どんな業種でもできる!ブルー・オーシャン戦略の進め方【起業家のための経営学講座】

創業手帳

ブルー・オーシャン戦略の有効性

(2017/07/11更新)

ブルー・オーシャンという言葉は、直訳すると「青い海」。ブルー・オーシャンとはINSEAD(欧州経営大学院)教授のW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏によるビジネス書の中で述べられている経営戦略論のことを指します。ブルー・オーシャンを見つけ出し、ビジネスにすることで、大きな利益につながることがあります。では、ブルー・オーシャンとは一体何を指すのでしょうか。

ブルー・オーシャン戦略とは

まだまだ誰もが手を付けていない新しい分野でビジネスを始めることを、ブルー・オーシャンと呼びます。反対に、レッド・オーシャンは血で血を洗うほどの激戦市場のことを指します。確かに、激戦市場で勝ち残ることは大変すばらしいことなのですが、ブルー・オーシャンはゼロからその分野を構築できるため、自分のビジョンとやり方次第でいかようにもビジネスを広げていくことができるのです。このブルー・オーシャンでビジネスを行うことをブルー・オーシャン戦略といいます。

既存の事業からブルー・オーシャン(新市場)を作り出す4つのアクション

「いやいや、でも、新しい分野を探し出すって、そんなに頭良くない!」とあきらめないでください。すでにある事業でも、ブルー・オーシャンを作り出すことができるのです。その方法を見てみましょう。

  • 取り除く

  • 業界の常識、固定概念とされているものを取り払う

  • 増やす

  • 業界の標準に比べて増やすとすればどのような要素を増やせるか

  • 減らす

  • 業界の標準に比べて減らしたほうがいいと考えられる要素は何か

  • 付け加える

  • 業界の他の企業はやっていなくても、有ったほうがいいと思われるビジネスは何か

これら4つをフックに「何ができるか」「何をすればお客さんが喜ぶか」ということを考えることで、ブルー・オーシャンはできるのです。

ブルー・オーシャン戦略の成功事例

実際にブルー・オーシャン戦略を行って成功した事例を見ていきます。

理髪店の「QBハウス」

駅の中など人通りの多い場所に立地するQBハウスは、これまでの理容業界が常識としていた「予約時間にお客様が来店。時間をかけて、丁寧に、お客様とたくさんコミュニケーションをとるためにもマッサージや洗髪を行う」という行為を簡略化しました。待ち時間が店頭にあるランプの色で分かるように目立たせ、およそ10分間で、髪の毛をカット。シャンプーの代わりに大型の掃除機で吸い取るようなスタイルで、既存の理容業界に鋭く切り込みました。多忙なサラリーマンに大人気となり、1997年の開業当初は4店舗だったのが、2016年度は全国各地に515店舗を展開するまでに成長しました。また、国内のみならず、海外にも進出しています。

サーカスの「シルク・ドゥ・ソレイユ」

サーカスというと何を想像しますか。絵でサーカスを示すとき、象が曲芸をしていたり、ピエロのような見た目の面白さを前面に出したりという場面が思い浮かぶ人も多いと思います。そんな「子どもがよろこぶショー」を一新したのがシルク・ドゥ・ソレイユです。

シルク・ドゥ・ソレイユは、動物を使わず、トップスターと呼ばれる高額なギャラを必要とする人を雇わず、大人向けのテーマを定めて「従来のサーカス」のイメージを新しいものに変えてしまいました。

「トーテム」「オー」など、大掛かりな舞台装置にダイナミックな動きが合わさり、大人がため息をつけるようなショーを演出。これにより、「高いチケットでもぜひ見たい」という好奇心をくすぐるようなビジネスの展開に成功しました。

アップル社のiPod

いまやスマホの筆頭となったiPhoneの発売元、アップル社もブルー・オーシャン戦略の成功企業です。iPodは2001年10月に発売されると飛ぶように売れました。「音楽は、CDや有線放送で流れているものを楽しむ」という常識から「ダウンロードして楽しむもの」に変化させたのがiPodです。iTunesから同期する仕様になっているため、「自宅で楽しむ音楽をそのまま持ち運べる」と発売時に注目を集め、今や「ネットでダウンロードした音楽を聴きながらの移動」が常識といえるまで発展しました。

その後、使い勝手や重さ、形状を変えながら現在の形になり、世界中で愛される機器の一つとなっています。

ブルー・オーシャンに飛び込むファースト・ペンギンを目指そう

ここまで紹介した事例は「大成功」になったものです。しかし、例えば豆電球や電話など「世紀の大発明」を行ったわけではありません。いずれも既にあるものを応用したり、やり方を変えたり、切り口を変えたりしただけなのです。

ですから、言い方を変えれば、そこらじゅうにアイデアが広がっていると考えてもいいのです。

今自分が手掛けているビジネスの分野で「常識」とされていることをまず書き出してみてください。そして、そこに4つのアクションを持ち込めないか考えてみてください。ある日突然、大きなブルー・オーシャンが目の前に開けるかもしれません。

代表取締役 大久保幸世インタビュー
世界初!創業手帳の生みの親、大久保幸世の挑戦

(執筆:創業手帳編集部)

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