初めての弁護士の探し方
ネット?法律相談?知人の紹介?ベンチャーにとってベストな弁護士の探し方
「取引先と揉めた」、「新しいサービスを始めようと思っているが法律的なリスクが気になる」、「起業したので顧問弁護士を探している」といった場合に、相談すべき弁護士が思い浮かぶだろうか?
既に懇意にしている弁護士がいれば問題はないが、弁護士をどのような方法で探すのがいいのかわからないというベンチャー経営者や起業家も多いだろう。
お金を掛けない弁護士の探し方としては、一般的に以下のような方法が思いつく。
- インターネットを使って探す
- 無料・有料法律相談を利用する
- 知人に紹介してもらう
今回は、上記の方法の注意点について述べながら、初めて弁護士を探すときのベストな方法を検討していこう。
ネットで弁護士を探すときはGoogleとAmazonを併用せよ
弁護士の探し方で、まず思いつくのが、インターネットで検索する方法だろう。
「弁護士、○○専門」と検索すれば、いくらでも弁護士は見つかる。ただし、検索結果に多くの弁護士が出てきすぎて、その中から、どの弁護士に頼めばいいかわからないということになってしまうだろう。
その際に、選ぶ1つの基準として、「自分が依頼しようとしている分野に関する本を出版しているか」、「法律雑誌等に論文を書いているか」、という視点で探すのが有用である。それらの内容が大事であることはいうまでもないが、ある分野に精通していないにもかかわらず、本を出版したりするのは、通常ないからだ。
なお、検索結果で上位に表示されるページについては、SEO対策に費用をかけているといったことがわかるに過ぎず、上位表示された弁護士が、あなたが検索したワードに関する法律業務に実際に精通しているかというのは別問題である(言うまでもないが、リスティング広告で表示されるところも同様である)。
ベンチャー経営者や起業家にとっては、企業法務に精通した弁護士を探している場合が多いだろう。酷い場合は、実際にアポを取って、色々話を聞いてみると、実際には「企業法務は専門ではなかった」というような衝撃の告白を聞くことになる。
また、インターネット上での「○○専門弁護士」というような表現が、必ずしも実態を示しているわけではないことも知っておいてよいだろう。
よって、もしインターネット検索で弁護士を探すのであれば、「Googleで検索し、Amazonで著書をチェックする」ことで、あなたのニーズに合った弁護士を探し当てる可能性が高まる。
法律相談では企業法務が専門の弁護士に出会えるとは限らない
各都道府県等に設置されている弁護士会、市役所等の公共機関、法務省が所管する法テラス等で有料・無料の法律相談が行われている。そこで、実際にそれぞれの有料・無料法律相談に申し込むという方法で弁護士を探すということも考えられる。
この場合、直接、特定の法律事務所・弁護士に相談を持ち込むよりも、心理的なハードルが低く、個人として弁護士を探す方法としては、1つ有用な方法である。
もっとも、どのような業務に精通している弁護士が対応するかはわからないという問題もある。例えば、会社を顧客とする業務をほとんど取り扱っていない弁護士が担当者していることもある。ベンチャー企業や起業家が探しているのは、もちろんビジネスに精通した企業法務が得意な弁護士のハズなので、法律相談を利用するのは向いていないと思われる。
なお、「中小企業向け法律相談」「起業家向け法律相談」というように、相談対象が明確になっているものであれば、選択肢に入れてもよいであろう。
弁護士を知人に紹介してもらうときは体験談を聞いておく
知り合いに紹介してもらうというのは、実際に会うハードルも低く、上の2つの方法よりも好ましい方法だ。複数の弁護士に仕事を頼んだことがあるという紹介者に紹介してもらえると、なお良いだろう。
弁護士を紹介してもらう際には、可能であれば、紹介者に、「実際その弁護士に相談をしたことがあるのか」、「相談したことがあるのであればどのような相談をしたのか」、「それについてどのような解決をしてもらったのか」、「レスポンスが早かったか」等について、具体的に聞いておく。
知り合いに紹介してもらった場合、その弁護士が自分に合わなかった場合でも、紹介してもらった手前、その弁護士を切って他の弁護士に変更しにくいという心理的な問題がある。よって、実際に紹介してもらう前に、出来る限り、情報を得ておくのがポイントだ。
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(監修:田中尚幸 弁護士)
(創業手帳編集部)
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