訪日外国人を増やす集客方法とは?5つの集客方法と補助金を活用しよう!
訪日外国人向けの集客方法を導入して売上げにつなげよう
日本に来る外国人観光客は多く、それだけで大きな市場となります。いわゆるインバウンド集客、外国人観光客向けの集客は今度も重要性が高まると考えられます。
しかし、観光業や訪日外国人向けのビジネスを展開している企業であっても、インバウンド集客に力を入れていないケースが少なくありません。
ここでは訪日外国人向けの集客方法を紹介します。すぐにできる集客方法も多いので手近なものから試してみてください。
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この記事の目次
訪日外国人の集客が重要になる理由
インバウンド集客は、旅行や観光業に限らず、さまざまな業種にかかわります。中には、今まで訪日外国人向けの集客を特別にしてこなかった企業も多くあるでしょう。
ここでは、なぜ訪日外国人向けの集客が重要になるのか理由を紹介します。
訪日外国人の受け入れに積極的だから
訪日外国人の受け入れは、日本政府による国策です。
日本では「2030年までに訪日外国人観光客数を6,000万人に増やす」ことを目標に掲げ、観光先進国として日本の魅力を伝え、国際競争力を高めるための施策をおこなっています。
その一環として、訪日外国人観光客の受入環境の整備に関しての事業補助金を実施するなど、観光業や観光地で事業を行う事業者のサポートも拡充されました。
訪日外国人を積極的に受け入れる策は、多くの事業者にとってビジネスチャンスです。
今まで訪日観光客向けの事業を展開していなかったとしても、新しいビジネスチャンスと捉えてみてください。
今後増えていくと予想される訪日外国人を取り入れて、事業を成長させましょう。
地域活性化や伝統文化の保護につながるから
訪日外国人が、日本に求めるものとして、日本独自の文化や伝統があります。訪日外国人の楽しみ方も多様化していて、日本各地に伝統文化に興味を持つ人も増えています。
東京や大阪といった大都市のみならず、地方にも多くの外国人観光客が訪れるようになりました。
伝統文化や地方の文化遺産を知ってもらうことは、その地域の活性化につながります。訪日外国人による消費で経済効果が高まりによって、伝統文化を保護できる点も外国人の集客が重要とされる理由です。
経済効果が高いから
訪日外国人によるインバウンドは、高い経済効果が期待されています。
日本でしかできない体験や他で手に入らないものにたいして積極的に消費活動が実施されれば、その地域も経済的に潤います。
日本は、少子高齢化によって人口減少、消費の減少が避けられません。とくに若い世代が減り、これから国内での消費額を増やすのは困難です。
消費が減少する現状を打開するためにインバウンドは重要な役割を果たします。
経済が成長するとともに、企業や自治体がPRをおこなうことで、新しい雇用が創出され経済成長につながると期待されています。
訪日外国人向けの集客方法【5選】
今まで一般的な集客はしてきても、訪日外国人に対して特別な施策をしたことはないという人も多いでしょう。
しかし、訪日外国人向けにアプローチするには、そのための集客が欠かせません。ここでは、訪日外国人向けの集客方法を5つ厳選して紹介します。
外国人観光客向けポータルサイトに掲載する
訪日外国人向けの集客として、まず考えてほしいのが、どうやって自社のホームページや商品、サービスにたどり着いてもらうかです。
国内の集客と違って、チラシや看板、インターネット広告で知ってもらうことは困難です。
そこで役に立つのが外国人観光客に向けたポータルサイトです。
外国人に向けた観光情報のポータルサイトやアプリに情報を提供したり広告を掲載したりすることで訪日外国人からの認知度を高められます。
多くの種類がありますが、オンライン予約旅行サイトでは、Expedia、Agoda、Hoptels.comなどが有名です。
また、口コミや価格比較を掲載しているTripAdvisorやレストラン評価で知られるMichelinTravel–Japan Travel Guideも影響力があります。
ポータルサイトによってサイトに訪れる人の属性や扱う情報が違います。自社の事業に適した媒体を選んで掲載してください。
登録自体は無料のポータルサイトもありますが、手数料がかかるサイトもあるので手数料やプランをよく確認してから利用しましょう。
SNSアカウントの活用
費用をかけずに情報を世界に発信するのであれば、SNSアカウントを活用してください。
SNSであれば不特定多数のユーザ‐に商品やサービスの魅力を発信でき、国内外関係なく集客できます。
SNSにはそれぞれ特徴があるので、商品の魅力をターゲットに届けやすいSNSを選ぶようにおすすめします。
X(旧Twitter)は文字情報が中心で拡散性が高い点がメリットですが、InstagramやTikTokは、ビジュアルで情報を伝えやすく若年層が多い傾向があります。
また、実名で利用するFacebookは、信頼性が高く顧客とのコミュニケーションが取りやすい点が特徴です。
例えば、お店のリアルタイム情報を発信するのであれば簡潔に投稿できるX(旧Twitter)が適していますが、イベントや商品のプロモーションであればFacebookが向いているかもしれません。
やりたいことに合ったSNSを選択してください。
Googleマップを活用する
Googleマップを活用したMEOも、外国人を集客するためにやっておきたい施策です。
MEOはマップ検索エンジン最適化(Map Engine Optimization)を指す言葉で、マップを検索したときに、検索結果として上位表示させるための施策を言います。
多くの外国人観光客は、観光先でお店を探すためにGoogleマップを利用しています。
訪日外国人が知りたい情報である営業時間、料金、アクセス方法、施設の特長といった項目は必ず登録してください。
さらにGoogleマップにはレビュー機能もあります。他の訪日観光客の口コミや体験談はこれから観光する人にとって有用な情報です。
店舗、企業の情報はGoogleマイビジネスとして管理され内容によって上位表示されます。上位に表示されるために、情報は常に最新にしておきましょう。
口コミサイトへの掲載
訪日外国人は、インターネットを通じて旅行先の情報を集めるため、口コミサイトは重要な情報源となります。
実際に利用した人の生の声は、広告よりも説得力があり信頼されやすい情報です。
旅行メディアや口コミサイトに掲載するとともに、良い口コミを書き込んでもらうための工夫も効果的です。
会計時に声掛けしたり、口コミを投稿した人に向けたキャンペーンといった施策がおこなわれています。
自社のWebサイトを活用する
自社のWebサイトを運用しておくことで、検索エンジンから集客することができます。
SNSだけでは伝えきれない情報もあるので、魅力を発信できるように作成し、多言語対応しましょう。
また、SNSから自社のWebサイトに誘導できるようにリンクを忘れないようにします。
自社のWebサイトでは、視覚的に訴求できるように写真や画像、動画をうまく配置してください。
また、企業名や料金、アクセスといった情報をわかりやすく掲載します。
主要駅からのアクセスのように初めて日本に訪れる人をスムーズに誘導できるような書き方が求められます。
店舗でできる訪日外国人向けの対応
訪日外国人向けの集客を導入しても、店舗で対応できていなければ売り上げにつなげられません。
店舗でできる訪日外国人向けの対応をまとめました。すぐにできることも多いので、早めに対応してください。
多言語対応のメニューを作成する
私たちが見慣れた看板やメニューも訪日外国人には見慣れません。料金プランがわかりにくい、食材や調理法の専門用語がわからないといったケースは頻繁に発生します。
訪日外国人対応として多言語対応で外国人にもわかりやすいメニューを作成してください。
訪日外国人には、特定の食材を避けたいというニーズもあります。そんなときにも外国人向けのメニューがあることで安心して利用できるはずです。
また、多言語対応のメニューを店舗の中で利用するだけでなく、入店前にわかるように多言語対応の看板や黒板を設置して置くようにしましょう。
無料Wi-Fiを設置する
多くの外国人観光客が、スマホやタブレットで情報収集しながら観光を楽しみます。
次に行く場所へのアクセスや近隣のグルメを調べるため、外国人観光客は無料Wi-Fiを探すことが多い点に留意しましょう。
無料Wi-Fiスポットを用意しておくことで、訪日外国人に選ばれやすくなります。
一方で、Wi-Fiが日本より普及している国もあり無料Wi-Fiがないことによって不便な印象を与えてしまうリスクがあります。
無料Wi-Fiがあるだけでプラスの評価や口コミが寄せられることも多いので、早めに設置しておくようにおすすめします。
Wi-Fiは設置するとともに、その案内をわかりやすく掲示するようにしましょう。
キャッシュレス決済を導入する
訪日外国人は、両替など手間がかかる現金よりもクレジットカードやQR決済を好む傾向があります。
訪日外国人にとって、日本のお金は見慣れず使いにくいことが多いため、キャッシュレス決済を導入していないと敬遠されてしまうかもしれません。
キャッシュレス決済に対応するとともに、店先に明示しておくことで、お店を選んでいる訪日外国人へのアピールになります。
決済ブランドによってはそのブランドのステッカーをもらえるので、見える位置に掲示しておきましょう。
ただし、キャッシュレス決済は手数料がかかります。
手数料が高くて利益が少なくなってしまうこともあるので、導入することによるコストもシミュレーションしてから導入するようにしてください。
外国語を話せるスタッフを採用する
外国語を話せるスタッフがいることによって、訪日外国人がコミュニケーションを取りやすくなりより安心して利用できるようになります。
特に宿泊業では、ホスピタリティの一環として外国語スタッフが在籍していることが強みです。
外国語を話せるスタッフの採用が難しい場合でも、基本の接客英語はマニュアル化しておくとスタッフ対応がしやすくなるでしょう。
接客の基本フレーズや顧客への説明英語をまとめたマニュアルを用意しておけば、英語が苦手なスタッフでも安心して対応できます。
補助金の活用も検討しよう
成長産業である訪日外国人向けのビジネスは、国も力を入れています。
しかし、外国人対応には、導入費や設備費といった費用が発生しているため、導入が困難なケースも少なくありません。
国や地方自治体では、インバウンド市場の成長を見込んで訪日外国人対応を実施した事業者向けの補助金も提供されています。どういった補助金があるのか、紹介します。
各都道府県のインバウンド事業補助金
各地方自治体では、外国人観光客受け入れやインバウンド需要向けの事業に対して補助金を実施しています。
例えば、長野県では宿泊施設向けに宿泊施設環境整備事業補助金、倉敷市では外国語表記をした商品メニュー・パンフレットの作成を行う場合に支給する倉敷市外国人観光客おもてなし促進事業補助金が実施されています。
地方自治体ごとに、提供されている補助金や対象となる事業、申請スケジュールが違うので、まずは自治体のホームページでどういった補助金があるのか調べてみてください。
【東京都】インバウンド対応力強化支援補助金
インバウンド対応力強化支援補助金は、都内の宿泊施設や飲食店、免税店、体験型コンテンツ提供施設などが、訪日外国人のニーズに対応した利便性や快適性を向上させるための新しい対応強化の取組みを支援する補助金です。
多言語対応や公衆無線LANの設置、外国人用グルメサイトへの掲載に要する費用など幅広い事業が補助対象となります。
補助額は補助対象系の2分の1以内。事業ごとに上限があるので、事前に確認しておきましょう。
その他にも色々と補助金・助成金がありますので、詳しくは以下の記事もあわせてお読みください。
まとめ・様々な方法を活用して訪日外国人を集客しよう
一時的に落ち込んだ訪日外国人数は、近年になって増加傾向にあります。
それに対応するために宿泊業界や飲食店、小売店などで訪日外国人を集客する競争も激しくなってきました。
訪日外国人向けの集客は、国内の顧客に対する集客とはまったく別物と考えて新しい施策を用意してください。
いろいろなアプローチがあるので、自社の環境や事業内容に合う物を選びましょう。
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(編集:創業手帳編集部)