コロナで自転車通勤が増加!トラブル回避のために会社が準備すべき4つのポイント

創業手帳

自転車通勤に交通費は必要?トラブルを防ぐために経営者が知っておくべきこと

(2020/07/23更新)

コロナ禍において、感染リスクを少しでも減らすために自転車通勤を希望する人が急増しています。メリットも多い自転車通勤ですが、自転車事故の件数はここ数年増加傾向にあります。
自転車通勤は会社経営者や総務担当者にとって、通勤中の負傷や事故、さらには駐輪場の確保など様々な問題を伴います。

会社として、自転車通勤に伴う様々なトラブルを未然に防ぐためにはどうあるべきでしょうか。
自転車通勤に伴うトラブル事例をもとに、会社が行うべき適切な対処法についてみていきます。

冊子版創業手帳では、創業期に必要となる手続きやその方法などを分かりやすくまとめています。会社の母子手帳として起業家の皆さまから好評いただいておりますので、ぜひそちらもご参考ください。

会社として社員の自転車通勤をどうとらえる?

社員の自転車通勤には事故や駐輪場の確保、さらには交通費などの多くのトラブルが起きるリスクを伴います。会社として自転車通勤をどうのようにとらえていくべきなのでしょうか。
自転車通勤に伴う事故の増加率や、自転車通勤の定義を改めて確認します。

増加する自転車通勤と通勤時のトラブル件数

「1日1人以上が自転車事故で死亡する」と言われるほど、自転車通勤での事故の割合は近年増加傾向にあります。警視庁の発表によると、2019年の自転車事故は全国で32,590件で、その多くが通勤や通学中の事故だと言います。
下のデータからも分かる通り、自転車が交通事故に巻き込まれる、もしくは引き起こす割合は通勤に自転車を使う人が増加した2018年頃から高くなっていることが分かります。
(引用:警視庁HP)

自転車通勤とは?

自転車通勤とは「通勤の交通手段に自転車を利用する」ことを指します。
経営者にとって、自転車通勤でのトラブルを未然に防ぐためにはっきりとさせておきたい項目が「通勤」という言葉の定義です。

一般的には以下の2つの移動を通勤と想定しています。
1. 住居と就業場所との往復
2. 営業活動などに伴う就業場所から就業場所への移動

「休憩中に近くのコンビニに買いものに行く」などの移動に関しては上記2つの条件に当てはまりません。あらかじめ自転車通勤規定を作成し、責任の範囲とルールを明確にしておくことが大切です。

自転車通勤に伴って想定されるトラブルと事例


自転車通勤ではどのようなトラブルが想定されるのでしょうか?
一般的には、以下のようなことが挙げられます。

✔自転車通勤中の事故や怪我
✔自転車通勤中に傘を差しながら運転するなど道路交通法を犯す
✔駐輪場の問題
✔自転車通勤時の交通費支給問題
✔規則を犯した社員の処遇について

具体的にはどのような事例があるのでしょうか。

【トラブル事例1:加害者となって高額な賠償を求められた】

事故を起こすと非常に高額な賠償を求められる場合があります。実際に2013年7月に神戸地裁で行われた裁判では、1億円近くの損害賠償額となった事例も存在します。そうならないためにも事前に自転車損害賠償保険に加入するなどの対策を講じる必要があるでしょう。

【トラブル事例2:バスや電車での通勤手段で交通費を申請しながら、自転車通勤が判明】

会社に無申告で勝手に自転車通勤し、定期代などを着服するという事例も良く見受けられます。このような場合の対応策は「始末書」や「減給処置」とし、その期間の交通費の返還を求めても良いでしょう。

【トラブル事例3:自転車で事故に遭っても労災と認められなかった】

通勤災害として認められるものと認められないものがあります。自転車通勤とは、住居と就業地間を合理的な経路で行う行為を指し、通勤経路上から逸脱した私的行為で事故に遭ってしまった場合には労災認定されない場合があるのです。
下の図表で詳しいケースごとに確認しておきましょう。
(引用:国土交通省―『自転車通勤導入に関する手引き』)

自転車通勤について会社が準備すべき4つのこと

自転車通勤には多くの危険とリスクが伴いますが、経営者にとって回避すべきトラブルとはいったいどのようなものなのでしょうか。
ここでは自転車通勤に伴うトラブルを未然に防ぐために会社が準備すべきことを4つ紹介します。

1:自転車保険の加入義務付け

自転車通勤において、通勤者は被害者だけでなく加害者になるリスクもあります。
一般的には自転車を運転していた従業員がその責任を負うケースが多いですが、自転車通勤時における損害賠償が巨額になり、その責任が果たせない場合には雇用主である会社に責任が転化されることがあります。

非常に高額な賠償請求事例も見受けられるため、自転車保険の加入を義務付ける必要があります。
自動車保険にオプションとして追加できるものなどもありますが、よく使われている自転車保険には「TSマーク付帯保険」があります。これは自転車の点検や整備を行うことで補償が付く自動加入保険のことです。TSマークは赤色と青色の2種類あり、赤色の方が高額で補償金も手厚くなっています。一般的に青色の自転車点検が1000円~1500円、赤色が2000円~2500円程度となっています。

また、従業員が自転車保険に加入したかどうかを確実に把握するために、自転車通勤を申請する際に保険証書を提出させると良いでしょう。さらに、自転車保険は通常毎年更新する必要があるので、契約更新時にも書類の提出をしてもらうような仕組みを作る必要もあります。
そもそも会社が強制しなくても自治体が自転車保険の加入を義務付けているケースもあるので併せて確認しておくと良いでしょう。

2:自転車通勤規定を作る

会社で自転車通勤を認めるのであれば、これまでに紹介してきた自転車通勤に伴うトラブルやリスクを未然に防ぐために「自転車通勤規定」を作成する必要があります。自転車通勤規定に盛り込むべき規定は数多くありますが、必ず盛り込むべき内容は以下の通りです。

✔自転車保険の加入義務
✔通勤自転車の駐輪場の確保
✔交通費の有無
✔申請方法
✔自転車通勤時の事故・トラブル対応に関して
✔自転車通勤規定違反者の処遇について
✔自転車の業務使用の禁止
✔通勤に利用する自転車を明記

3:自転車通勤と交通費の扱い、計算方法

自転車通勤において、会社として「交通費」を支給しないという判断も可能です。
しかし、自転車にはタイヤやギアなどのメンテナンスに一定の費用がかかるため「定額での交通費の支給」を行うのが一般的です。

交通費は距離に応じて非課税の限度額が違うため、事前に確認しておく必要があります。交通費が非課税限度額を超える場合には、超える部分の金額が課税対象となるので注意しましょう。
1か月あたりの非課税となる限度額は、片道の通勤距離(通勤経路の長さ)に応じて法令で次のように定められています。

【自転車通勤で非課税となる1か月当たりの限度額】

マイカーなどで通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額の表

片道の通勤距離 1か月当たりの限度額
2キロメートル未満 (全額課税)
2キロメートル以上10キロメートル未満 4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満 7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満 12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満 18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満 24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満 28,000円
55キロメートル以上 31,600円

(引用:国税庁HP)

4:駐輪場の確保

駐輪場の準備を会社でしなければならない場合には、必ず指定した場所に駐輪することを義務付ける必要があります。この際に、駐輪場利用に関する規則についても確認しておく必要があります。

従業員に駐輪場を確保させる場合には、契約書などの提出を求め、確実に駐輪場を確保したことを確認することが大切です。この手続きを怠ると、放置自転車や違法駐輪などでトラブルが生じた際に会社の管理責任を問われてしまう恐れがあります。
さらに、駐輪場の利用費用の出どころを明確にしておくことで、後々の金銭トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

まとめ


会社として自転車通勤を認めるのであれば、自転車通勤に伴って予想される様々なトラブルを未然に防ぐために「自転車通勤規定」を整備し、利用に対する手続き方法や規則を事前に明示しておく必要があります。

この手続きを正確かつ丁寧に行うことで、トラブルが起きた際に会社に損失を与えることなく落ち着いて対応することができるようになるでしょう。

冊子版創業手帳では、創業期に必要となる情報やノウハウを丁寧にまとめています。分かりやすい内容となっているので是非参考にしてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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