電子証明書について解説すると共に、必要な更新の手続きについて紹介していきます。商業用電子証明書を活用している人は参考にしてください。
商業用電子証明書とは
商業用電子証明書は、法務局が発行している法人の代表者名義の電子証明書です。法人を証明する役割があり、オンライン申請の電子署名をする際に用いられます。
商業用電子証明書を用いてあらゆる申請や手続きができる仕組みです。
登記所や税務署、労働基準監督署などに出向いて行わずに済むので、負担なく手続きができる点が魅力です。
商業用電子証明書も更新が必要
商業用電子証明書は、証明期間が満了すると更新が必要です。
ただし、厳密に言えば新しい商業登記電子証明書を取得することになるため、更新とは若干意味合いが異なります。
新しい証明書を取得しなければ、以下のようなオンライン申請ができなくなってしまいます。
-
- 商業登記の申請
- 電子公証の申請
- 印鑑証明書の請求
- e-Taxを用いた国税電子申告
- eLTAXを用いた地方税電子申告
- 社会保険や朗報保険関係の手続き
- 特許の出願
- 自動車保有関係手続きのワンストップサービス
- オンラインによる支払い督促手続き
- 電波利用の申請や届け出の手続き
- 電子調達システム など
期限が満了を迎えるまでに取得し直すようにしてください。
更新の流れ
商業用電子証明書をオンラインで取得申請する流れを解説していきます。
①発行に必要な専用ソフトを入手
商業用電子証明書を取得するためには専用ソフトの「商業登記電子認証ソフト」が必要です。
法務局が提供しているソフトウェアとなっており、法務局のホームページからダウンロード可能です。
②電子証明書を用意する
新しい電子証明書を取得するためにも、有効期限内の商業用電子証明書を用意してください。
③申請ファイルの準備
ダウンロードした商業登記電子認証ソフトを使って電子ファイルを作成します。「鍵ペアファイル」「証明書発行申請ファイル」の2種類が必要です。
ソフトを開くと操作手順が記されたメニュー画面が出てくるので、それに沿って作成してください。
④電子ファイルの送信
申請書情報に作成した電子ファイルを添付して、電子署名を付与したものを登記・供託オンライン申請システムに送信します。
⑤手数料を納付
インターネットバンキングやモバイルバンキング、ATMでの電子納付にて手数料を納めてください。
納付期限は、電子納付情報が発行された翌日から起算して1日間です。そのため、すぐに手数料を納付する必要があります。
⑥電子証明書をダウンロードする
手数料納付が完了すると、ソフト上の処理状況が「手続き完了」に変わります。
「お知らせ」の項目をチェックすると取得用のシリアル番号が入手できるので、取得したシリアル番号を用いて証明書をダウンロードしてください。
更新に必要な費用
商業用電子証明書を更新する際には費用が発生します。
3カ月から27カ月の間で証明期間を自由に選択できる仕組みです。費用は以下の通りです。
証明期間 | 手数料 |
---|---|
3カ月 | 1,300円 |
6カ月 | 2,300円 |
9カ月 | 3,300円 |
12カ月 | 4,300円 |
15カ月 | 5,300円 |
18カ月 | 6,300円 |
21カ月 | 7,300円 |
24カ月 | 8,300円 |
27カ月 | 9,300円 |
まとめ・市区町村の窓口でマイナンバーの電子証明書を更新しよう!
電子証明書には有効期限があるので、更新をしないとオンラインでの手続きができなくなってしまいます。
これまで利用していたサービスが使えなくなってしまうので、不便だと感じるケースも多くなるでしょう。
更新はマイナンバーカードも商業用電子証明書も手軽にできるので、期限が過ぎないうちに早めに申請してください。
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(編集:創業手帳編集部)