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2024年10月9日小児医療・母子保健領域における研究開発スタートアップ「Peds3」が1.1億円調達

2024年10月2日、株式会社Peds3は、総額約1億1000万円の資金調達を実施したことを発表しました。
Peds3は、小児医療・母子保健領域における研究開発を行っています。
具体的には、日本における子どもの精神的健康(幸福度)が低い一方で、専門機関・医師・専門職の不足、地域間の医療資源へのアクセス格差などの問題を抱えている現状を受け、子どもの心理社会的健康も包括的に支援する「バイオサイコソーシャル(身体的・心理的・社会的)なケア」を届けるため、デジタル技術を活用したサービスやプロダクトの開発を行っています。
第1段階として、治療用アプリであるDTx(デジタルセラピューティクス)の開発に取り組んでいます。
このDTxでは、ディスレクシアなどのLD(学習障害)や、ADHD(注意欠如多動障害)、ASD(自閉症スペクトラム症)などの発達障害、OD(起立性調節障害)、心身症、不安障害などの精神疾患、アトピー性皮膚炎などの慢性疾患に対する日々のバイオサイコソーシャルなケアを探索しています。
また、専門医療機関での標準治療を非専門医療機関向けにデジタルイネーブルメントするクラウドサービス事業も探索しています。
今回の資金は、研究開発や人材採用に充当します。
2020年に、子どものアドボカシーを研究するユニセフの研究機関は、OECDとヨーロッパを含む経済的に豊かな38か国の子どもの身体的・心理的・社会的健康状態に関する順位付けを発表しました。
日本の順位は身体的健康においては1位でしたが、心理的健康においては37位、社会的健康においては27位であり、総合は20位と評価されています。
つまり子どもの心理面における健康は良い状態にあるとはいえないということです。
また、文科省の資料によれば、特別支援学級に在籍する発達障害・情緒障害児に関しては、2008年度から急増しており、現場の対応にも逼迫が生じていることがうかがえます。
こうした背景のもと、Peds3は、子どもの健康を包括的に支援するため、デジタル技術を活用し、エビデンスにもとづいたバイオサイコソーシャルなケアを社会に実装することを目指しています。
DTx(デジタルセラピューティクス)は、モバイルアプリケーションなどを通じ、ユーザー(患者)に継続的に介入し、行動変容によって治療を行ったり、治療効果を向上させたり、患者の情報の取得・把握により医師の負担軽減を図ったりするものです。
すでに、うつ病、耳鳴り、パニック障害、アルコール依存症などの治療用アプリが承認され、実際の治療で活用されています。
DTxは、質の高い治療をより多くの人に届けることを可能にするため、現状リソースが足りていない子どもの健康に関する領域では、高いニーズがあるでしょう。
研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要になってきます。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。
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