Google Workspaceの料金プランは?種類や導入メリットも解説

創業手帳

Googleアプリを業務に活用するなら「Google Workspace」


Googleは、GmailやGoogleドライブなど様々なサービス・アプリを提供しており、業務においてもよく活用されています。
個人向けのGoogleアカウントでも使える機能は多数ありますが、Googleアプリを業務に活用するのであれば法人向けアカウントの「Google Workspace」への登録がおすすめです。
Google Workspaceは、多様なGoogleサービス・アプリを搭載したクラウド型グループウェアで、いくつか料金プランが存在します。

そこで今回は、Google Workspaceのプランの種類と特徴を比較して紹介します。
無料版の有無やGoogle Oneとの違い、Google Workspaceを導入するメリットも解説しているの で、ぜひ参考にしてください。

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Google Workspaceの各プランの特徴・違いを比較


Google Workspaceには、4種類の料金プランが用意されています。プランごとの料金やストレージ容量などの違いは以下のとおりです。

Business Starter Business Standard Business Plus Enterprise
利用料金
(ユーザー単位)
年払い:800円
月払い:950円
年払い:1,600円
月払い:1,900円
年払い:2,500円
月払い:3,000円
要問い合わせ
ユーザー数 最大300ユーザー 最大300ユーザー 最大300ユーザー 上限なし
ストレージ容量
(ユーザー単位)
30GB 2TB 5TB 5TB
(追加リクエスト可能)
ビデオ会話の参加可能人数 最大100人 最大150人 最大500人 最大1,000人
各アプリ内のGemini 制限あり 制限なし 制限なし 制限なし
AIアシスタント Gemini アプリ Gemini Advanced Gemini Advanced Gemini Advanced
AIリサーチアシスタント NotebookLM NotebookLM Plus NotebookLM Plus NotebookLM Plus
2 段階認証プロセス 対応 対応 対応 対応

このように料金やストレージ容量、利用できる機能などに違いがあるので、チームや法人の規模、導入目的などに合わせてプランを選択しなければなりません。
ここで、各プランの主な特徴を紹介します。

Business Starter

Business Starterは、4種類あるプランのうち最も料金が安価です。年払いの場合、ユーザー1人あたり月額800円(月払いの場合は950円)とリーズナブルです。
安価で利用できることがメリットですが、ほかのプランと比べて利用制限が多いことに注意してください。
例えば、ストレージ容量は、ユーザー1人あたり30GBとなっています。
Meetによるビデオ会議に参加できる人数は最大100人までです。
さらに、スタジオサウンドのノイズキャンセリングや録画してGoogleドライブに保存、アンケートとQ&Aなどの機能が利用できません。

Googleの生成AI「Gemini」は、無料版に対応しています。
各Workspace アプリで利用できるGeminiの機能も制限されており、Business StarterではAIを活用してメールの検索・要約・作成できるGemini in Gmailのみ利用可能です。
対応しているAIリサーチアシスタントがNotebookLMという違いもあります。
ほかにも利用できる機能に制限があるので、費用を抑えて基本的な機能が使えれば十分というケースに向いているプランです。

Business Standard

Business Standardは、年払いの場合、ユーザー1人あたり月額1,600円(月払いの場合は1,900円)で利用できるプランです。
4種類あるプランの中でもコストパフォーマンスと機能のバランスが良く、最も人気があるプランとなっています。
Business Starterと比べて制限が少なく、多くの機能を利用でき、利便性が高いです。

例えば、ストレージ容量は2TBと大容量です。対象グループの共有やGoogleドキュメントとPDFの電子署名機能が利用可能です。
Meetのビデオ会議には、最大150人まで参加できます。Business Starterでは利用できなかった、ノイズキャンセリングや録画のGoogleドライブ保存なども利用可能です。
ただし、出席状況の確認やドメイン内のライブストリーミングの機能は利用できません。

Business Standard以上のプランでは、Geminiの有料版であるGemini Advancedに対応しています。
そのため、GmailやGoogleドキュメントなどすべてのWorkspace アプリで、生成AI機能を利用することが可能です。
さらに、追加料金なしでAIリサーチアシスタントのNotebookLM Plusも利用できます。

Business Plus

Business Plusは、年払いの場合、ユーザー1人あたり月額2,500円(月払いの場合は3,000円)で利用できるプランです。
Gemini AdvancedやNotebookLM Plusを利用できる点はBusiness Standardと同様ですが、さらに機能の制限が緩和されています。

ストレージ容量は5TBとなり、より多くのデータを保存することが可能です。
Meetのビデオ会議には最大500人まで参加でき、大規模なオンライン会議にも対応できます。

ストレージ容量とビデオ会議の参加者人数以外でBusiness Standardとの大きな違いは、セキュリティと管理に関する機能が増えたことです。
Business Plusでは、メールやチャットのアーカイブ化やデータを保全したり、検索したりできるVaultに対応しています。
また、Google Workspaceをより安全に接続できるように、セキュア LDAPにも対応しています。
Business Standardと比べると、安全性や管理の利便性が強化されたプランといえます。

Enterprise

Enterpriseは、4種類あるプランの中で最上位のプランです。具体的な料金は公式サイトでは公表されておらず、要問い合わせとなっています。
このプランでは、Google Workspaceのすべての機能を利用できます。そのため、料金が高額になる可能性があり、大規模チームや大企業向けのプランといえるでしょう。

Googleドライブのストレージ容量は、Business Plusと同じくユーザー1人あたり5TBとなっていますが、追加リクエストによって容量を増やすことが可能です。
また、Meetのビデオ会議には最大1,000人まで参加でき、より大規模な会議などに利用可能です。
セキュリティと管理に関する機能では、データ損失防止(DLP)やCloud Identity Premiumなどに対応しているので、より安全性と管理の利便性が高まっています。

Google WorkspaceとGoogle Oneとの違い


Google WorkspaceとGoogle Oneの主な違いは、ストレージの容量や利用できる機能です。
Google Oneは、GmailやGoogleドライブなどの容量を拡張できる個人向けのサブディスクリプションサービスです。
無料版の場合、GmailやGoogleドライブなどのストレージ容量は合計15GBまでですが、Google One に加入することで100GBまたは2TBまでに拡張できます。
主にファイルや画像・動画ファイルをたくさん保存したり、スマートフォンのデータをバックアップしたい場合に便利です。

2TBのプレミアムプランやAIプレミアムプランに加入すると、Google Workspaceのプレミアム機能の利用が可能です。
具体的には、Meetやカレンダーなど一部サービスの機能を拡張できますが、あくまでも個人向けのサービスなので法人には向きません。

一方Google Workspaceは、ビジネス向けに業務や社内コミュニケーションを効率化するソフトウェア・アプリが備わったクラウド型のグループウェアです。
料金プランによって異なりますが、ストレージ容量は1ユーザーあたり30GBから5TBまであります。
ストレージ容量が大きく、業務に役立つ様々な機能が使えるので、中・大規模チームや法人に向いています。

Google Workspaceに無料版はある?


Google Workspaceは、ユーザー単位で料金が発生する仕様となっています。
利用するユーザー数が多いほど全体の料金は高くなるため、まずは無料で試したいと考える人もいるでしょう。
ここで、Google Workspaceの無料版の有無や注意点について解説します。

各プランでトライアルが利用できる

Google Workspaceに無料版は存在しませんが、各プランでトライアルが利用できます。
トライアル期間は14日間となっており、各プランに含まれる機能を制限なくすべて無料で利用可能です。

トライアル期間終了後、事前に設定した支払い方法で自動的に支払いが開始します。
継続しない場合、トライアル期間中にサブディスクリプションの解約が必要となるので注意してください。

なお、Google Workspaceを利用するためには、企業ドメインとGoogleアカウントを所有する特権管理者(Google Workspaceの最高権限を持つ管理者)の情報が必要です。
企業ドメインが取得済みであれば、ドメインを管理するサーバーへのログイン情報も必要になります。未取得であれば、先にドメインを取得しておくことをおすすめします。
特権管理者の情報には、管理者の姓名、アカウント名とパスワード(8文字以上)が必要です。

無料アプリだと利用できない機能がある

Google Workspaceを構成するGmailやGoogleドライブなどのサービス自体は、個人のアカウントから無料で利用できます。
ただし、無料アプリでは利用できない機能があるので注意してください。

Googleの無料アプリとGoogle Workspaceの主な違いは以下のとおりです。

サービス 無料アプリ Google Workspace
管理コンソール 利用不可 ユーザーや組織ごとにアクセス権限や公開範囲の制限など、一元管理が可能
Gmail ドメインがgmail.comで固定 独自ドメインが利用可能
ストレージ容量 合計15GB
(Google Oneで拡張可能)
Business Starter:30GB
Business Standard:2TB
Business Plus:5TB
Enterprise:5TB
Googleドライブ マイドライブのみ マイドライブと共有ドライブ(Business Standard以上)が利用可能
Google カレンダー 予定スケジュールの共有に承認が必要 予定スケジュールを組織内の承認なしで共有可能
Google チャット 投稿の編集、削除、スレッドを利用した返信が不可 投稿の編集、削除、スレッドを利用した返信が可能
Google Meet 最大100人まで参加可能
1対1の会議は24時間まで
3人以上の会議は1時間まで
人数に限らず24時間利用可能

Google Workspaceには、企業・組織での利用に役立つ機能が備わっています。これらの機能を使いたいのであれば、Google Workspaceへの加入が必要です。

Google Workspaseの導入メリット


Google Workspaseを導入することには、チームや法人にとって様々なメリットがあります。
主な導入メリットは、以下のとおりです。

社内外のコミュニケーションが強化される

Google Workspaseの導入には、社内外のコミュニケーションを強化できる点がメリットです。
GoogleカレンダーやGoogle スプレッドシートなど、Google Workspaseを構成するサービス・アプリはオンラインの環境があれば、場所や時間を問わず利用できる機能が備わっています。

例えば、カレンダーでは、業務スケジュールなどを共有・一元管理できるので、タスク管理や進捗確認の効率化につながります。
GoogleスプレットシートやGoogleドキュメントでは、複数人でファイルを共有したり、同時に編集したりすることが可能です。
スムーズに情報共有できる機能が充実しているので、チームメンバー間のコミュニケーションが円滑になると同時に、属人化の抑制にも期待できます。

導入時の工程・初期費用が少ない

導入時の工数や初期費用が少なく、導入しやすいこともメリットです。
基本的にインターネット環境とPC・タブレットなどの端末があれば、Google Workspaseのサービス・アプリを利用できます。
ユーザー側でネットワークやサーバーなどの設備を用意する必要はありません。

また、メールやオフィスツール、チャット・ビデオ通話アプリなど、業務に役立つ多様なツールを一度に導入できます。
加入したプランの月額料金を支払うだけなので、工数や初期費用といったコストを抑え、スムーズにツールの導入が可能です。

シンプルなUIで使いやすい

Google Workspaseで提供されるサービス・アプリは、シンプルなUIで使いやすいのが特徴です。
操作が複雑なサービス・アプリは苦手という人も、安心して使うことができます。

例えば、Gmailは個人から法人、教育機関でも使用されています。無料で取得できることから、すでに取得・使っている人も多いでしょう。
アカウントがGoogle Workspaseになっても個人向けと同じUIを採用しているので、使い方が大きく変わる心配はありません。

ビジネス向けに機能やセキュリティが強化されているため、すでにGoogleのサービス・アプリを業務に活用しているのであれば、より利便性や安全性が高いと感じるはずです。

対応端末・ブラウザが多い

対応端末・ブラウザが多いので、幅広い環境で利用できることが強みです。
Google Workspaseは、PCだけではなく、AndroidやiOSのスマートフォン、タブレットにも対応しています。
モバイルデバイス用のアプリがあるので、それを活用すればスマートフォンやタブレットでも機能を最大限に利用することが可能です。

また、Google Workspaseの推奨ブラウザは以下のとおりです。

Chrome 最新バージョンをサポート
Google Workspaseのすべての機能に対応
Firefox 動作には問題ないが、以下の機能は未対応
・Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメント、スプレットシート、スライドへのオフラインアクセス
・Meetのクライアントサイド暗号化
・スクリーンリーダーなどのユーザー補助ツール
Safari、Microsoft Edge 最新バージョンと1つ前のバージョンがサポート対象
動作には問題ないが、以下の機能は未対応
・Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメント、スプレットシート、スライドへのオフラインアクセス
・Gmailのデスクトップ通知
・スクリーンリーダーなどのユーザー補助ツール

Chrome以外は一部機能が未対応ですが、それでも様々なブラウザでGoogle Workspaseは快適に動作します。
また、Citrix や VMwareなどの仮想環境のブラウザも、一部機能には対応していない可能性がありますが、Google Workspaseの使用が可能です。

運用時の負担が少ない

運用の負担が少ないこともメリットです。Google Workspaseでは、管理者のみがアクセスできる管理コンソールが備わっており、企業内のユーザーを一元管理できます。

例えば、Googleドライブに保存されたファイルは、複数の端末からリアルタイムで作成や編集が可能です。
便利な反面、気付かないうちに社外の人にURLが漏洩してしまうリスクがあります。
閲覧や編集権限を与えれば、社外への情報漏洩のリスクを避けられます。
しかし、企業の情報セキュリティの観点では、ファイル一つひとつの閲覧・編集権限を各社員に与えるのは危険です。

そこで、社内に管理者を定めて管理コンソールを活用すれば、全体のアクセス権限をコントロールできます。
それによって、少ない負担で機密情報が載ったファイルの漏洩を防ぐことが可能です。
ほかにもセキュリティ対策の強化として2段階認証やシングルサインオン、データを保護してくれるVaultなどの安全性を高めてくれる機能が備わっています。

テレワークを導入しやすくなる

Google Workspaseの導入は、テレワークがしやすくなるメリットがあります。
提供されるサービス・アプリはクラウド上で操作するため、端末とインターネット環境があれば社外でも利用可能です。

会社のPCやサーバーにデータを保存している場合、出勤しないとデータにアクセスできないため、テレワークができません。
しかし、いつどこでも利用できるGoogle Workspaseならテレワークを促進できるため、ワークライフバランスを重視したい社員の満足度を高められるかもしれません。

まとめ・Google Workspaceを活用して業務効率を高めよう

Google Workspaceでは、ビジネス向けに機能が拡張された多様なGoogleのサービス・アプリを利用することが可能です。
個人向けアカウントよりもストレージ容量が大きかったり、管理のしやすさやセキュリティ性が高かったりと、ビジネス用途での利便性を高められます。

業務効率や組織内のコミュニケーションを円滑にできることもメリットです。
業務にGoogleのサービス・アプリを活用しているのであれば、ぜひGoogle Workspaceの利用を検討してみてください。

創業手帳(冊子版)では、ビジネスの基本知識や役立つ最新情報をご紹介しています。起業や開業のサポートにご活用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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