複式簿記の基礎!仕訳の3つの基本ルールと仕訳帳の書き方
売掛金や消費税は、どれに仕訳したらいい!?基本ルールをまとめました
(2016/11/30更新)
前回「単式簿記と複式簿記の違い。青色申告・白色申告はどっちで行う?」は法人・個人事業主や青色申告・白色申告をする人別に、単式簿記と複式簿記を用いる場面を解説しました。今回は実際の仕訳におけるルールややり方についてご説明します。
この記事の目次
複式簿記での「仕訳」とは
個人事業主で青色申告を選択している方もしくは法人は「複式簿記」で記帳をします。複式簿記では、簿記における5つの要素の増減(=取引)を帳簿に記録していきます。この記録方法を仕訳と呼びます。この記事では、この仕訳のルールややり方について説明していきます。
【おさらい】簿記の5要素
簿記の5要素をまず頭に入れましょう。
- 「収益」:売上高や雑収入
- 「費用」:仕入高や旅費交通費や通信費など
- 「資産」:現金や預金、売掛金や仮払金など
- 「負債」:買掛金や借入金、未払金など
- 「資本(純資産)」:資本金(法人)や元入金(個人事業主)など
仕訳の基本ルール
【おさらい】借方と貸方どちらに記入するか
- 資産が減った:貸方(右側)に記入
- 負債が増えた:貸方(右側)に記入
- 負債が減った:借方(左側)に記入
- 純資産(資本)が増えた:貸方(右側)に記入
- 純資産(資本)が減った:借方(左側)に記入
- 費用が生じた:借方(左側)に記入
- 収益が生じた:貸方(右側)に記入
取引を「原因」と「結果」に分けて勘定科目に記載する
複式簿記は「複式」と名がつく通り、1つの取引を「原因」と「結果」の2つに分けて記録する方法です。良くわからないと思うので、例を用いて説明します。
例えば「タクシーに乗って取引先まで行って、料金は1000円かかった」このような場合を原因と結果に分けてみます。そうすると、
- 原因:タクシーに乗った
- 結果:現金が1000円減った
このようになります。
簿記の5要素に当てはめる
原因と結果に分けた後は、それぞれを勘定科目に記載しますが、その前に簿記の5要素のどれに当てはまるかを考えます。
- 原因:タクシーに乗った
この場合は、コストとなり5要素の「費用」に当てはまります。
- 結果:現金が1000円減った
一方結果は、現金の減少つまり「資産」の減少に当てはまります。
勘定科目に記載する
5要素のどれに当てはまるかはわかりました。続いて勘定科目に記載します。
- 原因:タクシーに乗った→「費用」
この場合、タクシーの費用は交通費となるので「旅費交通費」という勘定科目に記載します。そして、費用が生じたときは、借方(左側)に記入します。
- 結果:現金が1000円減った→「資産」
この場合、支払ったのは現金なので、勘定科目は「現金」となり、資産が減ったときは、貸方(右側)に記入します。
貸方と借方の合計金額が一致
先程の例でも言えるように、貸方と借方の合計金額は一致します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。なにをどの勘定科目にすればよいかについては、インターネット上で検索すればすぐデてきます。この記事で概念を理解しておけば、会計ソフトにも入力しやすくなりますね。
(執筆:創業手帳編集部)
創業手帳冊子版は毎月アップデートしており、起業家や経営者の方に今知っておいてほしい最新の情報をお届けしています。無料でお取り寄せ可能となっています。