理美容室の創業融資(公庫)に絶対に必要な3つのハードル

資金調達手帳

自己資金・経験・信用をUPすることが創業融資獲得の必須条件

(2015/08/09更新)

美容師や理容師として働いてきた方なら、やはり自身で開業し、自分の店を持ちたいと思うものではないでしょうか。特に公庫の「創業融資」を利用しての開業をお考えの方なら、理美容室の開業にはハードルとも呼べる絶対に知っておいてもらいたいポイントがあります。今回は3つのハードルについて対応策をご紹介します。

1.自己資金

理美容室の開業には何と言っても自己資金の金額がどれだけあるかがとても重要です。

ここでいう自己資金とは開業に向けてご自身で貯金されたお金と、ご親族などから支援していただいたお金の合計額を言います。どこの地域に理美容室を開業するかによって異なりますが、理美容室を開業するには小規模(セット面2席、シャンプー1席)で一般的なお店でも1,000万円は必要です

この場合、自己資金が1,000万円あれば銀行から借りる必要はありませんが、多くの方は数百万円の自己資金になると思います。そうなると、残りのお金については、銀行(理美容室開業でお勧めなのはスピード感のある公庫です)に借りる必要が出てきます。その場合、どれだけ自己資金を貯めてきたかがとても重要となります。

銀行が創業融資を行うかどうかを判断する材料の一つとしてこの自己資金はとても重要です。

重要だという理由は2点あり、自己資金が少ないと借入が多くなります。当然、借入が多くなると毎月の返済金額が大きくなることから、理美容室の経営を圧迫すると考えるためです。特に開業してしばらくは、売り上げが少ないことが多いので、毎月の返済金額が多いとても負担となってしまいます。

もう一つの理由としては、どれだけ本気で開業をする気があるか。別の言い方をすると、思いつきの開業ではなく、しっかりと準備してきた開業なのかを判断する一つの指標となるためです。

本気で開業しようと思った時から、開業するために何が必要なのかを調べ、やはりお金が必要という事はどなたでも分かることだと思います。この事実を知った上でどれだけ自己資金を貯めてきたかを独立の本気度として見ています。

これから理美容室を開業したいと考えていらっしゃる理美容師の方は出来る限り自己資金を貯金することをお勧めします。

2.経験年数・経験内容

自己資金と並んで大切なのは、経験年数・経験内容です。

美理容師として経験を積んできた年数がとても重要となります。ただ、当然長ければ長いほど良いというわけでは無く、業界経験の中でどのようなことを経験してきたかも大切です。

なぜかと言うと、開業して理美容室の経営者になるという事は、理美容師としての技術や接客は当然の事、経営者としての能力や管理者としての能力が必要となってきます。正直、経営者になってみないと経営者の視点を養うのは難しいとは思いますが、勤務時代であっても、それに類似した経験をすることは可能だと思います。

例えば店長としての各種マネージメント業務を行ってきたという事や、売上目標やお金の管理等を経験することは可能だと思います。

銀行としてもここの経験はとても重要視します。しっかりと理美容室を経営できるのか。言い方を変えると、貸したお金をしっかり返してくれるのかを見ています。

創業計画には売上計画が含まれていますが、その売上げを本当に上げることが出来るかどうかはこの経験が左右すると考えています。開業してみないとうまくいくかどうかは分かりませんが、開業してうまくいくかどうかの判断基準の一つになることはご理解いただけると思います。

出来れば店長レベルかそれと同等の管理ポストを経験しておくことをお勧めします。

3.個人信用情報

最後に絶対に必要となるのが、個人信用情報がきれいであることです。

具体的には過去5年以内に破産などの債務整理を行っていないことと、過去2年以内に消費者金融等から借入をしていない事。また、水道光熱費などの公共料金をしっかりと遅れが無く毎月支払っているかという事を確認されます。

銀行もリスクを考えた上でお金を貸しますが、仮に上記の様な場合には、お金を貸す側の気持ちを考えてみればどう感じるかは分かると思います。

特に債務整理や消費者金融などの個人信用情報は注意してください。ここは調べれば分かってしまいます。もし過去にこのようなことがある場合には、時間が経つことを待ちながら、上記1と2を今よりももっと良い状態にすることに力を注ぐことをお勧めします。

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(監修:「理・美容室の創業融資・開業支援に強い税理士事務所」
ライズサポート税理士事務所
武渕将弘 税理士
(編集:創業手帳編集部)

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